Chatworkでワークフローを効率化!申請・承認業務を自動化する方法

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Chatworkでワークフローを効率化!申請・承認業務を自動化する方法

目次

「稟議書の承認印をもらうために、上司を探し回っている...」

「経費精算の書類提出が、月末の大きな負担になっている...」

このような、紙やメールベースの申請・承認業務(ワークフロー)の非効率さに、多くの企業が課題を感じています。

実は、普段コミュニケーションで使っている「Chatwork」を活用することで、これらのワークフローを大幅に効率化できる可能性があります。

この記事では、Chatworkを使って日々の申請・承認業務をどのように改善できるのか、具体的な方法から運用ポイントまで詳しく解説していきます。

なぜ今、ワークフローの見直しが必要なのか?従来の課題点

働き方が多様化し、ビジネスのスピードが求められる現代において、従来のワークフローが抱える課題はますます顕著になっています。

まず、自社の現状と照らし合わせながら、これらの課題点を確認してみましょう。

・時間がかかる:申請書を作成し、印刷し、承認者の席まで持って行き、不在であればまた後で...と、一つの承認を得るまでに多くの時間がかかります。

・進捗が不透明:申請した書類が今、誰のところで止まっているのか分からず、承認プロセスがブラックボックス化しがちです。

・ペーパーレス化の阻害:申請・承認のために紙を印刷することが前提となるため、ペーパーレス化が進みません。書類の保管や管理にもコストがかかります。

・場所の制約:承認者がオフィスにいなければ承認が進まないため、出張やテレワークに対応しづらく、業務全体のボトルネックになります。

・紛失・改ざんのリスク:物理的な書類は、紛失や破損、意図しない改ざんのリスクも伴います。

これらの課題は、従業員の生産性を低下させ、組織全体のスピード感を損なう大きな原因となっています。

Chatworkでワークフローを構築する2つのアプローチ

Chatworkを活用してこれらの課題を解決するには、大きく分けて2つのアプローチが考えられます。

自社の状況や、対象としたいワークフローの複雑さに応じて、最適な方法を選択しましょう。

アプローチ1:Chatworkの標準機能で「簡易ワークフロー」を構築する

特別なシステムを追加導入することなく、Chatworkに搭載されている基本的な機能(グループチャット、TO機能、タスク管理、リアクションなど)を組み合わせることで、手軽にワークフローを構築する方法です。

中小企業や、まずはスモールスタートでペーパーレス化を試みたい場合に最適です。

アプローチ2:外部のワークフローシステムと連携して本格的な運用を実現する

より複雑な承認ルートや、厳格な証跡管理、内部統制が求められる場合には、専用のワークフローシステムとChatworkを連携させる方法が有効です。

Chatworkはあくまで通知やコミュニケーションのハブとして機能し、実際の申請・承認プロセスは専用システム上で行います。

これにより、両方のツールの良いところを活かした、高度なワークフローが実現できます。

【実践編】Chatworkの標準機能で「簡易ワークフロー」を構築する方法

ここでは、追加コストなしですぐに始められる「簡易ワークフロー」の具体的な構築方法を、代表的な申請業務を例に挙げて解説します。

基本の仕組み:グループチャット + TO機能 + リアクション/コメント

Chatworkでの簡易ワークフローは、主に以下の要素を組み合わせて成り立ちます。

・申請用のグループチャット:申請の種類ごとに専用のチャットを作成し、関係者(申請者、承認者、経理担当など)が参加します。

・申請テンプレート:申請内容を記載するフォーマットを「概要欄」や「ノート機能」に用意しておきます。

・TO機能:申請者が承認者(複数可)をTOに指定して、申請メッセージを投稿します。

・リアクション/コメント:承認者は内容を確認し、問題がなければ「承認」のリアクション(例:チェックマークの絵文字)、差し戻しや質問があればコメントでフィードバックします。

活用例1:稟議・購入申請ワークフロー

物品の購入やサービスの契約などに関する稟議・申請のワークフローです。

1.申請用グループチャットの作成

チャット名:「【申請】購入稟議」「営業部 物品購入申請」など。

参加者:申請する可能性のある従業員、一次承認者(部長など)、最終承認者(役員など)、経理担当者。

2.申請フォーマット(テンプレート)の作り方

グループチャットの概要欄に、以下の様なテンプレートを記載しておきます。

【購入稟議申請】

・申請日:YYYY/MM/DD

・申請者:

・購入品名:

・数量:

・単価/合計金額:

・購入目的/理由:

・備考(参考URLなど):

3.申請と承認の流れ

申請者はテンプレートをコピーして内容を記入し、一次承認者をTOに指定して投稿します。

一次承認者は内容を確認し、問題なければ「承認」のリアクションを付け、さらに最終承認者をTOに指定して「承認しました。最終承認をお願いします」とコメントします。

最終承認者も同様に確認し、承認のリアクションを付けます。

すべてのやり取りが記録として残るため、進捗も透明化されます。

活用例2:経費精算・仮払申請ワークフロー

出張費や交際費などの経費精算、仮払いの申請ワークフローです。

1.申請用グループチャットの作成

チャット名:「【経費精算】2025年度」「経費・仮払い申請」など。

参加者:全従業員、承認者(上長)、経理担当者。

2.領収書を写真で撮ってファイル共有

スマートフォンで撮影した領収書の写真を、Chatworkのファイル共有機能で簡単にアップロードできます。

申請メッセージと領収書画像を同時に投稿することで、紐付けが明確になります。

3.申請と承認の流れ

稟議申請と同様に、テンプレートを用いて申請内容を投稿し、承認者をTOに指定します。

経理担当者は、承認された申請と領収書画像を確認し、支払い処理を進めます。

処理が完了したら、「支払処理完了しました」とコメントすることで、申請者も状況を把握できます。

活用例3:休暇・勤怠関連の申請ワークフロー

有給休暇や欠勤、遅刻・早退などの勤怠関連の申請です。

1.勤怠連絡チャネルでの申請

部署ごとなどに「勤怠連絡」専用のグループチャットを作成します。

2.申請と確認の流れ

「本日、体調不良のためお休みをいただきます」「来週〇日、有給休暇を取得します」といったメッセージを、上長をTOに指定して投稿します。

上長は内容を確認後、「承知しました」などのリアクションやコメントを返すことで、承認の意思表示をします。

これにより、電話連絡の手間が省け、チームメンバーも誰が休んでいるのかを把握しやすくなります。

メリットと限界

Chatworkの標準機能を使った簡易ワークフローは、追加コストなしですぐに始められ、ペーパーレス化と業務効率化を気軽に体験できるのが最大のメリットです。

一方で、承認ルートが複雑に分岐する場合や、申請内容に応じた入力フォームの制御、厳格な証跡管理(ログのエクスポートなど)が求められる場合には機能的な限界もあります。

そのような場合は、次の応用編を検討しましょう。

【応用編】外部ワークフローシステムとの連携で本格運用

より本格的で、内部統制にも対応したワークフローを構築したい場合は、専用のワークフローシステムとChatworkを連携させるのが効果的です。

連携のメリット

・複雑な承認フロー対応:条件分岐や代理承認、並列承認など、企業の規定に合わせた複雑な承認ルートをシステムで制御できます。

・証跡管理の強化:誰が、いつ、何を承認したかというログがシステム上に厳密に記録され、監査対応にも利用できます。

・内部統制の担保:申請金額に応じた承認ルートの自動変更など、内部統制上のルールをシステムで徹底できます。

どのように連携するのか

多くのワークフローシステムでは、Chatworkとの連携機能を提供しています。

一般的な連携方法は以下の通りです。

・Chatworkへの通知:ワークフローシステム上で「あなたへの承認依頼が届きました」「申請が承認されました」といったイベントが発生した際に、その通知が個人のChatworkに届きます。

・Chatworkからの申請:Chatwork上で特定のコマンドを打つことで、ワークフローシステムの申請画面を呼び出し、申請を行うといった連携も可能です。

これにより、承認漏れや確認遅れを防ぎ、普段使い慣れたChatworkを入り口として、スムーズにワークフローを回すことができます。

Chatworkでワークフローを運用する共通のメリット

簡易ワークフローでも、外部システムとの連携でも、Chatworkをワークフローのプラットフォームとして活用することには、共通の大きなメリットがあります。

申請・承認のスピードアップ

承認者は、通知が来たらすぐに内容を確認し、場所を選ばずにスマートフォンなどから承認作業を行えます。

これにより、承認待ちの時間が大幅に短縮され、ビジネスのスピードが向上します。

進捗状況の可視化

申請が今、誰のところで止まっているのかがチャットのやり取りやシステムのステータスで明確になります。

進捗が可視化されることで、遅延のボトルネックを発見しやすくなります。

ペーパーレス化の促進

申請から承認までのプロセスがデジタルで完結するため、紙の印刷や保管が不要になります。

コスト削減と環境負荷の低減に貢献し、オフィスの省スペース化にも繋がります。

場所を選ばない申請・承認業務

テレワーク中の従業員や、出張中の承認者も、インターネット環境さえあればどこからでも申請・承認業務が可能です。

多様な働き方に柔軟に対応できます。

コミュニケーションとのシームレスな連携

申請内容について不明な点があれば、その場ですぐにチャットで質問したり、ビデオ通話で確認したりできます。

申請業務とコミュニケーションが分断されず、シームレスに連携することで、手戻りや誤解を防ぎます。

ワークフロー運用を成功させるためのポイント

Chatworkでワークフロー運用を成功させるためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

対象業務と承認ルートを明確にする

まずは、どの業務をワークフロー化するのか、対象を絞り込みます。

そして、その業務の承認ルート(誰が、どの順番で承認するのか)を明確に定義することが重要です。

全員が分かるように運用ルールを策定・周知する

申請テンプレートの使い方、承認時のリアクションやコメントの方法など、具体的な運用ルールを策定し、マニュアル化して全関係者に周知徹底します。

全員が同じルールで運用することが、混乱を防ぐ鍵です。

小さな範囲からスモールスタートする

いきなり全社のすべてのワークフローを対象にするのではなく、まずは特定の部署や、比較的シンプルな申請業務から試験的に導入し、効果や課題を検証しながら徐々に範囲を広げていくのが成功の秘訣です。

まとめ:Chatworkで、面倒な「ハンコ待ち」から解放されよう

稟議書の承認印をもらうために上司を探し回ったり、月末に大量の経費精算書類と格闘したり...。

こうした、従来の非効率なワークフローは、Chatworkを活用することで大きく変革できる可能性があります。

本記事でご紹介したように、Chatworkの標準機能を組み合わせるだけでも、多くの申請・承認業務をペーパーレス化し、スピードアップさせることが可能です。

これは、DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革の、具体的で実践しやすい第一歩と言えるでしょう。

Chatworkがワークフローのプラットフォームとして優れているのは、単に申請・承認ができるだけでなく、そのプロセスが日常のコミュニケーションとシームレスに連携している点です。

不明点があればすぐにチャットで確認でき、承認の背景にある議論も記録として残ります。

この「コミュニケーションとの連携」が、手戻りをなくし、承認プロセスの質そのものを向上させるのです。

特に、多くの中小企業にとって、追加コストなしで始められるChatworkでの「簡易ワークフロー」は、業務改善の大きなチャンスです。

もし、あなたの会社が紙やメールベースのワークフローに課題を感じているなら、まずは一つの申請業務からでも、Chatworkでの運用を試してみてはいかがでしょうか。

Chatworkは無料プランからでも、タスク管理やファイル共有といったワークフロー構築に必要な基本機能を利用できます。

面倒な「ハンコ待ち」や書類の山から解放され、より創造的で付加価値の高い業務に時間を使うために、Chatworkの活用をぜひご検討ください。

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。


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Chatworkでのワークフローに関するQ&A

Chatworkに、専用のワークフロー機能はありますか?

Chatworkには、「ワークフロー」という名前の独立した専用機能はありません。

しかし、本記事で紹介したように、グループチャット、TO機能、タスク管理、リアクション機能などを組み合わせることで、多くの申請・承認業務を効率化する「簡易ワークフロー」を構築することが可能です。

複雑な承認ルート(条件分岐など)に対応できますか?

Chatworkの標準機能だけでは、申請金額によって承認者が変わる、といった複雑な条件分岐の自動化には対応していません。

そのような高度な要件がある場合は、専用のワークフローシステムとChatworkを連携させて利用することをお勧めします。

Chatworkは、その際の「通知」や「コミュニケーション」のハブとして機能します。

申請・承認の履歴(証跡)は残りますか?

はい、残ります。

Chatwork上での申請メッセージ、承認者のコメントやリアクション、日時はすべてログとして記録されます。

誰がいつ承認したかの証跡として活用できます。

ただし、より厳格な監査対応などでログのエクスポートが必要な場合は、エンタープライズプランや、外部のワークフローシステムとの連携を検討する必要があります。

申請書に捺印は必要ですか?

Chatwork上でワークフローを完結させる場合、物理的な捺印は不要になります。

承認者がリアクションやコメントで承認の意思を示すことが、電子的な承認の代わりとなります。

ただし、法的に捺印が求められる書類や、社内規定で捺印が必須とされている場合は、その規定自体の見直しも併せて検討する必要があります。

ワークフローのテンプレートはどこに保存するのが良いですか?

申請用グループチャットの「概要」欄に記載しておくのが、メンバーがいつでも確認・コピーできて最も便利です。

複数のテンプレートがある場合や、説明が長くなる場合は、Chatworkの「ノート機能」にまとめて保存し、そのノートへのリンクを概要欄に貼っておくのも、情報が整理されてお勧めです。

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