隠れ残業とは?残業削減やテレワーク導入で考えておきたい隠れ残業の問題

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働き方改革
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隠れ残業とは?残業削減やテレワーク導入で考えておきたい隠れ残業の問題

目次

2017年の流行語大賞に「働き方改革」、2018年に「時短ハラスメント(ジタハラ)」がノミネートされたりと、近年、「働き方を改善しよう」「働く環境を良くしよう」という流れが強くなっています。

特に、政府の「働き方改革関連法」の波もあり、ひとり当たりの平均労働時間は徐々に減少してきています。[※1]

それにも関わらず、残業が減っているかどうかと聞かれると素直に首を縦に振ることができません。

このたび、ビジネスチャットツール「Chatwork」のユーザーを主な対象として残業について調査を実施しましたので、結果を報告します。[※2]

残業時間に取り組む会社・チームは82.8%

Chatworkの調査によると、アンケートに回答した企業のうち、会社やチームが残業削減に取り組んでいるところはなんと「82.8%」にもおよびました。

その理由としては「生産性向上のため」に次いで「従業員の健康のため」、「法令遵守のため」と続き、働き方改革法案への対応と業務の効率化に意識が向いていることがわかります。

本当に残業時間は減っている?

では、アンケートに回答した本人の残業は減っているのでしょうか。

その質問をしたところ、なんと半数以上が残業時間は「増加傾向」という回答結果でした。

会社やチームとして残業削減に取り組んでいるにも関わらず、従業員の残業は減っていない。

そんな不思議な現象が起きていることがわかりました。

隠れ残業が生まれ残業が減っていない

そこで、さらに調査を深めていくと、残業削減に取り組んでいる会社であっても、会社から残業として認められていない「隠れ残業」が横行していることがわかりました。

つまり、「一見すると残業時間削減に成功している企業でも、強制的な退社を促すに留まり、肝心な業務の効率化に取り組めていない可能性がある」ということです。

強制的に残業時間を減らしてたりしても、「隠れ残業」が増えるだけで本質的な部分は変わらないという恐ろしい結果です。

残業時間の削減ということが掲げられていることで、通常の残業はできなくなっている傾向が強いですが、隠れ残業が生まれてしまっては、残業時間は減っているように見えても、残業自体は減っていないということです。

残業を減らすには、表面的な対策ではなく、根本的な業務全体の無駄を削除する必要があります。

隠れ残業が生まれる原因

隠れ残業が生まれてしまう背景には、残業時間削減が求めらえている中で、文字通り残業時間だけを削減していることでしょう。

なぜ残業時間削減に取り組むことで、隠れ残業が生まれてしまうのか理由を考える必要があります。

残業が規制されただけで業務量が減っていない

残業時間削減が目標とされ、強制的に残業ができないようにする取り組みは残業の抑制になる場合もありますが、隠れ残業を生み出す原因にもなります。

残業をしなければ仕事が終わらない状態であるのに、残業ができないことでオフィス外や自宅に仕事を持ち帰り、隠れ残業をしてしまうことにつながっている場合もあるでしょう。

また、隠れ残業は社員がおこなっている場合もありますが、会社や職場が隠れ残業やサービス残業が当たり前のような雰囲気であったり、定時にタイムカードを押させたうえで、業務を続けさせるような組織的な隠れ残業のケースもあり大きな問題といえるでしょう。

残業を評価する風潮がある

隠れ残業が生まれやすいのは、残業削減を掲げつつも残業を評価している傾向が強い会社や上司がいることも原因と考えられます。

残業していることを頑張っていると評価してしまうのは、生産性や業務効率を考えていないということにもつながります。

また、残業が発生している原因が人手不足や業務量の問題ではなく、社員のやる気があるからなどと考えてしまっている場合もあるでしょう。

逆に言えば、残業が発生していないと頑張っていない状態である、しっかり仕事をしていない、という風に考えてしまい、残業しないといけない雰囲気や文化になってしまっているのかもしれません。

業務効率化や生産性向上の取り組みをしていない

残業削減の取り組みがただ残業時間の抑制だけでは、隠れ残業が発生してしまうのは当然でしょう。

これまで残業で賄っていた部分が強制的にできなくなるようにするだけでは、業務は適切に回りません。

残業を削減するには、これまでの業務を勤務時間内に終わらせる工夫や対策が必要です。

人員を増加させるのか、無駄をなくすのか、委託するのか、ツールを導入するのか、解決策はいろいろ考えられますが、業務効率化や生産性向上を考えて適切な取り組みをおこなわなければ、数字上の残業時間は削減できたとしても、隠れ残業を生むだけになります。

隠れ残業はテレワークや在宅勤務でも発生しやすい

隠れ残業は不適切な残業削減の取り組みだけで生まれるのではなく、テレワークや在宅勤務の拡大によって生まれる場合もあります。

テレワークや在宅勤務は多様な働き方の実現や企業や社員に対して新たな価値観や可能性を生み出すメリットの多い働きい方ではありますが、テレワークや在宅勤務の場合は、適切に運用をおこなわなければ、隠れ残業が生まれやすい部分があります。

テレワークや在宅勤務では、姿が見えない分サボるのではないかという疑念を持つ方が多いですが、勤務時間外や休日にも業務をおこないやすい状態でもあり、隠れ残業や労働時間が長くなる場合もあり注意が必要です。

適切にテレワークや在宅勤務をおこなうには、勤務時間内で完結できるような運用やルール作り、残業をしないことで不安にならないような雰囲気や適切な時間で業務が終えられるような業務効率化や生産性向上に向けた取り組みが求められます。

隠れ残業の抑制や残業削減には「ITツール」の導入が鍵

調査の中で、企業として残業削減も成功し、隠れ残業もない企業の理由で多かったのが「ITツールの導入」でした。

例えば、Chatworkのようなビジネスチャットを利用すると、社内のメールが激減したり、コミュニケーションをチャットでおこなえることで業務の効率化をすることができます。

Chatworkを導入した結果として1日の会議が半分になったという事例もあり、たとえば1日に4時間会議をしていた場合、2時間の短縮ができるということです。

本質的に残業をなくすためには、このようにChatworkのようなITツールを導入し業務効率化や生産性向上に向けた取り組みをおこなうこともひとつの方法といえるのではないでしょうか。

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Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。

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[※1]三菱UFJリサーチ&コンサルティング:2030 年までの労働力人口・労働投入量の予測:
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2018/03/report_180312.pdf

[※2]【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:Chatworkをご利用、もしくはChatworkにお問い合わせをしたことのあるユーザー
■有効回答数:954名
■調査期間:2019年10月7日~10月18日

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

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