コミュニケーション計画とは？作成のメリットや作成方法、具体例を解説

公開日：2025/06/12 更新日：2025/06/12

働き方改革

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プロジェクトを成功に導くためには、社内メンバーや取引先・クライアントとの適切なコミュニケーションが欠かせません。

コミュニケーションを円滑にし、情報共有をスムーズかつ確実にするには、コミュニケーション計画の作成がおすすめです。

この記事では、コミュニケーション計画が必要な理由・メリット・作成方法について解説します。

具体的なコミュニケーション計画の例も紹介するので、実際に作成する際の参考にしてください。

コミュニケーション計画とは

コミュニケーション計画とは、プロジェクト内のコミュニケーションをチームメンバーに共有するために作成される文書です。

具体的には、ステークホルダーとのコミュニケーション方法や、関係者それぞれに伝えるべき情報などがまとめられています。

ステークホルダーはプロジェクトに関わる利害関係者のことで、社内メンバーだけでなく取引先や顧客などの外部の関係者も含まれます。

コミュニケーション計画はプロジェクトの開始時にプロジェクトマネージャーが作成し、参加者全員に共有するのが一般的です。

コミュニケーション計画が必要な理由

コミュニケーション計画を作成する最大の目的は、コミュニケーション不足によるプロジェクトの失敗を防ぐことです。

コミュニケーションが不足すると重要な報告が漏れてしまい、現状や進捗を適切に把握できなかったり、トラブルに気づくのが遅くなったりする可能性があります。

また、プロジェクトの規模が大きくなるほど関係者も増えるため、コミュニケーションの方法が曖昧だとトラブルが起こりやすくなります。

このようなトラブルを防ぐには、コミュニケーション計画の作成が不可欠です。

コミュニケーション計画を作成することでコミュニケーションが円滑になり、プロジェクトの成功率を高められるでしょう。

テレワークコミュニケーション不足に陥りやすい原因に関する記事はこちら

コミュニケーション計画を作成するメリット

コミュニケーション計画を作成すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、コミュニケーション計画を作成するメリットについて解説します。

チーム内のコミュニケーションが活性化する
業務の効率化につながる
クライアントとの関係性を良好にできる

チーム内のコミュニケーションが活性化する

コミュニケーション計画を作成すると、チーム内のコミュニケーションを活性化できます。

コミュニケーション計画には、関係者の連絡先に加えて、どのようなタイミングで誰にどのような情報を共有すべきかが記載されています。

したがって、適切なタイミングで必要な情報が共有されるようになり、情報共有の漏れや重複・無駄を減らせるでしょう。

また、コミュニケーションが活性化するとチームの一体感が高まり、メンバーのプロジェクトへの参加意識やモチベーションの向上も期待できます。

その結果、プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体の管理をしやすくなるでしょう。

コミュニケーション効率化に関する記事はこちら

業務の効率化につながる

コミュニケーション計画を作成することで、業務の効率化も期待できます。

チームメンバーが必要な情報を適切なタイミングで把握できるため、情報共有における無駄な手間ややりとりを減らし、より重要な業務にリソースを割けます。

プロジェクトの各タスクに対して早めに準備を整えることも可能になり、チームメンバーの締め切りに対する意識も高められるでしょう。

また、プロジェクト全体のコミュニケーションタスクをメンバー全員が確認できるので、部署や部門を超えた協力体制も築けます。

さらに、プロジェクトマネージャーはメンバーに対して適切にタスクを割り振れるようになり、より効率的に業務を進められます。

業務効率化のアイディアに関する記事はこちら

クライアントとの関係性を良好にできる

コミュニケーション計画は、社内だけでなく社外のステークホルダーとのコミュニケーション方法についても定めています。

クライアントにどのようなタイミングでどのようなコミュニケーションを取るかを明確にできるため、適切な情報共有が可能となるでしょう。

クライアントに対して定期的にステータスを共有し、時にはフィードバックを求めることで、関係性を良好にできます。

また、コミュニケーション計画では、クライアントに伝える情報・伝えない情報についても定義が可能です。

したがって、情報の過剰提供や伝達漏れをなくし、必要な情報のみをクライアントに提供できるようになり、プロジェクトをスムーズに進められます。

コミュニケーション計画に含める内容

コミュニケーション計画に含めるべき内容は、プロジェクトマネジメントのノウハウや知識をまとめたガイドライン「PMBOK」を参考にするのがおすすめです。

PMBOK「10の知識エリア」における「プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント」では、コミュニケーション計画に含める内容として以下のようなものが挙げられています。

ステークホルダーのニーズ（誰がどのような情報を求めているか）
伝達すべき情報（種類・書式・内容・詳細度など）
その情報を伝達する理由
コミュニケーションを実行する責任者
コミュニケーションをとる頻度・時間帯
コミュニケーションの手段や技術（メール・プレスリリースなど）
エスカレーションプロセス（メンバーが解決・判断できない場合に、どのように上に指示を仰ぐか）
コミュニケーション活動に割くリソース
コミュニケーション計画の更新・改善方法
共通用語集
制約条件
情報の流れ

コミュニケーション計画の作り方

コミュニケーション計画はどのように作成すればよいのでしょうか。ここでは、コミュニケーション計画の作り方について解説します。

目的を設定する
ステークホルダーを特定する
コミュニケーションの手段を決める
コミュニケーションの頻度を決める

1. 目的を設定する

まず、コミュニケーション計画を作成する目的を設定しましょう。

目的が曖昧だとコミュニケーション計画を作成すること自体がゴールになってしまい、せっかく作成しても実際のプロジェクトでは使えないものになってしまう恐れがあります。

コミュニケーションはプロジェクトを成功させるための手段であることを意識し、コミュニケーションを通して何を達成したいか目的を設定することが大切です。

例えば、プロジェクトのチームミーティングなら「プロジェクトの進捗状況を確認・共有する」といったように目的を設定します。

2. ステークホルダーを特定する

次に、プロジェクトに関わるステークホルダーを特定しましょう。

1つのプロジェクトには、社内メンバーだけでなく、取引先・クライアントなどさまざまなステークホルダーが関わっています。

プロジェクトに関係するステークホルダーをすべて洗い出し、それぞれがプロジェクトにどのタイミングで関わっているのか明確にしましょう。

ステークホルダーを特定することで、どのタイミングで誰に情報を伝えるべきか明らかにできます。

3. コミュニケーションの手段を決める

ステークホルダーを特定したら、コミュニケーションの手段を決めましょう。

コミュニケーションの方法としては、以下のようなものが挙げられます。

定例会
ミーティング（対面・電話・オンライン）
ビジネスチャットツール
メール
プロジェクト管理ツール
正式なプレゼン
アンケート
ToDoリスト

各ツールの用途をあらかじめ決めておくと、コミュニケーションの手段も決めやすいでしょう。

例えば「メールは外部のステークホルダーとの連絡に使う」「プロジェクト管理ツールはプロジェクトに関する資料共有・タスク管理に使う」というように設定します。

ただし、クライアントや取引先などの社外のステークホルダーは、自社とはツールの使用状況が異なるため注意が必要です。

各ステークホルダーがどのようなニーズを抱えているか考慮しながら、それぞれどのような方法でコミュニケーションを取るか決定しましょう。

4. コミュニケーションの頻度を決める

最後に、コミュニケーションの種類ごとに頻度を決めましょう。

例えば、コミュニケーションの頻度は以下のように設定します。

隔週水曜日にビデオ通話ツールでクライアントとの定例会を開催する
チームメンバーは終業前に毎日ビジネスチャットでその日の業務報告を行う
毎月最初の営業日に対面で経営陣への報告会を行う

コミュニケーションの頻度を決めたら、カレンダーやプロジェクト管理ツールにもスケジュールを反映し、チームメンバーにも共有しましょう。

コミュニケーション計画の例

コミュニケーション計画は、以下の5つの項目を考慮して設定するのがおすすめです。

内容：どのような種類のコミュニケーションか
頻度：どのくらいの頻度でコミュニケーションを取るか
手段：どのツールを使用してコミュニケーションを取るか
対象者：このコミュニケーションの対象者は誰か
責任者：このコミュニケーションにおける責任者は誰か

この5項目を用いたコミュニケーション計画の具体的な例は以下の通りです。

ブランドキャンペーンにおけるコミュニケーション計画

内容	頻度	手段	対象者	責任者
プロジェクトステータスの更新	毎週	プロジェクト管理ツール	すべての社内ステークホルダー、プロジェクトチームメンバー	プロジェクトマネージャー
オンラインプロジェクトチーム会議	毎月	ZOOM	すべてのプロジェクトチームメンバー、（任意）ステークホルダー	プロジェクトマネージャー
クライアントとの定例会	隔週	ZOOM	プロジェクトマネージャー、プロジェクトメンバー、クライアント	プロジェクトスポンサー
マイルストーンと成果物の更新	適宜	プロジェクト管理ツール	プロジェクトチームメンバー	すべてのプロジェクトチームメンバー
メンバーの進捗確認	毎日	Chatwork	プロジェクトチームメンバー	すべてのプロジェクトチームメンバー