強い組織の作り方は?強い組織の特徴や作り方、原則を詳しく解説

目次
思うように組織のパフォーマンスが上がらず、成果につながらないと悩んでいる経営者や管理職は少なくありません。
メンバーは優秀でも、組織としての方向性が定まっていなかったり、連携がうまくとれていなかったりすると、総合力は発揮されません。
この記事では、まず「強い組織とは何か」を定義し、その特徴や共通する5つの原則を解説します。
強い組織を作るための具体的な手順やポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも強い組織とは?
強い組織とは、明確な目標のもとでメンバーが一丸となり、各自がパフォーマンスを十分に発揮して、大きな成果を生み出せる組織を指します。
単純に業績がよいだけでなく、メンバーひとりひとりが専門性を発揮し、互いに十分連携できていることや、共通の目標に向かって足並みがそろっていることなどが特徴です。
強い組織の特徴
強い組織に共通する3つの特徴を解説します。
組織の目標が共有されている
強い組織には、組織全体で目標が共有されているという特徴があります。
従業員ひとりひとりが同じゴールに向かって動くことで、各自の行動のブレが減り、チームワークを発揮しながら成果に直結した行動をとりやすくなります。
また、目標の共有は、個々が自身の役割を正しく認識し、仕事に意義を見出すことにもつながるため、モチベーション維持に大きな影響を与える要素です。
コミュニケーションが活発
部署間や上下関係にかかわらず、日常的に活発なコミュニケーションがおこなわれているという点も、強い組織の特徴です。
情報がスムーズに流れることで意思決定のスピードが上がるほか、ミスやトラブルの早期発見も可能になります。
たとえば、関係者全員がそれぞれの立場から意見を出し合える環境が整っていれば、効率的な進め方やリスクの予防、改善策の発見などがしやすくなります。
また、各自の意見が尊重される関係性は心理的安全性の確保にもつながり、ひとりひとりのパフォーマンスやエンゲージメントの向上にも貢献します。
適材適所の配置がされている
強い組織では、メンバーが適材適所に配置されており、それぞれが自身の強みを活かせるポジションで活躍しています。
人材の適切な配置は、生産性の向上だけでなく、仕事への満足度や定着率にも大きく影響します。
組織として人材を正しく見極め、強みを活かせるように配置することが、結果として個々のパフォーマンスを最大化していると考えられます。
強い組織の5原則
強い組織には、構造的な安定と効率性を支える「5つの原則」が存在します。
専門化の原則
専門化の原則とは、業務を分担し、それぞれが特定の分野に特化することで効率と成果を高める考え方です。
この原則にもとづいて人員配置やチーム編成をおこなうと、メンバーひとりひとりが得意分野に集中できるため、知識や技術の習熟が進みやすくなります。
組織内で役割を明確にわけることで業務効率が向上し、無駄な重複作業が減るため、組織全体の生産性が高まります。
権限責任一致の原則
権限責任一致の原則とは、与えられた権限と負うべき責任の範囲を一致させる考え方です。
責任だけが重く権限がなければ業務は停滞し、逆に権限が強いのに責任範囲が不明確だと組織は機能不全に陥ります。
たとえば、部門のリーダーに売上目標に対する責任を課す場合は、それを達成するための予算配分や人員調整の権限も与える必要があります。
この原則を徹底することで、各自が自律的に行動しやすくなり、組織やチームの機動力が向上します。
統制範囲の原則
統制範囲の原則(スパン・オブ・コントロール)とは、1人の上司が適切に指導・管理できる部下の人数には限度があるという考え方です。
部下の数が多すぎると指示が行き届かず、問題の把握や細やかな指導は困難になります。
統制範囲の原則を意識することで、上司と部下の関係性が適切に保たれ、スムーズな意思疎通と迅速な対応が実現できます。
権限委譲の原則
権限委譲の原則とは、上位者が自身の権限の一部を部下に委ねることで、組織全体の効率と能力を高める考え方です。
権限を委譲することで部下に責任感と成長意欲が芽生え、主体的な判断や行動を促進できます。
また、チームリーダーに適切な権限や裁量をもたせることで、現場対応や意思決定のスピードアップを図れます。
命令統一性の原則
命令統一性の原則とは、1人の部下に対して指示を出す上司は1人であるべき、という考え方です。
複数の上司から異なる指示が出ると、責任の所在が不明確になり、現場は混乱してしまいます。
たとえば、営業課長と商品開発部長が1人の部下に異なる指示を出した場合、その部下はどちらを優先すべきか判断に迷い、業務の停滞やトラブルに発展するおそれがあります。
命令統一性の原則を守ることで組織の指示系統が明確になり、業務上の混乱やトラブル防止につながります。
強い組織の作り方
強い組織を作るためには、企業理念・組織構造・人事評価制度・組織文化の各要素を整えることが重要です。
企業理念を作る
強い組織を作る第一歩は、明確な企業理念を策定することです。
企業理念は、その企業の存在意義や方向性、価値観を示すものであり、従業員ひとりひとりの行動指針となります。
企業理念が浸透すれば、個々の判断や行動に一貫性が生まれ、組織としての軸が強化されます。
また、このような一貫性は顧客や取引先に安心感を与え、企業のイメージアップや信頼性の向上にもつながります。
組織構造を作る
企業理念を実現するためには、明確な組織構造が必要です。
役割や権限、責任の所在が曖昧だと、組織に混乱が生じやすくパフォーマンスが低下するためです。
職能別・プロジェクト別・マトリックス型など、自社の業態や規模に応じて適切な構造を整えることで、情報伝達や意思決定がスムーズになります。
組織構造を明確にすることは、組織全体の生産性やパフォーマンス向上に不可欠です。
人事評価制度を作る
適切な人事評価制度の整備も、強い組織を作るためには欠かせません。
業務や成果が正当に評価されなければ、従業員のモチベーション低下や人材の流出につながりかねないからです。
従業員のパフォーマンスを最大化するためには、成果とプロセスの両面を公正に評価し、納得感のある基準を設ける必要があります。
上司の主観に偏らないよう、目標設定やフィードバックの仕組みを整えるなど、納得感を高める工夫が求められます。
組織文化を浸透させる
強い組織を支えるのは、共通の価値観や行動規範といった組織文化です。
文化は制度やルールだけでは形成されず、日々のコミュニケーションや行動の積み重ねによって浸透していきます。
たとえば、オープンな対話や多様性の尊重を重視する文化が根付いていれば、コミュニケーションの頻度や質が高まり、問題発見や改善提案などもおこないやすくなります。
組織文化を醸成していく過程では、経営陣や管理職が率先して価値観を体現し、日常の業務に反映させることが重要です。
定期的に組織文化を見直す
組織文化は一度形成すれば終わりではなく、定期的な見直しが必要です。
市場環境や組織の成長にともない、重視すべき価値観や行動規範も柔軟に調整する必要があるためです。
たとえば、企業の立ち上げ期に構築した文化のまま急成長すると、新たな人材との摩擦や統制の乱れが生じやすくなります。
定期的に従業員の声を吸い上げ、必要に応じて組織文化をアップデートすることが重要です。
強い組織を作るポイント
最後に、強い組織を作るうえで押さえるべき3つのポイントを解説します。
信頼関係を構築する
強い組織には、信頼関係という土台が必要不可欠です。
従業員同士が互いに信頼し合っていなければ、連携や情報共有が滞り、業務効率の低下や成果の頭打ちを招きます。
信頼関係を築くためには、日々の小さな約束を守ることや、常に互いを尊重する態度、助け合いの精神などが大切です。
信頼は日々の積み重ねによってのみ形成されるため、継続的な取り組みが求められます。
リーダーを育成する
優れたリーダーの育成も、強い組織を作る重要なポイントです。
リーダー育成は個人の経験や資質だけに頼るのではなく、組織として体系的な研修やフィードバックの仕組みで支援することが大切です。
たとえば、ロールプレイングやケーススタディを取り入れた研修は、現場で通用する実践的な判断力を磨くうえで有効です。
リーダーが育つことでチーム単位での細やかなマネジメントが可能になるため、強い組織づくりの重要な足がかりとなります。
1on1を実施する
1on1ミーティングの実施も、強い組織を作るために効果的です。
上司と部下が定期的に1対1で対話することで相互理解が深まり、個人の悩みや成長に寄り添えるため、双方の信頼関係の構築にもつながります。
1on1ミーティングでは、業務の振り返りだけでなく、今後のキャリアの展望や目先の不安などにも耳を傾けることが大切です。
内容の充実した1on1を実施できれば、組織全体の心理的安全性やモチベーションの向上、離職防止といったさまざまな効果が期待できます。
強い組織の作り方を理解し、組織力を高めよう
強い組織をつくるには、明確な理念と構造、信頼にもとづく人材配置や評価制度、そして共有された文化など、複合的な要素が求められます。
個人の能力を最大化しながら全体として機能する仕組みを整えることが、組織の持続的な成長の鍵を握っています。
こうした強い組織づくりには、情報共有や信頼関係の構築を支えるツールの活用も効果的です。
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