週休3日制はいつから?週休3日制のメリット・デメリットと導入の動向

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働き方改革
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週休3日制はいつから?週休3日制のメリット・デメリットと導入の動向

目次

新型コロナウィルス感染症拡大の影響やテレワーク導入の拡大の動きから、従来の働き方にとらわれない多様な働き方が推奨され注目されています。

政府も多様な働き方の環境整備の一貫として、希望する人が週休3日で働ける「選択的週休3日制」の導入に向けて検討を進めています。

週休3日制とはどのような働き方なのか、週休3日制を導入するメリット・デメリットに触れて週休3日制をめぐる動きについて解説します。

週休3日制とは

「週休3日制」とは、その名の通り、一般的な週休2日から、休みの日を1日増やして1週間あたりの休みを3日とする休日制度のことです。

Yahoo!ジャパンやファーストリテイリング、みずほフィナンシャルグループなどの大企業を中心に取り入れられており、多様な働き方ができる取り組みとして、注目されています。

ファーストリテイリングが運営するユニクロでは、2015年から、全国各地のユニクロで働く転勤のない「地域正社員」を対象に、1日あたりの労働時間を10時間とし、土日を含む週4日勤務する「変形労働制」を利用し、平日に3日休みを取得するという方法で週休3日制を実現しています。

Yahoo!JAPANでは、2017年から、小学生以下の同居の子を養育する従業員や、家族の介護や看護が必要な従業員を対象に、土日の休日に加え1週間あたり1日の休暇を取得できる「えらべる勤務制度(週休3日制)」が導入されています。

選択的週休3日制とは

政府でも「選択的週休3日制」の導入が検討されています。

選択的週休3日制は週休3日制を希望する人が理由を問わずに、週休3日で働けるというものです。

原則週休2日の会社であっても、選択肢として「週休3日」が増えるというもので、ライフスタイルに合わせて働き方を選択することが可能になります。

週休3日制では、休みが増える一方、給与が削減される可能性があり、導入に反対や懸念を抱く社員も少なからず存在しています。

選択的週休3日制おいては、希望する人が週休3日を実施するというものですので、個人の考えや事情に合わせて、選択するかを決定できる点にもメリットがあります。

週休3日制が注目された経緯

厚生労働省の2020年の就労条件総合調査[※1]よると、週休を3日以上としている企業は8.3%であり、2010年の調査結果の3.9%の2倍以上となっています。

このことからも、週休3日制を導入する企業が増加していることが見受けられます。

政府においても、ワークライフバランスが重要視される中、子の育児や親の介護、自身の闘病などの生活と仕事の両立を図る観点から、多様な働き方を推進する必要があるとして、週休3日制の導入の検討を進めており、2021年6月にもまとめられる「骨太の方針」に反映させることも含めて調整を進めています。

時間的余裕ができることから、休日を活用して地方で兼業をおこなうケースなども想定されるとして、都市部から地方への人の流れを促す観点から、政府が交通費や滞在費を支援する案も出ています。

また、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、1日あたりの出社人数を減らしたい、通勤時間帯の密を回避したいという企業側の思惑も、週休3日制が注目されている背景にあります。

週休3日制のメリット

週休3日制を企業が導入するメリットについて詳しく見ていきましょう。

多様な働き方ができる

休みが3日になることで、育児や介護など自分のライフスタイルに合わせた多様な働き方をすることが可能になります。

単身赴任者などは、金曜日または月曜日を休日に設定することで、自宅へ帰りやすくなり、家族との時間を確保できるようになるでしょう。

時差出勤やテレワークなどと組み合わせることで、1日あたりの出社人数を減らすことができるので、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からもメリットがあるといえるかもしれません。

1週間あたりの通勤日数が減れば、交通費やランチ代など、通勤費用を浮かせることができる点もメリットと考えられます。

社員のモチベーションや生産性が向上する

週休3日制においては、3連休を利用して旅行に出かけたり、家族との時間を多く確保できるようになることで、プライベートをより充実させることが可能になります。

プライベートの時間が充実することで、社員の仕事へのモチベーションが上がり、ひいては会社全体の生産性向上につながります。

また、勉強に充てられる時間を多く確保できるため、キャリアアップにも効果的です。

資格を取得したり大学院に進学したりして、より専門的な知識を得たり、副業が許される会社では、本業を活かした副業を始めるなど、学びや副業の経験を仕事に還元することもできるようになり、より高いパフォーマンスが期待できます。

離職者の減少・求職者の確保

ライフスタイルに合わせた多様な働き方ができる職場は、社員にとって魅力的です。

高齢化が進む現代社会では、介護を理由に退職せざるを得ない人が多くいます。

週休3日制を導入することで、社員それぞれの事情に配慮した働き方が可能になり、育児や介護による退職者の減少につながったり、今まで育児や介護でキャリアを諦めざるを得なかったような社員にも活躍のチャンスが出てくることが期待できます。

また、このような職場は、求人の場面においても有効的であり、よりよい労働環境を求める優秀な人材の確保につながります。

週休3日制のデメリット

休日が増えると聞くとメリットしかないと感じられますが、週休3日制にはデメリットや懸念点もあり、反対意見も少なくありません。

週休3日制になることで考えられるデメリットを見ていきましょう。

業務が停滞する恐れがある

1週間あたりの休みが1日増えるということは、当然のことながら、1週間あたりの総労働時間は短くなるということです。

短くなった勤務時間の中で、今までと同じように仕事をしていては、従来の業務をこなしきれず、業務が停滞する可能性があります。

業務進行やスケジュールに遅れが生じたり、1日当たりの労働時間や作業負担が増えるなどの部分が懸念されます。

コミュニケーション不足に陥りやすい

1日あたりの出社人数が減り、顔を合わせる人が少なくなることで、社員間のコミュニケーション不足が起こりえます。

コミュニケーション不足がミスや、発想力の低下を引き起こしかねません。

また、多くの企業が週休2日で稼働している現状では、自社が設定した休業日が取引先の営業日であるという事態は大いに起こりうる状況であり、スムーズな取引の弊害になる可能性があります。

勤怠管理・給与体系の複雑化

希望する人が週休3日を選択できる「選択的週休3日制」では、社内に週休2日の人と週休3日の人が混在し、勤怠管理が複雑になります。

また、休みを3日設定し、1週間あたりの労働時間を短くすることで、給与はどう変化するのかといった給与体系については、社員の関心が最も高いところと言っても過言ではないでしょう。

給与や待遇の面で変化が生じる可能性がある週休3日制の導入への慎重に考えてしまうのも無理はないかもしれません。

週休3日制のメリット・デメリットを理解しよう

休みが週に3日取れることはメリットも大きいですが、週休3日制にはデメリットや反対意見も少なからず存在します。

週休3日制メリット・デメリットを理解し、自社の現状を分析した上で適切に導入を検討する必要があるでしょう。

また、週休3日制のメリットを活かし、デメリットを最小限にするには、業務効率化やコミュニケーション不足解消の手段を確立することが不可欠です。

日々の業務で効率化できるところはないか、社内・外とのコミュニケーションツールは十分か、週休3日制の検討や議論をきっかけに見つめ直してみましょう。

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[※1]出典:「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaiyou01.pdf
「平成22年就労条件総合調査結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/10/gaiyou01.html


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