DXのリスクとDXがうまくいかない原因とは?

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DXのリスクとDXがうまくいかない原因とは?

目次

DXが注目を集めている背景には、ビジネスを取り巻く環境の変化が存在しており、各企業はDXをいかにして成功させて競争力を高めていくかが急務となっています。

どのような点に注意すればDXのリスクを回避し成功させられるのか、DXがうまくいかない状態にならないために適切にDXを進めるためのポイントを解説します。

DXにリスクはあるのか?

DXによって生産性や業務効率が向上するため、多くの企業がDXに着手しはじめています。

一方で、2020年にボストンコンサルティンググループ(BCG)が発表した「デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査」によると、DXに取り組んでいる企業のうち、日本でDXに成功したのはわずか14%という結果が示されています。[※1]

DXに取り組めば必ず明確な効果が出るわけではなく、適切でない方法や進め方では成果が得られず多額の投資が無駄になってしまうリスクが潜在しているのです。

DXがうまく進まない場合に考えられる、主な原因についてご紹介します。

DX化がうまくいかない原因

DXがうまくいかない背景には、人材不足や経営層の意識などの原因が潜んでいます。

DXに対する理解が足りない

DXの本質についての経営層の理解が不十分であることは、DXがうまく進まない原因のひとつです。

DXは単にIT技術を取り入れればよいというものではなく、会社のビジネスモデルや業務システムを根本的に改革しなければなりません。

したがって、経営層がDXやIT技術に関して理解を深めて、DXの明確なビジョンを従業員に示すことが必要です。

経営層がDXの本質を把握しないままでは、IT部門の担当者にDX推進を丸投げすることにつながり、成果を上げることが困難となるおそれがあります。

2020年にアビームコンサルティングが実施した「日本企業のDX取り組み実態調査」では、調査対象の企業のうち約4割が「経営層がデジタルに関する知見を有していない」と回答しました。[※2]

DX推進による効果を得るためには、経営層がIT分野に関して理解を深めることが課題となっているのが現状です。

目的が定まっていない

DX導入によってどのような効果を得たいのか、目的が明確に示されていないことも、DXがうまく進まない原因です。

経営層によってDXの明確なビジョンが従業員に説明されないままでは、現場は何から取り組めばよいかわからず混乱してしまうおそれがあります。

結果として、ITシステムの導入という手段が目的となり、思うようにDXの成果を上げることができていません。

また、DXの明確な目的が示されない場合、現場の従業員の理解や協力が得られず、推進が滞ってしまう可能性もあります。

DX化に必要な人材の不足

DXの推進には、DXを経営計画に落とし込むスキルやIT部門でシステム設計や要件定義に関わる人材、実際に設計・運用をおこなう担当者が欠かせません。

しかし、日本は労働力不足が原因で、IT分野に精通した人材を企業に集めることが難しくなっています。

DXに必要とされる人材の採用競争は熾烈を極め、コストも膨大になるため、企業にとって人材確保が困難となっているのです。

DX化の失敗によるビジネスリスクとは

DX推進によって効果を上げられずに失敗してしまった場合、どのようなビジネスリスクが想定されるのかについてご紹介します。

業界内での競争力の低下

DX化の失敗によるビジネスリスクに、業界内での競争力の低下が挙げられます。

たとえば、マーケティング戦略においてDXを推進しようと考えた際、新規のITシステムを導入するだけに留まってしまうと十分な効果は得られません。

ビックデータを活用したり最先端の経営データを獲得したりなどの具体的な方策が示されないままでは、マーケットの動向についていくことができないおそれがあるのです。

マーケティング戦略において競合他社に遅れを取り、企業としての競争力が低下することが懸念されます。

生産性の低下

IT技術の導入自体を目標としてしまうと、各部門が同様なシステムを運用することで、業務が重複するおそれがあります。

また、DXの明確なビジョンが示されないことによって、現場の理解が得られず、従業員の士気が下がれば生産性の低下する可能性も考えられます。

DX化を推進する際には、なぜ自社でDX化が必要であるのか、DX化でどのような目標を達成できるのかを考慮しなければなりません。

セキュリティリスクの発生

DXを推進するにあたり、IT分野に精通した人材が十分に確保できない場合、セキュリティ対策が万全になされたシステムが構築できず、インシデントが発生するおそれがあります。

サイバー攻撃による情報漏洩の危険性が高まり、企業の価値を落とす結果にもつながります。

また、セキュリティリスクが高まっている状態では、従業員の業務パフォーマンスは低下し、取引先など外部からの信頼も得られにくくなってしまいます。

DX化をうまく進めるためのポイント

DXがうまく進まない原因について、経営層の理解不足や目的の曖昧さ、人材不足などを例に挙げて説明しました。

DXを妨げる原因を受けて、解決する方法はどのようなものが考えられるか、ポイントをご紹介します。

トップダウンでの体制構築

経営層は、DXに取り組む目的や推進によって目指すべき企業のビジョンを従業員に対して明確に示し、リーダーシップを発揮することが重要です。

また、DXはデジタル技術の導入によってビジネスモデルや業務システムに変革を起こすものであることから、変化を受け入れられずに反感や不安を抱える従業員も出てくることが懸念されます。

経営トップがDX推進に対する断固たる意志を持ち導いていくことで、従業員も安心して前向きな気持ちでDXに取り組めることが期待できます。

自社の課題・弱点を理解する

DX推進計画を策定するにあたっては、IT人材の不足や現場のITリテラシーの低さなど、DXを阻害するおそれがあると考えられる課題や弱みを洗い出すことが有効です。

あらかじめ、DX化によって失敗につながる要因を把握しておくことで、対策を打ち出すことができると考えられます。

また、経営層は、経営における課題を理解し、企業の利益向上につながるようにDX化を推奨しましょう。

必要なITシステムの選定

既存の業務で使用しているITシステムや運用を試みたがほとんど使用していないシステムなどをリスト化し、使わなくてもよいシステムであるのか否かで仕分けを行います。

自社に足りないITシステムはどのようなものであるのかが把握できるため、新規システムが既存システムと重複するおそれがなくなり、より効果的にDXを推進できると考えられるようになります。

ビジネスリスクに備えてDXをうまく進めよう

多くの企業がDXに取り組む中で、競合他社との競争力を向上させ企業利益を最大化するためには、DXの成功が欠かせません。

しかし、DX化に取り組む過程で、十分な目標設定やビジョンを掲げていないことで、失敗につながるリスクもあります。

DX化によるビジネスリスクを抑えるためにも、少しずつ環境を変化させることも検討しましょう。

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[※1]出典:デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査2020|ボストン コンサルティング グループ
https://web-assets.bcg.com/75/78/b70d54ef44cb963b8ad3d7e22c72/bcg-digital-transformation-survey-2020.pdf
[※2]出典:日本企業にとってのDXの本質|アビームコンサルティング
https://www.abeam.com/jp/sites/default/files/inline-files/WP008_DX_for_Japanese_companies.pdf


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