ハラスメントをなくすには?ハラスメントのない職場づくりの方法
目次
ハラスメントは人間関係から起こる問題のひとつで、相手に嫌な感情を与えるような言動や価値観を押しつける行為を指しています。
職場内では、上司から部下への指導が厳しすぎることや、相手をコントロールしたい意図から、本人が気づかないうちに相手への嫌がらせのようになり、ハラスメントとなることもあります。
働きやすい職場や良好な人間関係を保つためにも、日ごろからハラスメントが起こらないように対策に取り組むことが大切です。
ハラスメントをなくすには、ハラスメントが起こる原因を知り、具体的にどんなことがハラスメントにあたるのか、知識を身につける必要があります。
また、ハラスメントをなくす職場づくりが重要な理由、ハラスメントをなくす方法を解説します。
ハラスメントのない職場づくりが重要な理由
ハラスメントが起こる職場環境は改善の必要があり、放置してしまうと従業員の心と体が疲弊して悪影響が生まれてしまいます。
ハラスメント被害の内容やその後の対応不足によっては、ハラスメントを受けた従業員が休職や退職に追い込まれることも少なくありません。
とくに、経営陣や管理職など、職場で管理する立場にある人は、日ごろから従業員が抱える小さな不満や問題を見逃さずに解消しておくことが大切です。
また、ハラスメントが起きると企業の評価を下げることにつながるだけでなく、場合によっては裁判になる可能性もあるでしょう。
ハラスメントが起こる職場環境では、従業員が長期的に働きづらい環境につながるため、企業の経営を安定させるためにも、事前に経営陣や管理職が適切にハラスメントへの理解や適切な対処をする必要があるといえるでしょう。
ハラスメントをなくすにはハラスメントの原因を知る
職場環境が原因でハラスメントが起きやすい状況が生まれている可能性もあげられます。
たとえば、職場の人員不足やノルマが高すぎる場合、上司が部下に無茶な要求をしてしまうなど、指導とハラスメントが混同してしまうこともあるでしょう。
また、物の捉え方や感じ方は人それぞれ違うため、信頼関係ができていないと、ほかの人にとっては嫌な気持ちにならないことでも、本人がハラスメントだと感じれば問題につながる事例もあるでしょう。
ハラスメントが起こる原因を解消するためにも、職場環境を整えながら、適切な伝え方でコミュニケーションが取れるように、企業側から改善策を働きかける必要があります。
職場で起こりやすいハラスメントを把握する
ハラスメントは、上司から部下に起こりやすいと思われがちですが、上下関係や立場に関わらず「相手が苦痛だ」と感じた時点でハラスメントにあたります。
たとえば、同僚から同僚に厳しい言い方をしたり、女性から男性に差別的な伝え方をしたりするのも当てはまります。
職場内で実際に起こりやすいハラスメントの一例をまとめて見ていきましょう。
- パワーハラスメント:職場での立場や権限が強いことを利用して、相手が苦痛に感じるような言動や態度を取ること
- セクシュアルハラスメント:職場内で相手に性的な言動で不快な思いや、人権を侵害するような言動や態度を取ること
- マタニティハラスメント:妊娠や出産、子育てに関わる内容で嫌がらせの言動や態度を取ること
- ケアハラスメント:家族の介護に関わる社員に向けて、介護に関わる制度を利用させないなど、介護に関わる内容で嫌がらせの言動や態度を取ること
上記のようなハラスメントには、客観的な評価ではない減給や降格などの不当な対応、退職を迫る言動、職場での立場が不利になるような言動をすることなど、雇用に関わる嫌がらせも含まれます。
伝えられた側の本人は、心理的に追いつめられるだけでなく、長期的に働くことが難しくなるなど強いストレスや勤務を続けることへの問題にもつながるでしょう。
まずは、職場で起きやすいハラスメントの例を把握しておき、社内でも同様の問題が起きていないか、情報を集めて定期的に確認の機会を設けることが大切です。
ハラスメントのない職場づくりの方法
ハラスメントの問題は悪意の有無は関係なく「気づかなかったから仕方ない」では済まされない問題です。
企業側からハラスメントの問題が起こらないように、まずは上司や管理職がハラスメントへの理解を深めて、対策していく必要があります。
実際に経営陣や管理職がハラスメントのない職場づくりを実現するための方法を見ていきましょう。
アンケート・面談の機会を設ける
企業の経営陣や管理職から従業員に向けて、コミュニケーションを取る機会を意識して設けましょう。
上司に直接改善を求められる人もいますが、なかには限界を迎えるまで声をあげられない状況の従業員もいるかもしれません。
対面して伝えづらい状況でも、アンケートや一対一で面談の機会を定期的に設けることで、従業員が不満を伝えるタイミングや機会を失わずに済むでしょう。
従業員が話すチャンスや機会を設けることで、ハラスメントの予防につながる対策が期待できます。
相談窓口をつくる
企業内には、人間関係全般の問題を相談できる窓口や担当部署を設置しておくとよいでしょう。
ハラスメントの問題を抱えていても、同じ部署内の上司に伝えることが難しい場合もあります。
また、情報が漏れてしまいて立場が悪くなることを恐れて躊躇してしまうこともあるでしょう。
相談内容にはハラスメントに関するものも含めておき、社内の従業員全体に窓口の存在を共有しておきましょう。
相談内容の管理は慎重に扱い、本人の了解を得ながら適切な形で部署の上司に共有するように配慮してください。
セミナー・研修を実施する
ハラスメントをなくすために、部下を管理する立場にある社員を中心にハラスメントの知識を身につける機会を設けることが必要です。
外部の機関から社内にハラスメント対策の講師を呼ぶ方法を始め、DVD教材を購入して社内で視聴する時間をつくる方法もあります。
また、テキストなどでハラスメントに関する情報をまとめて共有しておくことや定期的な研修の場を設けることも効果的でしょう。
専門的なセミナーを受けることで具体的な対策や意識改革を実行するイメージがしやすくなり、ハラスメントに関する捉え方をあらためて認識して改善するよい機会につながるかもしれません。
社員の不満に耳を傾ける
ハラスメントの予防には、従業員からの意見や不満があがっている段階で、声を聞き逃さないことが大切です。
たとえば、営業担当と営業アシスタントのやりとりがうまくいっていない場合は、コミュニケーションが円滑に進まないせいで、業務に心理的負担を感じている可能性が高くなります。
人間関係の変化や違和感を放置せずに上司が介入することで、不満が爆発してしまう前に人事異動をしたり、担当者を変更したりする対策が取りやすくなるはずです。
ハラスメントの対策につなげるためにも、上司は日ごろから従業員同士の関係性がうまくいっているのか、社員の声を無視せずに確認する機会を設けてください。
相手に価値観を押しつけない
ハラスメントの問題点には、主観だけで相手の立場を考えない言動があげられます。
「昔のやり方はこれが正しかった」など、世間の常識や社会人としてのルールなどの価値観を押しつけてしまうのは、相手を傷つける行為につながりかねません。
「自分はよくても相手は嫌な気持ちになるかもしれない」という意識をもつことで、言葉を選んだ伝え方ができるため、ハラスメントにつながる言動を予防することにつながります。
職場の業務体制の整える
職場で多様な働き方が認められるためには、経営陣が業務体制を根本的に見直すことが必要になります。
- 妊娠や出産した従業員が職場復帰しやすい環境にする
- 家族の介護が必要な職員に対して、介護制度を利用して働ける環境をつくる
- 時短勤務や育児休暇制度を導入して、仕事と私生活を両立できる環境を整える
などの内容を始め、体制の見直しには雇用契約の枠組みや事業運営の見直しなど、企業の全体的な調整が必要になることもあります。
環境を整えたあとは、従業員がほかの職員から二次的な嫌がらせを受けないようにするためにも、経営陣側がハラスメントに関する教育の機会を従業員に設けて対策してください。
ハラスメントのない職場づくりにはコミュニケーションの活性化
ハラスメントをなくすには、アンケートや面談、相談窓口を設置しておくなど、従業員がハラスメントの問題を相談しやすい環境を整えておくことが大切です。
また、外部の機関を使って上司や管理職に対してセミナーを受講させるなど、ハラスメントの知識を身につけていく必要もあるでしょう。
多様な価値観や働き方を認めるためにも、社内の業務改善や意識改善など、さまざまな面から働きかけていくことが必要です。
ハラスメントをなくすためには、コミュニケーション不足への対策もポイントになるため、業務上のコミュニケーションや相談しやすい環境づくりにをビジネスチャットのChatworkの導入もご検討ください。
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