デジタルデバイドの若者への影響とは?若者に起きるデジタルデバイドの問題
目次
デジタルデバイドは世界的に深刻な問題となっている一方、日本においてもさまざまな原因から若者のデジタルデバイドが進んでいます。
プライベートに限らずビジネスシーンでもデジタル化が年々急速化すると予想されるため、将来的に社会に出る若者に対するデジタルデバイドは解消しなければなりません。
デジタルデバイドが起きている原因や若者に与える影響について、どのようなアプローチでデジタルデバイドを解消していけばよいかを考えましょう。
デジタルデバイドが若者にも起きている原因
社会全体のデジタル化が著しく進んでいる一方で、20代以下の若者世代の間でデジタルデバイドが起きている現状があります。
若者のデジタルデバイド進行の背景には、どのような原因が潜んでいるのか解説します。
深刻なPC離れ
令和3年3月に内閣府が発表した「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年のインターネット利用率に関してスマートフォンが70.1%もの高い数値である一方、ノートPCが22.4%、デスクトップPCにいたっては8.4%と低い結果が出ています。
20代以下の若い世代は、幼少期からスマートフォンを使用する環境に恵まれ、インターネット利用に慣れていることから、デジタルネイティブ世代と呼ばれています。
デジタルネイティブは、SNSやWeb検索、動画視聴をすべてスマートフォンでおこなうため操作をスムーズにおこなえる一方で、PCを使用する機会が少ないことからPCの設定やOSについては詳しくないという点からデジタルデバイドにつながっています。
また、タブレットなどのデバイスの普及により、学校教育や家庭においてPCを使用する機会が少ない点も原因に考えられます。[※1]
IT教育の欠如
教育機関におけるIT教育の欠如も、デジタルデバイドを引き起こす原因の1つです。
たとえば、日本国内では2020年から小学校でのプログラミング授業が必須となりましたが、ほかの先進国に比べて遅れている背景があります。
IT教育分野で大幅な遅れを取っている結果、デジタルに詳しい層と詳しくない層の格差が広がり、若者世代のデジタルデバイドが起きてしまっているのが現状です。
デジタルデバイドが若者へ与える影響
デジタルデバイドが若者の間で拡大することにより、ITリテラシーの低下や企業活動への影響などさまざまな問題が懸念されます。
具体的にどのような影響が出る可能性があるのか、確認していきましょう。
情報格差の増大
デジタルデバイドの拡大は、情報格差の増大を意味します。
デジタル化が進んだ社会において情報格差が進行するということは、仕事における収入格差が拡大することにつながりかねません。
ほとんどの企業は採用面接時にITスキルの有無を確認したり、ITスキルが備わっている人材は待遇を上げたりしているため、ビジネスシーンにおいては情報格差が収入格差や貧富の差につながる恐れがあります。
ITリテラシーの低下
デジタルデバイドが若者の間で進むことにより、ITリテラシーの低下という問題が引き起こされます。
ITリテラシーが低い結果、企業がサイバー犯罪に巻き込まれるリスクが増大し、経営に大きな影響を与える原因にもなり得ます。
また、若者世代における不慣れなPC操作によって、生産性の低下につながる可能性もあります。
IT人材不足による企業活動の停滞
デジタル化が進み、主要なマーケットがインターネットに移行した昨今においては、ITシステムをいかに活用して事業を進めるかが企業の競争力を左右します。
つまり、多くの企業はIT人材を必要としており、新卒採用においてもITスキルを有していることが求められます。
一方で、若者のデジタルデバイドが拡大した場合、新卒採用において企業はIT人材を得られることができず、企業活動が停滞してしまう危険があります。
若者世代のデジタルデバイドを改善するための取り組み
若者世代におけるデジタルデバイドを解消することは、日本の経済改善のために必要不可欠です。
どのようなアプローチを取れば、効果的にデジタルデバイドを改善できるかご紹介します。
デジタル機器に触れる機会を増やす
ITに対する興味関心やITスキルを高めるためには、家庭や学校においてデジタル機器に触れる機会を増やすことが効果的です。
最初のうちは操作がわからなくても、徐々に慣れていくことで達成感を覚え、デジタル機器により興味を持てるという循環を期待できます。
たとえば、入社前の新人研修の段階で、PCでの簡単な書類作成の課題を与えたり、eラーニングを用いたりし、ITツールにふれる機会を作りましょう。
また、PCやスマートフォンなどの操作が苦手な従業員向けに研修会を開くのがおすすめです。
IT教育を根本的に見直す
日本では授業においてPCを使用する機会が著しく少ないため、学校教育の現場においてPCを活用できるように教育方針を根本的に見直していくことが必要不可欠となります。
また、企業でも、若手社員が最先端のITツールを使いこなせるように、日常的に業務で触れる機会を増やしたり、PCの使用に関して教育や研修をするのも必要かもしれません。
社内で従業員に対して、IT教育をおこなえるような窓口となる人材を採用する、外部から講師を招くなど全社でITリテラシーを高めるようにしましょう。
IT人材への待遇を強化する
企業の採用活動において、IT人材を積極的に雇用するように募集をかけたり、IT人材への待遇が優れているという状況を作り出すことで、PCスキルの向上を目指す若者が増えると期待されます。
ITスキルが備わっている方が将来の収入面や就職面で有利となり、若者世代でのITへの興味・関心を向上させられます。
また、負担がかかりやすい現場の業務環境を見直し、休暇制度を充実させることや、テレワークによる働き方を取り入れることが大切です。
若者世代のデジタルデバイドの解決に取り組もう
若者のデジタルデバイド解消は、日本経済界の将来を見据えて取り組むべき課題です。
若手社員だから、PCやスマートフォンなどIT機器やデジタルサービスやツールを使いこなせるというわけではないという認識が必要です。
また、年齢や世代を問わず業務に必要なものや効率化を促進するためにもITリテラシーの向上を目指し、社内でのデジタルデバイドを解消する取り組みが求められます。
デジタルデバイドの解消には教育や研修をおこない、知識やスキルを向上させる取り組みも効果的ですが、誰でも簡単に利用できるツールやサービスを導入するのも有効です。
ビジネスチャットのChatworkは簡単に利用できるコミュニケーションツールですので、ITサービスの触れるきっかけにも利用できます。
もちろん、Chatworkを利用することでコミュニケーションの活性化や情報共有の円滑化につなげることができるので、導入をご検討ください。
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[※1]出典:内閣府「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12927443/www8.cao.go.jp/youth//youth-harm/chousa/r02/net-jittai/pdf-index.html
※本記事は、2021年6月時点の情報をもとに作成しています。