モラールサーベイとは?導入のメリットや活用方法、注意点を解説
目次
モラールサーベイとは、社員の士気や意欲(モラール)を調査する方法です。
実施することで、社員の生の声が分かるため、組織内の問題点が判明し、改善につなげることができます。
モラールサーベイの概要や、メリット・デメリット、活用方法を解説します。
モラールサーベイとは
モラールサーベイとは、社員の士気や意欲を調査する方法です。
モラールとは、フランス語で「士気」や「意欲」などと訳される言葉です。
社員の士気は、働く場所・時間、業務量や裁量の大きさ、また人間関係の良好さなど、さまざまな要素から構成されるものです。
モラールサーベイでは、そうした社員の士気に関わる部分を調査することで、企業側が社員の状態を把握し、問題を改善できる効果があります。
モラールサーベイの誕生背景
モラールサーベイは、第二次世界対戦で軍のやる気を出し、団結力を高めるために使用されたことがきっかけで、広く知られるようになりました。
日本では、1955年に日本労務研究会がNRK式のモラールサーベイを設定したことがきっかけで普及し、今では多くの企業で使用されるようになりました。
モラールサーベイの必要性
モラールサーベイは、従業員の企業満足度や、個人・組織全体の士気や意欲の差を発見することができます。
複数の部署に匿名で調査をおこなうことにより、士気が高い部署と低い部署を把握し、士気の低い部署に対して、なにを改善すればよいのかを検討することができます。
必要に応じて労働環境や部署転換をすることで、社員の士気を上げることができるでしょう。
士気や意欲を継続的に上げることができれば、社員の生産性向上や、企業満足度向上、離職率の低下にもつなげることができます。
モラールサーベイと他のサーベイとの違い
モラールサーベイと、ほかのサーベイの違いについて見ていきましょう。
組織サーベイ
組織サーベイとは、組織に関する従業員の満足度調査をおこなうサーベイです。
社員にアンケートを取り、調査を進める方法で、さまざまな質問を設定できます。
社内の人間関係について | 上司との関係は良好か 社内に悩みを相談できる人はいるか |
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仕事環境について | 業務量は問題ないか 組織はうまくマネジメントされているか パフォーマンスを発揮できる環境であるか |
部署やグループ単位で評価に違いがあるか見比べることで、どの箇所を改善すればよいかが明確になります。
年や数か月に1回おこなう程度が、最適な頻度です。
従業員サーベイ
従業員サーベイとは、主に企業の人事によっておこなわれるサーベイです。
人事評価や、労働規定などの項目が変更になった際に、従業員の士気や企業満足度に変化がないかを調べるために活用されます。
頻度は、人事部が設定した評価や規定が変更になったときや、1年や数か月に1回おこなう程度が最適です。
パルスサーベイ
パルスサーベイとは、社員の士気や企業満足度を測るために、短いスパンで継続的にアンケート調査をとるサーベイです。
パルスサーベイをおこなうことで、社員の企業満足度の変遷を把握することができます。
また、さまざまな施策をおこなった際に、社員の士気にどのような影響があったのかを、長期的に頻度を多く調査することができます。
頻繁に調査をすることで、問題の早期発見と素早い解決につながります。
エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイとは、社員のやる気を調査するサーベイです。
社員の仕事に対するやる気は、仕事への生産性や企業満足度、定着率の向上につながるため、課題を見つけ、解決につなげることができる有効な手段です。
頻度は、1年や数か月に1回おこなう程度が適当です。
モラールサーベイのメリット
モラールサーベイは、企業側と社員側の双方にメリットがあります。
企業側は、社員の士気や意欲を調査することで、企業内の問題点や課題をあぶり出し、改善につなげることができるメリットがあります。
社員側は、匿名で要望や不満を記載することができるため、自分の本音を訴える良い機会にすることができます。
また、社員の本音を聞くことができると、組織の根本課題の発見や、職場環境の改善にもつながるため、企業満足度の向上や、離職率の低下を期待することもできます。
モラールサーベイのデメリット
モラールサーベイのデメリットは、実施する際に、時間や経費のコストがかかることです。
詳細に調査するために、質問項目を多く設計してしまうと、回答する社員の、時間的な制約が大きくなってしまいます。
また、サーベイ実施後の改善が見られない場合、社員からの企業信頼度が低下し、不満が出る可能性もあります。
サーベイの結果や改善策を社員に共有し、納得感を持ってもらうようにしましょう。
モラールサーベイの活用方法
モラールサーベイの活用方法について見ていきましょう。
経営課題が明確になる
経営課題を明らかにすることができます。
サーベイを実施し、要望や不満を記載してもらうことで、経営サイドの想定と、現場の声にズレが生じていることが把握できます。
ズレが明確になることで、実際の現場の課題に気がつくことができ、根本的な課題解決につながります。
社員の視座を上げる
社員の視座が上がり、より広い視野で企業を見ることができるようになります。
サーベイを実施することで、社員は「どのようにしたら組織の士気を上げられるか」「組織の中で自分ができることは何か」など、経営目線で物事を見るきっかけになります。
社員の視座を上げることができると、企業全体で社員満足度を上げる施策にも取り組みやすくなります。
モラールサーベイの注意点
モラールサーベイの注意点について見ていきましょう。
実施方法に注意する
社員のプライバシーを保護するために、実施方法に注意しましょう。
アンケートや要望の記載は匿名でおこない、個人が特定されない工夫をしてください。
匿名形式を取らない場合、社員が本音を記載できず、組織に忖度した内容を記載する可能性があります。
情報の管理方法に注意する
サーベイの結果などの情報は、調査する人以外の目に触れないよう厳重に管理しましょう。
組織への不満や、人間関係に関する事項が書かれている場合もあるため、匿名であったとしても目に触れた人が、内容を漏らしてしまう可能性があります。
このようなトラブルが起こると、社員は企業に対して、情報管理への不安を感じたり、項目の内容次第で、組織に悪い影響を与えたりする恐れがあります。
社員への説明方法に注意する
調査をおこなう際は、社員への説明方法に注意しましょう。
現状より社員の士気を上げるためには、社員に本音で思ったことを素直に記載してもらう必要があります。
調査の実施者は、社員に調査目的をしっかりと伝え、調査が社員の士気や満足度の向上に大きな効果をもたらすことの説明をおこないましょう。
事前に伝えることで、社員もアンケートにより誠実に取り組み、細かい事項の記載が望めます。
モラールサーベイの導入で業務改善を図りましょう
モラールサーベイは、社員の士気や意欲を上げるために効果的な調査方法です。
導入をすることで、社員の現状を知り、よりよい業務改善や経営状態を作り出すことができます。
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