PTAとは?活動内容と役割、大変だといわれる4つの理由を解説

目次
多くの学校にはPTAという組織が存在し、子どもの入学と同時にPTAの活動や役員決めがはじまります。
しかし、そもそもPTAがどのような組織なのか、なにを目的として活動しているのか、具体的にどのようなことをしているのか知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、PTAの概要や活動内容、役割や大変だといわれる理由などについて解説します。
PTAとは
PTAとは、「Parent(親)」「Teacher(先生)」「 Association(組織)」の頭文字をとった言葉で、公益社団法人日本PTA全国協議会は、PTAを社会教育団体と定義しています。
PTAは、保護者や教職員、地域社会が協力し合いながら、充実した教育環境を子どもたちに提供することを目的とした集まりです。
PTAの存在意義は下記のとおりです。
教育や学校や子どもたちを取り巻く環境について興味を持ち、知識や情報を得る(現状を知る)そして、子どもたちの環境がより良くなるよう力を尽くす
1945年に当時の文部科学省が発表した「新日本建設の教育方針」からはじまったとされており、その後1946年に、戦後の日本にアメリカから派遣された教育の専門家によって、PTAの設立や普及を推奨する方針が掲げられたことで、広く知られるようになりました。
PTAは、営利を目的としていない、ボランティア活動である点も特徴です。[注1][注2][注3]
PTAの具体的な活動内容
PTAの活動内容は、学校や地域によって異なる部分もありますが、一般的に以下のような活動がおこなわれています。
- バザーの実施
- 運動会や文化祭、遠足などの学校行事のサポート
- 廃品回収
- 防犯活動
- 交通安全指導
- 保護者同士の交流や情報共有
- 教育に関する勉強会の実施
活動内容は多岐に渡りますが、活動の目的は「子どもたちの環境がより良くなるよう力を尽くす」ことにかわりません。
そのため、PTAの活動では、学校運営や教育活動など幅広いサポートが実施されています。
PTAの組織構造と役割
PTAは通常、「役員」とそのほかの「専門委員」によって構成されています。
役員と専門委員の役割について、それぞれくわしく解説します。
役員
PTA役員とは、組織の中心的な役割を担う人たちのことで、PTAの活動全般に携わる存在です。
おもなPTA役員とその役割は以下のとおりです。
会長 | |
---|---|
副会長 | |
書記 | |
会計 | |
監査 |
専門委員会
PTAの専門委員とは、役員とは異なり「広報」や「企画」などの活動内容に特化した存在です。
専門委員の種類と活動には、以下のようなものがあります。
広報委員 | |
---|---|
企画委員 | |
学級委員 |
ここで紹介した専門委員以外にも、「校外委員」や「ベルマーク委員」など、学校ごとにさまざまな委員会を設けていたり、細分化していたりするケースがあります。
PTAに対するネガティブな風潮とは
PTAに対するネガティブな意見を耳にしたことがあったり、マイナスなイメージを持っていたりする方は多いのではないでしょうか。
昨今、働き方や働き方に対する価値観などが変わったり、共働き家庭の増加したりなど、さまざまな変化がみられますが、PTAのあり方は現代の多様な働き方や家庭環境に対応しきれていません。
たとえば、活動時間が平日の日中になっていることや、デジタル化が進んでおらず活動が非効率であるなど、PTA活動にはさまざまな問題があります。
そのため、多くの保護者がPTA活動に負担を感じており、役員や委員の選出に対して消極的な姿勢を示すケースが増えています。
PTA活動が大変だといわれる4つの理由
PTA活動が大変だといわれる理由を4つ紹介します。
- 平日日中に時間を捻出する必要がある
- 活動範囲が多岐にわたる
- 保護者同士で人間関係を構築する必要がある
- 運営方法がアナログで非効率
なぜPTA活動を苦に思う人が多いのか、具体的な理由を確認していきましょう。
理由(1):平日日中に時間を捻出する必要がある
昨今、夫婦共働きの家庭が増えており、平日の日中に時間を捻出してPTA活動に参加するのが難しくなっています。
内閣府の男女共同参画白書によれば、令和2年の女性の就業率は70.6%です。
学校や先生側の都合などで、PTA活動が平日の日中になってしまうケースが多いですが、保護者の多くも平日の日中は仕事をしているため、参加が困難な状況が問題視されています。[注4]
理由(2):活動範囲が多岐にわたる
PTA活動は、「子どもたちの環境がより良くなるよう力を尽くす」ことを目的に実施される活動のため、活動内容が定まっておらず、内容や範囲が多岐に渡ります。
学校や地域によって活動の幅も異なるため、多岐にわたる活動が求められ、保護者に多くの負担がかかるケースが少なくありません。
また、活動内容の見直しや精査を実施せずに「なくてもいい」「なくなってもいい」活動を慣習的に続けてしまっていると、やることばかりが増えてしまうケースもあります。
理由(3):保護者同士で人間関係を構築する必要がある
保護者同士の人間関係を構築する必要がある点も、PTA活動が負担に感じられる原因のひとつです。
PTA活動において、人間関係が一番大変だとする声もあります。
保護者同士のトラブルを避けるための努力が必要とされるため、ストレスもたまりやすくなります。
理由(4):運営方法がアナログで非効率
PTAは、会議を対面で実施したり、資料は必ず印刷したりなど、アナログで活動しているケースが多く、調整や連絡がスムーズにいかない課題があります。
会議や決定事項の共有も対面形式が基本のため、ひとつの物事を決めたり進めたりするのに必要以上に時間がかかってしまい、負担になるケースが多いです。
役員同士の意思疎通や情報共有に時間がかかる問題は、PTA活動が「大変」と感じられる要因のひとつになっています。
PTA活動を円滑に運営する方法・ポイント
PTA活動を継続させつつ、負担を減らすためには、活動内容の見直しや精査が必要不可欠です。
今回は、PTA活動の負担を軽減する取り組みを4つ紹介します。
- 会議の回数を見直す
- 活動内容を可視化する
- ITツールを活用する
- プライベートの連絡ツール以外を活用する
予算をかける必要がないものもあるため、PTA活動に負担を感じている場合は、ぜひ実施してみてください。
会議体や会議の回数を見直す
まずは、会議体や会議回数の見直しや精査を実施し、必要な会議のみおこなうようにしましょう。
時間や回数を減らすだけで、拘束が少なくなり、負担を削減できるでしょう。
また会議の方法として、対面だけでなくオンラインも活用すれば、さらに負担を軽減できます。
活動内容を可視化する
PTA活動を効率的に進めるためには、活動内容の可視化も欠かせないポイントです。
たとえば、だれがなにを担当しているのか、進捗状況はどうなのかなどを、役員全員が把握できるようにすると、活動全体がスムーズになり、期日切れなどを減らすことができるでしょう。
また、活動内容や活動量などを可視化できれば、特定の人に負担が偏る状況を防止でき、さらに助け合いの意識も自然と芽生え、コミュニケーションの活性化も期待できるでしょう。
ITツールを活用する
PTA活動を効率的に進める方法として、ビジネスチャットやオンライン会議システムなどのITツールの活用も効果的です。
たとえばオンライン会議システムを利用すると、役員全員が学校に集まる必要性がなくなるため、日程の調整がしやすくなるでしょう。
また、タスク管理ツールなどを導入し、各役員の業務進捗や担当作業が可視化することができると、業務の偏りや遅延、情報共有の抜け漏れなどを防ぐこともできます。
課金が必要なツールもありますが、無料で使用できるものも多くあるため、使いやすいものを探し、効率化を目指してみましょう。
プライベートの連絡ツール以外を活用する
PTA活動の連絡方法に、プライベートと同じ連絡ツールを使っているケースも多いでしょう。
しかし、プライベートのSNSや連絡ツールを使っていると、想定以上に心理的な負担がかかるケースがあります。
そのため、PTA活動にはプライベートで使用しているツール以外のものを使用するようにしましょう。
なぜプライベートの連絡ツールをPTA活動に利用しない方がよいのかは後述します。
PTAの連絡手段にプライベートの連絡ツールをおすすめできない理由
PTA活動の連絡に、プライベートで使用しているSNSや連絡ツールを使うことはおすすめできません。
子どもたちの健やかな成長のために実施するPTA活動が、保護者の負担になってしまわないように、連絡手段には配慮する必要があります。
なぜ、連絡手段に配慮が必要なのか、理由を4つ紹介します。
- プライバシー情報の開示が必要であるため
- プライベート情報を共有する必要があるため
- 活動記録の管理に不向きなため
- 案件管理が追いづらいため
詳しく確認していきましょう。
プライバシー情報の開示が必要であるため
PTA活動は、保護者や先生など、さまざまな立場の人が関わる活動です。
普段から関わりがある保護者同士に限らず、面識がない人ともやりとりをする必要があるため、プライバシー情報が含まれているSNSや連絡ツールを共有してしまうと、想定外のトラブルが引き起こされる恐れもあります。
不要なトラブルを避けるためにも、PTA活動で使用するツールは、プライベートで使用しているものとわけるようにしましょう。
プライベートの情報を共有してしまう恐れがある
PTAの連絡で、プライベートのツールを使っていると、メッセージや画像を誤送信してしまい、不要なトラブルが発生してしまう恐れがあります。
一度送信して見られてしまったものは取り返しがつかないため、プライベートツールをPTAの連絡に使うのはリスクが高いといえるでしょう。
活動記録の管理に不向きなため
個人がプライベートで使うツールは、個人的な連絡やメッセージのやり取りを目的としています。
そのため、会議の議事録や決定事項、プロジェクトの進行状況といった情報を管理するのが困難です。
PTA活動の活動記録を適切に管理し、効率的に運用するためにも、プライベートで使用しているツール以外を検討するようにしましょう。
案件管理が追いづらいため
PTA活動では、複数の案件が同時に進行する場面もあります。
しかし、案件ごとのタスクや締め切り、担当者の管理をプライベートツールでやろうとすると、情報が分散してしまい、どの案件がどの段階にあるのかを把握するのに手間がかかってしまいます。
また、情報共有の抜け漏れや、案件の対応漏れの発生に気がつけなくなるリスクもあるため、タスクや期日が管理できるツールの活用がおすすめです。
PTAの連絡手段をオンライン化するメリット
PTAの連絡手段をオンライン化すると、連絡や情報の一元管理が可能になるため、情報共有の抜け漏れや、見落とし、連絡ミスを減らすことができます。
また、オンライン会議システムを導入し、会議のオンライン化や資料のデジタル化を進めると、日程調整の手間を減らせたり、資料印刷のコストを減らせたりなどのメリットも期待できます。
また、チャットツールを活用すると、「PTA役員全体」や「会長・副会長」「広報委員会」「保護者・先生共有用」など、用途に応じて複数のグループチャットを作成でき、情報や会話が混在してしまう状況を避けることができます。
仕事とは異なる活動のため、活動内容を改めて見直したり精査したりする必要はないと思ってしまいがちですが、一つひとつの活動が負担となり、仕事や家庭に悪影響が生じる事態も想定されます。
取り組みやすい内容やできることから積極的に、改善や効率化をはかるようにしましょう。
PTA活動の効率化に「Chatwork」
PTAとは、子どもたちの環境がより良くなるよう力を尽くす活動のことで、保護者や先生、地域社会の協力が必要不可欠な活動です。
しかし、平日の日中に集まって活動するなど、平日の日中に働く保護者にとって負担になっているケースも見受けられます。
保護者の負担を減らし、子どもたちのためにさまざまな活動を実施するためには、オンライン化やツールの活用がおすすめです。
本記事で紹介した「オンライン会議システム」や「タスク管理ツール」「チャットツール」など、活動内容にあわせて最適なツールを導入しましょう。
ビジネスシーンで使われる機会が多い「Chatwork」は、グループチャットの利用やタスク管理機能の活用、オンライン会議の実施ができるツールで、シンプルな仕様のため、ITツールが苦手な方でも簡単に使うことができます。
PTAの活動の効率化や、コミュニケーションの負担を減らす方法として、ぜひ「Chatwork」をご活用ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[注1]出典:公益社団法人日本PTA全国協議会「はじめましてPTA 」
https://www.nippon-pta.or.jp/pta/
[注2]出典:公益社団法人日本PTA全国協議会「【第1節 PTAの誕生】文部省によるPTA設置の推奨」
https://www.nippon-pta.or.jp/history/advance/01/01-1-2
[注3]出典:公益社団法人日本PTA全国協議会「公益社団法人日本PTA全国協議会 家庭教育支援委員会 ~こどもの安心・安全編~」
https://www.mext.go.jp/content/20211027-mxt_kyousei02-000018868_001.pdf
[注4]出典:内閣府「男女共同参画白書」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/index.html
※本記事は、2025年1月時点の情報をもとに作成しています。