情報漏洩の原因と対策とは?企業にもたらすリスクと影響も解説
目次
情報漏洩が起きてしまうと、企業経営に悪影響を及ぼし、取り返しのつかないことになる危険性があります。
情報漏洩が起こる原因を理解し、適切な対策や対応をしておかなければ、情報漏洩のリスクや影響が高まってしまいます。
情報漏洩が起きる原因を減らし、情報漏洩のリスクによる影響を受けないためにも、情報漏洩が起きてしまう状態を把握して情報漏洩対策をおこないましょう。
情報漏洩の発生状況
情報漏洩とは、企業の機密情報や、顧客・従業員などの個人情報が外部に流出してしまうことです。
インターネットの普及により、オンラインの活用が拡大するなかで、情報漏洩が重要な課題となっています。
東京商工リサーチが発表した「2019年 上場企業の個人情報漏えい・紛失事故調査」によると、個人情報の漏洩・紛失事故発表件数は66社、漏洩した個人情報は903万1,734人分に上ります。[※1]
2012年から、毎年のように同規模数の情報漏洩が発生しており、上場企業でもウィークポイントとなっていおり、情報漏洩対策の必要性が高まっています。
情報漏洩の原因
情報漏洩は悪意のある攻撃や悪意のある行動で流出してしまう場合もありますが、情報漏洩の原因はそれだけではありません。
日常業務の中にも潜む、情報漏洩の原因について見ていきましょう。
ITツールの誤操作
情報漏洩の原因として、ITツールの誤操作が例に挙げられます。
PC、スマートフォンといったデジタルデバイスだけでなく、ソフトウェアなどの導入が進み、業務のデジタル化が進んでいます。
業務効率の改善や、人件費削減といった利益がある一方で、たったひとつの誤操作によって、重要な情報が外部に流出する危険性があります。
高齢者や、ITツールの操作が苦手な従業員だけでなく、うっかりボタンを押し間違えるだけで情報漏洩につながることもあるため、十分に気を付けなければなりません。
紛失や置き忘れ
日本ネットワークセキュリティ協会によると、2018年の情報漏洩の原因は、機器の紛失や置き忘れが1位でした。[※2]
カフェやレンタルオフィスなどで仕事をおこない、そのまま機器を置き忘れてしまった、電車の荷物棚に置いたまま紛失してしまったといった例が紛失や置忘れではあります。
機器自体に十分なセキュリティ対策を施していれば情報漏洩につながる可能性は低いものの、機器内部のデータを覗かれてしまう可能性や漏洩しないとしても貴重なデータを失ってしまうという結果も考えられます。
紛失・置き忘れは誰にでも起きてしまう可能性があるものですので、可能な限り防ぐ努力や対策をする必要があります。
第三者による不正アクセス
ITツールの誤操作や置き忘れをしていないのに、情報漏洩が起きてしまうこともあります。
不正アクセスは、自社データベースのセキュリティ設定が脆弱で、ウイルス感染などで情報を抜かれてしまうことなどが原因です。
また、不正アクセスの被害も増加しており、多くの企業にとっての悪質な攻撃は課題となっています。
情報やセキュリティに対しての攻撃は日常的に起きている事象でもあるので、セキュリティ対策を常にアップデートして万全の状態でなければ、情報漏洩のリスクは高まってしまうでしょう。
内部による不正行為
情報漏洩は、外部による不正だけでなく、内部による不正行為の可能性もあります。
内部による不正行為は、自社でセキュリティを最大限に高めていても、たったひとりの従業員によって簡単におこなわれてしまいます。
内部にいる人間で情報にアクセスできる立場であれば、情報の持ち出しは簡単にできてしまう場合もあり、内部に向けた情報セキュリティ対策も企業には必要になります。
悪意を持って持ち出す場合もあれば、悪意がなく持ち出してしまっている場合もあるので、全社で情報セキュリティに対する知識の共有や指導をしなければいけません。
情報漏洩のリスクと企業への影響
情報漏洩が起こってしまうと、経営的にも社会的にも大きな悪影響を受けてしまいます。
情報漏洩に潜むリスクや、どのような影響を及ぼすのか解説します。
取引先からの信用低下
情報漏洩が起きてしまうと、取引先からの信用低下につながる危険性があります。
取引先の重要な情報や、リリースしていない新サービスなどの情報が流出してしまうことで、自社だけでなく、相手企業にも不利益となるからです。
結果として、取引が中断されてしまう、場合によっては訴訟をおこされてしまうなど、取引き先企業との信頼関係が崩れてしまうこともあります。
また、問題の規模や内容によっては、社会的信頼の低下や制裁につながる可能性もあるでしょう。
ビジネス機会の損失
取引先企業だけでなく、ほかの企業とのビジネス機会の損失にもつながります。
「情報漏洩が起きた企業」として、他社から認知されるようになるためです。
情報漏洩を起こした事実は、インターネットニュースや、行政のレポートにも残ってしまうこともあるため、経営に対して影響を与え続けることになります。
優秀な人材を獲得しにくくなる
企業の評判が下がってしまうことで、優秀な人材の獲得も難しくなります。
コンプライアンスが守られていない企業、情報漏洩に対する対策を怠った企業、社会的な信頼が欠如した企業とみなされてしまうためです。
さらに、優秀な人材の獲得だけでなく、自社従業員が離職することも考えられます。
最終的に、企業から人材がいなくなってしまい、企業としての存続自体が危うくなります。
損害賠償の発生
外部に流出した情報によっては、損害賠償を請求されることもあります。
たとえば、取引先の情報が流出することで、企業の経営にダメージが発生した場合には、その分の金銭的な補償が必要です。
数千万円、数億円といった規模の賠償請求額になることもあり、経営が悪化してしまいます。
また、企業間の訴訟だけでなく、罰金や事業停止といった行政処分を受ける可能性もあります。
情報漏洩の原因から考える対策
情報漏洩は、どの企業にも起こり得ることで、常に配慮をしなければなりません。
情報漏洩の原因を踏まえ、どのような対策をおこなえばよいのか見ていきましょう。
ITに詳しい人材を採用する
情報漏洩を防ぐためには、ITに詳しい人材を採用することが大切です。
デジタル化が進む社内において、トラブルが発生した際には一刻も早く解決しなければなりません。
ITに詳しい人材を配置しておくことで、複雑な原因でもトラブルを解決しやすくなり、被害を最小限に食い止められる可能性を高められます。
社内機器の持ち出しについてマニュアル化する
紛失や置き忘れを防ぐために、社内機器の持ち出しに関するマニュアルを作りましょう。
たとえば、機器を使用する場所を限定したり、万が一、紛失した場合の対応をマニュアル化したりするなどし、情報漏洩による影響が出ないように注意しなければなりません。
また、情報漏洩は、PCやスマートフォンといったデジタルデバイスの紛失・置き忘れだけが原因ではありません。
とくに、テレワークが進むなかで、機密情報を紙ベースで持ち出すことも少なくなく、企業全体でどのように取り扱うのかを考える必要があります。
システム管理への投資
日々、新しい技術が生まれている現代において、常に新しいシステムを準備することも重要です。
老朽化したシステムや、バージョンが古いソフトウェアを使用し続けることで、情報漏洩のリスクが高まります。
場合によっては、メーカーからの保証が切れていることもあり、十分な対策をおこなえないことも考えられます。
一定の期間を設け、デジタルデバイスや、セキュリティシステムなどの入替をおこなうようにしましょう。
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情報漏洩の原因を特定し対策を進めよう
情報漏洩は、社会的な信用の低下、企業経営に影響をもたらす損害など大きなリスクが存在します。
初歩的なミスから、内部従業員による不正行為などさまざまな原因が考えられ、全社で対策を進めなければなりません。
現時点で、どのような情報漏洩対策をおこなえばよいか迷われている方は、まずビジネスチャットの導入をするのが効果的です。
ビジネスチャットツール「Chatwork」は、高度なセキュリティ管理が徹底されており、外部に機密情報が流出するリスクを減らすことができます。
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[※1] 参考 東京商工リサーチ 「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故調査」
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200123_01.html
[※2] 参考 日本ネットワークセキュリティ協会 「2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」
https://www.jnsa.org/result/incident/2018.html