「マター」とは?正しい意味やビジネスシーンでの使い方を例文付きで解説
目次
ビジネスシーンでは独特なカタカナ語を使う場面があります。
「マター」は、友達など親しい人との日常会話のなかで使う場面はありませんが、ビジネスシーンではしばしば使用する表現です。
ただし、「マター」は使い方に注意したい表現でもあります。
この記事では、「マター」とはどのような意味か、ビジネスシーンにおける使い方や例文、言い換え表現などについて、詳しく解説します。
「マター」の意味とは
「マター」とは、「問題」「事柄」「担当する」「預かる」などの意味で使われる言葉です。
案件の担当者や責任者が誰なのかを表現する際に「マター」を使用します。
人や部署の名前に対して使って、「○○マター」と表現します。
英単語としての「matter」には、「問題・案件・事柄・物質」などさまざまな意味があります。
マターの由来・語源
「マター」の語源は、ラテン語のマテリア(materia)といわれています。
マテリア(materia)は、「木の幹」を意味し、転じて「素材」「さまざまな重さをもつ物体」など意味が変化した言葉です。
ビジネスシーンにおける「マター」の使い方と例文
ビジネスシーンにおける「マター」の6つの使い方を例文と一緒に紹介します。
「マター」には、主に以下の6つの使い方があります。
- 個人名+マター
- 役職や部署名+マター
- クライアントマター
- 自分マター
- どこマター
- 政治マター
ひとつずつ詳しく解説します。
個人名+マター
「個人名+マター」は、特定の個人を指定して担当者や責任者を指定するときに使います。
「この案件の担当は○○さんにお願いします」というときに「○○さんマターでお願いします」と言います。
- イベント当日の車やスタッフの昼食の手配などは鈴木さんマターでお願いします。
- 今回の資料作成は佐藤さんマターでしたが、相変わらず素晴らしい仕事ぶりでした。
- 次回の司会進行と台本作成について、山田さんか小川さんマターでいきましょう。
役職や部署名+マター
「役職や部署名+マター」という表現を使うケースもあります。
「部長」「係長」などの役職名や「営業部」「総務部」などの部署名に対して使用します。
- 中途採用促進のための対策立案については人事部マターとなっている。
- この件については、部長マターとなっており、我々では回答できない。
- この契約だけは競合他社に負けることなく、確実に当社で契約をとりたいので、実績がある営業2課マターとする。
クライアントマター
「クライアントマター」は、取引先や顧客の動向や考え次第という状況に対して使用します。
ほかの「マター」とは、やや使い方が違うため注意しましょう。
- 制作続行かどうかはクライアントマターのため、現在制作は中断している。
(クライアントの意向次第で制作続行かが変わるため、制作が中断している状況) - 当社がプロモーションを担当できるかはクライアントマターなので、ひとまず相手の返答を待とう。
(クライアントの意向次第でプロモーションを担当できるかが変わるため、返答を待っている状況)
自分マター
「マター」は自分に対して使用して「自分マター」と表現する場合もあります。
「自分マター」とは、「自分が案件を担当する」「自分が責任を引き受ける」という意味です。
- 次は自分マターで仕事を任せてもらえるようになりたい。
- いつ自分マターで仕事を任されても対応できるように、今のうちに経験を積んでおこう。
- 同期の鈴木は、自分マターで仕事を任せてもらえるように、係長に意思表示しているらしい。
どこマター
「どこマター」は、案件の担当者や責任者がわからないときに「どこマターなの?」のように使用します。
担当や責任者を確認する際に使う表現です。
- 来月の予算会議の資料作成、どこマターなの?
- 今回の企画は複数部署合同でおこなうため、どの作業がどこマターなのか一覧表でまとめておこう。
- 先月営業部がとってきた○○社の案件、結局どこマターになったの?
政治マター
「政治マター」とは、政治的な観点も含めて考えなければいけない案件のことです。
扱いが難しい案件などに対して使用します。
- この件については、もはや政治マターだからうちじゃどうしようもないね。
- 政治マターとなるため、この案件については上層部が判断することになった。
- かなり扱いが難しくて、政治マターになりそうな気がするから早めに部長に相談しよう。
「マター」を使用する際の注意点
「マター」を使用する際には以下の2つの点に注意しましょう。
- 社外に対しては使わない
- 目上の人に使う際は敬称をつける
ビジネスシーンでは、言葉の使い方をあやまると失礼に当たります。
社内外におけるコミュニケーションで相手に不快な思いをさせないためにも、「マター」を使用する際の注意点もしっかりと把握しておきましょう。
社外に対しては使わない
「マター」は、社内用語であり、社外の人相手には使わないようにしましょう。
「マター」はフォーマルなビジネス用語ではないので、社外の人とのコミュニケーションにおいて使用するのは控えるべきです。
あくまで社内の人との会話において、「マター」を使うようにしましょう。
目上の人に使う際は敬称をつける
社内であっても、目上の人に使う際は「○○課長マター」「○○さんマター」など、役職や敬称をつけるようにしましょう。
ごくごく親しい相手以外で「○○マター」と名前を呼び捨てにすると、乱暴で失礼な印象があります。
ビジネスシーンでは、常に目上の人に対する敬意を態度はもちろん言葉遣いで表現することも重要です。
正しい言葉遣いで人間関係を良好に保つためにも、「マター」を使う際には注意しましょう。
「マター」の類義語・言い換え表現
「マター」には、以下のような類義語・言い換え表現があります。
- 担当
- 責任
- 管轄
それぞれ「マター」とどのように言い換えられるのか、例文と一緒に詳しく解説します。
あまり「マター」という表現を使わない職場などでは、「マター」よりも「担当」や「責任」などの表現で言い換えたほうがわかりやすいでしょう。
担当
「マター」には「担当する」という意味があるため、「担当」という日本語で言い換えることが可能です。
- 「マター」を使った表現:来月の営業会議での事例発表はどこの事業所マターなの?
- 「担当」を使った言い換え表現:来月の営業会議での事例発表はどこの事業所担当なの?
責任
「担当」と同様に、「マター」には「責任」という意味もあるため言い換え表現として使用できます。
- 「マター」を使った表現:○○社との契約交渉はどこマターなの?
- 「責任」を使った言い換え表現:○○社との契約交渉はどこが責任者なの?
管轄
「管轄」とは「権限をもって支配すること」という意味です。
特定の業務の担当や責任を負っている部署を表すときに、「管轄」という言葉を使います。
- 「マター」を使った表現:その件に関しては人事部マターなので、我々が勝手に対応するわけにはいかない。
- 「管轄」を使った言い換え表現:その件に関しては人事部の管轄なので、我々が勝手に対応するわけにはいかない。
円滑な業務遂行に「Chatwork」
「マター」とは、「問題」「事柄」「担当する」「預かる」という意味のビジネス用語です。
「その件は○○さんマターで」など、人や部署、役職に対して使用して、案件の担当や責任者を明確にする際に使います。
ビジネス用語を使いこなすことで円滑なコミュニケーションにつながるので、ぜひ「マター」の意味や使い方を覚えておきましょう。
また、ビジネスにおいてはチャットツールなどを活用することで円滑な業務遂行が可能です。
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