レガシーとは?ビジネスにおける意味や使い方を例文付きで解説
目次
レガシーとは、「遺産」や「伝統」などの意味がある言葉で、ビジネスシーンやIT分野など、さまざまな場面で使われてます。
伝統を重んじるような良い意味で使われるシーンもあれば、時代遅れといった悪い意味で使用される場合もあります。
また、使用される分野において、意味合いが多少異なるため注意が必要です。
ビジネスシーンで適切に活用するためにも、各分野のレガシーの意味、使い方を例文付きで解説します。
レガシーの意味とは?
レガシー(legacy)には「遺産」や「伝統」などの意味があり、転じて「次の時代に受け継がれていくもの」を指すこともあります。
レガシーは単純に古いものを指すのではなく、価値があるものという意味合いを含んで使われるケースが多いです。
たとえば、伝統的な文化や建造物などをはじめ、目に見えない仕組みなどもあげられます。
一方で、レガシーは悪い意味合いで使われる場合もあり、「時代遅れのもの」や「従来型のもの」、「負の遺産」を指す際に用いられます。
たとえば、時代遅れになったシステムなどを表現する際に使います。
分野別のレガシーの意味
レガシーは、使用される分野によってさまざまな意味を表現する言葉です。
分野別のレガシーの意味を見ていきましょう。
ビジネスにおける「レガシー」
ビジネスにおけるレガシーは「伝統的な」「過去から長く続く」といったプラスの意味で使われる場合と「時代遅れの価値観」などのマイナスの意味で使う場合があります。
また、伝統などを受け継いできた老舗企業として「レガシーカンパニー」という使い方もします。
IT分野における「レガシー」
IT分野でのレガシーは「時代遅れのシステム」という意味で使います。
IT分野は、新しいシステムなどの開発が盛んなため、移り変わりが激しい特徴があります。
常に新しいものに入れ替わるため、過去の古い技術やシステムなどは「レガシー○○」と呼ばれます。
たとえば、古いシステムの呼び方として「レガシーOS」や「レガシーインターフェース」といった使い方をします。
また、同様に古いデバイスを指す言葉として「レガシーデバイス」なども使われます。
オリンピックにおける「レガシー」
オリンピックにおけるレガシーは「オリンピック開催後、開催国や開催都市に残る価値」という意味で使います。
オリンピック開催にあたり、開催地の交通や通信のインフラ整備、競技会場の設置など周辺環境が整うことで得られる継続的な効果があります。
これを「オリンピックレガシー」と言います。
経済的には、オリンピックに関連した雇用を創出できるといった効果も期待できます。
また、目に見えない部分では、オリンピックを誘致した都市は観光地としての知名度が高まるといった影響もあげられます。
政治における「レガシー」
政治でのレガシーには「後世に残るような価値がある業績」という意味があります。
政治家が任期中におこなった活動において、次の世代にも残るような働きをした場合や、これから有益な業績を残していきたいという場合に使います。
レガシーの使い方と例文
レガシーの使い方と例文を見ていきましょう。
(1):レガシーを継ぐ
レガシーには「伝統」という意味があるため、それらを受け継ぐといった表現の際に使用します。
- 代々守られてきたレガシーを受け継ぐ。
- 新型モデルは創業当初のレガシーを継いでいる。
(2):レガシーコスト
「レガシーコスト」には「負の遺産」という意味があります。
ビジネスでは、過去の決定により、経営を圧迫するような継続的な費用のことを指します。
企業においては、主に年金や保険料、年功序列の賃金制度など、人件費に関わる費用を意味することが多いようです。
- 経営の継続には、レガシーコストを抑える必要がある。
- どのくらいのレガシーコストがあるのか、再検討しなければいけない。
(3):レガシーシステム
「レガシーシステム」には「時代遅れのシステム」という意味があります。
従来のシステムになるため、現代には合っていないシステムを指す際に使います。
レガシーシステムを使い続けると、作業効率や生産性が上がらないため、余計なコストがかかることが多いです。
- 時代の変化とともに、レガシーシステムになってしまった。
- レガシーシステムを新しいものに変える必要がある。
レガシーの言い換え表現と類義語
レガシーという言葉は使う文脈によって、意味が異なります。
「ポジティブな意味」「中立的な意味」「ネガティブな意味」の3つの言い換え表現や類語を紹介します。
- ポジティブな意味:業績、功績
- 中立的な意味:遺産、従来型の、既存の
- ネガティブな意味:過去の遺産、過去の異物、古びた
使うシーンに合わせて、適切な表現ができるように、それぞれの意味や使い方を解説します。
ポジティブな意味:業績、功績
レガシーを、ポジティブな意味合いで使用する場合は業績や功績で言い換えることができます。
過去に築いたものを称える文脈で使用します。
- この会社が世界的な企業にまで成長したのは、先代の社長のレガシーがあったからだ。
- 我々は先輩のレガシーを守ろうと頑張っている。
中立的な意味:遺産、従来型の、既存の
中立的な意味合いで言い換える場合は、遺産、従来型の、既存の、といった表現ができます。
英語の「legacy」に近い使い方です。
- あの会社は、200年前から続くレガシーな組織だ。
- 私の任期が切れる前に、政権のレガシー作りが必要だ。
ネガティブな意味:過去の遺産、過去の異物、古びた
ネガティブな意味での表現では、過去の遺産、過去の異物、古びた、のような言い換えができます。
現代では通用しないといった意味で、英語「legacy」とはかけ離れた日本語独自の意味合いです。
- DX化なんて興味ないという、レガシーな体質の企業が存在する。
- レガシーな業界は変化を極端に嫌うので、社長や役員からのトップダウンで進めるのは難しい。
レガシーの対義語
レガシーの対義語には「モダン(modern)」が挙げられ、そのまま日本語としても使われています。
英語で表現する場合は、「モダン(modern)」以外に「cutting-edge」や「the latest」なども使えるでしょう。
モダンは「現代的」「近代的」などの意味があり、「cutting-edge」や「the latest」にも同様に「最新鋭の」といった意味合いがあります。
レガシーは遺産などの古くて価値があるものを指す言葉であり、レガシーの対義語は現代的なものを意味し、ポジティブな意味で使われるケースが多いです。
レガシーは意味に合わせて使い分けよう
レガシーには「遺産」や「伝統」といった意味があり、「次の時代に受け継がれていくもの」を指す言葉です。
悪い意味で使う場合は「時代遅れのもの」という意味もあります。
それぞれの分野によっても意味が変わるので、使い分けることが大切です。
また、ビジネスにおいては、レガシーシステムを新しいものに変えることで、作業効率や生産性を高められます。
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