「ご贔屓」の意味とは?ビジネスでの使い方や例文、言い換え表現を解説
目次
「ご贔屓」は、自分が気に入っている商品やサービスなどを特別に支援し、愛顧を示すことを意味します。
たとえば、顧客が特定の企業の商品やサービスを継続的に利用することや、企業が特定の顧客や取引先を特別に重視することを指します。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、意味や使い方がわからない人も少なくありません。
「ご贔屓」は相手に感謝を伝えられる言葉のため、相手との良好な関係を築けるように使い方を把握しておきましょう。
「ご贔屓」の意味と使い方、言い換え表現を例文とともに解説します。
「ご贔屓」の意味とは
「ご贔屓」とは「ごひいき」と読み、気に入っている人やモノに目をかけたり世話をしたりすることを意味します。
「ご贔屓」の「贔屓」は、重い荷を背負うことや引き立てること、強く力を入れることを意味する「贔」と、鼻で息をすることを表す「屓」がくみあわさった言葉です。
「贔屓」は、中国の伝説「竜生九子(りゅうせいきゅうし)」に登場する竜のこども「贔屓(ひき)」が語源といわれています。
竜が生んだ9匹のこどもは、いずれも竜の姿をしておらず、そのうちの1匹に亀のような姿をした「贔屓(ひき)」がいました。
「贔屓(ひき)」は重いものを運ぶのが好きだったため、漢字の意味や伝説から、特別な人やモノのために鼻息を荒くして力を入れるという意味で「贔屓」という語が使われるようになりました。
「ご贔屓」の活用シーン
「ご贔屓」は、顧客への感謝や、今後も末永く取引を希望していることを伝える際に活用できます。
顧客や取引先に対して、ビジネスシーンで多く使われる言葉といえるでしょう。
また、演劇業界では「ご贔屓様」、歌舞伎業界は「ご贔屓筋」という言葉で使われており、いずれも役者や歌舞伎俳優に対して「サポートしている人」を指します。
ビジネスにおける「ご贔屓」の使い方と例文
ビジネスシーンにおいて、「ご贔屓」は以下のような使い方をします。
- 今後ともご贔屓にお願いいたします
- 今後ともご贔屓を賜りますようお願い申し上げます
- いつもご贔屓くださりありがとうございます
「ご贔屓」の使い方と例文を紹介します。
今後ともご贔屓にお願いいたします
「今後ともご贔屓にお願いいたします」は、顧客との別れ際やセミナーなどのイベントの案内時などに使える言葉です。
いつも利用してもらっている感謝と、今後も取引や支援の継続をお願いする意味で使います。
「ご贔屓に」は尊敬語、「いたします」は謙譲語のため、自分の気持ちを丁寧に伝えられるでしょう。
- 弊社を今後ともご贔屓にお願いいたします。
- いつもご利用いただきありがとうございます。今後ともご贔屓にお願いいたします。
今後ともご贔屓を賜りますようお願い申し上げます
「今後ともご贔屓を賜りますようお願い申し上げます」は、「もらう」の謙譲語である「賜る」と、相手を敬う「お願い申し上げます」を使った言葉のため、「今後ともご贔屓にお願いいたします」よりも深い敬意を表せます。
大きな節目のときなど、かしこまった挨拶が求められるシーンで使うといいでしょう。
- おかげさまで、当店は10周年を迎えることができました。今後ともご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。
- この度、社名を変更し○○になりました。今後ともご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。
いつもご贔屓くださりありがとうございます
「いつもご贔屓くださりありがとうございます」は、相手への感謝を伝える言葉です。
商品やサービスを提供する企業やお店などが、いつも利用してくれている顧客に対して感謝の気持ちを表す際に活用します。
- ○○のご注文を承りました。いつもご贔屓くださりありがとうございます。
- いらっしゃいませ。いつもご贔屓くださりありがとうございます。
「ご贔屓に」への返答方法
「ご贔屓にお願いいたします」などといわれた場合は、「あなたとの関係を続けていきたい」という旨が伝わる返答をしましょう。
相手が「贔屓にしてほしい」といっているため、こちらも「贔屓にする」という意味の返答をすると、良好な関係を続けていきたいという意思表示になり、より親密さが増します。
たとえば、以下のような返答をするとよいでしょう。
- いつもありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- こちらこそ、いつもお世話になっております。これからもよろしくお願いいたします。
- これからも引き続き利用させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
「ご贔屓」を使うときの注意点
「ご贔屓」は、ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、誤った使い方をしないように気をつけましょう。
「ご贔屓」を使うときの注意点を解説します。
自分に対しては使わない
「ご贔屓」は、「贔屓」に尊敬を表す「ご」をつけた言葉のため、自分に対して「ご贔屓」と使うと自分を尊敬する形になり、誤りです。
自分に対して使いたい場合は、「ご」をとり、「私が贔屓にしている人」「私が贔屓にしているお店」のように使いましょう。
目上の人に使うと失礼に当たることも
「ご贔屓」は、気に入った人やモノに目をかけることを意味するため、目下の人が目上の人に使うと失礼に当たるケースがあります。
たとえば、目下の人が「部長を贔屓にしている」というと、まるで部長が部下に目をかけられ、サポートを受けている印象となり違和感があります。
目上の人を自分が世話しているような表現は不適切なため、目上の人に使うのは避けることをおすすめします。
「ご贔屓」の類語・言い換え表現
「ご贔屓」には、以下のような類語や言い換え表現があります。
- ご愛顧
- お引き立て
- ご支援
- ご高配
ビジネスシーンに応じて使いわけて、スムーズなコミュニケーションを実現しましょう。
ご愛顧
「ご愛顧」は、目をかけて引き立てることを意味する「愛顧」に、尊敬表現の「ご」をつけた言葉です。
「ご愛顧」は、目をかけられる側が使う言葉であり、自分が主語のときには使いません。
- いつも格別のご愛顧を賜り、ありがとうございます。
- 今後とも変わらぬご愛顧をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
お引き立て
「お引き立て」は、特定の人に目をかけることを意味します。
「お引き立て」は「ご贔屓」と同じ意味で活用できますが、「お引き立て」のほうが字面がソフトなため、相手に柔らかい印象を与えたいときに使いやすいです。
- 平素は格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。
- 今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
ご支援
「ご支援」は、相手にサポートをお願いするときや、日頃の協力への感謝を伝えるときに使える表現です。
- 今後もご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 皆さまからのご支援に感謝申し上げます。
ご高配
「ご高配」は、相手からの心配りを敬う表現です。
「ご高配」は格式高い言葉のため、社内の人ではなく、主に顧客や取引先など社外の目上の人に対して使います。
- 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 今後とも変わらぬご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
「ご贔屓」はビジネスシーンでも使える
「ご贔屓」とは、気に入っている人やモノに目をかけることを意味する言葉で、ビジネスシーンで多く使われます。
「ご贔屓」は字面が硬い印象を受けるため、状況に応じて、「お引き立て」などのほかのソフトな表現に言い換えることもおすすめです。
「ご贔屓」をビジネスチャット「Chatwork」でも活用し、取引先へ日頃の感謝や今後の関係継続を伝えましょう。
ビジネスチャット「Chatwork」は、社内外のビジネスパーソンとチャット形式でメッセージのやりとりができるコミュニケーションツールです。
お世話になったときや節目のタイミングで「ご贔屓」を使ってメッセージを送ると、相手に好印象を与え、良好な関係を継続していけるでしょう。
ビジネスでは活発なコミュニケーションが重要なため、ビジネスチャット「Chatwork」をぜひ業務にご活用ください。
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