「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の使い方とは?例文付きで解説

目次
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」という言葉には相手の成功や活躍を願う意味があり、相手にエールを送る際に使われます。
ビジネスシーンでも使用される表現ですが、具体的にどう使えばよいのか迷うこともあるかもしれません。
本記事では、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の意味や使い方、言い換え表現を例文とともに解説します。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の意味
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は、「相手のさらなる成功や活躍を願っている」という意味の言葉です。
ビジネスシーンでも使われる表現で、個人に対してエールを送るニュアンスが含まれます。
「益々」は「程度が一層はなはだしくなるさま」、「ご活躍」は「めざましく活動すること、またはその成果」をそれぞれ表します。
さらに、「心から願うこと」という意味の「祈る」と、「言う」の謙譲語である「申し上げる」を組み合わせ、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」という表現が成り立っています。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の活用シーンと例文
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」はビジネスシーンでよく使われますが、具体的な活用場面は多岐にわたります。
ここでは、主な活用シーンと例文を解説します。
部署異動や転勤、退職のとき
自身の部署異動・転勤・退職のために関わりのあった人と離れる際、感謝とともに相手の活躍を願う気持ちを伝えるために「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使います。
挨拶のメール・手紙などに相手への感謝や思い・今後の対応・仕事上の引き継ぎ事項などを記した後、結びの文章に「益々のご活躍をお祈り申し上げます」と添えることが一般的です。
例文は以下の通りです。
最後になりますが、長きにわたり大変お世話になりました。
〇〇様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
取引先へ感謝を伝えるとき
プロジェクト完了後や契約終了後などのタイミングで、取引先の方へ感謝を伝えるために使用することもあります。
メールや口頭で感謝を伝える際の結びの挨拶として使うと、相手への敬意と今後の活躍を願う気持ちを伝えることができます。
メールで使用する場合の例文は以下の通りです。
改めまして、この度は誠にありがとうございました。
〇〇様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
取引の中止や見送りを伝えるとき
営業を受けたサービスの契約を見送る際、就職希望者へ不採用の連絡をする際など、取引の中止や見送りを伝える際にも使用します。
メールや手紙などで相手へ断りを入れる際に、クッション言葉として「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を用いると、印象を柔らかくする効果が期待できます。
例文は以下の通りです。
この度はご希望に添えず申し訳ございません。
今後、状況に変化がありましたら改めてご相談させていただきますので、その際はよろしくお願いいたします。
末筆ながら、〇〇様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
時候の挨拶をするとき
年賀状や寒中・暑中見舞いなど、時候の挨拶の際にも使用します。
もともと、時候の挨拶の際には相手の健康を気遣う慣習がありますが、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使うと相手の活躍を願う気持ちも込めることができます。
ただし、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は相手の活躍のみを願う言葉であるため、「ご健勝」や「ご健康」など、相手の健康を気遣う言葉も添えるようにしましょう。
年賀状で使う際の例文は以下の通りです。
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年も、〇〇様の益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使う際の注意点
ここでは、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使う際の注意点を紹介します。
目上の相手へ使用する際の表現に注意する
目上の相手に「益々のご活躍」を使用する際は、文章の結びを「申し上げます」とすることを忘れないようにしましょう。
「ご活躍」や「お祈り」は丁寧な表現ではありますが、目上の相手とのやりとりに必要な謙譲表現は「申し上げます」の部分です。
「益々のご活躍をお祈りします」としてしまうと、上から目線のような印象をもたれてしまうおそれがあります。
目上の相手に使用する場合は「益々のご活躍をお祈り申し上げます」という表現を使用するように注意しましょう。
「ご活躍」は個人に対してのみ使用する
「ご活躍」は個人に対してのみ使用する言葉であるため、企業や団体などに向けて「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は使用できません。
企業や団体に対して同じような文章を書きたい場合は「ご活躍」ではなく、相手企業や団体の成長・繁栄を願う「ご発展」「ご盛栄」などの言葉を使用します。
個人相手には「ご活躍」を使用し、企業や団体などの大きな組織に向けては「ご発展」「ご盛栄」を使用するなど、相手に応じて適切な言葉を選びましょう。
病気や困難に直面している人には使わない
病気や困難に直面している相手に対して、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使うことは避けましょう。
活躍よりも先に、健康への配慮・困難への心遣いなどを示すべき相手に対して「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使用すると、大変失礼な文章になる可能性があります。
病気や困難に直面している相手へは、以下のような文章を代わりに使います。
〇〇様のご回復を心よりお祈り申し上げます。
この度は、心よりお見舞いを申し上げます。
ご無理なさらず、どうぞお大事になさってください。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の言い換え表現
ここでは、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の言い換え表現をいくつか紹介します。
益々のご健勝をお祈りいたします
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の「ご活躍」を「ご健勝」に、「申し上げます」を「いたします」に変えた表現です。
「ご健勝」は「健康で元気なこと」を表す言葉で、相手の健康とともに成功を願う気持ちを伝えることができます。
とくに、年賀状や寒中・暑中見舞いなどのような季節の挨拶状において、個人に対して使われる言葉です。
たとえば、暑中見舞いの締めの文章では以下のように使用します。
暑さ厳しき折柄、どうぞご自愛ください。
〇〇様の益々のご健勝をお祈りいたします。
益々のご繁栄をお祈り申し上げます
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の「ご活躍」を「ご繁栄」に変えた表現です。
「ご繁栄」には「栄えて発展する」という意味があり、相手の事業の成長や発展を願う気持ちを伝えることができます。
企業や団体などの組織に対して使用することが一般的であり、個人に対して使用されるケースはあまりないので注意が必要です。
たとえば、商談のお礼メールの締めの文章で、以下のように使用します。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
貴社の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
一層のご活躍をお祈り申し上げます
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」の「益々」を「一層に」変えた表現です。
「一層」には「前よりも程度が増すこと」といった意味があり、「益々」と同じようなニュアンスで使えます。
たとえば、取引先への挨拶メールの結びの文章では以下のように使用します。
この度は誠にありがとうございました。
今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。
さらに、「一層」を「より一層」に変えれば意味が強まり、「これまで以上に」「さらに」といったニュアンスを加えることができます。
ご清栄をお祈り申し上げます
「ご清栄」は「清らか」と「栄える」の2つの語を組み合わせた言葉で、相手が「清らかに健康でいること」や「繁栄していること」を願う気持ちを込めることができます。
主に、企業や団体などの組織へ向けたメールや文書の冒頭などで使用され、相手の発展を祈るニュアンスが含まれています。
たとえば、企業や団体に向けたメールの冒頭文では、以下のように使用されます。
貴社におかれましては、益々のご清栄をお祈り申し上げます。
「ご活躍」の言い換え表現
「ご活躍」にはいくつか言い換え表現があり、使用シーンに応じた使い分けが可能です。
ここでは、「ご活躍」の言い換え表現を解説します。
ご健勝
「ご健勝」は「健康で元気なこと」を表す言葉で、相手の健康を願う気持ちを込めることができます。
相手の活躍よりも健康を気遣う気持ちを伝えたい場合は、「ご活躍」の代わりに「ご健勝」を使います。
「ご健勝」は、メールや手紙の冒頭・締めの言葉などで使用されることが多く、例文は以下の通りです。
冒頭の挨拶:〇〇様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。
締めの言葉:皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
ご繁栄
「ご繁栄」には「栄えて発展する」という意味があり、相手の事業がますます成長・繁栄することを願う気持ちを伝える言葉です。
会社・団体などの組織に対して使用することが多く、個人に対してはほぼ使用しないため、注意が必要です。
主にメールや手紙の締めの文章で用いられることが多い表現であり、覚えておくと便利です。
たとえば、取引先へのメールの締めの文章では、以下のように使用します。
貴社の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
ご清栄
「ご清栄」は「相手の健康や繁栄を祈る」という意味を持つ言葉で、主に会社や団体などの組織に対して使用します。
とくに、メールや手紙などの冒頭の挨拶で使用されることが多く、相手の発展を祈る気持ちを伝えることができます。
それぞれの例文は以下のとおりです。
メール:貴社におかれましては、益々のご清栄をお祈り申し上げます。
文書:時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
ご多幸
「多幸」は「非常に幸せなこと」を表す言葉です。
「ご多幸」はメール・手紙・スピーチなどで使用されることが多く、相手の幸せを心から願う気持ちが伝わります。
ただし、自分以外の誰かの幸せに対して使う言葉であり、自分自身には使えないという点に注意が必要です。
たとえば、メールの締めの文章では以下のような使い方ができます。
末筆ではございますが、◯◯様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
「ご健勝」と「ご多幸」を組み合わせて使用することで、相手の健康と幸せを願う気持ちを伝えることができます。
ご盛栄
「ご盛栄」は「商売などが盛んであること」を表す言葉で、会社や団体などの組織や、事業を切り盛りしている人に対して使用します。
商売に対して言及する言葉であるため、公的機関や病院などのように利益追求を目的としていない組織には使用しないよう注意が必要です。
「ご盛栄」は、主にメールや手紙の挨拶文や締めの文で使用します。
たとえば、メールの挨拶文では、以下のような使い方ができます。
貴社におかれましては、益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
円滑なコミュニケーションに「Chatwork」
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は相手に敬意を表しながらエールを送り、関係性をより深める言葉です。
適切に使用することで、相手とのコミュニケーションがより豊かになります。
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