【2025年最新】労務アウトソーシング完全ガイド|費用や種類、選び方を徹底解説

目次
企業の成長を支える人事労務部門。
しかし、その業務は給与計算、社会保険手続き、勤怠管理、入退社管理と多岐にわたり、専門知識と多くの時間を要します。
「日々の定型業務に追われ、本来注力すべきコア業務に手が回らない」。
「毎年のように行われる法改正の内容を、正確にキャッチアップするのが難しい」。
「専門知識を持つ担当者が退職してしまい、業務が滞ってしまった」。
もし、このような課題を感じているなら、解決策として「労務アウトソーシング」の活用が有効です。
この記事では、労務アウトソーシングサービスとは何かという基本から、具体的な業務範囲、サービスの種類、気になる費用相場、そして自社に最適なサービスを選ぶためのポイントまで、網羅的に解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
労務アウトソーシングサービスとは
労務アウトソーシングサービスとは、企業の人事労務に関わる様々な業務を、外部の専門業者に委託できるサービスのことです。
従来、労務関連の業務は社内の人事部や総務部が担うのが一般的でした。
しかし、働き方改革関連法や各種保険料率の改定など、労働関連法規は年々複雑化しており、そのすべてに自社だけで正確に対応し続けることは、担当者にとって大きな負担となります。
そこで、専門的な知識と豊富な実務経験を持つ外部のプロフェッショナルに業務を委託する動きが広まっています。
労務アウトソーシングサービスに依頼できる業務範囲
労務アウトソーシングサービスで委託できる業務は非常に幅広く、企業のニーズに応じて柔軟に組み合わせることが可能です。
ここでは、一般的に依頼できる主な業務範囲を具体的にご紹介します。
社会保険・労働保険の手続き
従業員のライフイベントに伴い発生する、行政機関への専門的な手続きです。
提出期限が厳格に定められており、正確性が求められる業務です。
従業員の入社・退職に伴う、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の資格取得および喪失手続き。
従業員の扶養家族の追加・削除に伴う手続き。
育児休業や介護休業、傷病手当金などの給付金申請手続き。
年に一度の労働保険の年度更新手続き(労働保険料の申告・納付)。
年に一度の社会保険の算定基礎届の作成・提出。
これらの業務は社会保険労務士(社労士)の独占業務であるため、社労士事務所や提携しているアウトソーシング会社に依頼する必要があります。
給与計算業務
毎月必ず発生する、企業の根幹を支える重要な業務です。
勤怠情報や従業員情報に基づき、正確な給与額を算出します。
勤怠データの集計・確認(労働時間、残業時間、休日出勤など)。
総支給額の計算(基本給、各種手当、残業代など)。
控除額の計算(社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税など)。
給与明細書の発行(Web明細、紙媒体など)。
賞与(ボーナス)計算、年末調整の計算。
給与振込データの作成。
勤怠管理
従業員の労働時間を正確に把握し、適正な労務管理を行うための基礎となる業務です。
タイムカードや勤怠管理システムからのデータ入力・集計。
残業時間や深夜労働、休日労働時間の管理。
有給休暇の取得状況や残日数の管理。
36協定で定められた時間外労働の上限チェック。
入退社管理
従業員の入社から退職までの一連の手続きをサポートします。
労働条件通知書や雇用契約書の作成・締結サポート。
法定三帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)の整備・管理。
退職時の離職票や源泉徴収票の発行。
労務相談・規程整備
専門家の視点から、企業の労務管理体制を強化するためのサポートです。
日常的な労務に関する相談対応(法改正、トラブル対応など)。
就業規則や賃金規程、育児・介護休業規程などの作成および改定支援。
助成金の活用に関する情報提供や申請サポート。
労務アウトソーシングサービスの種類と特徴
労務アウトソーシングサービスは、提供する事業者の形態によって、大きく「専門特化型」と「総合型」の2種類に分けられます。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解し、自社の目的や状況に合った種類を選ぶことが重要です。
専門特化型サービス
【特徴】
社会保険労務士(社労士)事務所や、給与計算代行を専門に行う会社などが提供するサービスです。
社会保険手続きや給与計算、労務相談といった特定の専門分野に特化しているのが特徴です。
国家資格を持つ専門家が、深い知識と豊富な経験に基づいて業務を遂行します。
【メリット】
高い専門性:特定の分野における専門知識が非常に深く、複雑な案件や法改正にも的確に対応できるため、業務品質が非常に高いです。
コンプライアンスの強化:社労士が直接関与するため、労働関連法規を遵守した適正な労務管理が実現できます。
柔軟な対応:比較的小規模な組織が多いため、個別企業の事情に合わせた柔軟な対応を期待しやすい傾向があります。
【デメリット】
対応範囲の限定:対応できる業務が労務分野に限定されるため、採用や経理など、他のバックオフィス業務もまとめて委託したい場合には不向きです。
大規模対応の可否:事務所の規模によっては、数千人規模の大企業の業務には対応できない場合があります。
総合型サービス
【特徴】
大手の人材会社やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)専門企業などが提供するサービスです。
労務だけでなく、人事(採用・教育)、経理、総務など、バックオフィス業務全般を幅広く受託できるのが特徴です。
複数の業務を一括で委託することで、管理窓口を一本化できるメリットがあります。
【メリット】
ワンストップ対応:労務から経理、総務まで、複数の業務領域を一つの窓口に集約できるため、管理の手間が省けます。
大規模対応力:豊富なリソースと確立された業務フローを持っており、従業員数が多い大企業の業務にも安定して対応できます。
業務プロセスの改善提案:単なる代行にとどまらず、現状の業務プロセスを分析し、より効率的な運用方法を提案してくれる場合があります。
【デメリット】
専門性の深さ:幅広い業務を扱うため、特定の分野における専門性の深さでは専門特化型に及ばない可能性があります(ただし、社内に社労士などの専門家を抱えている場合も多い)。
柔軟性の課題:標準化されたパッケージサービスが基本となるため、企業独自の特殊なルールへの対応は、追加費用がかかったり、対応が難しかったりする場合があります。
費用が高くなる傾向:提供されるサービスが広範なため、専門特化型サービスと比較して費用は高くなる傾向があります。
労務アウトソーシングサービスの費用相場
労務アウトソーシングサービスの導入を検討する上で、最も気になるのが費用でしょう。
費用は、委託する業務範囲や企業の従業員数、利用するサービスの種類によって大きく変動します。
主な料金体系
料金体系は、主に「月額固定制(顧問契約)」と「従量課金制」の2つに大別されます。
月額固定制:社会保険手続きや労務相談などを継続的に依頼する場合に用いられる契約形態です。
従業員数に応じて、「〇名まで月額〇円」といった形で毎月一定の費用が発生します。
毎月のコストが明確で、予算管理がしやすいのが特徴です。
従量課金制:給与計算やスポットでの手続き依頼などで用いられます。
「従業員1人あたり月額〇円」「手続き1件あたり〇円」といった形で、処理した業務量に応じて費用が計算されます。
多くの場合、これらを組み合わせた料金体系(例:社会保険手続きは月額固定+給与計算は従量課金)が採用されます。
業務内容別の費用相場
ここでは、一般的な業務内容ごとの費用相場をご紹介します。
【社会保険・労働保険の手続き(月額顧問契約)】
日常的な労務相談を含むことが多いです。
従業員数 | 月額費用の相場 |
---|---|
~5名 | 2万円 ~ 3万円 |
~10名 | 3万円 ~ 4万円 |
~20名 | 4万円 ~ 5万円 |
~50名 | 6万円 ~ 8万円 |
【給与計算】
月額の基本料金に従業員単価が加算される形式が一般的です。
月額基本料金:2万円 ~ 5万円程度
従業員単価:1人あたり月額1,000円 ~ 2,000円程度
例えば、従業員30名の企業が給与計算を依頼する場合、「基本料金3万円+(単価1,500円×30名)=月額7.5万円」程度が目安となります。
※年末調整や賞与計算は、別途オプション費用(例:従業員1人あたり2,000円~5,000円)がかかることがほとんどです。
【就業規則の作成・変更】
スポットでの依頼となり、規程の複雑さやボリュームによって費用が変動します。
新規作成:20万円 ~ 50万円程度
既存規程の変更・見直し:10万円 ~ 30万円程度
これらの費用はあくまで目安です。
正確な料金を知るためには、自社の状況を伝えた上で、必ず複数のサービス提供会社から見積もりを取り、比較検討することが不可欠です。
労務アウトソーシングサービスの選び方
数多くのサービスの中から、自社に最適なパートナーを見つけるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは、サービス選定で失敗しないための5つのポイントを解説します。
ポイント1:自社の課題と委託したい業務範囲を明確にする
まず最初に、「なぜアウトソーシングをしたいのか」という目的を社内で明確にすることが最も重要です。
「担当者の負担を軽減したい」「法改正に確実に対応したい」「コストを削減したい」など、目的を具体化しましょう。
その上で、目的達成のために委託すべき業務範囲を具体的に洗い出します。
この軸が定まることで、数あるサービスの中から自社のニーズに合致したものを効率的に絞り込むことができます。
ポイント2:サービスの専門性と実績を確認する
委託したい業務分野において、十分な専門性と実績を持っているかを確認しましょう。
特に労務分野は専門性が高いため、社会保険労務士の資格を持つスタッフが在籍しているか、あるいは社労士事務所と提携しているかは重要なチェックポイントです。
また、自社と同じ業界や同程度の従業員規模の企業の導入実績が豊富であれば、業界特有の事情にも精通しており、よりスムーズな導入と運用が期待できます。
ポイント3:セキュリティ体制が万全か
労務アウトソーシングでは、従業員のマイナンバーや給与情報といった極めて機密性の高い個人情報を外部に預けることになります。
情報漏洩は企業の信用を著しく損なうため、委託先のセキュリティ体制は厳しくチェックしなければなりません。
客観的な指標として、個人情報の適切な取り扱いを証明する「プライバシーマーク(Pマーク)」や、情報セキュリティ管理の国際規格である「ISMS(ISO27001)認証」を取得しているかを確認しましょう。
ポイント4:料金体系は明確で費用対効果が見合っているか
提示された料金に、どこまでの業務が含まれているのかを詳細に確認することが重要です。
基本料金が安く見えても、必要な業務の多くがオプション扱いで、結果的に総額が高くなってしまうケースもあります。
初期費用や追加料金の有無も含めた年間のトータルコストを算出し、それによって得られるメリット(人件費削減、生産性向上など)と比較して、費用対効果が見合っているかを慎重に判断しましょう。
ポイント5:コミュニケーションの円滑さとサポート体制
外部のパートナーと円滑に業務を進めるためには、コミュニケーションの取りやすさが非常に重要です。
問い合わせに対するレスポンスの速さや、説明の分かりやすさを、契約前のやり取りの中で見極めましょう。
また、連絡手段(電話、メール、チャットなど)が自社のスタイルに合っているか、専任の担当者がついてくれるのかといったサポート体制も、安心して業務を任せられるかを判断する上で大切なポイントになります。
労務アウトソーシングサービスの導入を成功させるには
続いて、労務アウトソーシングサービスの導入を成功させるためのポイントをご紹介します。
ポイント1:導入目的と変更点を社内で共有する
労務アウトソーシングの導入によって、勤怠の申請方法や各種手続きの窓口が変わるケースもあり、人事労務担当者だけでなく全従業員にも影響を及ぼします。
そのため、「なぜアウトソーシングを導入するのか(目的)」、「導入によって何がどう変わるのか(変更点)」、「従業員には何をお願いしたいのか(協力依頼)」を、事前に社内へ丁寧に説明し、理解を得ることがポイントです。
従業員の不安や混乱を招かないよう、十分な周知期間を設け、説明会やマニュアル配布などの工夫を行いましょう。
ポイント2:委託先を「パートナー」として信頼関係を築く
委託先を単なる「外注業者」として扱い、業務を一方的に丸投げするだけでは、期待した成果は得られません。
委託先は、自社の労務機能を外部で支える重要な「ビジネスパートナー」です。
自社の経営方針や現状の課題を積極的に共有し、対等な立場で意見交換を行うことで、単なる業務代行を超えた、業務改善提案などの付加価値の高いサービスを引き出すことができます。
委託先との定期的なミーティングの場を設け、コミュニケーションや情報交換を通じて、長期的な信頼関係を構築していくと良いでしょう。
ポイント3:導入効果を可視化し、定期的に見直しを行う
アウトソーシングは「導入して終わり」ではありません。
導入前に設定した目的(KPI)が達成できているかを、定期的に評価・検証する仕組みを構築しましょう。
例えば、「担当者の残業時間が導入前と比較して〇%削減されたか」「手続きのミスや遅延が〇件減少したか」など、具体的な指標で効果を測定します。
その評価結果を委託先と共有し、課題があれば一緒になって改善策を検討する、というPDCAサイクルを回し続けることで、アウトソーシングの効果を継続的に高めていくことができます。
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