SDS法とは?PREP法・DESC法との違いや例文、活用シーンを解説
目次
SDS法とは、文章や言葉で事実を相手にわかりやすく伝え、理解をうながすのに役立つフレームワークです。
文章や言葉で物事を適切に伝えられない場合、相手に理解してもらうために余計な時間がかかり、業務効率に支障をきたす恐れがあります。
自分の話を相手に理解してもらうためにはSDS法が有効なため、SDS法の意味やPREP法、DESC法との違い、活用シーンを解説します。
SDS法とは
SDS(エスディーエス)法とは、文章や言葉で事実を相手にわかりやすく伝え、理解をうながすことに役立つフレームワークです。
SDSは、それぞれSummary、Details、Summaryの頭文字をとっており、「要点」「詳細」「要点」を意味しています。
相手に伝えたいことの要点を「〇〇についてお話しします」と最初に明示することで、相手は話の概要を把握でき、詳細を理解しやすくなるでしょう。
詳細は、最初に話した要点を具体的に、一貫性をもって話すことが大切です。
また、最後にあらためて要点を話すことで、相手は話の概要を再度確認できるため、聞いた内容を記憶にとどめやすくなります。
SDS法が向いているケースは、短時間でわかりやすく情報を伝えたいニュースや自己紹介、スピーチなどです。
PREP法との違い
PREP(プレップ)法とは、相手が理解しやすくなる文章構成法で、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)のそれぞれの頭文字から成り立っているフレームワークです。
結論から話すため、読み手や聞き手は伝えたいことを最初に理解でき、その後の理由や具体例も内容の理解が容易くなります。
また、最後に再度結論を伝えることで、相手への説得力も増すでしょう。
DESC法との違い
DESC(デスク)法とは、相手を納得させて行動を選択してもらう文章構成法で、Describe(描写する)、Explain(説明する)、Specify(提案する)、Choose(選ぶ)のそれぞれの頭文字をとったフレームワークです。
相手の状況を客観的に理解したうえで相手に対する自分の気持ちを伝え、相手に求めることを提案し、今後どのような行動をとるかを選択してもらいます。
相手の状況をお互いが客観的に認識でき、自分の気持ちも相手に主張できるDESC法は、相手が納得感を抱いたうえで行動するため、信頼関係を維持したまま物事を解決させられるでしょう。
SDS法とPREP法の使い分け方
SDS法は、ニュースや自己紹介など、短時間でわかりやすく情報を伝える場面に向いています。
一方でPREP法は、具体例を含めて相手に伝えるため、セミナーや研修など相手の理解を深める場面に向いています。
また、PREP法は、SEO記事の執筆にも活用できる文章構成法で、最初に結論を明示することで「早く答えを知りたい」というユーザー心理を満足させられるでしょう。
SDS法とDESC法の使い分け方
SDS法とDESC法は、相手に行動を求めるか否かの違いがあります。
DESC法は、自分の意見を主張しつつ、相手に行動してもらうことを目的とした文章構成法です。
たとえば、忙しい社員に新規プロジェクトへの参入を依頼したい際にDESC法を活用すると、納得した社員がプロジェクトへ参入してくれるかもしれません。
SDS法を活用するメリット
SDS法を活用するメリットを解説します。
情報をスピーディーに伝えられる
SDS法は、情報の要点を最初に相手へ伝えるため、スピーディーな情報伝達が可能です。
スピーディーな情報伝達は、相手の集中力を途絶えにくくする効果があるため、相手に話を理解してもらいやすかったり、伝えたいことを短時間で相手に伝えられたりします。
相手に理解してもらいたいときや短時間で用件を伝えたいときに、SDS法は効果的でしょう。
相手に伝わりやすい
SDS法は伝えたいことの要点を最初に話すため、詳細の内容を整理してもらいやすくなり、伝えたいことが相手に伝わりやすくなります。
突然具体的な内容を伝えたとしても、相手は内容の理解に時間がかかり、情報の整理や理解が難しくなる恐れがあります。
そのため、SDS法は、最初に要点を話すため相手に情報が伝わりやすいです。
SDS法を活用するデメリット
情報伝達のスピーディーさや伝わりやすさがあるSDS法ですが、デメリットもあるため注意が必要です。
詳細を伝えるのには不向き
SDS法は、短時間で事実を相手にわかりやすく伝える文章構成法のため、より詳細な情報を伝えるには不向きです。
たとえば、1分で自己紹介をする際に、「趣味はキャニオニングです」と話したあと、「キャニオニングとは~」とキャニオニングの詳細を話した場合、自己紹介ではなくなってしまい、ほかの伝えたいことを伝えられなくなる恐れがあります。
SDS法を活用する場合は、自分が伝えたいことを見極めて一貫性をもって伝えることが大切です。
主張をするには弱い
SDS法は、結論と理由をセットにして伝えるPREP法や、自分の意見を伝えるDESC法のように主張がない文章構成法のため、何かしらを主張したい場面には向いていません。
事実を端的にわかりやすく伝えたい場面に、SDS法を活用するといいでしょう。
SDS法の活用シーン
SDS法を活用できるシーンを紹介します。
ニュースや速報を伝えるとき
多くの視聴者に向けてわかりやすく、短時間で伝えなくてはならないニュースや速報はSDS法を活用できます。
たとえば、「動物園でパンダが生まれた」ニュースの場合、「〇〇動物園でパンダが生まれた」と要点を話し、生まれた日付、動物園の名称、パンダの体重、現在の状況などの詳細を伝え、最後に「生まれたパンダの名前を募集する予定です」のように情報がまとめられています。
商品説明
SDS法は、商品説明にも活用できます。
相手にわかりやすく、スピーディーに事実を伝えられるため、商品説明にSDS法をもちいた場合、短文でも相手に話を理解してもらえるでしょう。
自己紹介
自己紹介は、自分のことを短時間で説明し、相手に理解してもらう必要があります。
そのため、SDS法をもちいて最初に要点を伝えた場合、相手は自己紹介者のことをおおまかに理解できるので、その後の詳細も頭に入りやすいでしょう。
SDS法を使った例文
SDS法を使った例文を紹介します。
商品説明をする場合の例文
「スマートフォンの保護フィルム」を説明する場合の例文です。
覗き見防止機能つきのスマートフォンの保護フィルムは、あなたの個人情報を守ります。(要点)
弊社が販売する保護フィルムは、正面から見ると画面が鮮明に見えますが、360度覗き見防止機能がついているため、上下左右から見られた場合スマートフォンの画面は真っ暗で何も見えません。(詳細)
他社からの覗き見を防止できるので、満員電車や人混みで入力したパスワードや閲覧サイトを覗かれたくない方はぜひご使用ください。(要点)
自己紹介をする場合の例文
自己紹介で長所を伝える例文です。
私の長所は、一度立てた目標は必ず達成することです。(要点)
営業職として働いている私は、自分で立てた年間目標を達成するために、月次や週次で仕事の計画を立て、突発的な案件の発生などがあった場合も、適宜計画を修正して仕事をしています。(詳細)
目標を立てるとモチベーションも向上するため、目標達成につなげられています。(要点)
業務効率化のためにSDS法を実践しよう
SDS法は、相手にわかりやすく事実を伝える文章構成法です。
SDS法をもちいることで、スピーディーな情報伝達が可能となったり、相手に理解してもらいやすくなったりします。
SDS法を活用すれば、業務効率化にもつながるので、SDS法を上手にあつかえるよう日頃から意識して実践するといいでしょう。
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