アイドルタイムの意味とは?削減する方法と有効活用のポイントを解説
目次
アイドルタイムとは、人や機械、設備などが稼働せずに、待機している時間のことを指します。
この時間は実際の生産活動や有効な作業に使われていないため、無駄とみなされることが多いです。
アイドルタイムの発生により、コスト増加や生産性の低下、従業員のモチベーション低下につながりやすいため、アイドルタイムは削減が求められます。
本記事では、アイドルタイムとはなにか、削減する方法や有効活用するためのポイントを詳しく解説していきます。
アイドルタイムの意味とは
アイドルタイムとは、主に製造業や接客業において使われる言葉で、機械や人が稼働せずに待機している時間帯のことを指します。
無作業時間、遊休時間と呼ぶこともあります。
たとえば、飲食店でお客さんがいない時間や、工場で生産機械の稼働待ちをしている時間はアイドルタイムにあたります。
アイドルタイムは、英語で「動いていない」「開いている」「暇な」を意味する、「idle」に由来します。
歌って踊る歌手やタレントを指す「アイドル」は、英語では「idol(偶像、崇拝されている人やもの)」に由来しており、違う言葉なので区別しましょう。
アイドルタイムの対義語は「忙しい時間」をあらわす「ピークタイム」です。
アイドルタイムが発生しやすい業界・業種
とくにアイドルタイムが発生しやすいとされる業界は、以下のとおりです。
- 製造業
- 飲食業
- 旅行・ホテル業
- 小売業
製造業におけるアイドルタイムは、発生を防いだり減らしたりすることが可能といわれています。
しかし、飲食業やホテル業、接客業においては、アイドルタイムの発生が、顧客の都合や天候といったコントロールが難しい要因に左右されるため、業務を調整する必要があります。
業界別のアイドルタイムの例を紹介します。
製造業
製造業では、生産ラインが止まっていて、仕事がない時間のことをアイドルタイムと呼びます。
具体的には、以下のようなタイミングでアイドルタイムが発生します。
- 材料待ち
- 工具待ち
- 段取り替えの前後
- 急な停電や設備故障など予期せぬ事態
- 閑散期における生産調整など計画的なもの
飲食業
飲食業では、主にお客さんがいない時間帯にアイドルタイムが発生します。
- 客足が増えるピークタイム(モーニング・ランチ・ディナー)の合間
- 台風や猛暑などの天候不順で来客がない
- 近隣のイベント開催などで交通規制が発生
飲食業におけるアイドルタイムは、業態によって時間帯が異なります。
食事がメインの飲食店では15〜17時、カフェでは13〜15時、アルコールの提供がある居酒屋などでは夕方の開店から19時頃までに、アイドルタイムが発生しやすいといわれています。
旅行・ホテル業
ホテル業界も、接客が中心であるフロント業務において、業務量が減少する時間帯があり、アイドルタイムが発生します。
たとえば、チェックアウトから次のチェックインまでの時間、最終チェックインから次の日のチェックアウトが開始するまでの深夜の時間です。
小売業
小売業も、顧客の都合に左右されて、アイドルタイムが発生しやすい業界です。
たとえば、コンビニでは通勤通学の時間帯や昼食の時間、帰宅時間帯などには多くの顧客が訪れますが、その間の時間帯はアイドルタイムが発生します。
アイドルタイムの発生によるデメリット
アイドルタイムの発生は、企業や従業員に対して以下のようなデメリットをもたらします。
- コストが増加する
- 従業員のモチベーションが低下する
- サービスの品質が低下する
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
コストが増加する
アイドルタイム中でも、コストは発生します。
飲食店であれば、たとえば以下のような費用がかかります。
- 人件費
- 水道光熱費
- 家賃
- リース費用
- 食材費
設備や労働力が十分に活用されていないことから生じる損失、つまりアイドルタイム中のコストのことを「アイドルコスト」ともいいます。
従業員のモチベーションが低下する
アイドルタイムが発生すると、従業員はやることがなくなり、仕事への緊張感を失う可能性があります。
何もせず時間が過ぎるのを待つだけになり、苦痛を感じる従業員もいるでしょう。
働いたことで得られる充実感などもなくなり、従業員のモチベーションが低下するリスクがあります。
サービスの品質が低下する
アイドルタイムを基準として人員を減らしてしまうと、想定以上の仕事量が発生した場合に、十分な対応ができなくなります。
飲食店であれば、想定以上の顧客が訪れた場合、調理が間に合わなかったり、提供する料理のクオリティが下がってしまったりということもあるでしょう。
また、製造の現場においても、アイドルタイムが多発すると、本来その時間で生産できたはずのものが製造できなくなるため、納期遅延などの原因にもなり得ます。
アイドルタイムを削減する方法
業界や業種によっては、アイドルタイムを削減するのが難しい場合もあります。
しかし、業務プロセスの見直しをおこなったり、リソース配分を最適化させることで、アイドルタイムの削減や、アイドルタイムそのものを発生させないようにすることができます。
アイドルタイムを発生させないためにできる取り組みを2つ紹介します。
業務プロセスを見直す
業務のプロセスを見直すことで、アイドルタイムが発生する箇所を発見し、改善することができるでしょう。
各工程を細かく把握することで、アイドルタイムを短縮できるポイントが見つかりやすくなります。
たとえば、複数の作業をまとめたり、同時並行したりするといった改善が可能になり、また、不要な業務があった場合はその業務自体をスキップするとアイドルタイムの削減にさらにつながるでしょう。
製造の現場でも、アイドルタイム中に資材整理などのほかの必要な業務をおこなっておけば、効率よく業務が進み、無駄な残業時間も減るなどさまざまなメリットを期待できます。
リソース配分を最適化する
アイドルタイムが発生している場合、リソースの配分を見直すことでアイドルタイムを削減できる可能性があるでしょう。
たとえば、アイドルタイムが発生している場合、別の業務に人員を移動するなど、リソースの配分を工夫するといった方法があります。
生産計画を把握しておけば、どのタイミングでアイドルタイムが発生するか事前に把握できます。
その時間のリソースの配分を見直すことができれば、人材配置の最適化に役立つでしょう。
アイドルタイムを有効活用する方法
業界・業種によっては、発生を防ぐことが難しいアイドルタイムですが、以下のような取り組みによりアイドルタイムの有効活用ができます。
- 新人教育や研修をおこなう
- メンテナンスをおこなう
- バックオフィス業務をおこなう
- 営業活動や集客活用をおこなう
それぞれの方法について詳しく解説します。
新人教育や研修をおこなう
仕事や顧客が少ない時間帯は、新人教育や研修をおこなう時間として活用できます。
たとえば、飲食店であれば、調理方法や接客方法を教える時間として使えるでしょう。
小売業であれば、商品の補充方法、提供している商品について学ぶ時間として使う方法もあります。
社内研修も、忙しい時間帯を避けて実施することで、企業としての生産性を下げずに済みます。
研修自体をオンラインでおこなえば、移動時間の削減も可能です。
メンテナンスをおこなう
アイドルタイムは、設備の点検や清掃などをおこなうチャンスでもあります。
設備の点検は必要不可欠なものであり、勤務時間中におこなっておけば、無駄な残業時間の削減にもつながります。
整理整頓され掃除も行き届いている現場なら、仕事がやりやすくなり、生産性の向上といった効果も期待できるでしょう。
製造業だけではなく飲食店においても、普段使っている厨房機器などの点検をおこなうと、アイドルタイムの有効活用ができます。
バックオフィス業務をおこなう
バックオフィス業務とは、総務や人事、経理、法務、庶務などの、いわゆる事務作業のことです。
直接的な売上に関わらなくとも、組織運営をおこなううえでは欠かせない業務です。
アイドルタイムは、そうした細かな業務をおこなう時間帯としても活用できます。
アイドルタイムにこうした作業を終わらせてさせてしまうことで、主となる業務に集中できるようになるでしょう。
営業活動や集客活用をおこなう
近年、SNSを使った営業や集客は当たり前のものとなっています。
飲食店であれば、来店客の少ない時間帯で店舗外観や提供している料理の撮影、SNSへのアップといった活動が可能です。
SNSへの投稿、コメントへの返信など、営業や集客のための時間として使えば、アイドルタイムを有効に活用できます。
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アイドルタイムとは、勤務時間中に発生する「仕事がない時間」のことです。
アイドルタイムにもコストは発生するため、アイドルタイムの削減や有効活用は重要な課題です。
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