社内SNSとは?5つのメリット・デメリットやツール選定・運用方法を解説

目次
SNSが広く普及している現代において、社内SNSはコミュニケーションを活性化させるツールとして注目を集めています。
社内SNSを導入し、適切に活用すれば、社内のコミュニケーションを活性化させるとともに、業務効率も高めることが可能です。
本記事では、社内SNSとは何か、詳しく解説しています。
社内SNSの主な機能や導入するメリット・デメリット、社内SNSの導入を成功させるステップ、選び方のコツ、導入成功事例なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
社内SNSとは?
まず、社内SNSの定義やほかのSNSとの違いを紹介します。
社内SNSの定義
社内SNSとは、社内限定で利用されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことです。
チャットや掲示板、ファイル共有などの機能を備えており、メールや電話にくらべて気軽に使えるのが特長です。
社内SNSはメールのような定型文が不要で、電話のように相手を拘束せずにメッセージを残せるため、社内のコミュニケーション活性化に貢献しています。
近年では、社内限定の使用を前提にした専用アプリを開発する企業も増えており、さまざまな企業が導入しています。
通常のSNSとの違い
社内SNSは、企業内の従業員のみが利用する業務専用のSNSで、通常のSNSとは目的や機能が大きく異なります。
InstagramやX(旧Twitter)などの一般的なSNSがWeb上でのつながりを目的とするのに対し、社内SNSは自社内限定で従業員同士の業務連絡や情報共有を目的にしています。
通常のSNSはアカウントさえ作れば誰でも利用できますが、社内SNSを利用できるのは従業員のみです。
通常のSNSはタイムラインに表示される通常投稿のほか、リプライやダイレクトメールなどの機能があり、ファイルの共有も可能です。
社内SNSはチャットや掲示板の機能、ファイル共有機能、プロジェクト管理機能など、主にビジネス向けの機能を備えています。
セキュリティ面では、通常のSNSはアカウント所有者の判断で管理しますが、社内SNSは企業のセキュリティポリシーに則って管理するという違いがあります。。
社内SNSが注目されている理由
近年、社内SNSはメールや電話に代わる新たなコミュニケーション手段として、企業から注目されています。
SNSを日常的に利用する世代も多く、時代に即した情報共有の手段として導入を進める企業が増えています。
精度の高い価値ある情報を迅速に共有して対応することが求められる現代において、社内SNSは、従業員が持つ有益な情報を組織内で効率的に伝える手段として有効です。
テレワークなど多様な働き方が広がるなか、気負わずにやり取りできる社内SNSは従業員同士の心理的な距離を縮め、対面に近いコミュニケーションを可能にします。
社内コミュニケーションの活性化と業務の効率化の両方を達成したいなら、ビジネスチャットツールがおすすめです。
Chatworkは、チャット機能やファイル共有のほか、ビデオ通話、タスク管理など社内コミュニケーションの活性化と業務の効率化の両方で役立つ機能を備えています。
社内SNSの主な機能
社内SNSの主な機能は以下のとおりです。
- 個人チャット機能・グループチャット機能
- 通知機能・検索機能
- スタンプ・リアクション機能
- ファイル共有・アップロード機能
以下、詳しく紹介します。
個人チャット機能・グループチャット機能
社内SNSには、個人同士やチームメンバーでやり取りできるチャット機能が備わっています。
個人チャット機能は、特定の相手と1対1でメッセージを交わせるため、ほかの人に知られたくない内容のやり取りに適しています。
グループチャット機能を使うと、複数人が一度に参加できるチャットルームで情報を共有することが可能です。
掲示板のように情報をチーム全体で周知したり、業務連絡をチーム全員で確認できるように共有したり、ディスカッションしたり、多様な使い方ができます。
通知機能・検索機能
社内SNSの通知機能は、新着メッセージが届いたときやイベントが発生したとき、ユーザーへリアルタイムで通知をする機能です。
通知機能があれば、新しいメッセージや重要な情報をすぐに確認できます。
検索機能は、過去のメッセージをワードや条件で絞り込んで検索できる機能で、過去に共有した情報やファイル、マニュアルなどをすばやく見つけ出せます。
過去に共有した納期や予定の時間などを失念したときも、キーワードとなる言葉で検索すればすぐに確認が可能です。
スタンプ・リアクション機能
社内SNSには、感情や反応を気軽に伝えられるスタンプ・リアクション機能が搭載されています。
スタンプ機能では、表情や感情を表す画像やアイコンを使って、今の自分の感情を相手に視覚的に伝えることが可能です。
「迅速な返信が必要なメッセージだが、今は手が離せない」というシーンなどで、「了解した」「確認した」という意思表示にも使えます。
企業独自のスタンプを作成すれば、自社の世界観や理念を表現する手段としても活用できるでしょう。
リアクション機能は、投稿に対して「いいね」や絵文字で簡単に意思表示ができる機能です。
使い方次第では、選択式の簡単なアンケートをおこなうことも可能です。
ファイル共有・アップロード機能
ドキュメントや画像、資料など、さまざまな形式のファイルをチームで共有できるファイル共有機能も便利です。
また、チャット内へファイルをアップロードすれば、チームメンバー全員にすばやく情報を共有できるアップロード機能も汎用的に活用できます。
ファイル共有機能・アップロード機能とも、メールの送受信でやり取りするような無駄な時間がかからないため、業務効率の向上が期待できます。
社内SNS導入の5つのメリット
社内SNS導入のメリットは以下の5つです。
1. コミュニケーションの促進・活性化
2. 情報共有の円滑化・効率化
3. 業務効率の向上、マネジメントへの活用
4. 社内情報やナレッジの蓄積・共有
5. 多様な働き方への対応、従業員満足度の向上
以下では、それぞれのメリットの内容について解説します。
1. コミュニケーションの促進・活性化
社内SNSは、従業員同士の投稿や業務報告を通じて、会話が生まれるきっかけをつくることができます。
リアクション機能の「いいね」や絵文字を積極的に活用すれば、形式張らずに気軽なやり取りができるため、投稿やリアクションのハードルも下げられるでしょう。
同僚同士や上司と部下間でカジュアルな交流が実現することでコミュニケーションが促進され、役職や世代を超えたフィードバックの循環が生まれます。
コミュニケーションが活性化すれば、従業員の心理的安全性が高まり、組織全体のエンゲージメント向上にもつながります。
2. 情報共有の円滑化・効率化
社内SNSを活用すれば、メールの送受信や会議の開催を待たずに、必要な情報をリアルタイムでやり取りできます。
チャット機能への書き込みや投稿機能へのメッセージ投稿であれば、メールのように宛先や件名、挨拶の文章などに悩む必要がなく、電話のように相手を拘束する心配がありません。
社内規程の変更点などもスムーズに共有でき、過去の資料や情報の検索・再利用も容易です。
必要な情報を必要なときにすぐ確認できるため、従業員の退職・異動による知見や情報の喪失、業務の属人化なども防げます。
3. 業務効率の向上、マネジメントへの活用
社内SNSの投稿機能を活用すれば、各メンバーの業務進捗をリアルタイムで確認できるため、納期の見通し、業務上の課題などの早期把握につながります。
カレンダー機能を活用すれば、会議の日程調整を簡単におこなうことができ、日々の業務スケジュールも可視化できます。
投稿機能とカレンダー機能を組み合わせて活用すれば、管理者はチーム全体の業務状況を把握しやすくなり、進捗管理をより効率化できるでしょう。
また、アンケート機能を備えた社内SNSであれば、各メンバーが抱える悩みや不満の把握にも役立ちます。
メンバーの不満や悩みがわかれば、業務量の調整やタスクの向き不向きによる割り振りの調整など、マネジメント面でも適切な対応ができるでしょう。
4. 社内情報やナレッジの蓄積・共有
社内SNSは、資料や議事録、成功事例などをテーマごとに整理して蓄積できるため、必要な情報が個人のメールやファイルに埋もれてしまう心配がありません。
蓄積された資料や事例は、検索機能を活用すればすぐに見つけて再利用することが可能です。
新人は過去のログから学べるようになり、ベテランの暗黙知も資料や事例を参照することで、組織全体の資産として活かせます。
社内SNSで情報共有へのハードルが下がれば、業務のノウハウや情報の属人化防止にもつながります。
5. 多様な働き方への対応、従業員満足度の向上
社内SNSは、リモートワークや時短勤務など、多様な働き方を実践するときに役立つツールです。
PCやスマートフォンなど複数のデバイスに対応しており、時間や場所を問わず情報にアクセスできるため、柔軟な働き方を実現しつつ迅速な意思決定も可能となります。
従業員同士の気軽なやり取りと、情報や資料、事例などの蓄積を両立できる点も魅力です。
社内SNSの導入を検討するときは、既存のツールとの役割分担を明確にしておくと、より高い効果が期待できます。
社内SNS導入のデメリットや「盛り上がらない」理由
社内SNS導入のデメリットとして、セキュリティリスクが挙げられます。
具体的なセキュリティリスクとして、操作ミスによる情報漏洩、不正アクセスによる機密情報の流出、インターネット環境の不安定さによるデータの毀損などが考えられます。
仕事とプライベートが曖昧になりやすいのも社内SNSのデメリットです。
カジュアルなやり取りによって業務としての緊張感が失われ、規律が失われるおそれがあります。
また、社内SNSが盛り上がらない主な理由は、特定の従業員しか利用しないことです。
投稿のルールが不明瞭で「何を投稿するのが適切なのか」がわからない、ツールとしての操作が難しいなどにより、使用を控える従業員が多くなることもあります。
社内SNSを導入する上でのデメリットや盛り上がらない状況を改善する方法は以下のとおりです。
- 明確な運用ルールを策定し、勤務中の私用SNSの利用禁止、勤務時間外の利用制限などを規定して情報漏洩や誤操作などを抑制する
- アクセス権限や送信制限を厳格に設定して情報の誤送信などを防ぐ(とくに機密情報に触れる役職者に対して付与する権限は厳格に管理する)
具体的な運用方法は次項で解説します。
社内SNS導入を成功させるための運用方法4ステップ
社内SNS導入の4ステップは以下のとおりです。
- STEP 1:導入目的と運用ルールを明確にする
- STEP 2:既存ツールとの棲み分けを定義する
- STEP 3:運用担当チームを設置し、従業員への浸透施策をおこなう
- STEP 4:スモールスタートを切る
以下で、詳しく解説します。
STEP 1:導入目的と運用ルールを明確にする
社内SNSを導入するときは、自社の課題を洗い出し、課題に沿った機能が搭載されているツールを選ぶことが重要です。
導入するツールが決まったら、社内SNS上で共有する情報の範囲や種類に関するルールを明確にしましょう。
たとえば、「プロジェクト関連の情報は、すべてプロジェクト用に立ち上げたグループチャットで共有する」「全従業員への連絡はすべてタイムラインでおこなう」などのルールが挙げられます。
さらに、社内SNSを利用するときは役職に関係なくすべて敬語でやり取りする、プライベートな投稿は専用のグループでおこなうなど、ビジネス上で守るべきマナーや投稿ルールも必要です。
全社的な管理体制を整えることで、運用の質を保ちやすくなります。
STEP 2:既存ツールとの棲み分けを定義する
新しく導入する社内SNS以外にメールやチャット、グループウェアなどをすでに利用しているなら、それぞれの使い分けルールを整備することも大切です。
使い分けの例は以下のとおりです。
- 業務連絡はグループウェア
- 社外の関係者とのやり取りはビジネスチャット
- 気軽な社内コミュニケーションは社内SNS
- 主要取引先とのやり取りはメールと電話
上記のように分けておくと、情報の混在や漏洩などを防げます。
用途や緊急性によって、以下のように使い分けルールを決めることも有効です。
- 緊急を要する連絡はチャット
- 詳細な説明が必要な情報はメール
- 日常的なやり取りは社内SNS
緊急性や目的によって利用するツールを決めておくと運用効率が高まります。
STEP 3:運用担当チームを設置し、従業員への浸透施策をおこなう
社内SNSを導入する際は、運用担当チームを設置し、導入の目的や運用ルールを従業員に正しく周知することが重要です。
従業員が社内SNS導入の意義や具体的な使い方を理解してこそ、活用の基盤が整います。
運用担当チームは、トラブル発生時の相談窓口として対応するほか、操作に不安を抱える従業員に対して使い方をサポートすることも重要な役割のひとつです。
たとえば、社内SNSを利用している従業員がトラブルを起こしたら、運用担当チームは関係部署と連携して迅速な対応ができる体制を整えます。
SNSに不慣れな従業員がいる場合は初級者向けのトレーニングを実施する、参加型の投稿企画を開催するなど、利用へのハードルを下げる工夫も必要です。
社内SNSの導入を成功に導くためには、誰もが抵抗なく利用できる環境づくりが欠かせません。
STEP 4:スモールスタートを切る
社内SNSを導入するときは、いきなり全社展開をおこなうのではなく、一部の部署やグループに限定して試験導入しましょう。
ツールの導入範囲を限定することで、混乱やトラブルが大規模になるリスクを抑えられます。
社内SNSの試験導入では、コミュニケーションが活発な部署を選ぶのがおすすめです。
従業員間のやり取りに関する経験値が豊富な分、トラブルも起こりにくいでしょう。
段階的にツールの利用範囲を広げることで、課題や改善点を把握できます。
社内SNSとほかのコミュニケーションツールとの違いとは?
社内SNSは、ほかのコミュニケーションツールと異なる特徴を持っています。
たとえばグループウェアは、スケジュール管理やワークフローなど業務の効率化を目的としています。
一方、社内SNSは気軽なやり取りや交流を促すためのツールとして、コミュニケーション活性化を重視しているのが特徴です。
グループウェアと社内SNSは、機能的に大きな違いはありませんが、目的や重視する点に違いがあります。
メールは複数名に送信するときにCCやBCCを使う必要がありますが、社内SNSはグループチャットに内容を記入するだけなので、情報共有がスムーズです。
ただ、過去の情報を探す際は、日付の降順・昇順で並べ替えができるメールの方が社内SNSより便利かもしれません。
SNSツールと連携できるビジネスチャットにChatworkがあります。
Chatworkは、RECOGやUniposなどのSNSツールと連携すれば、投稿をグループチャット上で閲覧できます。
新着投稿を確認するとき、わざわざSNSツールを起動する必要がないので便利です。
IFTTTなどのサービスを利用すれば、FacebookやInstagram、RSSの通知をグループチャットに届くように設定可能です。
興味のある人は、下記のリンクを確認してみてください。
社内SNSツールのおすすめの選び方
社内SNSツールを選定する際は、導入目的の達成度を測るために、投稿数やアクセス状況を可視化できる分析機能が備わっているかを確認しましょう。
情報を届ける相手を指定できるメンション機能、メッセージを読んだ人間を確認できる既読機能があると、情報の確実な伝達に役立ちます。
外部ツールと連携できる社内SNSを選べば、それぞれのツールの情報を集約して確認できます。
既存の業務ツールと連携性の高い社内SNSを選べば、業務効率の向上につながるでしょう。
社内SNS導入の成功事例3選
社内SNSの導入を検討するときは、他社の成功事例を参考にするのも有効です。
以下、社内SNSの導入に成功した3社の事例を紹介します。
[生命保険]ハイブリッドワークでもコミュニケーションを促進
インターネットで保険商品を販売するライフネット生命保険株式会社は、在宅勤務と出社勤務が混在する環境下で従業員同士の交流不足に悩んでいました。
同社は、とくにコミュニケーション不足が深刻だったコンタクトセンターへ、従業員間のやり取り活性化を目的として社内SNSを導入しました。
導入のきっかけは、顔を合わせることなく感謝の気持ちを伝えられる「サンクスカード」の存在です。
初ログイン時にはすでに各従業員宛てにサンクスカードが届いている状況をつくるなど、社内SNSの利用を促す工夫も積極的におこなわれました。
現在は業務に支障のない範囲で自由にサンクスカードを送り合ったり、趣味の投稿を通じた交流が活発化したりしており、レター送信数も導入当初より約20%向上しました。
同社が使用している社内SNSは、Chatworkでも連携可能です。
出典:ハイブリッドワークでもコミュニケーションを促進する秘訣とは?
[SES事業]SNS感覚でコミュニケーション活性化
SES事業や受託開発を手掛ける株式会社VITAでは、従業員の多くが客先常駐で働いているため、社内コミュニケーションが活性化しにくいという課題を抱えていました。
従業員の会社への帰属意識も薄まっていたことから、コミュニケーション不足を解消するため、同社は社内SNSを導入しました。
導入した社内SNSはスマートフォンから手軽に投稿できる仕様だったため、本社と現場のエンジニアの間で自然な会話が生まれるようになったそうです。
ツールの利便性の高さが従業員の投稿意欲を高め、物理的に離れた場所で働く者同士の交流を促進し、コミュニケーションの活性化と帰属意識の醸成につながっています。
出典:SES事業ならではの帰属意識の課題を解消。VITAの「SNS感覚で使える」エンゲージメント基盤
[保守管理]部署・拠点を超えたコミュニケーションが活性化
ビル・マンションの保守管理や改修工事を手掛ける環協株式会社は、組織再編やコロナ禍の影響で、社内のコミュニケーションが希薄化していました。
コミュニケーション不足の深刻化を止めるため、同社は社内SNSを導入しました。
ツール導入後、社内で組織に関する意見交換が活発になり、社内SNSを起点とした組織開発が進んだそうです。
導入の結果として、部署や拠点などの垣根を超えたやり取りが増加し、風通しのよい職場環境の構築につながりました。
同社が使用している社内SNSは、Chatworkでも連携可能です。
出典:部署や拠点を超えたコミュニケーションが活性化。Uniposが組織開発の起点に
社内SNSとChatworkを連携してもっと便利に!
社内SNSは、従業員同士のコミュニケーションを活性化し、業務の効率化にもつながる便利なツールです。
社内SNSを導入する場合は、まず特定の部署やチーム単位で運用し、効果を確認しながら段階的に展開していきましょう。
社内SNSをさらに有効活用するなら、ビジネスチャットツール「Chatwork」の活用もおすすめです。
Chatworkはグループチャット機能が充実しており、社内だけでなく社外とのコミュニケーションもスムーズにおこなえます。
一部の社内SNSはChatworkとの連携に対応しており、両方を導入すれば、情報共有の効率化を一層高めることが可能です。
情報の集約化による業務の効率化に興味がおありなら、ぜひChatworkをご活用ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。