在宅勤務の課題とは?在宅勤務の導入時・実施中の8つの課題と解決方法
目次
テレワークが推奨されたことで増加している在宅勤務の導入時や実施中に課題を感じる場合もあるようです。
コミュニケーションや業務効率に課題があるまま在宅勤務を続けていると、生産性やモチベーションを下げてしまう結果になり、会社の業績が落ちる原因になる可能性があります。
在宅勤務の課題の原因と解決方法を理解し、スムーズな在宅勤務の導入や実施につなげましょう。
在宅勤務の課題はどのようなものがある?
在宅勤務の導入時や実施中に感じる課題は、会社のデジタル化の遅れや適切でないツールの導入など、通常の勤務時からある問題が原因となっている場合が多いでしょう。
課題を解決せず、在宅勤務の作業効率を改善しないままで続けることは、通常の勤務時を含め、会社全体の生産性を落としているともいえます。
在宅勤務の課題を、一部の人が感じているだけととらえず、会社全体の課題として考えて解消に取り組む必要があります。
在宅勤務導入の課題、在宅勤務実施中の課題について見ていきましょう。
在宅勤務導入の課題:デジタルへの対応が十分ではない
在宅勤務中の業務は主にPC上でおこなうことになります。
しかし、業務にかかわる資料を紙で保存している、メールよりもFAXでの受発注が多いなど、デジタルへの対応が不十分だと、在宅でできない作業が増える原因になってしまいます。
漠然とセキュリティやコストに対する不安があるままアナログでの業務を続けるよりも、VPN(Virtual Private Network)やクラウドサービスの導入、パスワード管理の徹底など適切な対策をおこないデジタルに対応する方が、会社全体の生産性向上や柔軟な働き方につながるでしょう。
在宅勤務導入の課題:部署や業務内容によりできない人がいる
在宅勤務では作業できない部署や、部署の中でも一部の人は出勤して対応せざるをえない作業がある場合、在宅勤務の導入が進まなかったり不公平感を感じる社員もいるでしょう。
しかし、以前は出勤しないと対応できないといわれていた経理や電話対応などの作業は、デジタルシステムの進化により在宅勤務でも対応できるようになってきています。
本当に在宅ではできないのか、在宅勤務をおこなうための解決方法はないのかを柔軟に考える必要があるでしょう。
在宅勤務導入の課題:社員に消極的な意見やムードがある
在宅勤務に対して漠然とした不安がある、住環境や家族構成により自宅で仕事ができる環境が整わないなどの理由により、在宅勤務に消極的な社員がいることもあるでしょう。
仕事に最適な環境が整えられている会社のほうが効率よく作業できると考えるのは当然のことですが、それを理由に変化を避けるような意見やムードが社内に広がってしまうと、在宅勤務の導入が遅れたり、導入後の生産性が下がる原因になります。
アンケートなどで不安を感じる原因を洗い出し、在宅勤務手当による環境整備の補助やデジタルツールの導入で解決できることはないか検討してみましょう。
在宅勤務導入の課題:機器やツールの導入にコストがかかる
在宅勤務をはじめるときは、PCの用意やネットワーク環境の整備、コミュニケーションツールや退勤管理などのビジネスツールの導入に費用ががかります。
在宅勤務に移行する社員の人数によっては金額も大きくなるため、在宅勤務の導入に尻込みしてしまうこともあるでしょう。
しかし、交通費やオフィスの光熱費など、在宅勤務により削減できるコストも多くあります。
ツールの導入はオフィスで働く社員の業務効率化につながるものもあるため、さまざまな視点から前向きに検討してみるとよいでしょう。
在宅勤務実施中の課題:社員間のコミュニケーションが不足する
実際に在宅勤務をはじめ、実施する中で感じる課題として多くあげられているのが、コミュニケーションの不足です。
オフィスで顔をあわせて働いていたときは一声かけるだけでスムーズにおこなえていた情報共有が、ツールを通じておこなうようになるとハードルが上がったと感じ回数が減ってしまったり、何気ない雑談ができなくなることで孤立感を感じることがあるようです。
業務に関する意思疎通に問題が出てくるとミスや生産性の低下につながる恐れがあるため、早急に解消する必要があるでしょう。
在宅勤務実施中の課題:アナログでおこなっていた作業が滞る
資料の作成や保管、稟議書や受発注のやりとりを電子ではなく紙でおこなっていた場合、在宅勤務に移行するとこれまでどおりに作業が進められなくなります。
対応のために一部の人が出勤する必要が出てきた場合、不公平感を感じさせる原因にもなってしまうでしょう。
電子化は在宅勤務での作業をスムーズにするだけでなく、データの保管や検索が容易になり人手不足解消になるなどメリットが多くあるため、進んでいない会社はなるべく早めに対応すべきでしょう。
在宅勤務実施中の課題:ビジネスチャンスが減る
取引先との打ち合わせや商談を対面でおこなっていた場合、在宅勤務に移行したことによりビジネスチャンスが減ったと感じることがあるようです。
取引先も在宅勤務やビデオ会議での商談をおこなっている場合は比較的スムーズにやりとりができますが、取引先や自社がデジタルシステムに不慣れだと、コミュニケーションがとりにくい場合もあるでしょう。
また、案件に関して社内で連携しなくてはいけない他部署とのやりとりがしにくく、仕事を進めにくいこともあるようです。
在宅勤務実施中の課題:人材評価や労務管理がしにくい
在宅勤務になると、勤務態度を見ることができない、実際の勤務時間や成果につながった行動を把握しにくいという理由で、管理職にとっては人材評価や労務管理がむずかしくなります。
同じ空間で働いていることを前提とした評価制度や管理制度のままでは対応にばらつきが出たり公平でなくなる可能性があるため、働く場所に左右されない制度を新たに構築する必要があるでしょう。
在宅勤務の課題を放置すると会社の成長の妨げになる
在宅勤務の導入時や実施中に感じた課題を放置していると、単に在宅勤務がうまくいかないだけでなく、会社の成長を妨げる原因になってしまいます。
デジタル対応の遅れや適切でないツールの使用は、通勤して仕事をしている社員やつき合いがある取引先にとっても、見えない課題となっている場合が多くあるためです。
在宅勤務によって明らかになった非効率な仕事の進め方を改善しないままでは、旧態依然とした会社であると社員や取引先に評価されるようになり、次第に人心が離れて取り残される恐れがあります。
働き方の多様化が進む中で、働く場所や環境にとらわれず会社が成長を続けていくために、課題の解決は不可欠でしょう。
在宅勤務の課題を解決する方法
在宅勤務の課題を解決する具体的な方法について見ていきましょう。
在宅勤務のメリット・デメリットを整理し共有する
在宅勤務に消極的な社員の姿勢を変えるには、在宅勤務のメリットを説明し納得してもらう必要があります。
通勤がなくなり自分の時間が増える、自宅で自分だけに適した環境を整えて仕事ができる、フレックスタイム制をあわせて導入し働く時間にも柔軟性を持たせるなど、社員が前向きに取り組める要素を考えてみましょう。
また、在宅勤務にはデメリットを感じる場合もあります。デメリットをないことにするのではなく、明らかにしたうえで解決方法をあわせて提示することで、社員の不安が解消されるでしょう。
デジタルへの対応を進める
資料の電子化やデジタルツールの導入など、デジタル化の対応を進めることは、在宅勤務導入の有無に関わらず重要です。
文書管理にはクラウドストレージ、コミュニケーションにはチャットツール、勤怠管理や業務内容の把握には業務管理ツールなど、出勤での勤務中から業務効率化に活かせるツールはたくさんあります。
比較的安価に導入できるものもあるため、なるべく早急に費用や機能を検討してみましょう。
業務の見える化をおこなう
属人化解消のためにおこなわれることが多い業務の見える化ですが、在宅勤務における作業や進捗管理においても役立ちます。
業務プロセスを統一し誰でも理解できる状態にしておくことで、会社から自宅に働く場所が移ってもミスが起こりにくく、進捗状況を共有しやすくなります。
助成金を利用する
在宅勤務の導入に際し費用に不安がある場合は、公的機関による助成金の利用を検討するとよいでしょう。
厚生労働省が創設した人材確保等支援助成金(テレワークコース)では、指定された要件を満たすことにより、ネットワーク機器やセキュリティ機器などの導入・運用にかかる費用の一部が支給されます。[注]
気軽にコミュニケーションがとれるツールを導入する
在宅勤務時のコミュニケーションに課題を感じる場合は、ビジネスチャットなどのコミュニケーションツールの導入を検討しましょう。
気軽に連絡ができるチャットツールならコミュニケーションの量を改善できます。
また、ビデオ通話機能やファイル共有機能を活用することでより確実な情報のやりとりができるようになり、コミュニケーションの質を改善できるでしょう。
取引先とのコミュニケーションにもデジタルツールを活用する
在宅勤務により商談機会が減ることが心配な場合は、簡単にアクセスできるビジネスチャットツールやビデオ通話ツールを使うとよいでしょう。
コミュニケーションツールの中には社内だけでなく社外とのやりとりに活用できるものもあります。
相手がデジタルツールに慣れていない場合も考えて、なるべくシンプルな画面や機能のものを選ぶとよいかもしれません。
評価制度を改定する
在宅勤務においては社員の勤務態度や状況が見えにくく、わかりやすい成果だけをもとに人事評価をおこなってしまう傾向があるようです。
これまで以上に期日と目標を明確に設定しリモート面談でプロセスを確認する、通勤している社員と在宅勤務の社員の評価にばらつきが生じないよう評価方法を統一するなど、より公明で適正な評価制度を考える必要があるでしょう。
在宅勤務の課題の解決にChatwork
在宅勤務の導入時や実施中に感じる課題には、デジタル化に遅れがあることや、コミュニケーションがうまくとれないことなどがあげられます。
デジタルの書類を共有したり気軽なコミュニケーションをおこなうために、まずはビジネスチャットツールを導入してみるとよいでしょう。
ビジネスチャットの「Chatwork」は、デジタルツールに慣れていない人でもわかりやすいシンプルな画面が特長で、グループチャットやビデオ通話、ファイル管理など、ビジネスに必要な機能が揃っています。
取引先や他部署とのコミュニケーションにも利用できるため、通勤から在宅へ仕事環境が変わっても、スムーズに商談や打ち合わせをすることが可能です。
在宅勤務の課題解決の第一歩として、Chatworkの導入をご検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[注]出典:厚生労働省|人材確保等支援助成金(テレワークコース)のご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000766164.pdf