【人手不足を解消した企業の事例12選】人手不足を招く企業・業種の特徴や、根本的な原因・解決策も解説

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働き方改革
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【人手不足を解消した企業の事例12選】人手不足を招く企業・業種の特徴や、根本的な原因・解決策も解説
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目次

今、日本の多くの企業が、深刻な人手不足という課題に直面しており、事業の縮小や倒産といった事態に発展しかねない状況にあります。

しかし、適切な対策を講じることで人手不足を解消し、さらなる成長を遂げている企業も数多く存在します。

本記事では、人手不足の根本的な原因や対策、そして実際に課題を解決した12の成功事例までを詳しく解説します。

人手不足が起こる4つの原因

近年、これほどまでに多くの企業が人手不足に悩まされているのはなぜなのでしょうか。

主な原因として、以下の4点が挙げられます。

1. 少子高齢化による生産年齢人口の減少

人手不足の根本的な原因は、少子高齢化に伴う生産年齢人口(15歳~64歳)の減少です。

日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少を続けており、今後もこの傾向は加速すると予測されています。

働き手の絶対数が減っているため、企業間の人材獲得競争が激化するのは避けられない状況にあります。

2. 労働需要の拡大(有効求人倍率の上昇)

景気の回復局面や、新たな産業の成長に伴い、企業の労働需要は拡大しています。

仕事を求める求職者一人あたりに何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」が高い水準で推移しており、求職者よりも求人数の方が多い「売り手市場」が常態化しているため、企業は人材を確保しにくくなっています。

3. 労働需給のミスマッチ

求職者が希望する職種や労働条件と、企業が求める人材像との間に「ミスマッチ」が生じていることも大きな原因です。

例えば、特定の専門スキルを持つ人材が不足している一方で、事務職などの人気職種には応募が殺到するといった偏りが見られます。

また、賃金や勤務地、働き方の柔軟性といった条件が合わず、採用に至らないケースも多くあります。

4. 働き方に対する価値観の変化

現代の求職者は、給与の高さだけでなく、ワークライフバランスや仕事のやりがい、キャリア形成の機会などを重視するようになっています。

長時間労働が常態化していたり、柔軟な働き方ができなかったりする企業は求職者から敬遠されやすい傾向にあり、人手不足に陥る可能性が高まります。

人手不足が深刻な業界・業種

人手不足は全産業的な課題ですが、特に深刻な状況に置かれている業界・業種があります。

以下で紹介する業界は、労働集約型であったり、専門的なスキルが必要であったりといった特徴を持っており、人手不足の解消が難しい状況です。

建設業

職人の高齢化と若手入職者の減少により、慢性的な人手不足が続いています。

2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(2024年問題)も、人手不足に拍車をかけています。

>2024年問題に関する記事はこちら

運輸・物流業

EC市場の拡大で物流需要が増加する一方、トラックドライバーの高齢化となり手不足が深刻です。

建設業と同様に、2024年問題の影響を大きく受けています。

医療・介護業

高齢化社会の進展に伴い、サービスの需要は急増していますが、人材の供給が追いついていません。

身体的・精神的な負担の大きさに対して、賃金水準が低いといった課題も、人材確保を難しくしています。

情報通信業(IT業界)

DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、ITエンジニアなどの専門人材の需要が爆発的に増加しています。

高度なスキルを持つ人材の争奪戦が激化しており、多くの企業でエンジニアが不足しています。

サービス業(飲食・宿泊など)

コロナ禍からの経済回復で需要が戻ったものの、離職した人材が戻らず、深刻な人手不足に陥っているのが、飲食・宿泊などのサービス業です。

不規則な勤務時間や低い賃金水準が人材確保の障壁となっています。

人手不足に陥りやすい会社の特徴

同じ業界内でも、人手不足に悩む会社と、そうでない会社が存在します。

人手不足に陥りやすい会社には、以下のような共通した特徴が見られます。

1. 労働条件・待遇が悪い

給与が業界平均よりも低い、年間休日数が少ない、残業が多いといった会社は、当然ながら人材が集まりにくく、定着もしません。

2. 職場環境や人間関係に問題がある

パワハラやセクハラが横行している、コミュニケーションが不足している、風通しが悪いといった職場環境は、社員の離職を招く大きな要因です。

3. 評価制度が不明確で、将来の展望が見えない

頑張っても正当に評価されない、昇給や昇進の基準が曖昧であるといった会社では、社員のモチベーションが低下し、優秀な人材ほど早期に見切りをつけて退職してしまいます。

4. IT化が遅れており、生産性が低い

いまだに紙や印鑑に頼ったアナログな業務が多く、非効率な作業に時間を取られている会社です。

社員一人あたりの生産性が低いため、常に忙しく、人手が足りない状況が続きます。

5. 採用活動に力を入れていない

「ハローワークに求人を出しておけば人が来る」といった感覚のまま、積極的な採用活動を行っていない会社は、激しい人材獲得競争に勝つことはできません。

人手不足を解消した会社の事例12選

では、実際に企業はどのようにして人手不足を解消しているのでしょうか。

ここでは、さまざまなアプローチで課題を解決した12の成功事例をご紹介します。

事例1:【DX推進】デジタル技術で現場作業を効率化した建設会社

ある地方の建設会社は、若手社員の採用難とベテラン社員の高齢化に悩んでいました。

そこで、ドローンによる測量や、タブレット端末を活用した図面共有システム、遠隔臨場システムなどを積極的に導入しました。

その結果、現場への移動時間や事務作業時間が大幅に削減され、少ない人数でも多くの現場を管理できるようになりました。

生産性が向上したことで、残業時間も削減され、若手人材からの応募も増加しました。

事例2:【シニア活用】定年延長と再雇用で熟練技術を維持した製造業

高度な金属加工技術を持つある中小製造業では、技術承継が課題となっていました。

同社は定年を65歳まで延長し、さらに希望者は70歳まで継続雇用できる制度を導入しました。

体力的な負担の少ない工程への再配置や、短時間勤務制度も併用することで、シニア層が無理なく働き続けられる環境を整備しました。

熟練技術者が長く活躍することで、人手不足が解消されるとともに、若手への技術指導もスムーズに進むようになりました。

事例3:【女性活躍】柔軟な働き方で主婦層を戦力化したコールセンター

あるコールセンターでは、フルタイム勤務のオペレーター採用が難航していました。

そこで、ターゲットを子育て中の主婦層に広げ、1日3時間から、週2日からでも勤務可能な「超短時間シフト」を導入しました。

隙間時間を活用して働きたい層のニーズと合致し、応募が殺到。

十分な人員を確保でき、顧客への応答率も向上しました。

事例4:【外国人材活用】特定技能人材の受け入れで体制を強化した介護施設

慢性的な人手不足に悩む介護施設では、新たな在留資格である「特定技能」を活用し、外国人材の受け入れを開始しました。

受け入れにあたっては、生活支援や日本語教育のサポート体制を充実させ、安心して働ける環境づくりに注力しました。

意欲の高い外国人スタッフが加わったことで、現場が活性化し、サービス品質の向上にもつながりました。

事例5:【アウトソーシング】ノンコア業務を外部化し、社員の負担を軽減したIT企業

急成長中のITベンチャー企業では、エンジニアや営業担当者が、請求書発行や採用日程調整といった事務作業に忙殺されていました。

そこで、これらのノンコア業務をオンラインアシスタントサービスにアウトソーシングしました。

社員は本来のコア業務に集中できるようになり、生産性が向上。

長時間労働も是正され、離職率の低下にもつながりました。

事例6:【リファラル採用】社員の紹介でマッチ度の高い人材を獲得した飲食チェーン

求人広告費の高騰に悩んでいた飲食チェーンでは、既存社員からの紹介による「リファラル採用」を強化しました。

紹介してくれた社員と、入社した社員の双方に報奨金を支給する制度を導入し、社内で積極的に告知しました。

社員が自社の良い点も悪い点も伝えたうえで紹介するため、入社後のミスマッチが少なく、定着率の高い人材を低コストで採用することに成功しました。

事例7:【副業・兼業人材活用】外部のプロ人材を活用して新規事業を立ち上げた小売業

新規事業を立ち上げたい地方の小売業ですが、社内にノウハウを持った人材がいませんでした。

正社員として採用するのはリスクが高かったため、都市部の企業に勤めるマーケティングのプロを、副業人材として業務委託で迎え入れました。

週に数時間のオンラインミーティングとチャットでの相談を中心にプロジェクトを進め、低コストで専門的な知見を活用することに成功しました。

事例8:【多様な働き方】フルリモート導入で全国から人材を採用したシステム開発会社

エンジニアの採用難に苦しむシステム開発会社は、原則出社という勤務形態を廃止し、完全フルリモートワーク制度を導入しました。

これにより、通勤圏内に住む人だけでなく、日本全国、さらには海外在住のエンジニアも採用対象となりました。

優秀な人材を地域を問わず確保できるようになり、採用競争力が劇的に向上しました。

事例9:【待遇改善】思い切った賃上げで離職を食い止めた運送会社

ドライバーの連鎖退職に直面した運送会社は、危機感を抱き、荷主との運賃交渉を行いました。

交渉の結果得られた原資を元に、ドライバーの給与を業界平均以上に引き上げました。

同時に、休日数を増やし、労働環境を改善したことで、既存ドライバーの離職が止まり、新たな応募者も増え始めました。

事例10:【採用ブランディング】自社の魅力を発信し、応募者を倍増させた製造業

「きつい」というイメージを持たれがちな金属加工メーカーは、採用ブランディングに着手しました。

若手社員が活躍する様子や、最新の設備、アットホームな社風などを動画で制作し、SNSやYouTubeで積極的に発信しました。

「かっこいい町工場」としての認知が高まり、若手からの応募者が前年比で倍増しました。

事例11:【多能工化】社員のスキルアップで柔軟な人員配置を実現したホテル

人手不足のホテルでは、フロント係、レストラン係、清掃係といった職種間の垣根を取り払い、一人が複数の業務をこなせる「多能工化」を進めました。

閑散時には少ない人数で運営し、繁忙時には応援に入り合うことで、効率的な人員配置が可能になりました。

社員のスキルアップにもつながり、モチベーション向上にも寄与しました。

事例12:【アルムナイ採用】退職者を再雇用し、即戦力を確保した商社

ある商社では、育児や介護、転職などで一度退職した元社員(アルムナイ)との関係を維持するネットワークを構築しました。

定期的に会社の状況を発信し、復職を歓迎する姿勢を明確にしました。

その結果、ライフステージの変化などで再び働けるようになった元社員が復職するケースが増え、採用コストゼロで、社風を理解した即戦力を確保できるようになりました。

【短期・すぐできる】人手不足の解消方法

事例でも紹介したように、人手不足を解消するにはさまざまなアプローチがあります。

ここでは、比較的短期間で効果が期待できる対策から紹介します。

1. アウトソーシング(外部委託)の活用

まず、今いる社員しかできない「コア業務」と、外注しても差し支えない「ノンコア業務」を切り分けます。

経理入力、書類作成、電話対応、データ集計といったノンコア業務を外部の専門業者に委託することにより、実質的な人員増と同じ効果を得ることができます。

2. 人材派遣の利用

急な欠員や繁忙期の一時的な人手不足には、人材派遣の活用も有効です。

必要なスキルを持った人材を必要な期間だけ迅速に確保できるため、採用活動の手間がかからず、即効性が高いのがメリットです。

3. 業務フローの見直しと無駄の削減

既存の業務の中に、慣習で続けているだけの無駄な作業がないかを見直します。

不要な会議の廃止、報告書の簡素化、重複する承認プロセスの削減などを行うだけで、業務時間を短縮できます。

お金をかけずにすぐにできる効果的な対策です。

4. 採用チャネルの拡大

これまで利用していなかった求人媒体や、採用手法を試してみましょう。

例えば、ハローワークだけでなく、求人検索エンジンへの掲載、SNSを活用した告知、社員への紹介依頼(リファラル採用)などが挙げられます。

【中長期・じっくり取り組む】人手不足の解消方法

続いて、人手不足の根本的な原因を解消するための、中長期的な対策を紹介します。

1. DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

ITツールやデジタル技術を活用して業務プロセスそのものを変革することで、生産性を高め、少ない人数でも回る組織体制の構築を目指します。

具体的には、RPAによる定型業務の自動化、AIチャットボットによる問い合わせ対応の自動化、クラウドシステムによる情報共有の効率化などが挙げられます。

2. 働き方改革と職場環境の改善

多様な人材が活躍できるように、柔軟な働き方を導入することも重要です。

テレワーク、フレックスタイム制、時短勤務制度などを整備し、育児や介護と仕事を両立しやすい環境をつくります。

また、長時間労働の是正や有給休暇の取得促進など、ホワイトな職場環境をアピールできるようにすることも効果的です。

3. 公正な評価制度の構築と賃上げ

社員の頑張りが正当に報われる評価制度の構築を目指します。

納得感のある評価は、社員のモチベーションを高め、定着率を向上させます。

また、生産性向上によって得られた利益を原資として、計画的な賃上げを行うことで、人材獲得競争力を高めます。

4. 採用ブランディングの強化

自社の強みや魅力、理念を明確にし、求職者に向けて継続的に発信することも効果的です。

「給与が高いから」だけでなく、「この会社のビジョンに共感したから」「この会社で成長したいから」という理由で選ばれる会社になることを目指します。

採用サイトの充実や、オウンドメディアでの情報発信が有効です。

5. 人材育成体系の整備

採用した人材を早期に戦力化し、長く活躍してもらうための育成システムを整えます。

例として、OJT、階層別研修、スキルアップ研修、資格取得支援などを充実させることが挙げられます。

社員の成長を支援する企業姿勢は、採用においても強力な武器となります。

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人手不足に悩む企業におすすめなのが、アウトソーシングサービス『Chatwork アシスタント』です。

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Chatwork アシスタントが人手不足に役立つ理由

続いて、『Chatwork アシスタント』が人手不足に役立つ理由を紹介します。

1. 採用・教育コストゼロで即戦力を確保できる

人材を採用するには、求人広告費や紹介手数料といった採用コストに加え、入社後の教育コストもかかります。

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2. 必要な時に必要な分だけ柔軟に利用できる

『Chatwork アシスタント』は、「月末月初だけ忙しい」「イベントの時期だけ人手が欲しい」といった業務量の波に合わせて利用できます。

月々の契約時間を調整できるため、固定の人件費を抱えるリスクがなく、無駄のないリソース活用が可能です。

3. 幅広い業務に対応し、社員をコア業務に集中させられる

『Chatwork アシスタント』には、経理の仕訳入力、請求書発行、採用スカウトメールの送信、出張手配、リサーチ業務など、多岐にわたるノンコア業務をまとめて依頼できます。

社員が煩雑な事務作業から解放され、売上を生み出すコア業務に専念できるようになるため、組織全体の生産性向上が期待できます。

まとめ

本記事では、人手不足の原因と現状を分析し、具体的な解決策と成功事例を紹介しました。

人手不足はもはや一時的な課題ではなく、企業が生き残るために避けては通れない問題です。

DXによる生産性向上、働き方改革による魅力ある職場づくり、アウトソーシングの戦略的活用など、打つべき手は数多く存在するため、自社に合った方法で人手不足の予防・解消を目指してみてはいかがでしょうか。

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。


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人手不足の解消に関するQ&A

企業がお金をかけずにできる、一番効果的な人手不足対策は何ですか?

「今いる社員を大切にすること」です。

離職を防ぐことが、最もコストのかからない、かつ確実な人手不足対策です。

具体的には、社員の話をよく聞く、感謝の言葉を伝える、長時間労働を少しでも減らす工夫をするなど、職場環境と人間関係を良くする取り組みから始めましょう。

社員が定着すれば、採用コストも削減できます。

DXを進めたいのですが、何から始めれば良いかわかりません。

まずは、身近な業務の「ペーパーレス化」から始めるのがおすすめです。

紙の勤怠管理をクラウドシステムに変える、紙の請求書を電子発行に切り替える、といった取り組みです。

これだけでも業務効率は大きく改善します。

小さな成功体験を積み重ねることで、社内のDXに対する抵抗感を減らし、次のステップへと進みやすくなります。

人手不足解消のために、国から補助金や助成金は出ていますか?

はい、さまざまな支援制度があります。

ITツール導入を支援する「IT導入補助金」、社員のスキルアップを支援する「人材開発支援助成金」、非正規社員の正社員化を支援する「キャリアアップ助成金」、省力化投資を支援する「中小企業省力化投資補助金」などが代表的です。

自社の取り組みに合わせて、活用できる制度がないか、社会保険労務士や商工会議所などに相談してみることをおすすめします。

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