生涯学習とは?目的や種類、推進メリット、リカレント教育との違いを解説
目次
生涯学習とは、人生を豊かにするための幅広い活動・学習を実践する意味合いを指します。
新しい知識や教養を身につけられるだけでなく、心と体の健康促進のためにも重要です。
仕事に関わる学習から、プライベートの趣味に関わる学習まで、どのような内容が生涯学習にあげられるのでしょうか。
生涯学習を推進する方法や効果とともに解説します。
生涯学習とは?
生涯学習には、生まれてから人生を終えるときまで、仕事からプライベートを含めたさまざまな学習に挑戦するという意味があります。
たとえば、趣味でピアノの教室に通うことや、仕事に関わる資格取得に励むなど、新しい知識・教養を広げる活動全般が含まれるでしょう。
生涯学習では、下記の4項目を大切にします。
- いつでも:Whenever
- どこでも:Wherever
- だれでも:Whoever
- なんでも:Whatever
社会全体・地域・家庭・学校・職場など、あらゆる場面で人生を充実させる学習にとりくめます。
リカレント教育との違い
リカレント教育の場合は「社会人から学びなおしをする」といった意味があり、仕事に関わる勉強に限定される特徴があります。
たとえば、資格取得に関わる講座の受講、大学院・大学・専門学校に入学するなど、仕事に関するスキルアップを図るときに使う言葉です。
生涯学習は、仕事からプライベートまで幅広い学習が含まれるという違いがあります。
生涯学習の目的
生涯学習をとりいれる目的や理念として、教育基本法第3条における規定があげられます。
「国民一人一人が,自己の人格を磨き,豊かな人生を送ることができるよう,その生涯にわたって,あらゆる機会に,あらゆる場所において学習することができ,その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」
[※1]
人生を豊かにするためにも、生涯をとおして学び続けられる社会環境づくりが重要なことがわかります。
生涯学習の必要性
生涯学習は、国民の豊かさを高めることで、社会全体の豊かさにつながるといった期待が込められています。
- 人生の充実を図るため(心の豊かさや生きがいを見つけるため)
- 時代の変化に対応するため(社会、経済の変化に対応できる人材を目指すため)
- 地域社会のコミュニティづくりを推進するため(地域の連帯感を再構築するため)
人生100年時代の流れもあり、学生時代だけでなく社会人から老後を迎えたあとも、学び続ける姿勢が求められています。[※2][※3]
生涯学習を企業で推進するメリット
日常生活だけでなく、企業においても生涯学習を推進することが可能です。
生涯学習を企業が推進するメリットを見ていきましょう。
人材育成・知識の習得に活かせる
生涯学習の実践は、教育体制の充実につながり、社員の能力向上やキャリア形成を図る機会につながります。
資格取得の支援、語学習得の海外出張など、企業の事業活動に合わせた内容を検討してみましょう。
サークル・ボランティア活動で交流が広がる
生涯学習の一例として、社内のサークル活動・ボランティア活動を実施することで、新しい交流を広げる機会につながります。
仕事以外の時間を充実させる工夫になり、社員の心の豊かさを育む機会が得られます。
生涯学習の活動の種類
生涯学習の活動において、どのような種類があるのかを見ていきましょう。[※4]
家庭教育
子どもにとって重要な学びの場所になります。
家族とのふれあい、同年代の子どもたちとの交流、地域や自然環境との関わりをとおして、生活習慣の基礎や社会の仕組みについて学びます。
社会教育
地域社会に関わる学びの機会になります。
国や自治体などが実施する講座、文化活動やボランティア活動など、幅広い内容が含まれます。
学校教育
小学校・中学校・高等学校・大学など、教育機関で基礎的な学力を習得します。
自ら課題を発見して解決する能力を養ったり、他者を思いやる教養を育んだりするなど、興味や関心のある学習をとおして成長の機会につなげます。
民間教育
民間機関や個人が自主性を大切にし、生涯学習にとりくみます。
芸術・スポーツ・文化を始め、興味や関心のある分野における通信教育を利用するなど、さまざまな内容があげられます。
職業訓練・職業教育
希望の職業に就けるように、必要な技術・スキルを身につける訓練にとりくみます。
職業をイメージするための職場体験なども含まれます。
企業内活動
働く社員の満足度を高めながら、交流の機会を増やす目的を含めて実施します。
社内サークル・社内運動会・社員旅行・合宿研修など、事業活動に合わせた幅広いレクリエーションに活かせます。
団体活動
地域の集まりをとおして、地域社会に根ざす活動を実施します。
地域の環境保全、自然保護の活動など、住民が安心して暮らせる環境づくりを目指します。
生涯学習にとりくめる場所
身近な地域社会で、生涯学習にとりくめる場所を見ていきましょう。
生涯学習センター
地域社会に暮らす人々に向けて、生涯学習を実践できるスペースや相談サービスを提供する施設です。
施設内の一例としては、図書館・会議室・イベントホールなど、地域住民が情報収集や交流ができる場所として活用されています。
公民館
地域住民が活用できるスペースとして、営利目的以外の講習会やレクリエーション、集会などに利用されます。
地域の人々が集まる場所として、生涯学習の活動や交流の機会につなげられます。
図書館や美術館など
図書館では、図書・DVD・CDの貸出や視聴など、世代を問わずに情報収集や分析、教養の学習を進めたいときに役立ちます。
ほかには、芸術作品を肌で感じられる美術館以外にも、水族館・博物館・動物園など、生涯学習はさまざまな場所で利用できます。
スポーツ施設・自然環境のある場所など
スポーツや自然をとおして、体を動かす楽しさや心のリラックス効果が期待できます。
地域の公園から野外施設、スポーツジム、キャンプ場など、自然を感じられる場所で活動にとりくむ方法がおすすめです。
通信講座
放送大学や各企業の通信教育サービスを受講することで、社会人からもさまざまな学習にとりくめます。
テレビ・ラジオ・インターネットをとおした無料講座などもあるため、興味や関心のある分野の学習に利用してみてください。
ボランティア
学生の場合は、学校のとりくみでボランティア活動が実施されている場合があります。
地域のボランティア活動を探したいときは、地域の自治体や行政機関のホームページから検索する方法がおすすめです。
ほかにも、全国各地のボランティア活動を検索するときは、企業が運営するホームページから検索をかけてみましょう。
生涯学習は人生を豊かにする
生涯学習には、人が生まれてから生涯を終えるまでの幅広い活動や学習が含まれます。
住んでいる地域の施設を見渡すだけでも、さまざまなイベントやサービスが利用できることに気づくでしょう。
仕事・プライベート・奉仕活動など、興味や関心のある分野について、あらためて学びを深める機会を設けてみてはいかがでしょうか。
企業においても、社員の生涯学習をサポートすることで、キャリア形成や人材育成につながる効果が期待できます。
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[※1]文部科学省「第3章 生涯学習社会の実現」
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201901/detail/1421865.htm
[※2]第1節 生涯学習の意義と推進体制の整備
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200601/002/001/003.html
[※3]なぜ生涯学習の振興が必要とされているのですか?
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/syogaigakushu/1329685348718.html
[※4]第3章 生涯学習社会の実現
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201901/detail/1421865.htm#:~:text=%E3%80%8C%E7%94%9F%E6%B6%AF%E5%AD%A6%E7%BF%92%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%8C,%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%A7%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
※本記事は、2022年5月時点の情報をもとに作成しています。