「おかげさまで」の正しい使い方とは?【例文付き】で意味や言い換え表現などを解説
目次
「おかげさまで」は、 直接的または間接的に相手に感謝の意を伝えられる表現です。
ビジネスシーンに限らず、日常生活でも使う場面が多い表現のため、正しい使い方をおさえておきましょう。
「おかげさまで」の意味や使い方、ひらがなと漢字の使い分け、使用時の注意点や言い換え表現について解説します。
「おかげさまで」の意味とは
「おかげさまで」は、 なにかをしてくれた相手に感謝の意を示す表現で、漢字では「お陰様で」と表現します。
「おかげさまで」は、木の下にいる人が、木陰で雨風に当たらずに済んだり、暑い日に陽射しを避けて陰で涼んだりする様子などが由来となっている言葉で、見えない力のご加護をうけることを「お陰様」と示した仏教の教えが語源となっています。
「おかげさまで」は、目上の人にも問題なく使用できる表現で、相手の行動や心遣いで恩恵をうけた際に、感謝の気持ちを、謙虚な印象で表現できます。
ひらがなと漢字の使い分け
「おかげさまで」は、ひらがなと漢字のどちらでも使えます。
漢字は、「お陰様」「お蔭様」「御陰様」「御蔭様」などと表記できますが、日常生活やビジネスシーンでは、一般的に「お陰様」と表現します。
ビジネス文書の作成時など、形式的な場面では、漢字の「お陰様」を使い、同僚や親しい先輩など、フランクな場面ではひらがなで「おかげさま」と表現するケースが多いでしょう。
お陰様 | ビジネス文書の作成時など、形式的な場面 |
---|---|
おかげさま | 同僚や親しい先輩に対してなど、ややフランクな場面 |
ひらがなでも漢字でも意味は同じですので、相手や状況に応じて使い分けるようにしましょう。
「おかげさまで」の使い方と例文
「おかげさまで」の使い方を2つのシーン別で解説します。
- 目上の人に向けて使う場合
- 多数の人に向けて使う場合
それぞれ例文付きで紹介するので、ビジネスシーンでぜひ活用してみてください。
詳しくは後述しますが、「おかげさまで」は、「おかげさまで○○です」のように言葉の冒頭で使う言葉です。
使う際の注意点もあわせて確認し、円滑なビジネスコミュニケーションを実現しましょう。
目上の人に使う場合
「おかげさまで」は敬語表現のため、取引先や上司などの目上の人に対しても問題なく使うことができる表現です。
また「おかげさまで」には、「自分ひとりでは成功させることができなかった」という謙遜の意味も込められているため、相手に謙虚な印象を与えることもできるでしょう。
- おかげさまで○○プロジェクトを成功させることができました。
- おかげさまで無事に商談をまとめることができました。
多数に人への感謝に使う場合
「おかげさまで」は、特定の個人だけではなく、不特定多数の人に対しても使うことができる表現です。
たとえば、「おかげさまでイベントは大盛況でした」という表現で、イベントに来場したお客様や応援してくれた人、イベント運営に関わった人など、さまざまな人に向けて感謝を伝えることができます。
直接的に関わった相手ではないにしても、多くの人が間接的に関わっている場合は、不特定多数に感謝を伝えられる「おかげさまで」を使用しましょう。
- おかげさまで開業10周年を迎えることができました。
- おかげさまでイベントは大盛況でした。
「おかげさまで」の類語・言い換え表現
ビジネスシーンでは、お世話になった人に感謝を伝える場面も多くあります。
適切な表現で感謝を伝えられるように、「おかげさまで」の類語や言い換え表現についても、確認しておきましょう。
お力添え
相手からのサポートや手助けを意味する「お力添え」を活用して、 感謝を述べることができます。
また、「お力添え」は、こちらからサポートをお願いするときにも使えます。
相手に感謝を述べる際は、「お力添えをいただきましてありがとうございました」「お力添えをいただき感謝申し上げます」などと表現しましょう。
また、相手にサポートをお願いする際は、「○○様のお力添えをいただけましたら幸いです」などと、謙虚な姿勢を示す使い方ができます。
ありがたいことに
「ありがたいことに」は、間接的な感謝を伝える「おかげさまで」と同様の意味で使用できる表現で、状況が良好な旨を言い表すときに使用されます。
たとえば、「ありがたいことに、事業は好調です」「ありがたいことに今年の売り上げは去年の2倍となりました」などと表現できます。
さまざまな人の支えがあり、受けた支援について感謝しながら、物事を述べたいときに活用できるでしょう。
ご支援
「ご支援」は、相手への手伝いサポートを指す「支援」に、接頭語の「ご」をつけて、丁寧に言い表した表現です。
相手のサポートに対して、感謝の意を述べるときに使用されるケースが多いですが、物質的や金銭的なサポートなど、具体的ななにかを受け取る行為に対しても活用されます。
たとえば、「この度は、○○様より多大なるご支援をいただきました」などという使い方ができます。
お引き立て
「お引き立て」は、相手を特別気にかけて贔屓にするという意味がある言葉で、一般的には、関係の深い取引先やお客様に対して使用されます。
馴染み深く関係を築いてくれている相手に対して、感謝を述べる意味で使えます。
たとえば、「格別のお引き立てをいただきましてありがとうございます」や「今後もお引き立てをいただけましたら幸いです」などと表現して、深い感謝を伝えることができるでしょう。
おかげさまをもちまして
「おかげさまをもちまして」は、「おかげさまで」をより丁寧にした表現で、「おかげさまで」と同じ意味をもちます。
「おかげさまをもちまして」は、やや過剰な表現と捉えられることもあるため、ビジネスシーンでも限られた場合にしか使われない表現です。
日常の会話やカジュアルな場面などで使ってしまうと、慇懃無礼と捉えられることもあるため、使うシーンや相手には注意するようにしましょう。
ご愛顧
「ご愛顧」は、「引き立ててもらう」「贔屓にしてもらう」という意味をもつ言葉で、顧客や取引先へ感謝を伝える際に用いられる表現です。
話し言葉・書き言葉のどちらでも使うことができるため、幅広いビジネスシーンで活用されています。
たとえば、メールや手紙の結びの言葉として「引き続きご愛顧くださいますようお願いいたします」という使い方がされたり、取引先や顧客への挨拶として「日頃よりご愛顧いただき、誠にありがとうございます」のように使われたりもします。
「ご愛顧」の使い方や使う際の注意点について、より詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご参照ください。
○○のたまもの
「○○のたまもの」は、日ごろのおこないが招いたよい結果を指す「賜物」を用いて、「○○のおかげで、よい結果を招いた」という意味を表現する言葉です。
たとえば、「お力添えの賜物」や「ご支援の賜物」などと表現すれば、相手のサポートに対する感謝の気持ちを丁寧に述べることができます。
「○○様の、お力添えの賜物です」「○○様のお引き立ての賜物に、誠に感謝申し上げます」などと表現し、格別の感謝を伝えましょう。
「おかげさまで」を使用する場合の注意点
最後に、「おかげさまで」を使用する際に注意しておきたいポイントを4つ紹介します。
- 文頭に用いる
- ネガティブな内容には使わない
- 「おかげで」と混同しない
- 「おかげさまです」は使わない
言葉を正しく使うことは、円滑なビジネスコミュニケーションに欠かせない要素です。
4つの注意点をそれぞれ詳しく確認していきましょう。
文頭に用いる
「おかげさまで」を使用する際は、文頭に用いて、「おかげさまで完了することができました」「おかげさまで売り上げが上がりました」などの表現が正しい使い方です。
「おかげさまで」の後には、一般的に、その人の動作やおこないが入り、文末や文中に入れる使い方は誤りです。
たとえば、「○○さん(様)のおかげさまで、成功することができました」は、「さん(様)」が重なるため、誤用となります。
この場合は、「○○さんのおかげで、成功することができました」が正しい表記になります。
ネガティブな内容には用いない
「おかげさまで」は、謙虚な姿勢で、相手に感謝する意味合いをもつため、ネガティブな内容には使わない表現です。
たとえば、「おかげさまでプロジェクトは未完に終わりました」という表現は不適切な使い方です。
ネガティブな意味で使用してしまうと、相手に不快な思いをさせてしまう恐れがあるため、注意しましょう。
「おかげで」と混同しない
相手の助けがあり、なにかを達成できたときに、「おかげさまで」と同じような意味で使用される言葉として、「おかげで」がありますが、2つの言葉は使い方が異なるため、混同しないように注意が必要です。
「おかげで」は、分中・文末での使用が一般的であり、たとえば「昨日の○○様のご指導のおかげで、無事完了することができました」のような使い方が正しいです。
文頭で使用する「おかげさまで」とは使い方が異なることを覚えておきましょう。
「おかげさまです」は使わない
お世話になったことへの感謝を伝える際に、「○○様のおかげさまです」という表現をする用法は誤りです。
この際は、「○○様のおかげです」や「おかげさまで完了することができました」 などの表現が正しいです。
コミュニケーション活性化には「Chatwork」
「おかげさまで」は、謙虚な気持ちで、相手のサポートや支援に感謝を示すための表現で、ビジネスシーンにおいては、上司や先輩に助けられたときなどに活用しやすい表現です。
使用する際は、必ず文頭で、ポジティブな内容で活用するようにしてください。
「おかげさまで」のように、相手のおこないに対してきちんと感謝を述べる行為は、信頼関係を構築し、維持するうえでは重要です。
些細なことでも、感謝の気持ちを忘れずに伝えるようにしましょう。
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