スキームとは?ビジネスにおける意味や活用方法、スキーム図の作成方法を解説
目次
スキームとは、構想や計画という意味がある言葉で、ビジネスシーンでは、事業スキームや資金調達スキームといった使われ方をしています。
スキームを活用することで、第三者に情報をわかりやすく伝えられるメリットがあります。
実際にビジネスシーンで活用するためにも、スキームの種類と使い方、作成方法を確認していきましょう。
スキームの意味とは?
「スキーム(scheme)」とは、構想や計画、図式などの意味の言葉で、「枠組みをもった計画」という意味のギリシャ語を語源としています。
スキームは、悪だくみや陰謀という意味もあり、どちらの意味においても、なにかしらの目標を達成するために計画を立てるという意味で使われています。
ビジネスシーンにおける使い方
ビジネスにおけるスキームは、「枠組みがある計画」や「体系的な計画」という意味をもっています。
ただし、ビジネスシーンでスキームの言葉を使うと、悪巧みや陰謀など、悪い意味に受け取られる可能性もあります。
とくに、海外の企業と取引する場合、スキームの言葉を使うと、悪い意味に捉えられる可能性もあるため、必要に応じて別の言葉で言い換えるようにしましょう。
ビジネスにおけるスキームの種類と使い方
ビジネスシーンにおいて、「スキーム」という言葉はどのように使われているのでしょうか。
今回は、ビジネスシーンにおけるスキームの使い方として、以下の7種類を紹介します。
- 事業スキーム
- 資金調達スキーム
- M&Aスキーム
- 投資スキーム
- 評価スキーム
- 販売スキーム
- 企業再生スキーム
それぞれビジネスシーンで耳にする機会も多い言葉のため、正しい意味を確認していきましょう。
事業スキーム
事業スキームとは、主に事業計画のことを指す言葉です。
ビジネスで新規事業を立ち上げる際は、銀行などに資金調達をお願いするため、事業計画書を提出することがあります。
事業計画書には、営業・販売・仕入れ・生産・資金の流れ・商品管理などの情報を記載し、作成することで、第三者に対して、事業に関わる情報をわかりやすく伝えることができます。
資金調達スキーム
資金調達スキームとは、新規事業をはじめる際の資金調達に必要な、計画や仕組みのことです。
銀行から資金を調達する方法、必要な資金額などをまとめる必要があります。
たとえば、資金調達する方法例として、融資や借入、クラウドファンディングといった方法があげられます。
資金調達を成功させる意味でも、事業計画書を作成して、事業活動にどのくらいの資金が必要なのかを記載する必要があります。
M&Aスキーム
M&Aスキームとは、M&A(企業買収や合併のこと)を実施する際の計画をまとめたものです。
具体的にどのような流れや方法で買収や合併を実行するのか、M&Aに関わる情報を記載します。
たとえば、買収の方法としては、株式譲渡や事業譲渡などがあり、合併の方法には、吸収合併などがあげられます。
投資スキーム
投資スキームとは、金融業界で使われている用語のひとつで、たとえば、金融商品についてどのような商品を購入するのか、利益をだすための投資配分をどうするのかなどが記載されています。
評価スキーム
評価スキームは、企業の人事評価や事業評価をおこなう際に用いるもので、評価スキームを作成して体系化することで、評価基準を見える化することができます。
どのように評価されているのかが見える化して把握できるようになると、評価に対する社員の不満を減らせるなどのメリットがあるでしょう。
販売スキーム
販売スキームとは、商品やサービスの販売において、新しい販売先を広げたり、販売方法を再検討したりする計画のことです。
たとえば、顧客からのアンケート回収や口コミなど、自社が保有するツールやSNSなどを使って顧客の情報を集めることなどが、販売スキームに該当します。
販売スキームを検討することで、商品やサービスの改善を図れるようになり、事業活動に関わる顧客数や販売数を高める効果が期待できます。
企業再生スキーム
企業再生スキームとは、経営不振の企業を回復させるための枠組みのことを指します。
現状でどのような課題があるのか、事業のマーケティング施策から収益化できているのかなど、再建に関わる情報をまとめていきます。
社内の人員整理や資産売却など、企業を立て直すためのさまざまな施策が、企業再生スキームに該当します。
スキーム図とは
スキーム図とは、スキームを図で表したものです。
「ヒト」「モノ」「カネ」の流れを図式化して記載することで、視覚的に内容を理解しやすくすることができます。
スキーム図の種類は、以下のとおりです。
樹形型 | メインテーマから枝分かれさせる形で情報をまとめていく方法 |
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フロー型 | 時系列順に整理して情報をまとめていく方法 |
相関型 | 複数の関係者とのやりとりを説明する際に使う方法 |
実際に、事業スキームのスキーム図を作成するケースでは、樹形型が使われることが多いです。
事業スキームのスキーム図を作成することで、第三者に事業活動の情報をわかりやすく伝えられて、事業活動の理解や資金援助をうけやすくなります。
スキーム図の作成方法
ビジネスシーンで実際にスキーム図を活用するためにも、スキーム図の作成方法を3つのステップに分けて解説します。
- ステップ(1):情報を整理する
- ステップ(2):関係性を記号化する
- ステップ(3):記号を配置する
それぞれ詳しく確認していきましょう。
ステップ(1):情報を整理する
まずは、スキーム図でなにを伝えたいのかを把握するためにも、スキームに関わる情報を整理しましょう。
具体的には、以下の項目を確認してまとめていきます。
- 事業活動におけるヒト・モノ・カネ
- 関係者
- 関係者同士の関係性(取引先など)
- 経営資源の流れ、動き
ステップ(2):関係性を記号化する
スキームの情報をまとめたら、各情報の関係性を記号化しましょう。
たとえば、図式やイラスト、矢印などを使い、企業や人同士の関係性を記号にします。
このときに、同じカテゴリーの内容をまとめておくなど、記号化のルールを決めておくと、わかりやすく整理できます。
ステップ(3):記号を配置する
記号化が終わったら、記号をわかりやすい形で配置しましょう。
情報を詰め込みすぎてしまうと、まとまりが悪くなるため、適時調整してスキーム図を完成させてください。
スキームと類義語の違い
計画や構想という意味を示す「スキーム」と似ている言葉は多いため、混同しないように正しい意味を知っておくことが大切です。
今回は、スキームと混同しやすい言葉として、以下の6つを紹介します。
- スキーマ
- フロー
- フレームワーク
- プラン
- ストラテジー
- ロジック
スキームとの違いを含めて、それぞれの言葉の意味を解説します。
スキーマとの違い
「スキーマ」とは、図式や概要などの意味がある言葉で、分野によって異なる意味をもつ言葉です。
たとえば、IT分野におけるスキーマは、データベースに格納するデータの種類や構造を定義したものを意味し、心理学におけるスキーマは、過去の記憶によって構造化された概念という意味があります。
また、ビジネスシーンにおけるスキーマは、主に「おおまかな枠組みがある計画」といった意味で使われることが一般的です。
スキーマは、計画が決まり切っていない状態を指す場面に使い、スキームは計画の枠組みが決まっているときに使う点で異なります。
フローとの違い
「フロー」とは、「流れ」という意味がある言葉です。
心理学におけるフローは、没頭している状態のことを意味しますが、ビジネスシーンでは、「業務フロー」のように、主に「仕事の手順」という意味で使われています。
業務フローは「業務に関わる手順」を示したものであり、スキームは「業務全体の構想や計画」を意味する点で異なります。
フレームワークとの違い
「フレームワーク」とは、枠組みや構想といった意味をもつ言葉で、ビジネスシーンにおいては、主に思考の枠組みという意味で使われています。
事業活動や業務にフレームワークを活用すると、業務における課題解消や意思決定に役立つメリットがあるでしょう。
フレームワークは、枠組みや構想という意味がありますが、具体的な計画を含まない点で、スキームと意味が異なります。
プランとの違い
「プラン」は、計画や構想という意味をもつ言葉で、たとえば、旅行プランの場合、旅行の日時や内容に関わる計画という意味です。
また、プランには、予定といった意味もありますが、これはあくまでも大まかな概要を指しており、計画の詳細までは決まっていない点に注意が必要です。
一方でスキームの場合は、実行可能レベルの計画を指すことが多い点で、プランとは意味が異なります。
ストラテジーとの違い
「ストラテジー」とは、計画や策略という意味がある言葉です。
ビジネスシーンにおけるストラテジーは、規模の大きい将来的な計画を表現する際に使われます。
一方でスキームの場合、現在における課題解消を目指した計画という意味で使われる点で違いがあります。
ロジックとの違い
「ロジック」とは、論理や論法という意味がある言葉で、物事の道筋を立てながら考える際に用いられる言葉です。
ロジックは、計画を立てる際に使われる方法論、スキームは、具体的な計画や枠組みを指す点で、異なります。
スキームは事業活動の情報をわかりやすくまとめられる
スキームとは、構想や計画、図式などの意味をもつ言葉で、ビジネスシーンにおいては、事業スキームや資金調達スキームなどの用語として使われる機会が多い言葉です。
ビジネスシーンで取引先や顧客にスキームを伝える際は、スキーム図を作成し、構想や計画をわかりやすく伝えることを意識しましょう。
スキーム図を作成することで、事業活動の資金援助などを受けやすくなるメリットがあります。
また、完成したスキームを共有する方法として、ビジネスチャット「Chatwork」の活用がおすすめです。
「Chatwork」は、社内外問わずに活用できるビジネスツールで、チャット形式のやりとりはもちろん、ファイル管理機能で、スキーム図のやりとりをスムーズにおこなうこともできます。
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「Chatwork」は、国際的なセキュリティ基準に則った運用体制をしているので、事業活動に関わる情報を安全に共有できます。
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