「とりあえず」は敬語表現?ビジネスでの正しい使い方を例文付きで解説
目次
「とりあえず」という言葉を日常会話で使った経験がある方は多いでしょう。
「とりあえず」は、「すぐに」や「まずは第一に」という意味がある言葉で、敬語表現ではないため、ビジネスシーンにおいては、別の表現への言い換えが適切です。
ビジネスシーンで「とりあえず」を使うためにはどうすればいいのかや、使用する際の注意点を解説します。
「とりあえず」の意味とは
「とりあえず」は、「すぐに」や「まずは第一に」という意味をもつ言葉です。
日常会話においては、「とりあえず○○しておくね」などのように、ほかの物事は一旦置いて、本題の物事を先に進めておく場面で使われる表現です。
ビジネスシーンで使われる場合もありますが、失礼な印象を与える可能性があるため、使用シーンや使い方には注意が必要です。
「とりあえず」はビジネスシーンで活用できるのか
「とりあえず」は、敬語表現ではないため、ビジネスシーンで使うと、相手に失礼な印象を与える可能性があります。
また、「とりあえず」には、「一応」や「事態に十分な対応ができない」といった意味も含まれるため、相手や状況によっては、その場しのぎの言葉に聞こえてしまうでしょう。
「とりあえず、こちらの案を採用いたします」といった使い方をしてしまうと、相手に対して上から目線で、敬意を払えない人だと思われるかもしれません。
取引先や顧客、上司など、目上の人には「とりあえず」の使用を避け、別の言葉に言い換える表現が、ビジネスシーンのコミュニケーションでは重要です。
「とりあえず」の言い換え表現を確認していきましょう。
「とりあえず」の言い換え表現と例文
「とりあえず」は、日常会話では使いやすい表現ですが、ビジネスシーンではその場しのぎととらえられてしまう可能性があるため、使用する際は注意が必要です。
では、ビジネスシーンで「すぐに」や「まずは第一に」の意味で「とりあえず」を使いたい場合は、どうすればいいのでしょうか。
今回は、「とりあえず」の言い換え表現として、以下の3つを紹介します。
- ひとまず
- まず
- 一旦
それぞれの意味と使い方を、例文を交えて解説します。
ひとまず
「ひとまず」は、「とにかく」という意味をもつ言葉で、「ひとまず」に加えて、丁寧語や尊敬語を使うことで、丁寧な印象を与えることができます。
ビジネスシーンで目上の相手に対して、「すぐに」や「まずは第一に」という意味を伝えたい場合は、「とりあえず」ではなく、「ひとまず」を使うようにしましょう。
- ひとまず、こちらの書類に目をお通しください。
- ひとまず、お見積りをいただけますでしょうか。
まず
「とりあえず」を言い換える際は、「まず」を使うこともおすすめです。
「まず」は、「はじめに」や「とりあえず」といった意味をもつ言葉で、会話を強調する場面などで使えます。
- まずは報告書をご覧ください。
- まずはこちらからご連絡いたします。
一旦
「一旦」は、「ひとまず」という意味をもつ言葉で、一時的に、物事に区切りをつけたい場面で使われる表現です。
- 一旦、本社に持ち帰って検討いたします。
- 一旦、こちらで巻き取らせていただきます。
検討の時間や確認の時間など、なにかしら時間を要する場面では、「一旦」を用いると、丁寧に伝えることができます。
「とりあえず」の言い換え表現を使う際の注意点
ビジネスシーンで「とりあえず」や、そのほかの言い換え表現を使う際の注意点をみていきましょう。
「さしあたって」は別の表現に言い換える
「とりあえず」と混同しやすい「さしあたって」は、「とりあえず」と同じく敬語表現ではないため、目上の人には使わないようにしましょう。
「さしあたって」には、「先のことはともかく」や「今のところ」という意味があります。
そのため、ビジネスシーンで使うと、物事の決断を先延ばしにしている印象を与えてしまう可能性があります。
「現状は正しいことがわからない」「今の時点では不確定の事項がある」などを伝えたい際は、「さしあたって」を使わず、「現在、把握している範囲でお伝えいたします」など、別の表現に言い換えるようにしましょう。
「取り急ぎ」は状況に合わせて使う
「まずは第一に」という気持ちを伝えたい際に、「取り急ぎ」という表現を用いることもあるでしょう。
「取り急ぎ」は、「とりあえず」や「急いで」という意味をもつ言葉で、「とりあえず」の代わりに「取り急ぎ」が使われることもあります。
しかし、「取り急ぎ」も、敬語表現ではないため、目上の人に使うことは不適切です。
また、相手や状況によっては、気を遣ってほしいと思っているという印象を与えてしまい、相手に敬意を払えない失礼な人だと思われる可能性もあります。
「とりあえず」の意味合いを伝えたい場合は、「手短ですが、お許しください」や「用件のみにて失礼いたします」など、別の表現に言い換え、丁寧に伝えるようにしましょう。
「一応」は使わない
「一応」は、「ひとまずのところ」という意味をもつ言葉で、日常会話で使う機会も多い表現です。
しかし、「一応、○○しておきました」と使ってしまうと、「ひとまず」という意味が、保険をかける意味にとらえられてしまい、「自信がない人に任せて大丈夫なのか」という不信感を与えてしまいかねません。
「念のため、確認しておきます」や「確認いたしました」など、明確に結論を伝えるほうが、相手に不安を与えずに、信頼されやすくなります。
ビジネスシーンで「とりあえず」を言い換える方法
ここまでビジネスシーンで「とりあえず」を使いたい場合の言い換え表現を確認してきました。
ここからは、実際の活用シーン別に、「とりあえず」の言い換え方法を確認していきましょう。
今回は、下記の4つのシーンの言い換え方法を紹介します。
- 「とりあえず送ってください」
- 「とりあえず置いておきます」
- 「とりあえず目を通しました」
- 「とりあえず資料を開いてください」
いずれの活用場面も、ビジネスシーンにおいて、よくあるケースです。
適切なコミュニケーションを実現するためにも、それぞれの言い換え方法を確認していきましょう。
具体例(1):「とりあえず送ってください」
上司や取引先、顧客など、目上の人に対して、書類やデータを送ってもらう際に、「とりあえず送ってください」という言い方をすると、失礼な印象を与えるでしょう。
失礼な印象や上から目線の印象を与えないためにも、別の表現に言い換えるようにしましょう。
- ひとまず、書類をお送りいただきたく存じます。
- まずは、データをお送りいただくことは可能でしょうか。
具体例(2):「とりあえず置いておきます」
目上の人に書類やデータなどを渡す際に、「とりあえず置いておきます」という言い方をすると、重要な書類ではないと受け取られてしまう可能性があります。
また、「とりあえず」という表現を使うと、適当な態度で仕事に取り組む人だと受け取られてしまう可能性もあります。
「一旦」や「ひとまず」など、別の表現に言い換えて伝えるようにしましょう。
- 一旦、こちらに書類を置かせていただきます。
- ひとまず、こちらに書類を置かせていただきますね。
具体例(3):「とりあえず目を通しました」
目上の人から受け取った書類やデータに対して、「とりあえず目を通しました」などの表現を使ってしまうと、「適当に目を通しており、詳細を確認していない」ととらえられてしまう可能性があります。
印象や評価を下げてしまう危険性もあるため、別の表現に言い換えるようにしましょう。
- ひととおり内容を拝見しました。
- 内容を確認いたしました。
具体例(4):「とりあえず資料を開いてください」
ビジネスシーンの会議や話し合いにおいて、「とりあえず資料を開いてください」などの表現を使うと、重要な場面で適切な言葉を使えない人だと思われてしまうかもしれません。
相手からの印象を下げないためにも、以下のような表現を用いることが適切です。
- 資料のxページをご覧ください。
- まずは、資料のxページをご確認ください。
ビジネスコミュニケーション円滑化に「Chatwork」
「とりあえず」という表現は、日常生活でも使いやすく、便利な表現である一方で、ビジネスシーンで使うと、相手に適当な印象や不快な印象を与えてしまう恐れがあります。
活用シーン別に、適切な表現に言い換え、円滑なコミュニケーションを実現するようにしましょう。
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