「了承を得る」はビジネスで使える?意味や使い方を例文付きで解説
目次
「了承を得る」とは、ビジネスシーンでよく使われる表現のひとつですが、正しい使い方や意味を知らないという人もいるでしょう。
この記事では、「了承を得る」の意味や使い方、例文、言い換え表現などについてわかりやすく解説します。
また、ビジネスシーンで相手を不快にさせないために、「了承を得る」を使う際の注意点も確認していきましょう。
「了承を得る」の意味とは
「了承を得る」は、「相手に条件を聞き入れてもらうこと」「相手に納得して同意してもらうこと」という意味をもつ言葉です。
「了承」には、相手の事情や状況を理解して受け入れるという意味があり、これに「手にいれる」「自分のものにする」という意味の「得る」があわさって、「聞き入れてもらう」「同意してもらう」という意味を表します。
また、「了承を得る」で、「相手からの同意を手に入れる」「相手にこちらの事情を理解してもらったうえで受け入れてもらう」という意味を表現できます。
「了承」と「了解」の違い
「了承」と似た言葉に「了解」がありますが、両者は異なるニュアンスをもつ言葉です。
「了承」は、「相手の事情をくむ」という点に重きが置かれる一方で、「了解」は、「理解すること」に重きが置かれます。
そのため「了承」は、相手の事情をくむことや、相手の事情に納得したうえで同意するというニュアンスが強く、「了解」は、単に「わかった」「理解した」という意味で使われる場合が多いです。
「了承を得る」の使い方と例文
「了承を得る」の使い方を、3つのシーン別に確認していきましょう。
- 了承を得た場合
- 了承を得る場合
- お詫びをする場合
例文を合わせて紹介するので、ぜひ使用する際の参考にしてみてください。
了承を得た場合の使い方
ビジネスシーンでは、了承を得た場合、つまりすでに了承を得られている場面で、「了承を得る」という表現を使う場合があります。
具体的な使用例は、以下の通りです。
- 次回の式典の開催場所について、すでに先方からは了承を得ています。
- 新しいシステムの導入について、社長からの了承は得ているので、導入方法など細かい部分について決めていこう。
- 企画の方向性について部長からの了承は得られたものの、詳細なスケジュールなどはまだ決まっていないので、次回の会議で話し合おう。
了承を得るときに使う場合
相手からの了承や許可を得る場合にも「了承を得る」を使用できます。
- 工事の実施について、近隣住民からの了承を得る必要がある。
- 各部署からの了承を得られるように、まずは詳細について記載した文書を回覧でまわそう。
- 次回の会議で了承を得るためには、予算の問題を解決しなければならない。
お詫びするときに使う場合
相手からの申し出や希望に沿えず、お詫びをする際にも「了承を得る」という表現を使う場合があります。
具体的な使用例は、以下の通りです。
- 営業時間外のお問い合わせは、翌営業日に対応いたします。ご了承いただきますようお願い申し上げます。
- 本日開催を予定しておりました屋外パーティーにつきまして、台風接近による悪天候が予想されるため中止いたします。何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
お詫びの表現として使う場合、「ご了承ください」のように言い切る表現よりも、「ご了承いただきますようお願い申し上げます」のように、丁寧な言い回しを使うようにしましょう。
相手に丁寧な印象や、真摯な印象を与えられます。
「了承を得る」を使用する際の注意点
「了承を得る」は、相手に対する敬意を示す表現ではない点に注意が必要です。
「了承」も、「得る」も、相手に対する敬意は含まない言葉です。
そのため、了承した相手が、上司や取引先の人など目上の場合、本人がいる前で「了承を得る」という表現を使うと、失礼に当たります。
「了承を得る」は、基本的に社内用語として身内で連絡や報告をするときに使用する言葉として覚えておきましょう。
交渉や話し合いによって、相手にこちらの事情をくんでもらって納得や同意を得た場合は、とくに、相手に対しては敬意を払う必要があるといえます。
うっかり相手の目の前で、「了承を得る」を使ってしまうと、相手に不快な思いをさせるおそれがあるため注意しましょう。
もし社外で使う場合には、以下のような敬語表現に直して使うのがおすすめです。
- ご了承いただいております。
- 突然のお願いにもかかわらずご了承いただきありがとうございます。
「了承を得る」の言い換え表現
「了承を得る」の言い換え表現を紹介します。
言い換え表現を覚えておくと、場面にあわせて適切な表現ができるようになるのでぜひ覚えておきましょう。
本記事では、以下の5つの言い換え表現を紹介します。
- 承諾を得る
- 了解を得る
- ご容赦くださいますよう
- ご承知おきくださいますよう
- お含みおきくださいますよう
いずれもビジネスシーンにおける会話やメールなどで多く使われる表現です。
正しい意味と使い方を確認していきましょう。
承諾を得る
「承諾」は、「相手の希望や要求を受け入れること」という意味をもつ言葉で、「了承」に近い意味をもちます。
そのため、「承諾を得る」は、「了承を得る」の言い換え表現として使用しやすいでしょう。
しかし、「承諾」は、「了承」よりも強い同意・許可というニュアンスがあります。
そのため、取引における契約や手続きの許可などのシーンで、「承諾を得る」の表現が多く用いられます。
- 未成年の場合は、保護者の承諾を得る必要がある。
- 人事部からの承諾を得たうえでなければ、手続きできない。
了解を得る
「了解」は、「理解すること」「わかること」という意味をもつ言葉です。
「理解すること」自体に重きを置く表現ですが、「了承」のように、「事情をくんだうえで理解する」というニュアンスも含みます。
- イベント開催日とリハーサルの日程について、主催者側の了解を得ています。
- 営業1課と2課の了解を得られ次第、手続きを開始しよう。
ご容赦くださいますよう
お詫びする文脈のなかで、「了承を得る」を使う場合、「ご容赦くださいますよう」という表現で言い換えられるケースがあります。
- 行き違いでのご連絡となってしまった際は、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
- 開封済みの製品の返品には対応いたしかねます。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
ご承知おきくださいますよう
「了承を得る」と同様に、相手にこちらの事情を理解してもらいたいときに「ご承知おきくださいますよう」という表現を使う場合があります。
- x月x日以降のご注文は、納期が×月×日以降となります。ご承知おきくださいますようお願い申し上げます。
- 当日は事前にお配りした予約票が必要となります。何卒ご承知くださいますようお願い申し上げます。
お含みおきくださいますよう
「お含みおきくださいますよう」とは、知っておいて欲しい物事や理解して欲しい内容を伝える際に使われる表現です。
催促の連絡の際にも、「お含みおきくださいますよう」という表現を使用できます。
- x月x日は施設設備の点検のため、休業日となります。ご不便ご迷惑をおかけしますが、お含みおきくださいますようお願い申し上げます。
- お支払い期限はx月x日x時x分です。お支払期限を過ぎた場合、キャンセル扱いとなりますことをお含みおきくださいますようお願い申し上げます。
円滑なコミュニケーションに「Chatwork」
「了承を得る」は、「相手に条件を聞き入れてもらうこと」「相手に納得して同意してもらうこと」という意味をもつ言葉です。
相手に対する敬意を含まない言葉のため、了承してくれた相手がいる場面で使うと失礼に当たります。
社内用語として、連絡や報告の際に使う表現として覚えておきましょう。
上司や取引先など目上の人に使う場合は、「ご了承いただき」などの表現を使うのがおすすめです。
正しい言葉遣いをするとともに、ビジネスチャットを活用して、円滑なコミュニケーションの実現を目指しましょう。
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