「ご高覧」の意味とは?ビジネスでの正しい使い方を例文付きで解説
目次
ビジネスシーンで「ご高覧」という表現を使った経験はありますか。
「ご高覧」とは、「見る」という行為を敬って表現した言葉で、取引先や上司などの目上の相手に対して使う表現です。
ビジネスシーンのコミュニケーション円滑化を実現するために、「ご高覧」の意味や使い方を確認していきましょう。
「ご高覧」の意味とは
「ご高覧(こうらん)」とは、相手の「見る」という行動を、敬って表現した言葉です。
「ご高覧」は、「見る」の尊敬語である「ご覧になる」よりも、さらに強く敬う気持ちを示すことができます。
「ご高覧」を使う際の注意点
「ご高覧」は、使う際に気をつけておきたい、いくつかの注意点があります。
- 同僚や部下に対しては使わない
- 直属の上司には使わない
- 話し言葉では使わない
- 確認や意見が必要な際には使わない
円滑なコミュニケーションを実現するためにも、「ご高覧」を使う際の注意点を確認していきましょう。
同僚や部下に対しては使わない
「ご高覧」は、同僚や部下に対しては使わない表現です。
強い敬意を示す言葉である「ご高覧」は、取引先などの自分より立場が上の人に対して使う表現のため、同僚や部下に対して使わないように注意しましょう。
直属の上司には使わない
「ご高覧」は、自分の直属の上司には使わないようにしましょう。
「ご高覧」は、尊敬表現ではありますが、やや硬い印象を相手に与える表現のため、直属の上司に使うと、不自然に思われる恐れがあります。
相手が目上の人であっても、直属の上司や普段から親しくしている間柄であれば、「ご高覧」ではなく、「ご覧ください」という表現を使うようにしましょう。
話し言葉では使わない
「ご高覧」は、一般的に、話し言葉(口語)では使わず、目上の人に送るメールや手紙、文書などの書き言葉(文語)として使う表現です。
話し言葉で「ご高覧」を使うことは、誤りではありませんが、相手に硬い印象を与えたり、慇懃無礼だと感じられたりする恐れもあるため、使用する際は注意が必要です。
確認や意見が必要な際には使わない
「ご高覧」は、「見てほしい」意思を伝える表現のため、確認してほしい場合や、相手に意見を求める場合には、不適切な表現です。
取引先や目上の相手に対して、確認や意見などの返事や応答を求める場合は、「ご精査」や「ご査収」、「ご検討」などの表現を使うようにしましょう。
「ご高覧」の使い方と例文
「ご高覧」は、名詞のため、使用する際は、「賜る」や「いただく」「供する」などの言葉と組み合わせる必要があります。
例文と合わせて、「ご高覧」の使い方を確認していきましょう。
「ご高覧」と組み合わせて使う言葉
「ご高覧」と組み合わせて使う言葉の意味は、以下の通りです。
賜る(たまわる) | 「もらう」の謙譲語 |
---|---|
いただく | 「もらう」の謙譲語 |
供する(きょうする) | 身分の高い人に差し上げる |
依頼を伝える「ご高覧」
依頼を伝える際の「ご高覧」の例文は、以下の通りです。
- 資料を添付しましたので、ご高覧賜りますよう、よろしくお願いいたします。
- 弊社の商品について、同封しましたパンフレットをご高覧いただければ幸いです。
- ご高覧に供する書類を、活用いただければ幸いです。
感謝を伝える「ご高覧」
「ご高覧」を使って感謝を伝える際は、「賜る」「いただく」と組み合わせて使いましょう。
- 本日はお忙しいなか、ご高覧いただきありがとうございました。
- ご高覧を賜り、心より感謝申し上げます。
- ご高覧くださった皆さまには、御礼の特典をご用意しております。
「ご高覧」の類語・言い換え表現
「ご高覧」は、使うことができる相手やシーンが限定された表現のため、状況に応じて類語や言い換え表現が必要になるケースがあります。
適切な表現でコミュニケーションがはかれるように、「ご高覧」の類語と言い換え表現を、例文付きで紹介します。
「ご清覧」
「ご清覧」は、「ごせいらん」と読み、意味は「ご高覧」と同じく、相手が見ることを敬って表現した言葉です。
「ご清覧」は、主に自分が書いたものを見てほしい場合に使用する表現で、書き言葉で使用することが一般的です。
- 添付資料をご清覧いただければ幸いです。
- 先日の研修の内容をまとめました。ご清覧のほど、よろしくお願いいたします。
- 私が作成した企画書をご清覧いただきましてありがとうございました。
「ご賢覧」
「ご賢覧」は、「ごけんらん」と読み、相手が見ることを敬って表現した言葉で、「ご高覧」と同じ意味を表すことができます。
「ご賢覧」も、「ご高覧」と同じく、一般的に書き言葉で使用される表現です。
- 当日の行程をまとめましたので、添付の資料をご賢覧ください。
- 同封しましたパンフレットをご賢覧のうえ、ご検討をよろしくお願いいたします。 弊
- 社サイトの「よくあるご質問」をご賢覧いただけると幸いです。
「ご一読」
「ご一読(いちどく)」は、「一通りざっと読むこと」を意味する言葉です。
また、ビジネスシーンでは、「ご一読」で、読んで確認してほしいという意味も含まれることがあります。
「ご一読」は、「ご高覧」と同様に、目上の人に対して使える言葉ですが、話し言葉(口語)として使いやすい点や、あまり硬くない印象を相手に与える点が、使い方の違いとしてあげられます。
- こちらの資料をご一読ください。
- 商品のポイントをまとめましたので、ご一読いただけますと幸いです。
- 注意事項が記載してありますので、ご一読をよろしくお願いいたします。
「ご高覧」と混同しやすい言葉
「ご高覧」には、いくつかの混同しやすい言葉があります。
- ご査収
- ご精査
- ご校閲
正しく使い分けられるように、それぞれの言葉の意味を確認していきましょう。
「ご査収」
「ご査収」は、よく内容を確認して、受け取ることを意味する表現です。
そのため、書類や文書などを、「よく確認してほしい」旨を依頼するシーンに適切な表現です。
一方で、「ご高覧」は、前述した通り、「見る」ことだけを意味する言葉です。
そのため、「見る」ということだけを意味する「ご高覧」よりも、確認してほしいという意味合いが強いです。
書類や文書を相手によく確認してほしい場合は、「ご高覧」ではなく、「ご査収」を使うようにしましょう。
「ご精査」
「ご精査」は、細かく調べることを意味する言葉です。
書類や文書の内容が正しいかどうかを、細かく確認してほしい場合には、「ご高覧」ではなく「ご精査」を使って、相手に依頼するようにしましょう。
「ご高閲」
「ご高閲」は、「ごこうえつ」と読み、自分が作成した文書などの内容に、誤りがないかの確認依頼を、敬って表現した言葉です。
「ご高閲」は、相手に確認を依頼する言葉のため、「ご高覧」とは使い方が異なります。
円滑なコミュニケーションに「Chatwork」
「ご高覧」は、相手の「見る」ことを敬って表現した言葉で、目上の人に対して使われる尊敬語です。
「ご高覧」は、最大級の敬意を表すことができる表現ですが、やや硬い印象を与える表現のため、日常的なビジネスシーンでは、「ご覧ください」や「ご一読ください」などの言葉と使い分け、円滑なコミュニケーションを目指しましょう。
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