三方よしとは?ビジネスでの使い方や実践方法、企業の事例を紹介

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三方よしとは?ビジネスでの使い方や実践方法、企業の事例を紹介

目次

三方よしとは、「売り手」「買い手」「世間」のすべてが満足している状態で事業をおこない、最終的には社会の発展に貢献するのが目指すべき商売の形であるという考え方です。

近江商人が起源になった言葉で、現代の事業活動にも活かされています。

三方よしを実践するには、自社の企業理念やターゲットを明確にすることが重要です。

三方よしの使い方や実践方法、企業の事例を紹介します。

「三方よし」とは?

三方よしとは「売り手」「買い手」「世間(社会)」のすべてが満足できるように、事業活動をおこなう考え方を指します。

読み方は「さんぽうよし」または「さんぼうよし」です。

三方よしの考え方では「売り手」と「買い手」の満足だけでなく、商売によって「世間」に貢献するという姿勢を大切にします。

「三方よし」の起源

三方よしの考え方は、日本三大商人の「近江商人」が起源といわれています。

近江(近江国)とは、現在の滋賀県にあたります。

近江商人は近江出身の商人のことで、近江を含めた全国各地で活動していました。

近江商人は「売り手」「買い手」「世間」のすべてが満足できるような商売をするという哲学をもって、事業をおこなっていたのです。

「三方よし」が注目される背景

三方よしの考え方は、現代の事業活動をする上で大切な「CSR」や「SDGs」に通じる考え方といわれています。

CSRとは、自社の従業員、地域環境、社会全体に配慮しながら経営を続けることを指します。

SDGsとは、持続可能な開発目標を指す言葉で、CSRと同様に事業活動において注目されている内容です。

CSRとSDGsでは、自社の利益を追求するだけでなく、事業活動から社会貢献ができるような内容が大切だと考えられています。

三方よしにおいても、商売をとおして社会貢献ができるような内容が重要だと考えるため、CSRやSDGsに通じるものがあるといえるでしょう。

>CSRに関する記事はこちら

>SDGsの身近な例に関する記事はこちら

「三方よし」の三方とは

三方よしの三方について「売り手」「買い手」「世間」について詳細を見ていきましょう。

それぞれの立場における"よし"の定義や、三方の順番についてもくわしく解説していきます。

  • 売り手よし
  • 買い手よし
  • 世間よし

事業を始めるにあたって、この三方よしを意識することが大切です。

売り手よし

商品やサービスを提供する企業(商人)のことを「売り手」といいます。

企業の事業活動においては、利益を獲得することでビジネスを続けられるため「売り手よし」の状態であることが大切です。

たとえば、従業員に支払えるお金があることや仕事に満足しながら働ける環境があれば、自社の従業員に長く働いてもらえる職場づくりを進められます。

また、商品やサービスの価値に見合う利益を得られることで、長期的に事業活動を続けられます。

実際に、三方よしでは「買い手」や「世間」に貢献していくためにも、まずは「売り手」が幸せになることが必要だと考えられています。

買い手よし

商品やサービスを購入する消費者のことを「買い手」といいます。

「買い手よし」の状態とは、消費者のニーズに寄り添い、悩みを解消できるような商品が提供できることを指します。

企業の事業活動では、商品を購入するターゲットを明確にしながら開発を進めていきます。

たとえば、高級志向を重視する商品から、低価格を重視する商品まで、ターゲットによって内容はさまざまです。

自社の事業活動に合う有益なサービスを提供することで「買い手」にとってよい商品を提供できます。

世間よし

三方よしでは、競合他社や社会のことを含めて「世間」といいます。

企業の商品やサービスが普及することで、社会全体に豊かさや便利さを提供できます。

企業が利益を生み出すと事業が拡大して、新しい雇用や取引先とのつながりも生まれるでしょう。

また、地球環境に優しい商品を開発できれば、環境に配慮しながら事業活動を継続することが可能です。

>SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標に関する記事はこちら

「三方よし」以外の近江商人の商売十訓

三方よしの考え方にも関連する内容として、近江商人の商売十訓があげられます。

現代のビジネスにも応用できる考え方を見ていきましょう。

                                                                                                                
十訓内容 内容の意味
1.商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり商売をとおして世間のために奉仕できているならば、利益を得るべきである。
2.店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何商売では規模よりも場所、場所よりも商品の質が大切である。
3.売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる商品を売る前よりも、売った後のフォローによって継続的な顧客ができる。
4.資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし目先のお金よりも信用が大切であるということ。
5.無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ無理に商品を売らない。顧客にとって必要なものを提供することが大切である。
6.良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり良い商品を売ることは良いことなので、広告を出して売ることも良いことである。
7.紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ商品に付加価値をつけることで、顧客が喜んでくれる。
8.正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ商品の価値を高めるようにして、簡単に値下げしないようにする。
9.今日の損益を常に考えよ、今日の損益を明らかにしないでは、寝につかぬ習慣にせよビジネスが上手くまわっているか、つねに確認することが大切である。
10.商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬビジネスでは好景気や不景気にかかわらず、利益を出していく必要がある。

「三方よし」を実現する4つの方法

「三方よし」を実現するためには、どのような方法があるのでしょうか。

その実践方法には、主に4つの手法があると言われています。

  1. 企業理念・課題を明確にする
  2. ターゲットを明確にする
  3. 問題と悩みを分析して把握する
  4. 理想と現実を埋める商品開発をおこなう

具体的な実践方法を見ていきましょう。

方法(1):企業理念・課題を明確にする

自社の事業活動で何ができるのかを整理するためにも、企業理念や課題を明確にしましょう。

自社のミッションなどを把握することで、あらためて従業員に事業活動の方向性を認知してもらう機会ができます。

また、自社の強みや弱みを把握できるようになり、顧客の満足度を高めるためのサービス改善につなげられます。

方法(2):ターゲットを明確にする

どのような人の悩みを解決していくのかを把握するためにも、ターゲットを明確にしましょう。

たとえば、若い世代に向けて訴求するのか、高齢の世代に向けて訴求するのかによって、商品の内容は変わります。

新しい商品を開発していく上でも、商品のターゲットを絞ることが大切です。

方法(3):問題と悩みを分析して把握する

自社の事業活動で何ができるのか、顧客のニーズに寄り添う商品開発を進めましょう。

ターゲットが抱える問題に何があるのか、フレームワークの4C分析などを活用するのもおすすめです。

4C分析では「顧客価値」「顧客コスト」「顧客の利便性」「顧客とのコミュニケーション」の観点から、顧客視点で商品購入に関わる分析を進めていきます。

方法(4):理想と現実を埋める商品開発をおこなう

顧客の理想と現実を埋める商品開発をおこなえれば、価値を提供できて利益につながります。

商品の満足度が高ければ、リピーターになってもらえる可能性が高まるでしょう。

また、企業の商品やサービスが社会に普及することで、豊かな社会に導くための活動につながります。

「三方よし」を実践する企業の事例

三方よしの考え方は、事業を進める上で重要な価値観です。

また、その考え方だからこそ、事業を拡大させることができるという側面もあります。

三方よしの考え方を実践するためにも、企業事例を紹介します。

  • 卸売業
  • 小売業
  • サービス業

これからの事業展開を考えている人は、実際に三方よしを実践している企業の取り組みを参考にしてみましょう。

卸売業の事例

卸売業の事例では、近江商人であった創業者が「三方よし」の考え方を軸に事業活動をおこなっていました。

また、現代も変わらず「三方よし」を実践して、国内や海外を問わず社会貢献活動にとりくんでいます。

小売業の事例

小売業の事例では、人々のライフスタイルを豊かにする商品を展開しており、三方よしの考え方を軸にした商品開発をおこなっています。

また、地域のコミュニティ支援をおこなうなど、社会貢献活動にも力を入れています。

サービス業の事例

サービス業の事例では、ECサイトのプラットフォームをとおして、顧客と店舗、企業のすべてが満足できるサービスを提供しています。

ステークホルダーと協力し合いながら事業活動を進めるなど、三方よしにつながる考え方を大切にしています。

>ステークホルダーに関する記事はこちら

「三方よし」を取り入れた事業を目指そう

企業が事業活動を長期的に続けるには「買い手」「売り手」「世間」のすべてが満足できる事業活動を目指すことが大切です。

顧客の悩みに寄り添った商品を提供できることで、長く愛される企業として成長できるでしょう。

三方よしの考え方を取り入れるためにも、自社や企業理念の浸透や、顧客の課題を分析するなど、よりよいサービスを提供できるように改善していく必要があります。

また、三方よしを実践するには、取引先とのやりとりや顧客に関わる情報共有をスムーズに進めることも重要です。

情報共有を円滑に進める方法として、ビジネスチャット「Chatwork」の活用もおすすめです。

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