CSRとは?とりくむメリットや7つの種類を企業事例を用いてわかりやすく解説

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働き方改革
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CSRとは?とりくむメリットや7つの種類を企業事例を用いてわかりやすく解説

目次

サステナビリティやSDGsが注目されるにあたり、CSRへの世間の関心も集まっています。

CSRは、企業が持続的に活動していくために重要なため、CSRにとりくんでいない企業は内容を把握しておく必要があります。

近年見聞きする機会の多くなったCSRの意味や活動種類、サステナビリティとの違いやCSRにとりくむメリット、企業事例について解説します。

CSRとは?

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の頭文字をとった略語で、「企業の社会的責任」を意味します。

企業の社会的責任とは、企業の従業員、取引先、消費者、出資者などの利害関係者であるステークホルダーからの要求に応じたり、自然環境への配慮や社会貢献をしたり、さまざまな内容に適切な意思決定をおこなうことを指します。

 

日本におけるCSRの定義

日本におけるCSRの定義は、企業が社会や環境と共存しながら、ステークホルダーからの信頼を得るために、持続可能な成長を目指す活動が及ぼす影響について責任をもつこととしています。[※1]

日本では2003年が「CSR経営元年」といわれており、その後、企業の不祥事が露見することによって「企業の社会的責任」に対し世間の関心が高まっていきました。[※2]

しかし、世界的には、1976年にOECDが「OECD多国籍企業ガイドライン」という、OECD参加国の企業に対して、責任ある行動を求めるガイドラインが策定されているため、CSRの歴史は約50年にもなります。[※3]

 

海外におけるCSRの定義

EUにおけるCSRの定義は、企業責任を果たすために法律や労働協約の尊重は前提条件であり、利害関係者や社会に及ぼす悪影響を防止、軽減することとしています。

国際標準化機構であるISOにおいては、企業組織は利害関係者の要求を考慮し、社会や環境に対して倫理的な責任ある行動をすることを企業の社会的責任としています。[※3]

CSRが注目される理由

CSRが注目されるようになった理由は、企業の不祥事が多く露見したからです。

たとえば、食材の産地偽装やリコール隠し、粉飾決算などがあり、企業の不祥事は日本だけでなく海外でも発生していたため、世界的に注目されるようになりました。

また、企業の成長活動において発生する、大量のゴミや温室効果ガスなどがもたらす環境破壊も問題視されているため、企業のCSRへのとりくみが人々から求められています。

CSRとサステナビリティの違い

サステナビリティとは、「持続可能性」という意味があり、CSRと類似した言葉として考えられています。

しかし、サステナビリティは「企業の社会的責任」であるCSRよりも広義であり、経済、環境、社会という多角的な視点から持続可能性のある目標を定めている点で違いがあります。

サステナビリティについては、近年SDGsが注目されています。

SDGsは「持続可能な開発目標」という意味で、国連により採択され、国際目標となっています。

SDGsは環境問題、人権問題、労働問題など、さまざまな問題を長期的な視点で解決していくことを目標としており、企業としての活動に責任をもつCSRとともに、よりよい世界を目指すため世界的に注目されています。

>SDGs(持続可能な開発目標)とは?に関する記事はこちら

CSRとボランティア活動の違い

CSRの一環で社会貢献活動をおこなっている企業もあるため、CSRとボランティア活動を同義ととらえてしまいやすいですが、CSRはボランティア活動をすることではなく、企業の社会的責任を果たすことで企業イメージを損なわず、企業価値をあげることを目的としています。

すなわち、CSRは企業価値をあげることを目指しているため、利益を目的としないボランティア活動とは異なるものといえます。

>企業がボランティアに取り組む意義に関する記事はこちら

CSR活動にとりくむメリット

CSR活動にとりくむことで、3つのメリットがあります。

 

従業員のコンプライアンスに対する意識向上

企業がステークホルダーに対し、商品の偽装やリコール隠しをしないなどのコンプライアンスを徹底することで、企業の従業員のコンプライアンスに対する意識が向上し、企業全体が不祥事防止にとりくむことができるでしょう。

企業の不祥事は、一人の従業員の行動で発生する場合があるため、従業員一人一人の不祥事防止に対する意識を高めることで、企業の不祥事防止につなげられます。

>コンプライアンスの重要性とは?に関する記事はこちら

 

企業価値やイメージの向上

CSRは世間から注目を集めているため、CSRへとりくむことで世間からの信頼を集めることができ、結果的に企業価値や企業イメージの向上を目指せます。

企業が不祥事防止の責任を果たすことを表明するだけでなく、環境問題にとりくむことも発信できるため、世間からよいイメージを抱かれやすいでしょう。

>企業ブランディングのメリットに関する記事はこちら

 

従業員満足度の向上

従業員は、自社が社会的責任を果たし、社会貢献活動をおこなうことで、自身の仕事が社会貢献できていると実感できるため、仕事や企業に対する従業員満足度が向上します。

従業員満足度が向上することで、企業で働くことに意味を見いだせるため、従業員の離職防止につながったり、仕事への意欲増加により生産性があがったりするでしょう。

また、生き生きと働く従業員が多く在籍することで、求職者は該当企業で働くことに希望を感じ、優秀な人材の求職数増加につながることも考えられます。

>従業員満足度とは?に関する記事はこちら

CSR活動にとりくむデメリット

CSR活動はメリットだけでなく、デメリットもあるため注意が必要です。

 

労務コストがかかる

CSR活動にとりくむということは、本来の事業活動以外に社会貢献活動や環境問題にもとりくむため、労務コストがかかります。

労務コストがかかるだけでなく、本来の事業活動以外に時間を費やすことで、企業の売上が下がる恐れもあるため、設立間もない企業など、資金力が大きくない企業がCSR活動にとりくむことは難しいでしょう。

 

人手不足が発生する

CSR活動にとりくむ人手をさくことにより、本来の事業活動の人手が足りなくなる恐れがあります。

人手不足が起きてしまっては、本来の事業活動に支障をきたすことが考えられるため、CSR活動に人手をさく余裕のない企業は、積極的なCSR活動をおこなえないでしょう。

CSR活動の種類

CSR活動には、主に7つの種類があります。

 

組織統治

組織が適切な意思決定をするために、従業員や取引先、出資者などステークホルダーと交流をはかり、客観的な視点から組織を見ることが求められます。

客観的視点から組織を見ることで、自社組織の行動に責任がともなっているかがわかるため、透明性のある行動や倫理にのっとった意思決定を意識でき、管理者から従業員にいたるまで組織の方針を統一することにつながります。

 

人権問題

性別や出身地、宗教、疾病の有無などにより、差別がおこなわれる人権問題を発生させないことが大切です。

差別がおこなわれていない場合でも、差別をうみやすい職場環境の構築を防止したり、差別がおこなわれた際の相談窓口を設けたりなど、人権問題の事前防止、改善される組織作りが求められます。

 

労働環境

企業は、労働基準法などの労働に関する法律を遵守し、従業員を不当に扱うことがないようにしなければいけません。

従業員とともに組織作りをしていることを意識し、従業員と労働環境や労働条件について話し合う機会をつくったり、従業員が働きやすい職場環境を構築したりすることが大切です。

 

環境保護

業種によっては、空気や水を汚染する廃棄物を多量に排出してしまう場合があるため、環境汚染をしないよう対策を施し、環境を保護することが求められます。

業種問わず、多くの企業がとりくめる活動では、不用品をリサイクルにまわす、ゴミ排出の削減を目指すなどがあるため、環境保護を意識し、身近でできることからとりくんでいきましょう。

 

健全な事業実施

日本には独占禁止法、下請法などの企業が守るべき法律があるため、法律を遵守し、健全な事業をおこなうことが求められます。

健全な事業実施のためには、経営責任者や管理者がコンプライアンスにのっとった行動をすることが大切です。

経営責任者などが健全な事業をおこなう姿を従業員に見せることで、従業員も非倫理的な行動をしないという意識が高まり、組織全体で法令遵守が徹底されるでしょう。

 

消費者保護

企業の商品やサービスを利用することにより、消費者がケガをしたり健康に害を生じたりすることがないようにしなければいけません。

企業が商品を消費者に提供する際には、消費者に害を与えないか、不良品を消費者が使うことで周りに危害を加えてしまわないかを考慮し、企業、消費者双方にリスクのないことが重要です。

企業のCSR活動の事例

日本企業のCSR活動の事例を紹介します。

 

自然環境再生活動

製造業を営む企業は、省エネ製品を開発したり、自然環境を再生させるためのプロジェクトを起ち上げて取り組んだりしています。

また、子供たちの勉強に必要な物資の提供などもおこなっています。

 

地域社会への貢献

インフラ業の企業は、地域社会でおこなわれる行事へ参加したり、清掃活動を実施したりしています。

福祉施設への訪問もおこない、社会貢献だけでなく地域社会との共栄も目指しています。

 

グローバル活動

服飾関係の企業は、不用品となった商品のリサイクルをしたり、必要とする場所へ商品を支援したりしています。

日本だけでなく世界の教育への支援や、難民の雇用受け入れなど、グローバルな活動もおこなっています。

CSR活動のとりくみにChatworkを活用しよう

CSRは「企業の社会的責任」を意味し、企業がステークホルダーに対し責任を果たしたり、環境への配慮や社会貢献したりすることを求められています。

従業員の労働環境の改善もCSR活動のひとつであるため、ビジネスチャット「Chatwork」を活用し、CSRを実施しましょう。

ビジネスチャット「Chatwork」は、メールや電話に比べて、チャット形式で気軽にコミュニケーションがとれるツールです。

個人間のチャットだけでなくグループチャットも作成できるため、従業員に自社に対する意見や要望のアンケートを、紙を配布することなく「Chatwork」上でおこなえます。

また、「Chatwork」はファイル添付もできるため、労働環境の改善点を資料などで共有できるでしょう。

CSR活動のとりくみに、「Chatwork」をぜひご活用ください。

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[※1]企業会計、開示、CSR(企業の社会的責任)政策
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/index.html
[※2]企業の社会的責任と人権
https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/jinken_pamf/download/161212CSR.pdf
[※3]CSRについて
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/pdf/CSR_policy_direction_J.pdf
※本記事は、2022年5月時点の情報をもとに作成しています。


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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

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