「慇懃無礼」の意味とは?言葉の使い方や慇懃無礼な人の特徴を解説
目次
「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」とは、態度や言葉が丁寧過ぎて、かえってそれが無礼になってしまうことを意味する言葉です。
丁寧すぎる言葉遣いや態度によっては、相手が不快に感じたり、馬鹿にされていると感じてしまうこともあるかもしれません。
「慇懃無礼」はネガティブな意味合いの言葉のため、使うシーンには注意しましょう。
慇懃無礼の意味と言葉の使い方、慇懃無礼な人の特徴を解説します。
「慇懃無礼」の意味と読み方
「慇懃無礼」とは、必要以上に丁寧な態度が逆に無礼になってしまっていることを意味する言葉で、「いんぎんぶれい」と読みます。
「慇懃無礼」の「慇懃」は丁寧で礼儀正しいことを意味しますが、「無礼」は礼儀を欠き、失礼なことを意味するため、相反する意味の言葉が組み合わさって「慇懃無礼」という言葉が成り立っています。
「慇懃無礼」は、本人に悪気がなくても相手にとって失礼にあたる場合に使われるほか、悪意をもってわざと丁寧すぎる態度を示し、内心では相手を見下している様子にも使われる言葉です。
「慇懃無礼」が使われるシーンと例文
「慇懃無礼」は、日常生活やビジネスシーンで使われる言葉ですが、以下のような場合に使われます。
- 言葉遣いや態度が丁寧すぎる
- 相手を内心で見下している
- メールのやりとりが堅すぎる
それぞれのケースと使い方を紹介します。
言葉遣いや態度が丁寧すぎる
相手への言葉遣いや対応が丁寧すぎると、慇懃無礼な印象を相手や第三者に与えかねません。
たとえば、顧客に書類記入を依頼する際に、ペンを持つことやキャップを開けることまで伝えたら、相手に不快感を与えるでしょう。
取引先や上司に対して丁寧な言葉遣いを意識するあまり、回りくどい言い回しになってしまったり、馬鹿にされていると思われてしまったりする可能性があるので、注意が必要です。
- あなたの対応は、慇懃無礼に感じられるから気をつけたほうがいい
- あの人は一生懸命だけど、慇懃無礼だ
相手を内心では見下している
慇懃無礼は、相手を内心では見下している際にも使われる言葉です。
仕事ができない上司や同僚に対して、表面上は丁寧な態度をとっていても、内心では見下し、過度に丁寧に話したり仕事を教えたりしているケースも考えられます。
- 同僚は仕事のできない上司に慇懃無礼な態度をとっている
- 仕事に慣れるのが遅い同僚に対する彼女の慇懃無礼な対応が不快だ
メールのやりとりが堅すぎる場合
メールなどの文書からも「慇懃無礼」と感じられることがあります。
たとえば、敬語が多く、過度に気を遣われているメールは、相手に失礼に思われるかもしれません。
また、親しい間柄であるはずの相手に、丁寧すぎる、他人行儀なメールを送ることも、相手を不快にさせる恐れがあります。
- 彼とはもう何年も一緒に仕事をしているのに、メール文がいつも慇懃無礼だ
- チャットのやりとりなのに、彼女のメッセージは慇懃無礼すぎる
慇懃無礼になりやすい人の特徴とは
慇懃無礼な態度は、本人に悪気がなくても相手や周りの人を不快にさせる恐れがあります。
慇懃無礼と思われやすい人は、以下のような特徴があります。
- 言葉遣いが不自然
- 態度が丁寧すぎる
- 裏表が激しい
- 八方美人
それぞれの特徴を解説します。
言葉遣いが不自然
慇懃無礼な人は、言葉遣いが不自然な特徴があります。
親しいはずの同僚や後輩に対し、「ですます」口調で話したり、名字に「さん」付けで呼んだりするため、親しみやすさが感じられません。
一方で、友人に接するような砕けた話し方や態度をとることによって、セクハラやパワハラなどのハラスメントで訴えられるリスクを想定し、あえて丁寧な言葉遣いをする人もいるでしょう。
態度が丁寧すぎる
慇懃無礼な人は、態度が丁寧すぎるという特徴があります。
態度が過度に丁寧な場合、相手にお堅い印象を与えたり、他人行儀だと思われるなどネガティブな印象を与える恐れもあります。
よそよそしい態度ではいつまでも距離が縮まらず、相手は打ち解けにくいと感じることもあるでしょう。
本音がわかりづらい相手とは、信頼関係の構築が難しくなります。
裏表が激しい
相手や状況によって手のひらを返したように態度が変わる、裏表が激しい人は、慇懃無礼になりやすいでしょう。
たとえば、上司など目上の人に対しては、にこやかに接していても、後輩に対しては常に不機嫌そうに命令口調で指示ばかりする人や、先輩と親しげに話していたのに、先輩が去った途端に先輩の悪口をいう人などは、裏表が激しいといえます。
裏表が激しい人は、相手に丁寧な態度をとっていても、裏の顔では相手を馬鹿にしたり、見下したりしている可能性があります。
八方美人
八方美人と言われるような人は、慇懃無礼になりやすいタイプです。
誰に対しても愛想よく丁寧に接するため、衝突が少なく好印象をもたれやすいです。
一方で、自分の意見をもたず、誰にでもいい顔をしようとする態度は、知っている人から見れば本心が読めず、信頼できないと思われるでしょう。
慇懃無礼な人への対応方法
慇懃無礼な人がいると、自分が見下されている気分になったり、距離があるように感じられたりして、ストレスが溜まります。
慇懃無礼な人への対処法として、以下が挙げられます。
- ラフな声がけをしてみる
- 聞き流す
- 距離をとってみる
ストレスが溜まると仕事のモチベーションが下がって、ミスやトラブルを招く恐れがあるため、ストレスを蓄積しないことが大切です。
慇懃無礼な人への対応方法を解説します。
ラフな声がけをしてみる
慇懃無礼な人には、ラフな声がけをしてみましょう。
たとえば、「同期だからそんなに気を遣わないで」「一緒のチームになって長いんだから、もうちょっと砕けた言葉遣いにしようよ」など、対応が丁寧なことを示しながら声かけをしてみると、慇懃無礼な態度が改善される可能性があります。
踏み込んでいえる相手であれば、「その丁寧さは嫌味に聞こえるから」「相手によっては失礼に思うから」というように、はっきりと指摘することも効果的かもしれません。
自分では悪気がなく、慇懃無礼な態度になっていると気付いていない人もいるため、まずは軽く声をかけてみることをおすすめします。
聞き流す
相手の慇懃無礼な発言を聞き流すと、ストレスを溜めずに済むでしょう。
相手の丁寧すぎる発言を気にしすぎるとストレスが蓄積されてしまいますが、慇懃無礼な人なのだと割り切ってビジネスライクに付き合えば、ストレスを感じずに業務を進められます。
距離をとってみる
慇懃無礼な態度をとる人と距離をとることも、効果的な対応方法としてあげられます。
慇懃無礼な相手と業務上関わりが薄いなど、距離をとって問題なければ、必要最低限しか関わらないと決めて、なるべく離れるとストレスも生じにくくなるでしょう。
関わりをもたなくてはいけなくなった場合は、自分も過度に丁寧な態度や敬語で接すると、相手が自分の態度を見直すきっかけとなり、改善される可能性があります。
円滑なビジネスコミュニケーションに「Chatwork」
「慇懃無礼」とは、必要以上に丁寧な態度が失礼にあたることを意味する言葉で、本人に悪気がない場合もあれば、相手を見下しているケースもあります。
慇懃無礼な人と接すると、見下すような態度や、距離を感じることにストレスが生じるため、ラフに声かけをして態度をあらためてもらう、あえて距離をとってストレスを溜めないなどの対処が大切です。
慇懃無礼になりにくく、お互いに気軽なコミュニケーションができる仕事用ツールとして、ビジネスチャット「Chatwork」をおすすめします。
ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式でコミュニケーションをとれるツールで、メッセージに絵文字を添えたり、相手のメッセージにリアクションで反応できたりします。
多様な絵文字や「了解」「ありがとう」「おめでとう」などのリアクションを使えば、ラフにコミュニケーションをとれてお互いの距離を縮められるでしょう。
自分の感情表現や意思表示に使える絵文字やリアクション機能を使って、円滑なコミュニケーションを実現してください。
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