「尊敬」「尊敬の念」とは？意味やビジネスでの使い方、言い換え表現を解説

ある人の素晴らしい人格や考え方、高い実績などを目の当たりにしたときに感じるのが「尊敬の念」です。

一方で、「尊敬の念」という言葉の対象や使い方は多岐にわたるため、正確な意味や言い回しには自信がないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、「尊敬の念」の意味や使い方、ビジネスで使える言い換え表現のほか、尊敬される人に共通する特徴もご紹介します。

「尊敬の念」とは

「尊敬の念」とは、特定の相手の人格・能力・考え方・行動・業績などに対して「尊び敬う気持ち」を指します。

「尊敬」は「尊び敬う」「認めて敬う」という姿勢や態度を表す言葉であり、「念」は「気持ち」や「思い」を意味します。

「畏敬の念」との違い

「尊敬の念」と混同されやすい言葉に「畏敬の念」がありますが、気持ちを向ける対象や意味が異なります。

「尊敬の念」は特定の人物に対して尊び敬う気持ちを指しますが、「畏敬の念」は自分よりもはるかに地位が高い人や、自然、神仏などの幅広い対象に対して「深い敬意」や「畏れ」の気持ちを抱くことを表します。

語感が似ているため、意味を取り違えないよう注意しましょう。

「尊敬の念」の使い方・例文

続いて、「尊敬の念」の使い方と例文をご紹介します。

尊敬の念を示す

「示す」には、「相手にわかるように見せる」という意味があります。

「尊敬の念を示す」は、具体的な言動や態度で相手への敬意を表現することを指し、以下のように使います。

• 同僚の素晴らしい功績に尊敬の念を示す
• 彼のたゆまぬ努力に尊敬の念を示したい

尊敬の念を覚える

「覚える」には、「自然にそう感じる」「心にとどめる」などの意味があります。

「尊敬の念を覚える」は、特定の相手の行動や考え方などに対して感銘を受けたり、自然と敬意が芽生えたりする状況を表し、以下のように使います。

• 彼女のどこまでも真摯な姿勢に尊敬の念を覚える
• 誰に対しても平等な態度で接する上司に尊敬の念を覚える

尊敬の念が深まる

「深まる」は、「物事の度合いが深くなる」という意味です。

「尊敬の念が深まる」とは、特定の相手の人柄や取り組みに触れ続けることで、もともと抱いていた尊敬の感情がより深くなる状態を示し、以下のように使います。

• ビジョンを語る社長の姿を見て、尊敬の念が深まった
• 今回の素晴らしい働きを目の当たりにして、より尊敬の念が深まった

尊敬の念を込める

「念を込める」は「行動・行為になんらかの思いを強く抱く」「思いを注ぎ込む」という意味合いの表現です。

「尊敬の念を込める」は、尊敬の思いを抱きながら具体的な行動・行為をおこなうことを指し、以下のように使います。

• 師に尊敬の念を込めて手紙をしたためた
• 上司に尊敬の念を込めて謝意を伝える

尊敬の念を抱く

「抱く」は「いだく」と読み、「心のなかで考えをもつ」という意味があります。

「尊敬の念を抱く」は「心のなかで尊敬の気持ちをもつこと」を指し、以下のように使います。

• ◯◯さんには日ごろより尊敬の念を抱いている
• 以前から尊敬の念を抱いていた人と一緒に仕事ができて光栄だ

尊敬の念が尽きない

「尽きない」には、「いつまでも終わりが来ないこと」や「非常に量が多い状態」などの意味があります。

「尊敬の念が尽きない」は、時間が経っても尊敬の気持ちが薄れない状態を表し、以下のように使います。

• 長年高い成果を挙げ続けている彼に尊敬の念が尽きない
• 目下の人にも丁寧に接する◯◯さんには尊敬の念が尽きない

尊敬の念に堪えない

「堪えない」には、「我慢できない」「堪えきれない」といった意味があります。

「尊敬の念に堪えない」は、感情がおさえきれないほどの特別な敬意を表したい場合に、以下のように使います。

• どんなことがあっても諦めない彼女は尊敬の念に堪えない
• 前人未到の偉業を成し遂げた彼は尊敬の念に堪えない

「尊敬の念」の言い換え表現

ここでは、「尊敬の念」の言い換え表現を3つご紹介します。

尊敬の眼差し

「尊敬の眼差し」とは、特定の相手へ心からの敬意を込めて向ける視線や態度を意味する表現で、以下のように使います。

• 彼女は上司の仕事ぶりを尊敬の眼差しで見ていた
• 彼は後輩たちの尊敬の眼差しを一身に受けていた

敬意を払う・表す

「敬意を払う」や「敬意を表す」は、相手への尊重や配慮を示す表現で、以下のように使います。

• 本プロジェクトに携わった方々に敬意を表します
• 相手は目上の方なので、最大限の敬意を払うべきだ

リスペクトする

「リスペクトする」は、英語の「respect」から来た言葉で、ややカジュアルなフレーズです。

英語の意味と同じく、「尊敬する」「尊重する」ということを表します。

• どんな相手に対してもリスペクトする姿勢が大切だ
• 素晴らしい実績をもつ彼をリスペクトしている

尊敬される人に共通する特徴

最後に、周囲から尊敬される人に共通する特徴を6つご紹介します。

前向き・ポジティブな姿勢

尊敬される人には、どんな状況でも前向きに物事をとらえる姿勢が見られます。

困難な場面や不都合な出来事が起きたときでも希望を見出し、周囲を鼓舞するポジティブさは、多くの人から尊敬を集めます。

責任感を持っている

尊敬される人は、強い責任感を持っていることも共通点です。

任された仕事を決して投げ出さずに最後までやり遂げる姿や、物事の結果を自分の責任ととらえて向き合う姿には、周りから多くの信頼と尊敬が寄せられます。

＞ビジネスシーンにおける責任感に関する記事はこちら

臨機応変な対応ができる

状況に応じて臨機応変な対応ができる人も、周囲から尊敬されるでしょう。

とくに、ビジネスシーンではマニュアルどおりにいかないことも多く、判断に迷う場面も少なくありません。

どのような局面であっても適切な判断ができる人は頼りがいがあり、信頼にも値するため、結果的に周囲からの尊敬につながります。

＞ビジネスシーンにおける臨機応変（フレキシブル）に関する記事はこちら

感情的にならない

尊敬される人は、感情的にならないことも特徴です。

感情的な態度は誤解や対立を生みがちですが、自分をおさえて対処できる人は周囲に安心感を与えます。

そのため、どんなときでも感情をコントロールし、冷静さを保てる人は、多くの人に尊敬される傾向にあります。

アドバイスを素直に受け入れる

他人からのアドバイスを素直に受け入れることができる資質も、尊敬される人に共通しています。

役職が高い人・素晴らしい実績をもつ人であるほど、驕らずに相手の意見を聞き入れる態度が際立ちます。

謙虚な姿勢・他者から学ぼうとする姿勢は周囲に好印象を与え、信頼や尊敬をえることにつながります。

悪口や文句を口にしない

悪口や文句を口にしない人も周囲の尊敬を集めます。

誰に対しても敬意をもって接する姿勢は平等・公正な印象につながり、人格が高く信頼に値すると思われるためです。

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「尊敬の念」は、特定の相手の人格・能力・考え方・行動・業績などを「尊び敬う気持ち」を指す表現です。

尊敬の気持ちを心のなかでもつ場合、具体的な行動に表す場合など、状況に応じて言い回しを適切に変える必要があります。

周囲から尊敬される人になるためには、確実にタスクを完了することや、素早い対応など、日常的な姿勢が大切です。

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