ビジネスチャットは言葉遣いに注意!基本マナー12選+NG行動も紹介

目次
ビジネスチャット上で円滑なコミュニケーションをおこなうには、言葉遣いが重要です。
チャットでのやり取りはカジュアルになりやすく、知らず知らずのうちに相手に失礼な文面のメッセージを送信してしまう可能性があるため注意しましょう。
本記事では、ビジネスチャットにおける言葉遣いや基本マナーについて紹介します。
また、ビジネスチャットで言葉遣いが重要な理由やシーン別の例文、ビジネスチャット利用時に避けるべきNG行動なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスチャットとメールの言葉遣いはどこが違う?
ビジネスチャットは、業務連絡や情報共有を効率化するためのツールで、SNSのような操作性とスピード感を備えているのが特徴です。
メールにくらべてやり取りがリアルタイムで進み、既読機能により確認の手間も省けるため、社内外のコミュニケーションが円滑になります。
ビジネスチャットとメールは、言葉遣いにおいて大きな違いがあります。
たとえば、メールでは当たり前の挨拶文や定型文も、ビジネスチャットの日常的なやり取りでは省略される場合が多くなっています。
ただし、ビジネスチャットは業務で利用されるツールであるため、丁寧で配慮ある言葉遣いを意識することは重要です。
メールはあくまでも手紙のようなやり取りが続くイメージで、ビジネスチャットはテキストで会話するイメージです。
ビジネスチャットで言葉遣いを重視する3つの理由
続いて、ビジネスチャットで言葉遣いを重視する理由を紹介します。
1. 信頼関係を構築するため
ビジネスチャットで信頼関係を構築するには、敬語を適切に使う必要があります。
状況や立場にふさわしい敬語表現を用いることで、相手に敬意を示せるとともに、礼儀正しい印象も与えられるからです。
とくにチャットは気軽に使える反面、言葉遣いが崩れやすいため注意が必要です。
なれなれしい表現は、親しい相手に使う分には問題がなくても、ほかのメンバーには不快感や疎外感を与える可能性があります。
あらかじめ、社内でビジネスチャット利用時の敬語表現に関するルールを決めておくと、誤解を防いで円滑にコミュニケーションが取れます。
2. ビジネスの場としてプロフェッショナルであるため
ビジネスチャットではスピーディーなやり取りが求められる一方で、ビジネスパーソンとしてプロフェッショナルな姿勢を保つための丁寧な言葉遣いも欠かせません。
とくに上司や顧客とのやり取りでは、敬語を使って誠実に対応することで信頼感を得ることができます。
ビジネスチャットのメッセージでは、短文でもなるべく早く返信すべきですが、即答が難しい場合は絵文字やスタンプで意思表示をするのもひとつの方法です。
ただ、スタンプだけの返信を失礼に感じる人もいるため、「すぐの返信が難しい場合はスタンプだけでリアクションします」と事前に伝えておくとトラブルや誤解を防げます。
平日に有給休暇を取得する場合や出張中で返信が遅れるときは、プロフィール名を一時的に変更して「返信は3日後になります」などと記載しておくことも、相手への配慮として有効です。
3. コミュニケーション上のミスを防止するため
ビジネスチャットでのやり取りは即時性が求められるため、表現が簡潔になりがちです。
しかし、敬語を交えた丁寧な言葉遣いを心がけることで、相手に冷たく受け取られるリスクを防げます。
たとえば、「確認しました」よりも「確認いたしました」と返信するほうが敬意も伝わるでしょう。
内容が複雑で長文になる場合でも「結論から申し上げますと〇〇です」など、最初に結論や要点を伝える工夫をすれば、相手に無駄な時間を使わせずに済みます。
ビジネスチャットでは、簡潔さと丁寧さを心がけると、ミスコミュニケーションの防止につながります。
ビジネスチャットの言葉遣い|基本マナー12選
ビジネスチャットの言葉遣いに関するマナーには、さまざまなものがあります。
以下では、とくに重要な12のマナーについてくわしく解説します。
1. ビジネスにふさわしい言葉遣いを意識する
ビジネスチャットはメールや電話よりも気軽に利用できる反面、言葉遣いがカジュアルになりすぎる傾向にあります。
ビジネスでチャットツールを利用するときは、あくまでも業務の一環であることを意識して、正しい敬語や誤字脱字のない文章を心がけましょう。
チャットは過去のやり取りがほかのメッセージに埋もれやすいため、後から検索しやすいように正確な表現を使うことも大切です。
メールのような挨拶の定型文は省略できますが、「承知いたしました」や「失礼いたしました」など、ビジネスでのやり取りにふさわしい言い回しを使うと好印象です。
同僚との会話でも「です・ます調」を基本とし、感情表現を控えめにするとコミュニケーションが円滑になります。
2. 敬語の基本を理解する
ビジネスチャットでのやり取りでは、基本的な敬語を理解して使うことを基本にしましょう。
チャットでの書き込みでは、上司や先輩はもちろん、同期や部下にも敬語を使って業務上のやり取りであることを意識しましょう。
相手の年齢や価値観によって、フラットすぎる表現は不快感や軽薄な印象を与える可能性があるため注意が必要です。
3. 簡潔で伝わりやすい言葉を意識する
ビジネスチャットのやり取りでは、簡潔な言葉遣いと結論ファーストの書き方を心がけましょう。
たとえば、「タスクが今、完了いたしました」や「A企画の進捗状況です」など、メッセージの冒頭に結論を明示すれば相手はすぐに内容を把握できます。
結論や要点の後に補足や理由を添えれば、メッセージの全体像も伝わりやすくなります。
チャットは長文でのコミュニケーションに向いていないため、伝える内容や項目が多い場合は分割して送信するのが望ましいでしょう。
文章が長くなる場合には、「長文失礼いたします」とひと言添えると相手に配慮が伝わります。
4. 定型の挨拶は簡素にする
ビジネスチャットでは、やり取りを効率的におこなうために、定型の挨拶文を省略することが一般的です。
文章の冒頭で「お疲れ様です」などの挨拶文を書くことは、伝えたい内容と直接関係がないため、記載する必要はありません。
メールの文章でよく使われる「A株式会社〇〇様」や「株式会社Bの◇◇です」などの形式的な表現も、基本的に不要です。
ビジネスチャットにはメンション機能が搭載されているため、送信者が宛名を省略しても、受信者は誰に宛てたメッセージかを把握できます。
ただし、相手との関係性や状況によっては丁寧な言葉遣いが求められるケースもあるため、柔軟に対応する必要があります。
5. 記号・絵文字・スタンプは適切に使用する
ビジネスチャットでは、定型の挨拶文は最初のメッセージでのみ記載し、以降は省略して問題ありません。
メッセージに対する返信で「承知いたしました」「よろしくお願いいたします」などを使うときも、スタンプや記号、絵文字を適切に使うことでスピーディーにやり取りできます。
チャットのやり取りで定型メッセージが続くと重要な内容が埋もれてしまい、後から確認するときに見つけにくくなるため注意が必要です。
6. 迅速な返信を心がけつつも、即レスは求めすぎない
ビジネスチャットでは、迅速な返信がマナーとされます。
とくに、参加者の多いグループチャットではメッセージが埋もれやすいため、「確認いたします」のような簡易的な対応であっても早めに反応することが求められます。
多忙でどうしても即座に対応できない場合は、スタンプや絵文字を活用して確認済みであることを伝えるのも有効です。
上司や取引先に対しては、事前に「スタンプで返信する場合もあります」と伝えておくと誤解やトラブルを防げます。
ただ、こちらが返信を求めるケースでは、即レスを強要しすぎないことも大切です。
チャットでのやり取りは相手の状況がわからないため、過度な即レスの要求はトラブルのもとです。
どうしても緊急に返信して欲しい場合は、冒頭に「【緊急連絡】」などと明記し、特別な対応が必要であることを伝えましょう。
>ビジネスチャットでスタンプを使う際のマナーや注意点に関する記事はこちら
7. 「返信」と「リアクション」を使い分ける
ビジネスチャットでは、やり取りの内容や相手との関係性を踏まえた上で、返信とリアクションを使い分けることが重要です。
たとえば、「承知いたしました」や「ありがとうございます」などの簡単な返答は、スタンプでだけでも十分に伝わります。
ただ、詳細な内容を伝える場合や重要なやり取りでは、やはり文章での返信が必要でしょう。
やり取りの相手や状況に応じて、返信とリアクションを使い分けることが業務の効率化にもつながります。
8. メンション機能を適切に活用する
ビジネスチャットへは多くのメンバーが参加するケースが多いため、メッセージの宛先を明確にすることは大切です。
特定の人物に向けたメッセージを発信したい場合は、メンション機能を使って相手に通知が届くようにしましょう。
メンション機能を使えば、相手がチャットを見ていない状態でも確実に気付いてもらえるため、情報の行き違いを防げます。
グループチャットで複数人と情報を共有したい場合は、一度に複数の相手をメンションする方法や、グループ全員をメンションする方法もあります。
9. ポジティブな言葉遣いを意識する
ビジネスチャットは手軽に書き込める反面、内容を十分に確認せず送信してしまう傾向にあるため、誤解やトラブルを生むことがあります。
ビジネスチャットのやり取りでは言葉遣いもカジュアルになりがちなので、感情的な発言は可能な限り避け、冷静にビジネスライクな言葉遣いを意識しましょう。
やり取りで間違いに気付いたときは、可能な限り早く訂正し、修正した部分を相手に伝える対応も必要です。
チャットにメッセージを書き込む前に、「チャットで伝えるべき内容かどうか」を見極める姿勢も重要になります。
10. プライバシーの保護を徹底する
ビジネスチャットを使用する際、個人情報やプライベートな内容の取り扱いには十分注意が必要です。
たとえば、相手の許可なく個人間のやり取りをグループチャットで共有することは、信頼関係を損なう要因になります。
チャットに携帯番号やメールアドレスなどの情報を気軽に記載することも、情報漏洩につながる恐れがあるので注意が必要です。
オンライン会議で画面を共有するとき、チャット通知が画面に表示されることで、意図せず取引相手とのやり取りの内容が第三者に見えてしまうリスクもあります。
ビジネスチャットを利用するときは情報の共有前には確認を取り、画面の共有時には通知をオフにするなど、セキュリティに対する意識を高く持つことが求められます。
11. 勤務時間外の連絡は極力避ける
ビジネスチャットは24時間メッセージを送信できますが、受信者のプライベートな時間を妨げる恐れがあるので、勤務時間外の利用は控えましょう。
送信相手が同僚であれ取引先であれ、勤務時間外は連絡を控えるのが基本マナーです。
どうしても緊急の連絡が必要な場合は、「遅い時間に失礼します」や「緊急のご連絡です」などのひと言を添えましょう。
12. 感情的な発言・議論は避ける
ビジネスチャットはテキストのみでやり取りするため、こちらの表情や声のトーンが伝わらず、意図が正しく伝わらないケースがあります。
チャットでの感情的な表現は誤解を生み、人間関係を悪化させる恐れがあるため、議論をするときは対面でおこなうのがおすすめです。
テキストでのやり取りは、言葉遣いも含め、丁寧なコミュニケーションを意識することが大切です。
ビジネスチャットツール「Chatwork」には基本のチャット機能やメンション機能のほか、音声通話やビデオ通話機能なども備わっているため、対面で議論するときにも便利です。【シーン別】ビジネスチャットの言葉遣い・例文集
ビジネスチャットで使うフレーズや言い回しにはさまざまなものがあります。
ここでは、言葉遣いと例文をシーン別に紹介します。
依頼/感謝/承諾の例文
ビジネスチャットで依頼を伝えるときの例文は以下のとおりです。
「お忙しいところ恐縮ですが、お力添えいただけますと幸いです」
「突然のお願いで大変恐縮ですが、〇〇していただけますでしょうか」
「お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします」
チャットで何かをお願いするときは、相手の都合を考慮しつつ、丁寧かつ明確に意図を伝える必要があります。
ビジネスチャットで感謝を伝える例文は以下のとおりです。
「おかげさまで無事成功しました。」
「お手伝いいただき、本当にありがとうございました。」
「ご配慮いただきありがとうございます」
チャットで感謝を伝えるときは、「相手のおかげで上手くいった」ことを丁寧に伝えましょう。
ビジネスチャットで承諾の意思を伝える例文は以下のとおりです。
「かしこまりました。」
「承知いたしました。対応が完了次第、連絡いたします。」
「確認いたしました。よろしくお願いいたします。」
チャットで承諾の意思を伝えるときは、相手の依頼内容を十分に理解した上でおこないましょう。
謝罪/緊急/催促の例文
ビジネスチャットで謝罪するときの例文は以下のとおりです。
「誠に申し訳ございません。ミスが発生しましたことをお詫び申し上げます。直ちに対応いたします。」
「お客様にご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。再発防止に向け、改善策を迅速に検討してまいります。」
チャットで謝罪するときは、起こった事実を正確に伝えて、改善策や再発防止策も伝える必要があります。
ビジネスチャットで緊急の依頼をするときの例文は以下のとおりです。
「【緊急】お手すきの際に、〇〇について迅速なご対応をお願いいたします。」
「【緊急連絡】お手数ですがご返信お願いいたします。」
チャットでの緊急連絡は、上記の例のように文頭に【緊急】と書くと伝わりやすくなります。
ビジネスチャットで催促の意思を伝える例文は以下のとおりです。
「お手数をおかけしますが、◯◯についてのご確認をお願いできますでしょうか」
「お忙しいところ申し訳ありませんが、返信いただけると助かります。」
「〇〇の進捗はいかがでしょうか」
チャットで受信者を催促するときは、相手の都合を最大限考慮しつつ、迅速な行動が必要であることを伝えましょう。
長文/返信不要/断るときなどの例文
ビジネスチャットで、長文のテキストを送信するときの例文は以下のとおりです。
長文失礼いたします。
長文です。お時間あるときにご確認ください。
チャットでは簡潔なメッセージが基本なので、事前に長文になることを伝えておくと親切です。
ビジネスチャットで、メッセージへの返信は不要であることを伝える例文は以下のとおりです。
【返信不要】次回ミーティングのスケジュールが確定しました、ご確認をお願いいたします。
次回ミーティングに参加される方はこのメッセージにリアクションをお願いします。
メッセージに返信は不要であることを伝えておけば、余分なやり取りを省けるため、業務の効率化につながります。
ビジネスチャットで、依頼などを断るときの例文は以下のとおりです。
「都合により~できません」
「ご期待に添うことができません。申し訳ございません」
「お声がけいただき、ありがとうございます。残念ですが、今回はお手伝いできない状況です。またの機会にご一緒できることを楽しみにしています。」
チャットで依頼などを断るときは、理由を明確に伝えつつ、相手への感謝の気持ちも伝えると誠意が伝わります。
ビジネスチャットで避けるべき「NGな言葉遣い」と行動
ビジネスチャットでは、丁寧さを欠く表現やカジュアルすぎる言い回しは避けるべきです。
たとえば「了解です」は手軽な表現ですが、ビジネスシーンでは丁寧さに欠けると受け取られることがあります。
了解の意思を伝えるときは、「承知いたしました」や「かしこまりました」などが適切です。
同様に、「わかりました」もやや砕けた印象があるため、「承りました」などの表現に置き換えると丁寧になります。
ビジネスチャットでのやり取りでは、状況に応じて、適切な言葉を選ぶことが信頼につながります。
言葉遣いに気をつけながらビジネスチャットを活用するポイント
ビジネスチャットは手軽に利用できる反面、相手に配慮のない表現やタイミングでメッセージを送信すると、受信者に負担をかけてしまう恐れがあります。
ビジネスチャットでやり取りするときは、基本的なビジネスマナーを守りつつ、丁寧な言葉遣いで相手に誤解を与えない表現を心がけましょう。
チャットでの丁寧な対応は相手との信頼関係を築くだけでなく、業務の効率化やチーム全体の生産性向上にもつながります。
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ビジネスチャットを利用するときは、正しい敬語を使い、簡潔な表現を意識することが重要です。
たとえば、チャットで相手の依頼を了承するときは「承知いたしました」などの丁寧な言い回しを使うと、相手に好印象を与えられます。
多忙で相手のメッセージにテキストで返信できない場合は、スタンプやリアクション機能を活用することで、やり取りをスムーズに進めることが可能です。
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