ジャストインタイムとは?必要性や導入メリット・デメリット、課題の解消方法を解説

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ジャストインタイムとは?必要性や導入メリット・デメリット、課題の解消方法を解説

目次

ジャストインタイムとは「必要なタイミングで必要な分を製造する」という方法です。

大量の在庫を抱えずに済むので、社内全体の余計なコストをおさえられます。

ジャストインタイムを導入するメリットとデメリット、課題の解消方法を解説します。

ジャストインタイムとは?

ジャストインタイムとは上述のとおり「必要なタイミングで必要な分のみを製造する」方法をいいます。

必要な分のみを必要なタイミングで製造すれば、大量の在庫を抱えることがなくなり、社内全体にかかる余計なコストをおさえることができます。

ジャストインタイムの生産方式は、トヨタ自動車株式会社が生み出しました。

必要な分だけ製造することで、顧客を待たせずにスムーズに商品を製造できる魅力があります。

トヨタ生産方式とは

トヨタ生産方式とは、トヨタ自動車株式会社が生み出した生産方式です。

多くの製造業の現場で採用されており、製造の現場におけるムダを省けるメリットがあります。

具体的には、「ジャストインタイム」に加えて「製造に関わる自働化」を軸にして、作業全体の流れを効率化します。

>製造業の7つのムダ(かざふてつどう)に関する記事はこちら

かんばん方式とは

かんばん方式とは、ジャストインタイムの実行に必要な仕組みのことです。

かんばんとは「生産指示票」のことで、商品管理をおこなうための情報(商品の名前や保管場所など)が記載されています。

製造工程においては、かんばんに書かれた情報をもとに、各作業を進めていく流れです。

ジャストインタイムの必要性

製造業が事業活動を継続するには、現場のムダを省いてコスト削減を図ることが大切です。

ジャストインタイムは、必要なときに必要な分だけ製造できる方法なので、人件費や材料費など、あらゆる費用をおさえられます。

コスト削減できた分の費用を未来の投資にまわすことができるでしょう。

商品の品質と生産性の両方を維持できて、顧客を獲得し続ける工夫につながります。

>コスト削減のアイデアに関する記事はこちら

ジャストインタイムの三原則

ジャストインタイムの成功には、平準化生産を守ることが重要です。

平準化生産とは、製造の作業工程で偏りを出さず、できる限り作業全体の量などを均等にすることを指します。

たとえば、一ヶ月の納品期限内にA社の商品を200個つくるときは、一気に200個を終わらせて納品するのではなく、一ヶ月かけて一日10個程度つくる方法を採用します。

作業全体を見ながら、日々の業務量を多すぎず少なすぎないように調整しましょう。

上記の前提条件を含めながら、ジャストインタイムの実現に必要な三原則を解説します。

ラインタクトの調整

必要なタイミングで必要な分だけ製造するには、ラインタクトを調整する必要があります。

ラインタクトとは、商品ひとつあたりを製造するのにかかる時間のことです。

作業にどのくらいの時間がかかるのかを把握して調整することで、スムーズな流れで対応しやすくなります。

後工程の引取り

後工程とは、作業工程において後にくる工程のことです。

たとえば、Aの作業のあとにBの作業がくる場合、Bの作業は後工程といえます。

後工程の引取りでは、前工程から必要数のみを引き受ける流れです。

また、前工程は引き取り内容について、後工程からかんばんを受けとり、指示された分だけ製造を進めます。

必要数のみを製造することで、在庫のムダを抱える課題を解消できます。

工程を流れ化

ジャストインタイムでは、作業工程を流れるように進めることが大切です。

具体的には、Aの商品を100個納品するとき、一気にまとめて製造するのではなく、5個ずつ製造するなど、その都度対応することで作業の流れがスムーズになります。

また、日ごろから現場の整理整頓や清掃などを心がけて、作業を効率化できる職場環境を整えておくことも重要です。

工程を流れ化するためにも、部品を予定どおりに発注して搬送するなど、製造に関わる流れがスムーズになる体制を整えましょう。

ジャストインタイムのメリット

ジャストインタイムのメリットをみていきましょう。

在庫が最小限になる

必要なタイミングで必要な分だけの在庫を抱えるため、余分な在庫を抱える心配がなくなります。

倉庫に在庫を置いておくスペースを削減できるメリットがあるでしょう。

また、在庫を管理する作業の手間や人員を削減できる効果もあります。

コスト削減になる

在庫を抱えないということは、在庫管理にかかる人件費や管理費などを削減できるメリットがあります。

ほかにも、光熱費や原材料費など、在庫管理にかかる固定費を削減する効果が期待できるでしょう。

事業活動にかかるコストを削減できると、浮いた費用を未来の投資に使えるので、経営を安定化させる施策をとりいれられます。

リードタイムを短縮できる

リードタイムとは、商品の発注から納品までにかかる期間や時間のことです。

リードタイムを短縮できると、顧客に商品を届けるまでの日時を早められて、企業は販売機会を失わずに済みます。

ジャストインタイムのデメリット

ジャストインタイムのデメリットをみていきましょう。

在庫がなくなる可能性がある

ジャストインタイムは、必要なタイミングで必要な在庫のみを抱えられる一方、在庫切れが発生する可能性があります。

たとえば、自然災害が起きて部品供給の流れがストップしてしまうと、在庫がないので作業工程を進められなくなるでしょう。

ほかにも、発注される数が増減したときに在庫がないと、急を要する場合に対応できない可能性が出てきます。

導入にコストがかかる

ジャストインタイムは、必要な分を必要なタイミングで発注できるメリットがある一方、配送にかかるコストが高くなります。

たとえば、ひとつの部品を届ける場合、何度も配送する必要が出てきて運送費がかかってしまうのです。

また、現場全体の体制を整える必要があるときは、機材の導入などにコストがかかる可能性も考えられます。

下請け企業の負担が増えることがある

ジャストインタイムの成功は、元請け企業と下請け企業の両方に恩恵があることが前提条件です。

ただ、製造の下請け企業は、元儲けの企業に振り回されてしまう可能性があります。

たとえば、A社に提供する部品の数が10だったのに、突然「発注数を100に変えてほしい」といった要望が続くと、現場は対応に追われてしまうでしょう。

下請け企業にとっては「どのくらいの在庫を抱えておけばいいのかわからない」と感じ、現場の負担が増えてしまう懸念があります。

ジャストインタイムの課題を解消する方法

ジャストインタイムの課題を解消する方法について解説します。

共同配送

共同配送とは、企業同士や事業所が連携をとりあい、同じ輸送手段にまとめて配送する方法です。

商品の種類やルート別などに分類して、まとめて配送することで、通常よりも配送にかかるコストを削減できます。

ほかにも、配送にかかる人材の負担を減らしたり、配送回数を減らしてCO2の排出量を削減できたりするなど、共同配送にはさまざまなメリットがあります。

クロスドック

クロスドックとは、商品を倉庫管理せずに、そのまま発送してしまう方法のことです。

通常の方法とは違い、作業場で商品を仕分けしたあとは、届け先に商品を配送します。

ピッキングなどの余計な作業の手間を省けるメリットがあります。

ミルクラン

ミルクランとは、巡回集荷する配送方法です。

巡回集荷を使うことで、配送業者が各企業や事業所を巡回して、原材料や部品などを届けます。

少量の原材料や部品を発注したいときに使える方法で、まとめて配送される分コストカットを図れるでしょう。

ジャストインタイムはコスト削減に重要な生産方法

ジャストインタイムを導入することで、製造業におけるムダを減らす効果が期待できます。

造りすぎのムダや在庫のムダなどを減らせると、材料費や人件費といったコストを削減できるでしょう。

事業活動を継続するためにも、現場の体制を整えてジャストインタイムを導入してみてはいかがでしょうか。

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