【専門家監修】他職種連携とは?チーム介護の必要性や課題の解決方法を解説

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【専門家監修】他職種連携とは?チーム介護の必要性や課題の解決方法を解説

目次

他職種連携とは、医師や看護師、また介護職員や生活指導員など、複数の職種の専門家たちが、知識を活かして共有した目標に働きかけることです。

昨今は、介護サービスにおいても、他職種連携が用いられ、ケアの向上が目指されています。

介護サービスにおける他職種連携の概要やメリット、また必要性や課題などを、実際の事例を交えて解説します。

他職種連携とは

「他職種連携」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

他職種連携とは、医師や看護師、また介護職員や生活指導員など、異なった専門的知識をもつ専門家たちが、知識を活かして、共有した目標に働きかけることです。

質の高いケアやサービスを提供するために、ひとつの知識ではなく、複数の専門的な知識を掛けあわせるというもので、近年、医療や介護の場で、実践される機会が増えています。

今回は、介護サービスにおける他職種連携について解説していきます。

介護サービスにおける他職種連携とは

介護サービスにおける他職種連携は、介護保険制度において、加算の算定要件のなかで求められていることが多いです。

介護保険の人員基準では、介護サービスごとの専門職の配置が定められており、たとえば、デイサービスにおいては、管理者・生活相談員・機能訓練指導員・看護職員・看護職員などの配置が求められています。

この職種以外にも、必要に応じて管理栄養士や歯科衛生士や、間接的な職員として、送迎ドライバーや調理員、事務員などの職種が求められることもあります。

デイサービスで加算を算定しようとする場合、機能訓練指導員が、個別機能訓練計画を作成するのではなく、ほかの職種が連携して計画書を作成することが、加算の要件とされています。

このように、加算の算定要件として、他職種連携が求められるシーンも増えています。

他職種連携のメリット

加算の算定要件としても採用されている「他職種連携」ですが、実施することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

他職種連携を実施するメリットについて、確認していきましょう。

たとえば、「起床・就寝・食事・排泄・入浴」などの日常動作(ADL:Activities of Daily Livingの略)の評価指標を用いて、評価する場合、リハビリ職だけの視点で、結果を分析・検討してしまうと、ひとつの専門的観点からのみの解釈となってしまいます。

しかし、他職種連携を実施すると、介護職員や看護職員、生活指導員や管理栄養士など、異なる専門的地域をもった専門家の解釈を交えて、幅広い解釈をすることが可能になります。

解釈の幅が広がると、ケアの質向上はもちろん、各職種の知見の拡大やスキルアップにもつなげることができるでしょう。

このようなメリットから、LIFE加算の算定要件として、多職種が共同して、事業所の特性やサービス提供の在り方について検証をおこなうことが求められています。

ケアの質向上・専門家のスキルアップが、多職種連携のメリットであり、目的であると言えるでしょう。

>【専門家監修】科学的介護情報システム(LIFE)とは?に関する記事はこちら

他職種連携の課題

ケアの質向上を図れる他職種連携ですが、実施に足踏みをしている事業所が多いことには、理由があります。

介護業界における多職種連携における最大の課題は、慢性的な人材不足にあります。

現状、介護業界においては、人材の確保が困難を極めており、各職員がひとりで何役もこなしているのが現実です。

人材不足が問題となっているなかで、各職種が時間をつくって集まり、カンファレンス(会議)をおこなうことは、非常に難しいことがわかるでしょう。

しかし、この状態が続いてしまうと、ケアの質向上、ひいては各職種のスキルアップの道も閉ざされてしまいます。

このような理由から、業務効率化をはかって、同じ人数で時間を捻出する方法が注目されています。

コロナ禍をきっかけに、いかに短時間で効率的に業務を進めるかが、改めてクローズアップされるようになりました。

介護業界においても、コロナ禍において特例であったインターネット会議のシステムを利用することが、通常でも可能とする変更などが進んでいます。

インターネットの会議システムを使用するようになったことで、対面での会議における無駄話やスタート時間の遅れがなくなり、時間を有効に使えるようになったとの意見もでています。

ひとつ一つの変更は、微々たるもののように思えますが、少しずつ改善を進めていくことで、他職種連携に使う時間を設けていく必要があるでしょう。

他職種連携の課題を解決する方法

前述した通り、介護業界においても、インターネット会議システムの利用が一部で可能になっており、課題解決の大きな手助けとなっています。

たとえば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、サービス担当者会議をおこなう場合が、これに該当します。

インターネット会議システムの利用が可能になったことで、会議に参加できない場合も、後から内容を通知、意見を募ることで、参加したと同様の扱いにすることができるようになりました。

また、各加算の算定要件である多職種協働においても、同様の扱いが可能となっています。

たとえば、ビジネスチャットのグループチャット機能を活用すると、各担当者は、時間に縛られることなく、自分の都合の良い時間で意見を書き込むことが可能となります。

また、他の職種の意見を知ることもできるため、他職種連携のメリットである、知見の拡大やスキルアップも期待することができるでしょう。

他職種連携の事例

ここまで、他職種連携のメリットや課題について確認してきました。

最後に、より理解を深めるために、ICTを活用して他職種連携の活用に成功したある介護施設での事例を紹介します。

介護業界においては、LIFEの運用が開始されたことで、ICT化が急務となっていますが、ある介護施設では、このLIFEを契機として、ICTを導入し、職員の働き方を大きく変えることに成功しています。

この施設では、質の高いケアを提供するために、ICT化を進めるべきだと考えていましたが、慣れないICTを導入することに不安を抱える職員も多くいました。

しかし、ICT化を進めることは、LIFEを運用し、質の高い他職種連携を実現するうえでも重要なものです。

この施設では、このような不安を解消し、ICT化を軌道にのせるために、ICTに詳しい職員がサポートをおこなえる体制整備に努めました。

このとりくみの結果、ICT化の導入に成功し、LIFEの運用にも成功しています。

LIFEは、厚生労働省のデータベースに蓄積されたデータを活用して、適切なケアのフィードバックが実現できるもので、ひとつの介護施設に留まらない他職種連携といえます。

LIFEのフィードバックを元に、適切なケアについての議論を重ねていくことが、より質の高いケアの提供や他職種連携の実現を可能にするでしょう。

ICTツールは、他職種連携を円滑に進めるうえでも、効果的に活用することができるものが多いです。

前述した通り、複数の専門家たちが一度に集まり、カンファレンスをすることは難しいですが、ICTツールを活用することで、この課題を解消することができます。

たとえば、ビジネスチャットツールを活用すれば、それぞれの専門家たちが意見を交換する場としてや、介護者の家族への連絡ツールとしても活用することができるでしょう。

さまざまなICTツールが存在していますが、機能だけを追及してしまうと、使いこなせず、形骸化しかねません。

無料で試すことができるツールなどもあるため、まずは、施設にとって最適なものを選択できるように、検討を進めていきましょう。

他職種連携には「Chatwork」

他職種連携は、加算の算定要件になっていることも多く、ケアの質向上や職員のスキルアップが期待できるとりくみです。

しかし、人材不足が懸念される介護施設においては、とりくむこと自体が負担となるため、なかなか実施に踏み切れない施設も多いでしょう。

このような課題を解決するために、ICTツールの導入を検討しましょう。

ICTと無縁の施設においては、ICTの導入が組織に定着するまでに、一定の時間がかかることが予想されますが、ICT化は、業務を効率化し、生産性を向上させるうえでは、避けられないものです。

また、LIFEの活用においても、ICTツールを導入することは、必要不可欠です。

導入時の運用には、一定の負荷がかかることが想定されますが、導入のメリットを理解して、進めるようにしましょう。

ビジネスチャット「Chatwork」は、システムが苦手な方でも、使いやすいICTツールです。

チャット機能は、1対1はもちろん、複数人で使用することもできるため、他職種連携のコミュニケーションもおこなうことができます。

>Chatworkのグループチャットに関する記事はこちら

また、チャット機能にくわえて、ビデオ/音声通話機能を活用することもできるため、必要に応じてコミュニケーション手段を変えることもできます。

>Chatworkの通話機能(ビデオ/音声通話機能)に関する記事はこちら

「Chatwork」を活用して他職種連携をおこなった事例を参考に、施設で活用することを想定してみてください。

>居宅介護支援事業所の事例

>介護保険施設の事例

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

記事監修者:小濱道博(こはま みちひろ)

小濱介護経営事務所 代表。日本全国で、介護経営のコンプライアンス指導、BCP、LIFE、実施指導対策などのコンサルティングをおこなう。介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで年間250件以上。全国の介護保険課・各協会・社会福祉協議会・介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。「これならわかる〈スッキリ図解〉介護BCP(業務継続計画)」(翔泳社)「おさえておきたい算定要件シリーズ」(第一法規株式会社)など、著書多数。「日経ヘルスケア」「Visionと戦略」など連載多数。

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