イニシャルコストとランニングコストの違いとは?具体例付きで削減方法を解説
目次
イニシャルコストとは、運用開始時や導入時において、初回にかかる費用を意味する言葉です。
目的を達成するために必要なイニシャルコストを充分にかけることで、運用にかかるランニングコストを小さくする効果が期待でき、一方で、イニシャルコストを小さくすると、一般的にはランニングコストが大きくなる傾向にあります。
効率的に事業を運営していくために、なるべくコストを小さく抑えたいと考える企業は多いと思いますが、イニシャルコストとランニングコスト、どちらを優先すべきか悩む場面もあるでしょう。
イニシャルコストの概要やランニングコストとの違い、イニシャルコストを抑えるメリット・デメリットを、具体例を交えながら解説します。
イニシャルコストとは?
「イニシャルコスト」とは、初期費用を意味し、「初期の・最初の」という意味がある「initial」に、費用を表す「cost」があわさった言葉です。
イニシャルコストは、基本的に支払いが1回限りの費用を指し、たとえば、賃貸に引っ越しするときにかかる敷金・礼金などが、これに当てはまります。
ビジネスシーンにおいては、新規の事業をはじめる際にかかる費用や、新しい機器を導入する際にかかる費用を、イニシャルコストと呼びます。
イニシャルコストとランニングコストの違い
初期費用のイニシャルコストと対になる言葉は、ランニングコストです。
ランニングコストとは、維持費用を意味する言葉で、英語の「run(running)」がもつ「経営する・管理する・運営する」という意味に由来しています。
たとえば、賃貸に引っ越したあとにかかる家賃など、継続的・定期的にかかる費用が、これに当てはまります。
イニシャルコストは初期の1回限りにかかる費用という意味があり、ランニングコストは、継続的にかかる費用という点で違いがあります。
一般的には、イニシャルコストを大きくすれば、ランニングコストが小さくなり、イニシャルコストを小さくすれば、ランニングコストが大きくなる傾向にあります。
たとえば、持ち家を購入する際に頭金を高額に設定すれば、イニシャルコストは大きくなりますが、ローンで支払う金額、つまりランニングコストを抑えられます。
イニシャルコストが初期費用、ランニングコストが維持費用という違いを覚えておきましょう。
イニシャルコスト | 初期に1回限りかかる費用(初期費用) |
---|---|
ランニングコスト | 継続的にかかる費用(維持費用) |
イニシャルコストの具体例
イニシャルコストの理解を深めるために、どのような費用がイニシャルコストに当てはまるのか、具体例を3つ紹介します。
- システムの導入にかかる費用
- 賃貸・テナントにかかる費用
- 起業にかかる費用
ビジネスシーンにおけるイニシャルコストとは、どのようなものなのか確認していきましょう。
システムの導入にかかる費用
新しい設備や機器を導入する際にかかる費用は、イニシャルコストです。
たとえば、会計システムや顧客管理システムの購入にかかる費用などが、これに当てはまります。
また、直近では、サブスクリプションサービスなども台頭していますが、これは継続的に課金する必要があるため、ランニングコストに該当します。
しかし、サブスクリプションサービスを導入する際に、月額費用と別に、入会費用がかかる場合は、イニシャルコストとなります。
賃貸・テナントにかかる費用
賃貸・テナントなどを借りる際は、家賃以外に初期費用がかかります。
たとえば、保証金や保険料、敷金・礼金、前家賃や仲介手数料などの費用が、これに該当します。
できる限りイニシャルコストを抑えるためには、敷金・礼金や、保証金などがかからない物件を探す必要があるでしょう。
起業にかかる費用
新しい会社を設立する際は、事業活動に必要なツールや備品などの購入費用が必要になります。
また、オフィスをつくる場合は、家賃や敷金・礼金など以外に、デスクやPC、作業に使うツールや備品など、業務に必要な設備を整える必要もあります。
ロッカーや制服、冷蔵庫や空調設備など、労働環境を整えるための備品なども必要になるため、想定以上にイニシャルコストがかさむケースもあるでしょう。
イニシャルコストを抑えるメリット
イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用)のどちらを優先するかを迷うこともあるでしょう。
ここからは、イニシャルコスト(初期費用)を抑えることで期待できるメリットを紹介します。
- 収益をあげやすくなる
- ランニングコストより費用を抑えやすい
イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用)のどちらを優先するか迷った際の参考としてみてください。
収益をあげやすくなる
イニシャルコストを抑えることで、収益をあげるまでの時間を短縮できます。
たとえば、初期費用が100万円かかる場合と、10万円かかる場合では、後者のほうが早い段階で費用回収ができるでしょう。
できる限りお金のリスクを減らしたい場合は、ランニングコストよりも、イニシャルコストの削減が有効です。
ランニングコストより費用を抑えやすい
イニシャルコストは、初回1回限りの支払いのため、継続的な支払いが発生するランニングコストと比較して、費用を抑えやすいメリットがあります。
たとえば、リース契約で継続的に費用を払うよりも、中古の機材や備品を購入するほうが、全体にかかる費用を抑えられるかもしれません。
購入する前に、ランニングコストとイニシャルコストを比較して、どのくらいの費用差分があるかを踏まえて検討するとよいでしょう。
イニシャルコストを抑えるデメリット
イニシャルコスト(初期費用)は、ランニングコスト(維持費用)に対して抑えやすいメリットがありますが、抑えることでデメリットが生じることも理解しておく必要があります。
イニシャルコストを抑えることで発生する可能性があるデメリットを確認していきましょう。ランニングコストがかかりやすくなる
初期費用を抑えた場合で、継続的にかかる費用がかさんでしまうケースもありえます。
たとえば、古い空調機器を中古で購入してしまうと、空調設備にかかる電気代が、通常よりも高くなるといったケースがあるでしょう。
また、安さを優先して選んだ結果、メンテナス費用がかさみ、結局買い替えが必要になってしまうリスクも想定されます。
イニシャルコストとランニングコストのバランスを考えた、運用・導入の検討が大切なポイントです。
イニシャルコストの削減方法
イニシャルコストとランニングコストは、ここまで確認してきた通り、自社の優先すべき事項にそった、バランスのよい配分が大切です。
しかし、なるべく早くリターンを得たり、収益をあげたりするために、イニシャルコストを削減したいと考える方も多いでしょう。
最後に、できる限り初期費用を抑えるための、イニシャルコストの削減方法について紹介します。
中古の機材・備品を使う
新しいオフィスで事業をはじめるときは、新品ではなく中古の機材や備品を購入すると、イニシャルコストを抑えられます。
中古商品以外にも、備品をまとめて購入することで、割引をしてもらい、初期費用を削減する方法もあるでしょう。
ほかにも、賃貸やテナントを借りる場合は、初期費用を減らしてもらえないか家主と交渉する方法もあります。
しかし、前述した通り、中古商品はイニシャルコストを抑えられる一方で、ランニングコストがかさむケースも想定されます。
メリット・デメリットを理解したうえで、慎重に検討するようにしましょう。
サテライトオフィスを利用する
サテライトオフィスとは、本社とは別の場所にある小規模のオフィスを指します。
サテライトオフィスは、基本的には、最低限の設備のみを整えるオフィスのため、通常のオフィスよりも費用を削減できるでしょう。
また、ほかの企業とスペースを共有して使うタイプのサテライトオフィスもあり、賃料や機材の導入などにかかる初期費用を削減できるメリットがあります。
また、遠方から訪れる従業員の交通費を削減できるメリットもあるため、社内全体のコストカットを図りたい場合にもおすすめです。
リモートワークやテレワークなど、新しい働き方が拡大している現代においては、オフィスを縮小したり、なくしたりする企業も増えています。
働き方の変化にあわせて、オフィスのあり方を考え直すことで、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストの削減にもつながるでしょう。
イニシャルコストの削減は収益の安定に重要
イニシャルコストは、機器の導入時などにかかる初期費用を意味する言葉です。
イニシャルコストの削減で、収益を回収しやすくなったり、早い段階での経営状況を安定させたりなどのメリットがある一方で、削減しすぎると、ランニングコストがかさんでしまうケースもあるため、注意が必要です。
安定的に利益を得るためにも、イニシャルコストとランニングコストのバランスを重視して、導入や運用を検討するようにしましょう。
イニシャルコストとランニングコストの双方を削減する方法として、サテライトオフィスの導入を紹介しましたが、このような新しい働き方のコミュニケーション手段として、ビジネスチャットの活用をおすすめします。
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