バンドワゴン効果とは?日常での事例やマーケティングでの活用方法、注意点を解説
目次
バンドワゴン効果とは、支持している人が多いものに対して、さらに支持が集まるという心理効果で、マーケティングに活かせるとして、注目を集めています。
具体的には、どのような場面で、バンドワゴン効果が活用されているのでしょうか。
バンドワゴン効果をマーケティングに活かす方法について、事例付きで解説します。
バンドワゴン効果とは
「バンドワゴン効果」とは、支持している人が多いものに対して、さらに支持が集まる心理効果を指した言葉です。
たとえば、行列ができている店を見た際に、「一度利用してみたい」と利用・購買意欲がそそられる事象が、例としてあげられます。
バンドワゴン効果は、アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインが提唱したもので、「バンドワゴン」は、パレードの先頭を行く楽隊車を意味しています。
バンドワゴン効果は、この、パレードの先頭にいるバンドワゴンに、行列が続く様子が転じて、名付けられたもので、マーケティングなどで応用的に活用されています。
バンドワゴン効果の理解を深めるために、心理効果を活用した事例についてみていきましょう。
バンドワゴン効果の例
支持している人が多いものに対して、さらに支持が集まる様子を表した「バンドワゴン効果」は、日常生活のなかで、どのように活用されているのでしょうか。
バンドワゴン効果のイメージをふくらませるためにも、例をみていきましょう。
広告・キャッチコピー
バンドワゴン効果は、キャッチコピーなどを使って、消費者の購買意欲に働きかける広告で、活用されています。
たとえば、「○○の年間ランキングで1位になりました」「利用者100万人を突破」といった広告やキャッチコピーなどが、例としてあげられます。
このように、大勢の人が利用している・満足しているという訴求をつけると、単純な「人気」という訴求よりも、「大勢の人が利用しているなら一度利用してみよう」という気持ちが生まれやすくなります。
SNS
近年多くの消費者が利用しているSNSにおいても、バンドワゴン効果は応用されています。
たとえば、フォロワー数やいいねの数が多いインフルエンサーが使っている商品や、おすすめしている商品は、バンドワゴン効果が生まれやすいです。
このようなインフルエンサーマーケティングは、SNSネイティブであるZ世代に響きやすく、直近ではCMや新聞などのマスメディアよりも効果があるとして、多くの企業が活用しています。
また、いいねの数が多い投稿についても、みんなが評価しているから自分もいいねを押したくなるなどという心理が働きやすいです。
政治
バンドワゴン効果は、マーケティングだけでなく、選挙活動などの政治においても効果を発揮しています。
たとえば、選挙の予想投票数が開票されると、ほかの人が多く投票しているなら、自分も同じ政党や立候補者に投票しようという気持ちが生まれ、人気の立候補者に多くの票が集まりやすくなります。
また、人が多く集まっている街頭演説は、人気の政党や立候補者なのだろうと考える心理も、バンドワゴン効果によるものです。
書店
書店では、人気ランキングやPOPを活用した商品の陳列で、本を購入してもらいやすくなるとして、バンドワゴン効果を活用しています。
ほかにも、売り出したい本を平積みで大量に置いておくと、「人気なら一度読んでみよう」という気持ちが生まれやすくなるでしょう。
店員の感想コメントが書かれたPOPを置いておくなども、バンドワゴン効果の活用方法のひとつです。
手にとる人が多い位置にある本は、面白いのだろうと、自然と思う効果が活用されています。
バンドワゴン効果と関連用語の違い
マーケティングに活用される心理効果は、バンドワゴン効果だけではありません。
バンドワゴン効果以外の心理効果についても確認していきましょう。
- スノッブ効果
- ヴェブレン効果
- 社会的証明
- アンダードッグ効果
それぞれの心理効果について解説します。
スノッブ効果
「スノッブ効果」とは、支持している人が多いものに対して、「ほかのものを選びたい」「人と違うものが欲しい」と思う心理効果を指します。
みんなと同じ商品を手に入れるのではなく、みんなとは違う特別な商品がほしいと感じる心理が影響するもので、バンドワゴン効果とは正反対の心の動きと言えるでしょう。
スノッブ効果は、市場にあまり出回っていないものや、価値が高いと感じられる商品について、「ほかの人が購入しないなら試してみたい」という心理が生まれるもので、マーケティングにおいては、「限定」や「希少」などの表現をつかった訴求が多いです。
たとえば、旅先で「地域限定」のものを選んでしまったり、レストランで「限定×食」のものを選んでしまったりする心理が、スノッブ効果に該当します。
市場で知られていない限定性のある商品は、スノッブ効果が働きやすくなり、流行している商品は、バンドワゴン効果が働きやすくなる傾向があります。
ヴェブレン効果
ヴェブレン効果とは、周囲からの称賛を得るために、商品やサービスの価値が高いものを購入する心理効果を意味します。
顕示(けんじ)効果や、見せびらかし消費とも呼ばれます。
たとえば、高級なブランドのバッグを購入したり、高級ホテルの会員になって、特別なサービスをうけたりといった例などがあげられるでしょう。
バンドワゴン効果とヴェブレン効果は、人気の商品やサービスを購入したくなる点では同じですが、バンドワゴン効果は、商品の価値や価格帯は関係ないのに対して、ヴェブレン効果は、高価な商品に限定される点で異なります。
社会的証明
社会的証明とは、周囲の人が、自分よりも知識や経験があるという仮定のもと、自分の意見よりも、周囲の意見が正しいと思い込み、意思決定をしてしまう心理効果を指し、主に社会心理学で用いられている用語です。
たとえば、通販番組をみている時に、「オペレーターを増員しております」「電話が混み合う可能性がございます」などのフレーズを耳にすると、つい注文してしまうなどが、これに該当します。
社会的証明は、「多くの人が使っている」ことが、意思決定の材料になる心理効果であり、バンドワゴン効果とイコールで使われるケースもあります。
アンダードッグ効果
英語で「負け犬」という意味がある「アンダードッグ効果」は、不利な状況にある人に対して、応援したくなる心理が働く心理効果を指します。
たとえば、スポーツ観戦をしているときに、負けている側のチームをみて、つい応援してしまう心理などが当てはまります。
アンダードッグ効果は、支持されていない人を支持してしまう心理効果のため、バンドワゴン効果と対比関係にあると言える心理効果です。
アンダードッグ効果は、バンドワゴン効果と同じく、選挙活動で効果を発揮する心理効果で、どちらの効果が強く働くかは、その時の状況や立候補者の人柄によって、変化するといわれています。
バンドワゴン効果をマーケティングに活かす方法
ここまで確認してきた通り、バンドワゴン効果は、マーケティングに有効な心理効果です。
ここからは、バンドワゴン効果をマーケティングに活かすための具体的な方法について、みていきましょう。
数字・実績をアピールする
バンドワゴン効果を効果的に活用するためには、数字や実績などを活用して、商品やサービスをアピールする必要があります。
たとえば、店頭のPOPに、「当店人気No.1商品」と書いてあると、「一度手にとってみようかな」という気持ちが生まれやすくなります。
ほかにも、芸能人やインフルエンサーなどから許可を得て、商品の掲載サイトに、「○○さんも使っています」と紹介する文の記載も効果的です。
なお、後述の「バンドワゴン効果を使うときの注意点」で触れますが、広告における表現には注意が必要です。
景品表示法上の優良誤認にあたるケースや、業界のガイドラインに抵触する場合もあるため、自社の商材にかかわる法律やガイドラインを確認したうえで、適切にアピールしましょう。
制限をかけて販売する
商品やサービスに、なんらかの制限を設けて販売すると、消費者の購買行動をうながしやすくなります。
たとえば、「期間限定」「タイムセール限定」「在庫残りわずか」などの訴求で、人気があるなら、いま買わないといけないという心理が働きやすくなるでしょう。
制限を設ける際は、不当な表記をして、虚偽の広告にならないように注意する必要があります。
広告やキャッチコピーを作成する際は、「不当景品類及び不当表示防止法」などをよく確認するようにしましょう。
評判・レビューを掲載する
商品の評判やレビューの掲載も、バンドワゴン効果を生む方法のひとつです。
ECを活用して販売している場合は、口コミやレビューを投稿できる場をつくってみましょう。
高評価が集まると、その評価やレビューをみて購入する人が増えるという好循環を生みだせます。
バンドワゴン効果を使うときの注意点
バンドワゴン効果を活用する際は、いくつか注意すべき事項があります。
- 広告の表現に注意する
- 品質を大切にする
効果的に活用するためにも、注意点をおさえておきましょう。
広告の表現に注意する
広告やキャッチコピーなどを作成する際は、表現が過剰にならないように注意する必要があります。
たとえば、根拠となるデータがない場合(企業にとって都合がよい調査を含めて)や、禁止されている表現を用いてしまった場合、景品表示法などに違反する可能性があります。
誇張表現にならないように注意しながら、第三者機関にリサーチを依頼するなど、客観的な根拠を踏まえて、活用するようにしましょう。
品質を大切にする
消費者からみたときに、宣伝でみたときの商品イメージと、実際に商品を購入したあとの使用感がかけ離れていないことも重要です。
誇張表現をしてしまうと、実際に商品を使ったときに、「想像と違った」「品質と商品イメージがあわない」という印象をもたれやすく、企業の信頼を失う危険性もあります。
商品の品質にあわせて宣伝するなど、過剰な表現にならないような配慮が大切です。
バンドワゴン効果はマーケティングに活かせる
バンドワゴン効果は、大衆が支持しているものが良くみえるという人間の心理効果を指し、マーケティングに活用しやすいとして、多くの企業が活用しています。
バンドワゴン効果を生むためには、数字や実績を訴求するなど、効果を引き出しやすくする工夫が大切です。
関連する心理効果を併用しながら、商品のターゲット層にあうアピール方法を選びましょう。
マーケティング活動を円滑におこなうためには、社内外のスムーズな連携が必要不可欠です。
とくに、消費者の反応をみて、発注数を変えたり、POPを作成したりなどの対応が求められる現場においては、こまめに情報連携ができることが重要です。
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