ぐるぐる思考(反芻思考)とは?種類と特徴、対策まで簡単に解説

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ぐるぐる思考(反芻思考)とは?種類と特徴、対策まで簡単に解説

目次

「ぐるぐる思考」とは、ネガティブな出来事を何度も繰り返し考えてしまうことで、反芻思考とも呼ばれるものです。

不安感が高まってしまうと、心の調子を崩す原因にもなるため、心身の健康を保つためにも、適切に対処することが大切です。

ぐるぐる思考の内容や種類、特徴、また、6つの対策方法を解説します。

ぐるぐる思考(反芻思考)とは

「ぐるぐる思考」とは、ネガティブな出来事を何度も繰り返し考えてしまう思考方法のことで、反芻思考とも呼ばれています。

「反芻(はんすう)」とは、ウシやキリンなど一部の動物にみられる、胃に入った食べ物をもう一度口に戻す行為を指す言葉で、ぐるぐる思考が反芻思考と呼ばれる由来となっています。

ぐるぐる思考の例として、「あのとき、もう少し言い方を変えればよかった」など、過去の発言を後悔することなどがあげられます。

思考するのは悪いことではありませんが、何度もネガティブなことを考えすぎると、不安感が高まり、次第に気分が落ち込みやすくなってしまいます。

気分の落ち込みが続くと、心身の健康を崩す原因にもつながりかねないため、適切に対処することが大切です。

ぐるぐる思考の種類

自分の行動や言動を振り返る「ぐるぐる思考」は、すべてが悪いものではありません。

ぐるぐる思考には、ポジティブな側面をもつものとネガティブな側面をもつものの2種類が存在します。

  • リフレクション
  • ブルーディング

2種類のぐるぐる思考について、それぞれの特徴を確認していきましょう。

リフレクション

「リフレクション(Reflection)」とは、ネガティブな思考がよぎったときに、失敗の原因は何なのかを考える思考方法のことです。

原因を分析する方法のため、ぐるぐる思考のなかでもポジティブな側面から自分を振り返ることができます。

また、未来に向けて対策を検討できるようになるため、同じ失敗を繰り返さないための工夫にもなります。

ブルーディング

「ブルーディング(Brooding)」とは、ネガティブな思考がよぎったときに、自分の性質や環境が悪いと考えることです。

たとえば、「自分が成功できないのは周りのせいだ」「自分が失敗するのはなんの能力もないからだ」というふうに考える例があげられます。

ブルーディングは、ぐるぐる思考のなかでも、ネガティブな側面に注目しがちな思考方法です。

理不尽な感情や不満感が募りやすくなる考え方のため、精神面での不調が出やすくなります。

ぐるぐる思考の例

ぐるぐる思考は、具体的にどのように考える思考方法なのでしょうか。

どのような考えが当てはまるのか、一例を紹介します。

  • 上司が一瞬嫌な顔をした。なにか悪いことをしてしまったのだろうか。
  • なぜ、部下にあんなことを言ってしまったんだろう。
  • あのとき別の選択をしていれば、こんな思いをしなくて済んだのに。
  • どうして自分はこんな性格なんだろうか。きっと嫌われたに違いない。
  • なぜ同じミスをしてしまったんだろう。

過去のネガティブな出来事を何度も振り返る考え方は、ぐるぐる思考に当てはまります。

ぐるぐる思考な人の特徴

ぐるぐる思考に陥りがちな人は、どのような特徴や考え方の傾向があるのでしょうか。

ぐるぐる思考をもつ人の特徴を3つ紹介します。

自分に当てはまるものがないか、確認してみてください。

繊細なところがある

感情や感覚などに敏感な方は、周りからの刺激をシャットアウトできないことが多く、人よりも疲れやすいと感じることがあるでしょう。

たとえば、なにか気になる出来事があったときに、何日も同じことを思い出して後悔するといった例が当てはまります。

振り返りは、同じミスを繰り返さないために大切ですが、何度も嫌な気持ちを味わってしまうと、不安感が高まってネガティブな感情が続きやすくなるでしょう。

完全主義の傾向がある

「物事に失敗は許されない」という気持ちが強いと、自分でも知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまっていることがあります。

たとえば、「ひとつもミスをしてはいけない」「絶対に周りからの評価を落としてはいけない」といった気持ちがあると、ぐるぐる疲れやすくなるでしょう。

つねに100点満点でないといけないと感じてしまうと、気持ちが張り詰めてしまい、心を落ち着かせる時間がなくなります。

また、理想が高い分、現実との間にギャップが生まれてしまい、苦しみが生まれる原因にもなります。

過去の自分の行動や失敗に対して、「どうして○○できないんだろう」という思考に陥り、自分を許せなくなってしまいます。

一人で抱え込んでしまう

自分ひとりで悩みを抱え込んでしまう人は、ぐるぐる思考に陥りやすいです。

答えがでない出来事を長時間考え続けると、人間はどうしても不安な気持ちになってしまいます。

また、「そういえば、あのときも同じミスをした」など、関連するネガティブな出来事を思い出してしまうと、さらに暗い感情に支配されるでしょう。

自分との対話も必要ではあるものの、悩みがあるときは、人に話してみることで、頭のなかを整理できることもあります。

ぐるぐる思考の悪影響

ネガティブな思考に陥ってしまう「ぐるぐる思考」には、悪影響を生じさせる側面もあります。

  • 注意力が散漫になる
  • 心の調子を崩してしまう

ぐるぐる思考が引き起こす悪影響について、詳しくみていきましょう。

注意力が散漫になる

ぐるぐる思考が続くと、注意力が散漫になり、集中力が途切れやすくなります。

具体的には、以下のような出来事が起こりやすくなるでしょう。

  • 物事を決断するのが辛いと感じる
  • 同じミスを繰り返してしまう
  • 頭がボーっとして、考えがまとまらない
  • 家事や仕事を効率よくこなせなくなる

また、注意力が散漫になると、ミスを繰り返してしまい、さらにぐるぐる思考につながるという悪循環に陥る危険性もあります。

心の調子を崩してしまう

ぐるぐる思考を続けていると、ネガティブな感情に支配されてしまい、心の調子を崩しやすくなります。

具体的には、以下のような出来事が起きやすくなるでしょう。

  • 休日を問わず、一日中悩みについて考えてしまう
  • 漠然とした不安が続いている
  • 無気力で何もしたくない
  • 睡眠の質が悪いと感じる
  • 自分を責めることばかりをしてしまう

心の健康を守るためにも、取り入れやすい方法で、対策をしていくことが大切です。

ぐるぐる思考の6つの対策方法

心身の健康を守るためにも、ぐるぐる思考には、適切に向き合い、対処していくことが大切です。

本記事では、ぐるぐる思考の対策方法を6つ紹介します。

  • 対策方法(1):別のことで気をそらす
  • 対策方法(2):身体を動かす
  • 対策方法(3):自然に触れる
  • 対策方法(4):マインドフルネス瞑想に取り組む
  • 対策方法(5):原因から距離を置く
  • 対策方法(6):誰かに話を聞いてもらう

自分にあった方法で、ぐるぐる思考に向き合っていきましょう。

対策方法(1):別のことで気をそらす

ぐるぐる思考に陥っていることに気がついたら、意識的に別のことを考え、気をそらしましょう。

たとえば、自分が好きなことや趣味に没頭する時間をつくることがおすすめです。

家事や掃除をはじめてみるのもよいかもしれません。

別の行動をはじめることで、ぐるぐる思考に費やす時間を少しでも減らせるはずです。

対策方法(2):身体を動かす

ぐるぐる思考をやめたいときは、軽い運動に取り組み、身体を動かすことも効果的です。

たとえば、ストレッチや筋トレなどで身体を動かすことで、気分転換を図ることができるでしょう。

運動は、健康を維持するためにも欠かせません。

数分でも構わないので、軽く身体を動かしてみることで、ネガティブな気持ちを切り替えられるでしょう。

対策方法(3):自然に触れる

自然に触れる時間をつくってみることも、気分転換につながります。

たとえば、近所を散歩してみることでも、心をリラックスさせる働きが期待できます。

外に出るのが難しい場合は、ベランダの窓から空を眺めるといった方法でも構いません。

ほかにも、自宅で植物を育てて鑑賞するといった方法もおすすめです。

ストレスを緩和する働きが期待できるので、疲れたときは自然に触れる時間をつくってみてください。

対策方法(4):マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想とは、自分の体の感覚や感情の動きなどを観察する方法のことです。

いまに集中できるようになるため、日頃の雑念から気をそらしやすくなり、心をリラックスさせる働きが期待できます。

具体的な方法として、床や椅子に座り、目を閉じる形で呼吸や体の感覚に集中するという流れでおこないます。

マインドフルネス瞑想をするときは、自宅などの静かな環境で実施しましょう。

>マインドフルネス瞑想とは?に関する記事はこちら

対策方法(5):原因から距離を置く

ぐるぐる思考の原因になっている出来事から、距離を置くという方法もあります。

周りの環境などが原因で、ぐるぐる思考になっても仕方がないという状況に追いつめられている可能性もあるでしょう。

また、なにが原因なのかが不明確な場合は、ノートに思いつくままに出来事を書き出してみるのもおすすめです。

原因になっていそうな人・場所・時間などを書き出すことで、頭のなかを整理することができるでしょう。

距離を置くのが難しいケースもあるかもしれませんが、今後自分がどうしていけばいいのかを模索するきっかけにできるはずです。

対策方法(6):誰かに話を聞いてもらう

ぐるぐる思考に陥りやすい人は、だれかに話しを聞いてもらうことも検討しましょう。

人に話し、共感してもらえると、気持ちが楽になることがあります。

また、悩みすぎてしまい、心身に不調をきたしそうな場合は、ひとりで抱え込まず、専門家や医療機関を頼るという選択肢も視野に入れてみてください。

>産業医とは?に関する記事はこちら

ぐるぐる思考は別のことで気をそらすことが大切

ぐるぐる思考に陥ってしまうと、ネガティブな気持ちが続いてしまい、自分では気がつかないうちに、心身に不調をきたしてしまう危険性もあります。

身体を動かしてみたり、自然に触れる機会をつくってみたりなど、意識的に気分転換の機会をつくり、適切な対処を目指しましょう。

また、ビジネスシーンにおいては、従業員が心も身体も健康的に働けるように、企業側は、ケアができるような体制を整えておくことが大切です。

方法のひとつとして、社内に相談窓口を設置するという方法があります。

近年、ハラスメント対策の一環として、社内相談窓口の設置は義務化されており、企業には、適切な運用が求められるようになっています。

社内窓口の効果的な運用方法として、ビジネスチャット「Chatwork」を活用する方法もおすすめです。

「Chatwork」を活用すると、1対1や複数人でなど、情報共有を円滑に進めることができるようになります。

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