ロードマップとは?ビジネスに使う3つの目的と、作り方・注意点を解説
目次
ロードマップとは、プロジェクトや製品開発などの目標や計画を記載したものを指します。
プロジェクトで達成すべき目標や、重要なマイルストーンを時系列で並べ、進行状況や優先順位を明確にします。
ロードマップを作成することで、プロジェクトの関係者同士の情報共有やコミュニケーションがしやすくなるというメリットがあります。
作成する際は、目標を数値化して明確にしておくことが重要です。
本記事では、ロードマップの作り方と手順、作成する際の注意点を解説します。
ロードマップとは
ロードマップとは、プロジェクトの大まかな方向性が書かれた計画書のことです。
英語表記は「roadmap」で、「進行計画案」や「道路地図」という意味があります。
ビジネスでは「進行計画案」の意味で使いますが、ロードマップには下記のような内容を記載します。
- プロジェクトの流れ、進行
- プロジェクトの各締め切り日
- プロジェクトの目標(ゴール)
- プロジェクトの課題、解決策
ロードマップの活用でプロジェクト全体を見える化ができ、軌道修正もしやすくなります。
マイルストーンとの違い
マイルストーンとは、プロジェクトなどの完了を目指して、中間目標を設定する方法です。
プロジェクトのスタートからゴールまでは、通過しなければいけない作業工程がいくつかあります。
マイルストーンは、プロジェクト内における以下のような細かい作業工程をまとめることを指します。
- メンバーの顔合わせをおこなう
- 外注先の担当者とすり合わせする
- 試作品を制作する
- 販売前の予約をおこなう
一方でロードマップは、プロジェクト全体の工程や流れをまとめる際に使う点で違います。
アクションプランとの違い
アクションプランとは、プロジェクトなどの目標達成に向けて、具体的な行動内容をまとめた計画のことです。
目標達成に必須な行動を記載して、期日までに達成を目指します。
ロードマップは、アクションプランを含めた全体を包括するイメージで、一方のアクションプランは、具体度が高い行動レベルの内容をまとめている点で違います。
ロードマップには2種類ある
ロードマップには「プロダクトロードマップ」と「プロジェクトロードマップ」の2種類があります。
それぞれの内容と違いについて紹介します。
プロダクトロードマップとは
プロダクトロードマップとは、製品開発の場面で使うロードマップのことで、以下のような内容を決めていきます。
- プロジェクト全体の方針や目標
- タスクの優先度
- 開発の関係者
- プロジェクトの各締め切り日
- 営業資料
ロードマップに比べると、製品開発に特化した内容をまとめる点で異なります。
プロジェクトロードマップとは
プロジェクトロードマップとは、プロジェクトの大まかな方向性が書かれた計画書のことです。
一般的に言われるロードマップは、このプロジェクトロードマップを意味していることが多いでしょう。
ロードマップを作る目的
ロードマップは、作ることが目的になってしまうと本末転倒です。
しっかりとロードマップを作る目的をおさえて、それに沿った計画を立てることが肝心です。
ロードマップを作る目的を確認してきましょう。
- 目的(1):認識をすり合わせるため
- 目的(2):進捗を把握するため
- 目的(3):目標を決めるため
これから活用する際の参考にするために、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
目的(1):認識をすり合わせるため
プロジェクトを円滑に進めるには、計画内容に関する認識のすり合わせが重要です。
メンバー同士で情報共有ができると、事前にプロジェクトの疑問や不安な内容を確認できます。
全員が知っておきたい注意点などを把握できるので、進行途中に起きやすいミスやトラブルを減らせるメリットもあります。
目的(2):進捗を把握するため
ロードマップには、プロジェクト全体の流れや必須のタスク、締め切りの日時などが記載されています。
「現状でどのくらい計画が進んでいるのか」を確認できる点が便利です。
たとえば、予定よりも作業が遅れている場合、作業のスピードを速められないかなど、状況に合わせて進行を調整します。
目的(3):目標を決めるため
ロードマップでは、プロジェクトの目標などを決めてゴールに向かいます。
たとえば「商品の市場シェア〇%を達成する」という目標を掲げられると、メンバー同士で同じ目標に向かって行動できます。
具体的な数字を設定するケースも多いので、期間内にどのくらいの成果を出せばよいのかを把握できます。
ロードマップの引き方とポイント
認識のすり合わせや進捗管理などロードマップの活用ができると、業務効率が格段に向上します。
効果的なロードマップを作成するためのステップとポイントをおさえておきましょう。
- ステップ(1):ゴール・締め切りを決める
- ステップ(2):現在の状況を理解する
- ステップ(3):どんなリスク・課題があるか検討する
- ステップ(4):マイルストーンを決める
- ステップ(5):作業の流れを時系列にまとめる
- ステップ(6):メンバーに情報共有をおこなう
実際に現場で活用するために、具体的な作り方と手順を見ていきましょう。
ステップ(1):ゴール・締め切りを決める
まずは全体の方向性を定めるために、プロジェクトのゴールと最終の締め切りを決めましょう。
計画の結論を決めて話すほうが、メンバー同士で話し合う際に方向性を共有し、意見をまとめやすくなります。
また、プロジェクトのゴールや締め切りは、短期間から中期的なものまで含まれます。
もしも、事業全体で目標設定をおこなう場合は「数年後に売上〇%」など、長期的な目標になる傾向があります。
ステップ(2):現在の状況を理解する
現状と目標の間にどのくらいの距離があるのか、メンバー全員で理解を深めましょう。
冷静に状況を確認しておくと、確認不足のままプロジェクトが進行してしまう状況を避けられます。
具体的に確認しておきたい内容例は、下記のとおりです。
- プロジェクトに関わる人たちの把握
- 一人ひとりのタスク内容、担当業務
- プロジェクトの予算、リソース
各作業を誰が担当するのか、お互いのリソースが足りそうかを確認できます。
ステップ(3):どんなリスク・課題あるか検討する
プロジェクトの進行妨げになる要因がないか、事前にリスクと課題を検討しましょう。
メンバー同士で事前の話し合いが進められると、あとから対策を考える手間が省けます。
たとえば「Aの作業工程に関わるメンバーのリソースが不足している」という課題があったとします。
人数を増やして対応できないかを検討すると、何か不測の事態があった際も支障なく進行できるはずです。
ステップ(4):マイルストーンを決める
中長期的なプロジェクトの場合は、ロードマップのマイルストーンを決めましょう。
中間の目標地点を設置できると、区切りごとの目標を可視化できて、モチベーションを切らさないための対策になります。
細かく設定したい場合は、一週間や一ヶ月ごとの区切りを設けておくとよいでしょう。
同時にマイルストーンごとの締め切りも設定しておきます。
ステップ(5):作業の流れを時系列にまとめる
ロードマップを視覚的にわかりやすくするために、作業の流れを時系列にまとめましょう。
具体的には、下記のフォーマットなどを使ってまとめます。
マイルストーンなど作業工程、手順 | フローチャートを使うことで、図や表などを使い、視覚的にわかりやすくまとまる |
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プロジェクト目標やプロセス | 計画表を使い、情報をひとつにまとめると、作業の連携内容や優先順位を見える化できる |
ステップ(6):メンバーに情報共有をおこなう
ロードマップ完成後に、関係者全員に内容を共有しましょう。
あらためて全体に共有しておくことで、目標達成までの工程に無理がないかどうかを確認してもらう機会となります。
ロードマップを作る際に押さえておきたい注意点
ロードマップの作成に失敗してしまうと、時間やリソースを無駄にしてしまいかねません。
ロードマップを作る際に押さえておきたい注意点は以下のとおりです。
- タスクは大まかに設定する
- ロードマップの内容を更新する
- 目標は数値で決める
それぞれについて詳しく解説します。
タスクは大まかに設定する
ロードマップに記載するタスクは、なるべく大まかに設定しておきましょう。
詳細の内容まで盛り込むと、視覚的にわかりづらいロードマップになってしまいます。
タスクリストなど、別途で管理できるツールと併用する方法がおすすめです。
ロードマップの内容を更新する
ロードマップの内容は、進行状況に合わせて順次更新しましょう。
プロジェクトを進行させるなかで、ロードマップの内容どおりにいかないケースもあります。
気づいた段階で微調整をおこなえると、締め切り間近に慌てるという状況やトラブルを避けやすくなります。
目標は数値で決める
ロードマップの目標は、あいまいな言葉でなく数値で決めておきましょう。
定量で評価できるように対応すると、成果を出すまでに「現状で何が足りないのか」を把握しやすくなります。
KPIを設定するなど、短期間や中間目標を含めて数値化してみてください。
ロードマップを作る際に使える2つのツール・形式
ロードマップを作成する際には、便利なツールで不足点を補うことが重要です。
作業効率を高めるためにも、ロードマップの作成時に使える2つのツールを見ていきましょう。
タスクリスト
タスクリストとは、今すぐやるべき作業内容をまとめたリストを指します。
基本的に締め切りが決まっている点が特徴です。
タスクリストがあると、プロジェクトのタスク一覧を把握できるので、作業の抜け漏れを防げます。
ロードマップに書ききれない細かいタスクは、タスクリストのツールなどを使ってまとめて管理しましょう。
ガントチャート
ガントチャートとは、スケジュールの進捗管理に使う表のことです。
各スケジュールの状況を見える化できるので、プロジェクトの全体像をわかりやすく管理できます。
ガントチャートを作成する際は、タスクを縦軸、時間を横軸に記載する形が一般的です。
また、GoogleスプレッドシートやExcelなどのソフトで、ガントチャートのテンプレートを活用するのもおすすめです。
ツールを上手に活用できると、一から作成するよりも手間が省けるメリットがあります。
ロードマップの情報共有にChatworkの活用もおすすめ
ロードマップを活用すると、プロジェクトの進行を円滑にできるメリットがあります。
プロジェクトのゴールや締め切りを決めて、マイルストーンを設置するなど、手順を確認しながら進めましょう。
また、タスクリストやガントチャートなど、作業効率化を図れるツールも併用してみてください。
完成したロードマップは、関係者全員に情報共有をおこないましょう。
ビジネスに関わる情報共有をおこなう際は、ビジネスチャット「Chatwork」の活用もおすすめです。
プロジェクト専用のグループチャットを作成すれば、チャット形式でやりとりの流れを確認しやすくなります。
各担当者宛てにタスクを設定できるので、作業の抜け漏れを予防できます。
ロードマップと併用する際のツールとして、ぜひ「Chatwork」をご活用ください。
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