逆算思考とは?積み上げ思考との違いや具体的なトレーニング方法について解説
目次
「逆算思考」とは、目標を達成するために、最終的な結果から逆にステップを考えて、計画を立てていく方法のことです。
経営者やトップアスリートなど、成功者の多くが逆算思考を取り入れて成果を出しています。
ビジネスでは成果や結果を出すことが求められますが、逆算思考は結果を出すための思考方法のひとつといえるでしょう。
本記事では、逆算思考とはなにか、メリットやデメリット、トレーニング方法についてわかりやすく解説します。
逆算思考とは
逆算思考とは、目標と期日を決めて、必要なステップを逆算して実行していく考え方のことです。
目標達成までの具体的なステップや行動を明らかにしていくため、計画が現実的で実行可能なものになりやすいという特徴があります。
また、事前に起こり得るリスクを想定することが可能になることで、対策を講じたり、予期せぬ問題が発生しても影響を最小限に抑えることもできるでしょう。
逆算思考は、個人目標の達成やプロジェクト運営など、日々の業務進行においても大いに役立つ考え方です。
積み上げ思考との違い
積み上げ思考とは、小さな成功を積み重ねていくことで目標を達成しようとする方法のことです。
「ボトムアップ思考」とも呼ばれ、現在の状況やいま手元にあるリソースを把握することからはじめます。
現状を分析したあとに小さな目標やタスクを設定し、実行を繰り返していくことで、長期的な目標達成を目指します。
積み上げ思考は、逆算思考の逆に当たる思考方法といえるでしょう。
逆算思考の具体的なトレーニング方法
実際に逆算思考でなにかをおこなう際には、具体的に以下の4ステップですすめます。
- ステップ(1):目標を設定する
- ステップ(2):タスクを洗い出す
- ステップ(3):スケジュールを立てる
- ステップ(4):進捗の管理をする
各ステップについて、ひとつずつくわしく解説します。
ステップ(1):目標を設定する
逆算思考でまずはじめにすることは、目標の設定です。
目標が明確に定まっていないと、タスクやスケジュール設定ができません。
たとえば旅行の計画を立てるときも、目的地が決まっていないと、どのような交通手段を使ってたどり着くか決められません。
タスク管理も同様です。
また、目標はできるだけ具体的にして、期限も同時に設定しましょう。
たとえば「今年度の売上○○円」など、数字で設定するのがおすすめです。
数字で設定することで、進捗状況も管理しやすくなります。
ステップ(2):タスクを洗い出す
目標と期限が決まったら、達成のために必要なタスクを洗い出します。
タスクを洗い出す際には、ゼロベース思考という思考法が役に立ちます。
ゼロベース思考とは、現在の知識や思い込みにとらわれず、ゼロからものごとを考える思考法のことです。
既存の枠内で思考をするのではなく、広い枠組みで思考することで、柔軟な発想、創造的なアイディアが生まれやすくなります。
タスクを洗い出す際に役立つもうひとつの思考法はロジカルシンキングです。
逆算思考に役立つものとして、「MECE(ミーシー)」「ロジックツリー」というロジカルシンキングの技法を紹介します。
MECE
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとった言葉です。
日本語では、「モレなく、ダブりなく」という意味です。
逆算思考においても、MECEを意識すればモレなく、ダブりなくタスクの洗い出しができます。
ロジックツリー
もうひとつ逆算思考に役立つロジカルシンキングとして、「ロジックツリー」があります。
ロジックツリーとは、目標に対して影響を及ぼす要素を抽象的なものから徐々に具体化する手法です。
図にしたときに、木の幹から徐々に枝分かれしていく形に似ていることからロジックツリーといいます。
逆算思考にロジックツリーを活用すると、タスクの見落としを防ぎながら、目標達成に必要な具体的な行動を導き出せるでしょう。
ステップ(3):スケジュールを立てる
タスクの洗い出しが終わったら、各タスクをいつやるかスケジュールを立てていきます。
スケジュールを設定するうえでは、やるべきことの順序を間違えないようにしましょう。
タスクAをこなさないとタスクBに移れない場合、タスクAの期日にあわせてタスクBの期日を設定する必要があります。
また、スケジュール設定は現実的に達成可能なものになっているか注意しましょう。
タスク達成に必要な時間を適切に見積もり、業務に使える時間の範囲内に収まっているか確認しましょう。
ステップ(4):進捗の管理をする
逆算思考では、進捗の管理が重要です。
ゼロベース思考やMECEなどの思考法を使ってタスクの洗い出しをすると、必然的にタスクの数も多くなります。
ゼロベース思考によって既存の枠にとらわれない発想から生み出されたタスクには、未経験のものも多く含まれるでしょう。
場合によっては、計画変更を余儀なくされることもあります。
進捗の管理では、計画全体を俯瞰しながら、各ステップに無理がないか随時確認していくことが重要です。
逆算思考のメリット
目標を基準として必要なステップを洗い出していく逆算思考ですが、このアプローチ方法には以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 目標と現状の整理ができる
- ゴール達成のためプロセスやスケジュールが見える
- 短期間で目標達成ができる
それぞれの詳細を解説します。
目標と現状の整理ができる
逆算思考では、目標とそこに至るまでのステップが明確に設定されています。
そのため、目標に対していまどこの段階にいるのか容易に把握できます。
現状ではなにができていて、なにができていないのか、計画変更の必要はあるのかといった整理がしやすくなるでしょう。
ゴール達成のためプロセスやスケジュールが見える
逆算思考をおこなうと、それまであいまいだったゴールも具体的になります。
ゴールが明確になると、なにをいつまでにやるか細かくスケジュールを立てて見える化ができます。
プロセスやスケジュールなどが見えるようになれば、チーム全体で共有できるため、チームワークもとりやすくなるでしょう。
短期間で目標達成ができる
逆算思考では、最終的なゴールといつまでにそれを達成するかをまず決めるので、目標期日から逆算して短期間での目標達成も可能です。
「この日までにこの目標を達成したい」というときに、逆算思考は役立つでしょう。
ただし、計画に無理が出ないように注意する必要があります。
逆算思考のデメリット
さまざまなメリットがある逆算思考には、覚えておきたいデメリットがいくつかあります。
- スケジュールやタスクの管理が必要
- 情報収集に時間がかかる
- プロセスがわからないと逆算思考できない
それぞれのデメリットについてくわしく解説します。
スケジュールやタスクの管理が必要
逆算思考を最初におこなったあとで、予算や人員などに当初予定していなかった変更が生じるケースがあります。
この場合、新たにスケジュールやタスクの調整が必要になる点は覚えておきたいデメリットです。
状況は日々変化していくため、スケジュールやタスク管理が重要です。
情報収集に時間がかかる
目標設定やプロセスの検討にはさまざまな情報が必要です。
1人でおこなうのが難しい場合は、チームで会議を開いておこなうなど時間がかかります。
場合によっては専門家に意見を求める必要が出てくる可能性もあります。
プロセスがわからないと逆算思考できない
目標を設定しても、そのためにどのようなプロセスを踏む必要があるのかわからない場合、逆算思考自体ができません。
逆算思考をするためには、目標達成に必要な課題をある程度把握しておくようにしましょう。
逆算思考による目標設定の注意点・ポイント
逆算思考を使った目標設定をおこなう際には、注意しておきたい点がいくつかあります。
- 最初から完璧を目指さない
- 中間目標を設定する
- セミナーや研修を利用する
目標設定を効果的におこなうための注意点・ポイントについて解説します。
最初から完璧を目指さない
完璧を目指すと、多大な時間と労力をかけることになります。
逆算思考では、想定外の事態の発生や予定変更が生じることも少なくありません。
最初から完璧を目指すのではなく、ある程度計画に余裕をもたせたうえで、タスクやスケジュール管理をおこなうとよいでしょう。
中間目標を設定する
最終的なゴールに至るまでに、半年や1年など長期間かかる場合は、中間目標を設定するのがおすすめです。
中間目標を設定しておけば、達成できたときに達成感を得ることができます。
もし中間目標を達成できていなければ、早期にスケジュールの変更などの対応がとれます。
セミナーや研修を利用する
逆算思考をするには、目標達成のためのプロセスを理解しておく必要があります。
セミナーや研修を利用して、業務に対する理解を深めておけば、逆算思考にも役立ちます。
また、逆算思考についてのセミナーや研修をおこなえば、社内でも逆算思考を用いた効果的な目標設定が根付いていくでしょう。
目標達成のタスク管理に「Chatwork」
逆算思考とは、目標と期日を決めて、必要なステップを逆算して実行していく思考方法のことです。
ビジネスにも役立つので、ぜひとも覚えておきたい思考方法です。
逆算思考では、目標設定のための情報共有やタスク管理が重要とされています。
ビジネスチャット「Chatwork」では、チーム全体での素早い情報共有、タスク機能を使ったタスク管理が可能です。
逆算思考の実践に、ぜひビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。