タイムボックスとは?効率的な時間管理の方法とメリットを解説
目次
タイムボックスは、近年幅広いビジネスシーンで活用されている時間管理手法のひとつです。
ビジネスに取り入れると、生産性の向上や作業の効率化などさまざまなメリットをもたらします。
適切に活用すれば、時間管理や業務進捗の把握などに効果的なタイムボックスですが、設定のやりかたを誤ったり無理をしたりするとマイナスな影響を及ぼすため、注意が必要です。
本記事では、タイムボックスの意味や効果・メリット、実践方法と効果を高めるポイントを解説します。
タイムボックスとは
タイムボックスとは、タスクやプロジェクトに対して、あらかじめ決められた時間枠を指します。
明確な目標を設定し、生産性を高めるための時間管理の手法のひとつを「タイムボクシング」といい、そのなかのタスクや活動における固定の時間枠がタイムボックスです。
上記の手法では、時間枠内で作業を完了させることを目標として、時間が過ぎたら進捗に関わらず作業を一旦終了し、結果を評価します。
タイムボックスを作成すると、やるべきタスクを時間枠ごとに区切れるため、タイムマネジメントをしながら効率的な作業進行が可能です。
タイムボックスの概念は古くからありましたが、アジャイル開発などの普及によって周知されるようになりました。
タイムボックスは、進捗状況を把握しやすくしたり、作業の効率性を高めたりする手法として、現在は幅広いビジネスシーンで活用されています。
タイムボックスの効果・メリット
タイムボックスを活用すると、生産性の向上や作業効率の改善など、さまざまなメリットを得られます。
- 効果(1):生産性が向上する
- 効果(2):集中力の維持につながる
- 効果(3):作業効率が改善する
- 効果(4):ストレス軽減になる
タイムボックスの効果とメリットから、重要性を確認しましょう。
効果(1):生産性が向上する
タイムボックスをビジネスに取り入れると、生産性の向上が期待できます。
タスクごとに時間枠を設定すると、時間内に作業を終わらせようという意識が働いたり、作業量や進行を管理しやすくなったりします。
不要な作業が省かれ、必要な作業のみに意欲的に取り組めるため、生産性を高めることが可能です。
効果(2):集中力の維持につながる
タイムボックスは、集中力の維持につながるメリットがあります。
作業の時間枠が決まっているため、時間内に終わらせられるように集中力を維持しながら作業へ取り組めます。
結果として、スピーディーに作業を終えられ、また高い集中力によって質のよい作業ができるでしょう。
効果(3):作業効率が改善する
タイムボックスは、設定した時間枠内で作業をするため、余計なことを考えたりほかの作業に煩わされたりすることがありません。
時間の制約があるなかでの作業となるタイムボックスは、作業への集中力が高まるため、業務効率を向上できます。
チーム間の作業もはかどるため、成果がでやすく、また良好な雰囲気で仕事を進められるでしょう。
効果(4):ストレス軽減になる
タイムボックスの効果として、作業に対するストレス軽減につながる点も挙げられます。
限られた時間で作業をするタイムボックスは、時間が来たら作業を終える必要があるため、たとえば完璧主義の人の場合でも、本質と異なる部分にこだわり続ける状況がなくなるでしょう。
また、タイムボックスはひとつのタスクに集中するため、マルチタスクにならずに済み、複数のタスクをこなすというストレスもかかりにくいです。
こだわりが強い人や、マルチタスクになりがちな人は、タイムボックスを取り入れることでストレスの抑制が期待できます。
タイムボックスの実践方法
タイムボックスを実務に取り入れる際には、6つの手順ですすめることをおすすめします。
- 手順(1):タスクを洗い出す
- 手順(2):タスクにかかる時間を把握する
- 手順(3):タスクに優先度をつける
- 手順(4):タスクを分割する
- 手順(5):タスクに取り組む
- 手順(6):適切に休憩をとる
タスクの処理や時間管理の効率化に向け、以下に解説する手順を踏んでタイムボックスを実践してみてください。
手順(1):タスクを洗い出す
まずは、取り組むべきタスクを洗い出します。
たとえば、営業電話、資料作成、顧客訪問、契約書の作成など、一日でやるタスクをすべて洗い出し、リストなどにまとめておきましょう。
手順(2):タスクにかかる時間を把握する
次に、各タスクにかかる時間を把握します。
自分の経験や目標などから、タスクに対してどのくらいの時間をかけるべきか、もしくはどのくらいの時間がかかるのかを見極め、時間を設定していきましょう。
あまりに長い時間を設定すると集中力の維持が難しくなりますが、短すぎるとタスクを完了できないおそれがあるため、適切な時間設定が重要です。
手順(3):タスクに優先度をつける
タスクと各タスクにかかる時間を把握できたら、優先順位をつけていきます。
優先度の高いタスクを完了できない場合、チームメンバーなどに迷惑をかけるおそれがあるため、「優先度の高いタスクから取り組む」「集中できる時間帯に取り組む」といった意識が大切です。
手順(4):タスクを分割する
大きなタスクを細かいタスクに分割すると、作業の管理がしやすくなります。
たとえば、営業電話をする際には、顧客の選定、営業内容の決定、電話などの細かいタスクに分け、それぞれ時間も区切りましょう。
やるべき作業を細かく分割したほうが作業の進捗を可視化できるため、モチベーションの向上も期待できます。
手順(5):タスクに取り組む
時間枠を設定したら、実際にタスクに取り組んでいきましょう。
タスクに取り組む際には、タスクの順番を変えたりやめたりせず、タイムボックスどおりに進めます。
時間内にタスクを完了することを意識し、集中しましょう。
手順(6):適切に休憩をとる
タイムボックス間は、適切に休憩をとります。
長時間作業を続けると、集中力が低下して思わぬミスやトラブルを招くおそれがあるため、疲労回復できるように適度に休憩しましょう。
タイムボックスの注意点
タイムボックスには作業の効率化などのメリットがありますが、取り組む際は以下のような点に注意が必要です。
- 無理に時間内に終わらせようとしない
- 達成できない目標は立てない
- 集中が途切れる順序にしない
注意点について事前に詳しく把握しておき、タイムボックスをより有効的に活用しましょう。
無理に時間内に終わらせようとしない
タイムボックスの時間の制約を意識しすぎて、完了できないのに無理やり時間内に終わらせようとすると、作業の質が悪くなります。
その結果、マイナスな評価を受けたりチームに迷惑をかけたりするおそれもあるでしょう。
初めての作業などで所要時間が読めなかったときなどに、時間設定を誤るケースもあるかもしれません。
次の時間枠に余裕をもたせて、作業を終えられなかった場合でも引き続き作業できるようにするというパターンも検討しましょう。
達成できない目標は立てない
多くの作業を終わらせることを意識しすぎて、到底達成できない時間設定などをしないように気をつけましょう。
一日に多くのタイムボックスを作成しても、ひとつも達成できないとなれば生産性も効率性もありません。
自分のスキルや経験などから、適切な作業量と作業時間の設定が大切です。
もしチームでタイムボックスを活用していて、課されている目標が達成できないと感じる場合は、メンバーに相談し、適正化をはかりましょう。
集中が途切れる順序にしない
タイムボックスにタスクを組み込む際には、集中が途切れない順序にすることを意識してください。
たとえば、顧客Aへの営業資料作成、顧客B宅への訪問、顧客Aへのメールのような順序にすると、顧客Aに向けておこなおうとしていたアクションや考えが顧客Bへの対応によって分断されるため、集中力の低下が生じる可能性があります。
集中力が切れると効率性が下がるほか、再び取り戻す時間も必要となるため、タイムボックスの効果は薄まってしまうでしょう。
集中力が切れないように、似ているタスク、関連性のあるタスクはまとめることをおすすめします。
タイムボックスを効果的に進めるコツ・方法
前述したタイムボックスを適切に取り入れるための注意点に加えて、効果的に活用するためのコツや具体的な方法も知っておくとよいでしょう。
- タスクにかかる時間を把握する
- 定期的に休憩をとる
- 集中できる環境をつくる
- 柔軟性をもつ
以下に解説するコツや方法を取り入れて、効率的な時間管理に取り組む際の参考にしてみてください。
タスクにかかる時間を把握する
達成できない目標を設定したり、無理やりタスクを終わらせたりしないために、タスクにかかる時間を把握できるよう努めましょう。
たとえば、ひとつのタスクをさらに細かくタスク分けする、自身の経験を思い返すなどをおこなうことで、時間を把握しやすくなります。
定期的に休憩をとる
疲労によって集中力やモチベーションの低下を招かないように、定期的に休憩をとる必要もあります。
タイムボックスの間で適宜休憩を入れ、心身を休めましょう。
必要であれば仮眠をとったり、ストレッチなどで身体を動かしたりすると、さらにリフレッシュできて気力が充填します。
集中できる環境をつくる
タイムボックスを活用してひとつのタスクに集中して取り組むには、気が散るような要素の排除が必要です。
たとえば、電話の着信音やメールなどの通知音は、集中力を妨げるため、通知をオフにする、イヤホンをつけて外部の音を遮断するなどの対策が効果的でしょう。
耳だけでなく、視界になにかが映り込むと集中が途切れるケースもあり、ひとり用の作業スペースに移動するなど、作業場所も意識するとより集中できます。
柔軟性をもつ
ビジネスでは予期せぬトラブルが生じる場合があるため、タイムボックスにゆとりをもたせることをおすすめします。
外部の影響で中断が生じた場合でも、トラブル対応の時間も加味してタイムボックスを設定していれば、柔軟な対応が可能です。
結果的に、焦りすぎることなくやるべき作業を進行することができるでしょう。
余裕をもってタスクを完遂していけるように、タイムボックスの設定を工夫しましょう。
タスク管理にも「Chatwork」を活用しましょう
タイムボックスは、時間枠を設定してタスクを管理し、効率的に作業を進行できる手法です。
マルチタスクはストレスの発生や集中力の欠如につながりやすいとされていますが、タイムボックスを活用すれば、集中力を維持させることが可能となり、ストレスを軽減できます。
タスクにおける時間管理を適切におこなうと業務の進捗もよくなり、モチベーション高く作業に取り組めるほか、生産性の向上も期待できます。
タイムボックスを取り入れてタスク管理をするなら、ビジネスチャット「Chatwork」の導入をおすすめします。
「Chatwork」は、チャット形式でメッセージを送れるコミュニケーションツールですが、タスク管理機能も搭載されているため、複数のツールを使わなくても済み、業務の効率性が高まります。
また、タスクの完了・未完了の状況もチーム全員で把握できるため、チームの業務状況を確認し、タスクの着手状況について声をかけるなどの対応も容易です。
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