ダブルバインドとは?意味やよくある例、させないための対策を紹介

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目次
ダブルバインドとは、矛盾した指示が同時に伝えられる状況を指す言葉です。
ダブルバインドが発生すると受け手にストレスがかかるだけでなく、信頼関係の悪化や決定力の低下なども引き起こすため注意が必要です。
本記事では、ダブルバインドの定義や特徴、ケース別の事例、発生するデメリットや具体的な対策について解説しています。
組織内の信頼性向上や業務の効率化をはかりたい方はぜひ参考にしてください。
ダブルバインドとは何か
ダブルバインドとは、相手に対して矛盾した2つのメッセージが同時に伝えられる状況を指す心理学用語です。
まずは、ダブルバインドの特徴や起源を解説します。
ダブルバインドの特徴
ダブルバインドは、「二重拘束」を意味する言葉で、相手へ与えるメッセージに矛盾する2つの意味が含まれていることが特徴です。
たとえば、言葉では「自由にしていい」と伝えているにもかかわらず、態度や表情で「それは望んでいない」という意思表示をするケースです。
受け手がどちらを選択してもマイナスな結果になるものを「否定的ダブルバインド」といい、どちらを選んでもプラスの結果になるものを「肯定的ダブルバインド」といいます。
否定的ダブルバインドは、親子関係や職場での上下関係などの権力差がある場面で起こりやすく、受け手のパフォーマンスが大きく低下する可能性があるため、とくに注意が必要です。
ダブルバインドの始まり
ダブルバインドという概念は、アメリカの人類学者であり心理学者でもあるグレゴリー・ベイトソンによって提唱されたのが始まりです。
1950年代、彼は統合失調症の研究において、家庭内での矛盾したコミュニケーションが子どもに与える影響に注目し、「明確な逃げ道がないまま矛盾した命令を受け続けると、自己の判断に対する自信を失い、深刻な心理的影響が生じる」と指摘しました。
ダブルバインドという考え方は、その後の家族療法や心理学全般へも大きな影響を与えた重要な理論のひとつです。
ビジネスにおけるダブルバインドのよくある例
次に、ビジネスシーンにおいてよく見られるダブルバインドの事例を紹介します。
上司・部下間におけるダブルバインド
ビジネスにおけるダブルバインドの代表例は、上司が部下へ与える矛盾した指示です。
たとえば、部下へ「自分で考えて行動して」と指示しておきながら、部下が指示どおりに自己判断をすると「勝手なことをするな」と叱責するケースなどが挙げられます。
また、部下へ「何か困ったらすぐに相談して」と言いつつ、実際に相談を受けると「そんなことも自分で考えられないのか」という反応をすることなどもダブルバインドの典型的な例です。
企業文化におけるダブルバインド
企業文化にもダブルバインドは潜んでいます。
たとえば、「イノベーションを歓迎する」と社内で掲げているにもかかわらず、実際に提案すると「前例がない」「うまくいく保証がない」といった理由で聞き入れてもらえないケースが挙げられます。
このような環境下に置かれた従業員はどのように行動すればよいのかわからず、積極的な提案をすることへの恐怖心が生まれたり、組織に対する信頼感が低下したりするおそれがあるでしょう。
ダブルバインドの3つのデメリット
ダブルバインドがもたらす3つのデメリットを解説します。
ストレスや混乱の発生
相反するメッセージが同時に発せられるダブルバインドは、受け手に強い混乱とストレスを与えます。
正解がない状況に陥ることで、不安や無力感を感じやすくなり、精神的な疲弊を引き起こすこともあります。
ダブルバインドの発生が続くと、徐々に自信を失い、仕事のパフォーマンスが低下するほか、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
信頼関係の悪化
ダブルバインドが頻発すると、指示を出す側と受ける側の信頼関係が悪化していきます。
要求と態度が矛盾していると、相手の要求を読むことができず、どう行動すればよいのかわからなくなってしまうためです。
信頼関係が悪化すると業務上の連携が取りにくくなるだけでなく、パワハラやモラハラなどのハラスメント問題に発展するケースも少なくありません。
決定能力の低下
ダブルバインドには、受け手の決定能力を低下させてしまうデメリットもあります。
受け手は「どうせ何を選んでも否定される」という感覚に陥り、自分の判断に自信が持てなくなるためです。
通常であれば正しい判断を下せる能力を有する人でも、ダブルバインドの発生によって選択や決定を避けるようになり、非積極的な姿勢が常態化していきます。
自分で判断することが難しくなると意思決定にも時間がかかるようになり、個人や組織のパフォーマンスは大きく低下します。
ダブルバインドをさせないための対策
ここからは、ダブルバインドをさせないための具体的な対策を紹介します。
明確で一貫性のあるコミュニケーションを取る
ダブルバインドを起こさないためには、明確で一貫性のあるコミュニケーションを心がけることが重要です。
とくに、以下のような点には注意しましょう。
伝えるべき情報や指示内容を事前に整理する
指示を出す前に、相手へ伝えるべき情報や内容を自分の中で整理しておきましょう。
指示の内容や目的が曖昧だと、ダブルバインドが発生しやすくなるためです。
伝えたい情報や内容、指示の意図、相手に求めるゴールなどの要点をまとめておくことで、矛盾が起こりにくくなります。
同じメッセージを複数の方法で伝えて理解を促進する
同じメッセージを複数の方法で伝える工夫をすると、ダブルバインドの防止につながります。
口頭だけで伝えるよりも、メールや資料などの視覚的な伝達手段を併用すると、受け手の理解を深める効果もあります。
指示内容の理解度が上がることによって業務の正確性も高まるため、生産性の向上も期待できます。
期待する結果と行動を明確に示す
ダブルバインドの防止には、期待する結果と行動を明確に示すことも重要です。明示するべき内容の例として、以下のようなものが挙げられます。
目標や期限を具体的に示す
指示を出す際は、業務上の目標や期限を具体的に示しましょう。
たとえば、期限を「下旬まで」のような曖昧な表現にすると誤解を招くため、「25日まで」のように数字を含めて伝えるとより確実です。
重要なポイントや優先順位を示す
業務をおこなう際の重要なポイントや優先順位を伝えておくと、指示の齟齬が起こりにくくなります。
なぜそれが重要なのか、なぜその優先順位なのかといった理由や背景も添えると、より正確に指示が伝わり、ダブルバインド防止に効果的です。
相手に必要なリソースや支援を明示する
1人で達成することが難しいタスクを与える場合は、実行に複数のリソースや支援が必要であることをあらかじめ伝えましょう。
相手の能力を上回る指示によって不安やプレッシャーを与える可能性があり、業務のミスマッチによるダブルバインドも発生しやすくなるためです。
ダブルバインドを防ぐためには、相手に見合った業務を割り振ることや、無理なく目標達成できる期限を設定することも重要です。
フィードバックを定期的に行い、誤解を防ぐ
相手の業務に対する進捗や結果を定期的に確認し、こまめにフィードバックをおこなうことも有効な対策です。
また、現状と比べてどのような結果を期待しているのか、相手への期待値を再確認することによって、ダブルバインドを防ぐとともに作業内容や方向性のズレを防止する効果もあります。
具体的には、以下のような点を心がけましょう。
定期的なミーティングやチェックインを設ける
指示を出した後は、定期的なミーティングやチェックインの場を設けて、相手の進捗状況や理解度を確認しましょう。
指示を一方通行で終わらせてしまうとダブルバインドが発生しやすくなるため、相手がしっかり理解できているかどうかを確認しながら進めることが大切です。
意図した内容に誤解がないか再確認する
指示をした際に、意図した内容が誤解なく伝わっているか再確認しましょう。
相手の認識や解釈がズレていると、のちの業務に無駄な作業や修正が生じてしまうことがあるためです。
自分の指示や説明が正しく伝わっているか、相手がどのように理解したかを確認し、誤解があった場合はその場で正すことが重要です。
決定事項の変更はすぐに伝える
指示した内容について変更があった場合は、速やかに共有しましょう。
変更内容が伝わっていないと、相手はもともとの情報に沿って行動するため、ダブルバインドと受け取られかねない状況が発生してしまうおそれがあります。
相手の立場や状況を理解して対応する
指示を出す際は、相手の立場や状況を十分に理解してから対応すると、ダブルバインドが発生しにくくなります。
具体的には、以下のような点に注意を払いましょう。
スケジュールやリソースを柔軟に調整する
相手の状況や業務量に応じて、スケジュールやリソースを柔軟に調整しましょう。
可能であれば、相手のチームや上司に掛け合うなどのサポートをすることで、よりスムーズに調整ができるでしょう。
相手の現状を考慮せず一方的に決定した業務指示ではダブルバインドが発生しやすくなるため注意が必要です。
「できない」に対する代替案を一緒に考える
相手が「できない」と伝えてきた際は、頭ごなしに否定せず、一緒に代替案を考えるとよいでしょう。
できない理由に耳を傾ける、一緒に対策を考えるなど、相手に寄り添う姿勢を見せることが信頼関係の構築につながります。
相手の意見を無視して一方的な改善案を出すと、ダブルバインドを生じさせてしまう可能性が高まるため注意が必要です。
フィードバックは双方向で行う
ダブルバインドを防ぐには、一方通行ではなく双方向でフィードバックを実施することが重要です。
以下のような点に留意してフィードバックを実践するとよいでしょう。
相手の理解度を確認する
指示した内容を相手が理解できているかをこまめに確認し、疑問点があれば質問を受け付けましょう。
相手の立場に寄り添うことで、一方的なコミュニケーションを避けることができます。
また、小さな疑問も払拭しておけば、相手は納得感をもって行動しやすくなり、作業精度の向上も期待できます。
指示に対する相手の反応を確認する
一方的に指示をするのではなく、積極的に相手の反応を求めましょう。
たとえば「今の話についてどう思いますか?」や「このやり方で問題なさそうですか?」といった質問を投げかけることで、相手の反応を確認しやすくなります。
相手の意見や提案も尊重する
指示を出す相手の意見や提案を尊重する姿勢も大切です。
「意見を聞いてくれる」と感じてもらえることが信頼関係の構築につながり、よりよい意見が出やすい環境の土台になります。
「もっとよい方法があるかもしれない」という視点をつねにもつとともに、相手の立場に関係なく、広く意見や提案を受け入れるようにしましょう。
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矛盾した2つのメッセージが含まれるダブルバインドは、指示を受けた相手を混乱させたり、組織の雰囲気やパフォーマンスを悪化させてしまう原因となります。
ダブルバインドを防ぐには、明確で一貫性のあるコミュニケーションや、双方向のフィードバックを心がけることに加え、同じメッセージを複数の方法で伝えて理解を促すことも重要です。
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