業務効率化の第一歩はメール業務の効率化!管理方法や無駄をなくす方法とは

目次
メール業務にかかる時間は1日2時間以上?
コンピューターソフトウェア事業を展開するアドビシステムズ株式会社(現アドビ株式会社)が実施した「電子メール利用実態調査」によると、仕事関連のメールチェックには、1日平均77分の時間を費やしていることがわかりました。
また、この時間は「チェック」にかける時間のみのため、返信業務を含めるとおそらく2時間以上の時間を、毎日メール業務に割いていることになるでしょう。
そのうえ現在では、テレワークによって業務に従事している人の割合が増加したことから、メール業務に費やす時間は、さらに増加していることが予想されます。
[出典:アドビシステムズ株式会社「電子メール利用実態調査2019年版」]
メール業務が抱える課題や問題点
メール業務にかかる時間は、もちろん仕事内容によっても左右されるでしょう。しかし、毎日多くの時間を費やしているようであれば、優先すべき業務を圧迫してしまう恐れがあります。
そこでまずは、メール業務が抱える課題点や問題点から紹介していきます。
受信する数が多すぎる
企業によっては、社外だけでなく社内のコミュニケーションや情報共有にもメールを利用しているケースは多いのではないでしょうか。受信するメールの数が多くなることにより、メールの確認や検索するのにかなりの時間を要することになります。
例えば、「承知いたしました」「ありがとうございます」といった社内連絡における何気ない返信であっても、積み重なることにより負担や費やす時間は増えてしまいます。1日あたりで考えれば些細な時間ですが、1ヶ月・1年などの長期で見るとかなりの時間になってしまうのです。
返信に時間がかかる
そもそもテキストコミュニケーションは、対面などのオフラインでの情報共有よりも多くの時間を要するものです。
メールの文面を作成する際には、メール特有のビジネスマナーにも気を遣う必要があり、特に長文になればなるほど情報の整理や確認など、作成には時間がかかってしまいます。
また、返答しにくいメールに関しては上司にどのように対処すれば良いのか確認を取らなければならないこともあり、さらに時間がかかる要因となるのです。
一目で内容がわかりにくい
メールの場合、受信トレイの一覧表示には、主に「件名・送信者・受信日」の3つの情報だけが表示されます。そのため、内容はメールを開封してみないとわかりません。
また、送受信の過去のやり取りについてもメール内に引用文が残っていなければ、過去のメールを遡って確認することになってしまい、非常に手間がかかるのです。
チームでの情報共有が非効率になる
メールを複数人での情報共有に使用する場合、その都度、全員のメールアドレスを設定する必要があります。メーリングリストなどの機能もありますが、それでも毎回宛先を設定する点は変わらないといえるでしょう。さらにメールでは、添付によって送信できるデータの容量は2MB程度が一般的な「マナー」とされているため、それ以上のデータをやりとりするには、オンラインストレージを介するなどの手間も発生してしまいます。
効率良くメールをチェックする方法
メール中心のコミュニケーションを行っているのであれば、当然ながらメールはこまめにチェックする必要があります。
そこでここでは、効率よくメールチェックする方法を5つご紹介します。メール業務の時間を少しでも短縮したいとお考えの方は、ぜひ業務の改善にお役立てください。
タイピングスキルを上げる
現代のビジネスシーンにおいて、タイピングスキルは必須といっても過言ではないスキルです。タイピング速度が上がればメール対応だけではなく、そのほかの業務の生産性アップにもつながります。
タイピングスキルの上達は、意識して数をこなすことがポイントです。日常において意識するのはもちろんのこと、ビジネス用タイピング練習ツールを利用するのも良いでしょう。
受信トレイを整理整頓する
一つの受信トレイにすべてのメールを保存していると、後で見返す際の効率が著しく低下します。
そのため、案件・ステータス・重要度などの自身がわかりやすい方法でOKでフォルダを分けて整理するようにしてください。フォルダを分けておくことにより、重要度の高いメールと低いメールが一目でわかるようになり、確認するための工数が少なくなります。
また、メールの受信数が非常に多い業務の場合は、自動振り分け設定をしておくと不要なメールがメインフォルダに入らなくなるので非常に便利です。
チェックする時間を決めておく
緊急性の高い案件を抱えている場合を除いては、日々のルーティンとして「メール対応」の時間を決めておくのも一つの方法です。チェックする頻度は業務内容や時間によっても異なりますが、始業時・お昼休憩後・退勤前などで区切っておくと良いでしょう。
メールチェックにより作業が中断されてしまう頻度を下げることができるため、その結果、1日の業務効率を上げることが可能になります。
簡単な内容であればすぐに返信する
返信が溜まっている状態だと、常にメールのことが頭の中に浮かんでしまい、中々業務が捗らないなどの可能性が生まれます。そのため、メールを開いて内容を確認したら、簡単な内容であればすぐ返信しておくことで返信待ちのメールの件数を少なくすることができます。
もちろん、返答に時間を要するメールに関しては、メールの返信にかける時間を割き一気に返信することで業務の効率化が望めます。返信が漏れてしまうリスクを感じている方は、タスク化をしておくなどメール返信を忘れないような工夫をしておきましょう。
テンプレートを活用する
よく利用する文言は、辞書登録やテンプレートの活用によりメール業務の負担を軽減することもできます。
テンプレートをよく利用する人はパターンを多く登録できるツールに変更すると良いでしょう。また、メールの署名を宛先や案件によって変える必要がある場合は、あらかじめテンプレートに組み込んでおくのも効率化アップにつながります。
業務効率が下がってしまうメール対応の例
メール対応をする方法次第では業務効率が大幅に下がってしまうケースがあります。そこでここからは効率が悪いメール対応の例について紹介していきます。
メールの文面を何回も見直してしまう
テキストベースでのやり取りとなるメールについては、言い回しや文法などを気にしすぎてしまい、作成した文章を何度も何度も見直してしまい時間がかかってしまうケースが非常に多いです。
もちろん、気をつけなければならない点ではあるものの、メール対応はコア業務ではないので時間をかけすぎるのは良くありません。しかし、時間をかけすぎるのは業務効率・生産性の低下につながります。
経験や慣れで文面の作成は早くなりますが、いち早く向上するには社内・社外の人を問わずに色々な人のメール文を見てみるのがおすすめです。表現や言い回しなど自分で取り入れられそうな点がないか確認してみましょう。
返信の有無が気になってしまう
重要なやり取りをしている場合には、返信が来ていないか受信ボックスを何度チェックしてしまうケースもあります。チェックする頻度が高くなると業務効率にも影響してしまい、返信を焦ってしまったために誤字やご送信してしまうなどのミスにツナがるリスクも考えられます。
そのため、常にメールを監視するのではなく時間ごとにチェックするなど、割り切って考えると業務に集中できて効率もアップしていきます。
メール作成・送信時を効率化するポイント
メール業務は、「メール作成」のコツを掴んでおくことも重要です。
ここでは、メール作成・送信時に注意するポイントをご紹介します。相手が読みやすい文章・相手に伝わりやすい文章を意識し、ラリーの回数を減らすようにしましょう。
件名は概要がわかるように書く
件名は「内容を詰め込んだタイトル」の意識を持ちましょう。件名である程度の概要が掴めるようにしておけば、メール本文を読んだ際の理解度も上がります。また、返信を示す「Re」が多くなってしまうと、件名が確認しにくくなってしまうため、やり取りが続くようであればタイミングを見て修正しましょう。件名が整理できていると、後日メールを探すときの時間短縮にもつながります。
複数の案件を1通にまとめない
基本的には「1通のメールに1案件」にしましょう。
1通のメールにあれもこれもと複数の案件の確認事項を盛り込んでしまうと、返信が遅れるだけでなく、返信漏れなどが起きてしまうなどかえって作業が煩雑になってしまいます。
やむを得ず、複数の内容を詰め込む時は、適度な改行や箇条書きを取り入れるなどの工夫をするようにしてください。
本文を短くシンプルに書く
一般的にメールの作成は、件名・文頭・要件・文末の4つで構成されています。
伝わりやすいメールにするには、件名と要件は、できるだけシンプルかつ端的に書くことを心がけてください。先にメールの結論を述べ、そのあとに詳細情報を簡潔に書くのも効果的です。ただし、短くしすぎて情報が不足しているようでは意味がありません。大切なのは「適切な情報を端的に」である点を認識しておきましょう。
メール業務の効率化にはツールの活用もおすすめ!
ここまでメールチェックや作成時の注意点などをお伝えさせていただきました。しかしながら、運用や作成時の工夫だけでは「大幅な作業時間の削減」を達成することが難しい場合もあるでしょう。
そこで、ここからは抜本的な業務改善も可能なツールの活用についてご説明します。
メールの管理ツールを使用する
メール管理ツールでは、メール共有だけでなく対応状況の可視化などが可能です。主にチームで対応すべきメール業務の効率化を図ることができます。メール対応がスムーズになるだけでなく、複数人で確認することにより、返信の遅延や返信漏れといったトラブルを防ぐこともできるため、特に顧客対応などが多く発生する部署においては、作業時間の短縮以上のメリットを得ることができるでしょう。
社内連絡はビジネスチャットを活用する
ビジネスチャットは、グループでの情報やデータの共有において、メールよりも利便性が高いとされています。
また、メールのような「お疲れ様です」「よろしくお願いいたします」といった定型文や挨拶などの、単なる習慣的ルールが定着しにくいため、よりスピーディーで端的なコミュニケーションが実現できます。
これら一つ一つは些細な改善かもしれませんが、積み重ねによる改善効果は、使ってみてこその利点が実感できるはずです。
業務効率化の第一歩はメール業務がおすすめ
1日に平均して2時間かかっていることがはっきりしているように、メール対応は、日々のルーティン業務の中でも、作業時間の数値化がしやすい業務です。
また作業内容においても、そもそも「定型度」が高く、多くの効率化の余地がある業務であると考えられます。そのため、まずはご紹介した運用や作成における効率化のコツを実践するだけでも、ある程度の改善は期待できるはずです。