業務計画書はどう書く?テンプレートとともに作成手順やポイントを紹介

目次
業務計画書の作成方法や記載項目に悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、すぐに使える業務計画書のテンプレートを紹介します。業務計画書を作成するメリットや具体的な手順、作成時のポイントもあわせて解説しますので、ぜひご活用ください。
業務計画書とは
業務計画書とは、企業の戦略的目標を達成するために、各部門が取り組むべき方向性やリソースなどをまとめた文書のことで、「オペレーションプラン」や「オペレーショナル・プランニング」とも呼ばれます。
目標達成に必要となるフロー、日程、リソース、目的などを明確にし、各従業員やチームの日次、週次、月次といった短期的な行動を促すために役立ちます。
業務計画に記載する項目の例として、次のようなものが挙げられます。
- 事業進捗の月次評価
- KPIに関する報告頻度の設定
- 各従業員のタスクリスト
- 各従業員の役割と責任
- 目標達成に向けた業務の完了期日
- 年次計画
戦略計画書との違い
戦略計画書とは、企業における3〜5年程度の長期戦略を示した計画書です。
戦略計画書が戦略的目標を定義する文書であるのに対し、業務計画書は目標を達成するための具体的な取り組みを示す文書であるという点が両者の違いです。
また、戦略計画書には長期的な計画を記載しますが、業務計画書には週次・日次・月次・四半期・年次といった比較的短い期間における取り組みを記載します。
たとえば、戦略計画書で「3年後の売上を2倍にする」という目標を掲げた場合、業務計画書では「営業部門の顧客訪問数を増やす」「月次で売上レビューをおこなう」のように、短期でおこなう業務内容を詳細に示します。
戦略計画書と業務計画書は、記載内容と役割が異なるということをおさえておくとよいでしょう。
業務計画書を作成するメリット
続いて、業務計画書を作成するメリットを解説します。
業務スケジュールを確認できる
業務計画書を作成すると、自社の繁忙期や閑散期などの業務スケジュールを確認できるため、計画的に業務を進めたり、臨機応変に調整したりできます。
たとえば、繁忙期の前に急ぎの業務を済ませておく、閑散期には普段より営業活動に力を入れるなど、時期に合わせた業務進行が可能です。
計画的な業務進行によって、従業員の残業を減らしたり、心身の負担を軽減したりする効果が期待できます。
また、スムーズに業務が進めば目標が達成できる確率も高まり、モチベーションアップも期待できるでしょう。
タスク管理をおこないやすくなる
業務計画書には従業員ごと・チームごとのタスクを記載するため、作成するとタスク管理がおこないやすくなります。
タスクの優先順位を見極めやすくなるため、重要な業務が納期までに終わらないといったトラブルや、タスクの実施漏れ・担当割り振り漏れなどを防止するにも有効です。
メンバーと共通認識を持てる
チームで業務を進める場合や、プロジェクトが進行中である場合、業務計画書を作成することでメンバーと共通認識を持てる点もメリットです。
業務計画書には、業務の目的、タスクの担当者、スケジュール、各業務の進捗などが記載されているため、現状に対する認識をメンバー間で統一できます。
進捗が滞っている場合、メンバー同士で改善点を話し合ったり、サポートし合ったりすれば、課題解決やコミュニケーションの活性化にもつながります。
一致団結して取り組む意欲も向上し、チームの連帯感の強化も期待できます。
業務計画書の作成手順
業務計画書は、主に5つのステップで作成します。
ここでは、それぞれのステップでおこなうべきことを解説します。
1.戦略計画を確認する
業務計画書は、戦略計画の目標達成のためにおこなう業務をまとめる文書であるため、まずは土台となる戦略計画の内容を確認します。
戦略計画とは、自社の現状を分析し、ビジョンやミッションを踏まえたうえで、長期の目標やゴールを定めたものです。
目標の達成・ゴールへの到達を目指すための計画を立てるにあたり、年次目標や予算、KPIなどを把握し、実行に移していきましょう。
戦略計画を全社的に共有することで、各従業員の業務と目標がどう結びついているかという点に対する理解が深まります。
2.業務範囲を絞り込む
戦略計画を確認したら、業務計画書の作成に入ります。
具体的な業務計画書を作成するために、部署やチームごとに業務範囲を絞り込みましょう。
ひとつのチームに複数の業務を担うメンバーがいる場合は、同じ業務をおこなうメンバー同士で小さなチームを作り、それぞれが別の業務計画書を作成するとスムーズです。
3.業務関係者を絞り込む
続いて、業務計画書を作成する関係者を絞り込みます。
業務計画書へ記載する業務との関わり・理解が深い従業員が適任といえるでしょう。
業務に精通した人材が業務計画書を作成することで、現実的なスケジューリングや、適材適所の担当割り振りが可能となるためです。
無理なく実行できる業務計画を立案できれば、ほかのメンバーからの不満も出にくくなり、業務へのモチベーション低下を防ぐことにもつながります。
4.計画書を作成する
次に、業務計画書を作成します。
計画書に示すべき項目の例は以下の通りです。
- チームの目標
- リソースの要件
- 業務進捗のモニタリング方法・報告方法
- 開始日と終了予定日
- 目的
- 品質基準
- 日々おこなうべき業務・担当者
- 成果の測定方法
- 予算
5.計画書を共有する
作成した業務計画書は、関係者と共有し、理解を得られるか確認しましょう。
業務計画書に沿って業務を進めるうえで状況に変化が生じた際は、関係者間で情報の共有や認識の統一をおこない、必要に応じて計画書を更新することが重要です。
業務計画書のテンプレート
ここでは、業務計画書のテンプレートを紹介します。自社で活用する際の参考にしてください。
<業務計画書>
作成日:202x年xx月xx日
<基本情報>
【業務計画書名】(例:202x年度上期営業部業務計画書)
・作成者 (氏名)
・業務関係部署(部署名)
・業務の目的(例:新規顧客獲得数の20%向上)
・成果物(例:新規契約リスト、月次報告書)
【目標・KPI】
・項目
・目標数値・内容
・測定方法・頻度
・期限
・備考
【業務内容・タスク】
・No.
・業務名
・概要
・担当者
・開始時期
・終了時期
【リソース】
・役割
・氏名
・主な責務
・連絡先
【予算】
・No.
・項目
・見積り
・実績
・差額
・備考
【リスク管理】
・No.
・リスク内容
・影響度
・対策
・ステータス
【報告方法】
・項目
・内容
・頻度
・担当者
・手段(ツール・場所)
【その他】
(特記事項など)業務計画書を作成する際のポイント
業務計画書は、より効果的に活用できるようポイントを押さえて作成することが重要です。
以下では、業務計画書を作成する際のポイントを紹介します。
誰にでもわかりやすいように記載する
業務計画書は多くの従業員が目にするものであるため、誰にでもわかりやすいように記載することを心がけましょう。
専門用語や一部の関係者のみで使われる略称などを用いて記載すると、すべての人に正しく内容が伝わらないおそれがあります。
読みやすいように要点を絞り、情報を簡潔にまとめることも大切です。
また、業務計画書の共有方法も工夫しましょう。
たとえば、紙媒体で業務計画書を配布すると、内容変更があった際に従業員への伝達が遅れて混乱を招くリスクがあります。
デジタルツールなどを活用し、リアルタイムでの更新や迅速な情報共有を図るとよいでしょう。
可能な限り数値化する
業務計画書に記載する項目は、可能な限り数値化しましょう。
目標や業務内容を数値で示すと具体性が増し、やるべきことが明確になるため、従業員の業務意欲を引き出すために有効です。
数値化する際には、現実的でない数値を設定しないように注意が必要です。
努力によっても達成できない数値は、従業員のやる気をなくしたり、心身に不調をきたしたりするおそれがあり、ネガティブな事態を招く可能性もあります。
そのため、実績やデータに基づいた適切な数値を記載するようにしましょう。
効果的な業務計画書を作成して事業の成功を目指そう
業務計画書を作成すると、計画的に業務を進行でき、メンバー間の連携強化にもつながります。
業務計画書の効果を高めるには、誰にでもわかりやすく作成するだけでなく、共有方法も工夫することが重要です。
業務計画書の円滑な共有には、ビジネスチャット「Chatwork」の活用をおすすめします。
「Chatwork」で部署やチームのグループチャットを作成し、業務計画書をファイル添付機能で送信すれば、一度のメッセージで関係者への共有が可能です。
また、タスク管理機能も備わっているため、業務計画書にあわせてタスクも管理すると、業務の遅れにもすぐに気づけるでしょう。
チャットでコミュニケーションを取り合えば、チーム間の連携強化や信頼関係の構築ができ、業務の質も向上します。
効果的な業務計画書を作成・運用して、目標達成を目指しましょう。
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