予算書の作り方は?予算の種類やメリット、注意点などとともに紹介

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予算書の作り方は?予算の種類やメリット、注意点などとともに紹介

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目次

予算書を作るときに、「自社の状況に合わせて効果的な予算書を作成したい」「予算書の重要性をあらためて把握しておきたい」と考える人も多いのではないでしょうか。

本記事では、予算書の作り方や種類を紹介しつつ、予算書を作るメリットや作成時の注意点などを解説します。

予算書を作るコツを理解すれば、社内リソースや資金を効率的に管理できるため、ぜひ参考にしてください。

予算書とは

予算書とは、企業の経営方針にもとづき、1年間の事業計画をまとめた書類のことです。

年間の収入・支出の金額を見積もり、達成したい目標を具体的な数値で記します。

主な指標には、利益予算・売上予算・原価予算・経費予算などの種類があり、目標とする数値をそれぞれ設定して予算管理をおこないます。

設定した予算案は、各部門の財務目標として意識され、事業計画の基盤となります。

なお、予算書を作る方式は、経営陣が予算を決める「トップダウン方式」と、各部門の意見を反映して企業全体の予算を決める「ボトムアップ方式」に大きく分かれます。

いずれの場合も、企業における会計期間の前(事業年度の切り替え前)に、経営陣や財務部門の担当者が翌年分の予算書を作成するケースが一般的です。

>予実管理に関する記事はこちら

予算書を作成するメリット

予算書を作成すると、計画の範囲内に支出が収まっているかを常に把握できることがメリットです。

たとえば、支出が超過している場合、想定以上の赤字になる前に計画を修正したり、支出が少ない場合は余剰分を他事業に振り分けたりなど、資金の配分を最適化できます。

また、目標達成のために対応すべきことが明確になることもメリットです。

「今月の売上目標を達成するために、あと何件の成約が必要か」「30万円という予算内でどのようなツールを導入すべきか」など、予算から逆算して具体的な取り組みを割り出すことができます。

予算書は1年間の年次計画で作成することが基本ですが、四半期・月次などの短い期間で作成するケースもあり、財務状況の改善に役立てられています。

予算の種類

企業における予算には、以下のような種類があります。

  • 利益予算
  • 売上予算
  • 原価予算
  • 経費予算

以下で、それぞれの特徴や役割を紹介します。

利益予算

利益予算とは、会計年度中(※)に達成しなければならない利益目標のことです。

「売上 ー(原価+経費)」という計算式で算出されるため、売上が想定より低い場合でも、原価や経費を削減するというアプローチによって利益目標を達成できるケースもあります。

一方で、売上の確保は企業にとって大きな課題であり、企業活動を継続するためには、原価や経費を差し引いた「利益」を意識することが重要です。

売上が伸びていても、利益が増加傾向でなければ業績が好調とはいえないため、利益率は企業の成長性を判断する目安になります。

(※)企業の収入・支出を一定期間で区分し、収支の状況を明確化するために設定される期間のこと。一般的に、4月1日から翌年の3月31日までの期間を指す。

売上予算

売上予算とは、会計年度中に達成しなければならない売上目標のことです。

前年までの売上予算をベースとして、さらに高い数値目標を設定するケースが一般的です。

ただし、売上は景気や市場動向の変化など、外的要因の影響を受けやすい数値といえます。

そのため、過去の売上データや市場の成長率などを考慮しつつ、実現性の高い売上目標を設定する必要があります。

なお、予算と目標は同じような言葉として使われていますが、やや意味合いが異なります。

予算は「1,000万円の売上を獲得する」といった、金額面での目標到達点のことです。

目標は「商談で月10件の契約を成立させる」など、売上予算を達成するためのアクションを示す意味合いで使われます。

原価予算

原価予算とは、製品の生産やサービスを提供するためにかかるコストのことです。

たとえば、製造過程で必要な材料を仕入れるための費用や、工場に勤務する従業員の人件費などが含まれます。

原価予算は、販売価格を決める際の基準となるため、「売上目標を達成するためにはどれくらい数量が必要か」などの点をあらかじめ見積もり、予算書を作成します。

基本的には「前期の原価率 × 販売目標数」という計算式で算出されますが、仕入れ価格や原材料費の変動額を反映することが重要です。

売上が増加すれば原価予算も増えるため、原材料の数量やリソース配分を定期的に見直せば、コストの削減や利益率の向上につなげることができます。

>コスト削減のアイデアに関する記事はこちら

経費予算

経費予算とは、事業を継続するために必要なコストのことです。

たとえば、オフィスの賃料、水道光熱費、消耗品費、交通費、広告宣伝費など、「原価以外に発生するコスト」が該当します。

経費予算は外的要因の影響をあまり受けないため、過去の実績と比較しながら計画を立てることが可能です。

実際に、前年の事業計画をもとに金額の修正をおこない、適正金額を決めるケースもあります。

また、経費予算は利益予算とあわせて管理をおこなう場合が多いことも特徴です。

目標とする数値を達成できなかった場合、「経費を削減して利益率を高める」といった改善策を検討することも可能です。

予算書の作り方

予算書を作る際は、予算と実績を比較・分析できるツールを利用することもありますが、Microsoft社のExcel(エクセル)でも作成可能です。

ここからは、エクセルでの予算書の作り方について紹介します。

【予算書を作る手順】

  1. 目標を設定する
  2. コストを算出する
  3. 期間を設定する
  4. 必要なリソースを明らかにする
  5. 問題の分析を行う
  6. 予算の調整をする
  7. 定期的に予算管理をする

以下で、それぞれの手順について解説していきます。

1.目標を設定する

予算書を作る場合、まずはプロジェクトの目的を定めて、達成するために必要な要素を洗い出します。

主な要素は、具体的なアクション・必要なリソース・コストの3つです。

たとえば、自社商品の宣伝や認知度向上を目的として、動画制作によるプロモーションをおこなう場合、以下のようにリストアップします。

  • アクション:自社ブランドのPV制作
  • リソース:動画の制作ひなど
  • コスト:約100万円

プロジェクトの目的や規模によってケースバイケースですが、売上10%アップ・新規ユーザー100人獲得など、数値目標を具体的に設定することがポイントです。

2.コストを算出する

目標を設定したら、概算のコストを算出します。

人件費や制作費などの必要費用を細分化し、管理しやすいように項目を分けて一覧表にまとめておきます。

費用の内訳 見積もり金額
人件費 32万円
制作費 45万円
撮影機材の購入費 24万円

実現性の高い予算書を作成するために、なるべく正しい金額を見積もることが重要です。

見積り金額が不明確なときは、自社が保有する過去のデータや市場価格などを参考にするとよいでしょう。

3.期間を設定する

予算書を作る際は、必ず期間を設定します。

「プロジェクトがどこまで進んでいるか」や「設定した予算がどれくらい使われたか」などの点を明確にするためです。

期間を設定するときは、各作業にかかる時間を見積もり、全体的なスケジュールを組みます。

また、進捗状況や品質を管理しやすいように、プロジェクトの中間目標点(進捗状況を確認するためのチェックポイント)を設定するケースもあります。

4.必要なリソースを明らかにする

期間を設定したら、必要なリソースを明確にしましょう。

作業にかかる工数をもとに、必要な人員・稼働時間などのリソースを整理します。

リソース 月間稼働時間 単価 コスト
従業員A 100時間 時給2,000円 20万円
従業員B 50時間 時給1,500円 7万5,000円
従業員C 30時間 時給1,500円 4万5,000円

上記のように、それぞれの項目を整理してからコストを見積もることで、より具体的な金額を想定しやすくなります。

5.問題の分析をおこなう

プロジェクトは、計画したとおり順調に進むとは限りません。

想定外のトラブルや、迅速な対応が求められる状況に備え、以下のように問題発生時の「影響度」と「発生確率」をまとめておきます。

問題 影響度 発生確率

問題ごとの影響度・発生確率を想定し、実際にトラブルが起こったときに「どのように対処すべきか」まで検討・共有しておきましょう。

6.予算の調整をする

予算書は一度作成したら完了ではなく、コスト・期間・必要なリソースを再検討し、予算を調整する工程があります。

予算はあくまで目安であり、状況にあわせて柔軟に調整する必要があるためです。

たとえば、為替変動(ドル安・円高など)の影響を受けやすい売上予算は、企業の決算日までに見直し、翌年分の予算書を修正する必要があります。

数値目標を算出した根拠を明確にしておけば、根拠が崩れた場合でもすぐに調整に取りかかることができ、柔軟なアプローチにつながります。

7.定期的に予算管理をする

予算書を作成したら、定期的に予算の管理をおこないます。

数値目標を達成するためには、計画した予算と実際の支出とのズレを把握しつつ、なるべく早い段階で対策を立てる必要があります。

費用の内訳 見積もり金額 実績 差額
人件費 32万円 40万円 +8万円
制作費 45万円 40万円 -5万円
撮影機材の購入費 24万円 24万円 なし

上記のような表を作成して予算管理をおこない、差額が目立つ項目があれば、原因をきちんと調査し、必要に応じて修正します。

分析結果をもとに予算書を修正しつつ、次のアクションに反映させることが重要です。

予算書を作る際の注意点

予算書を作るときには、いくつか注意点があります。

注意点をおさえておけば、より効果的な予算書を作成できるため、予算書を作り始める前に把握しておきましょう。

具体的な数値を設定する

予算書を作る際は、なるべく具体的な数値を設定します。

あいまいな数値を設定すると、予算の見積もりに対する信頼性が低下し、計画そのものが破綻する可能性があるためです。

現実的な数値を算出するために、目標とする数値の根拠を明確にし、必要に応じてプロジェクトメンバーと相談・共有することが重要です。

また、予算書には修正がつきものであるため、項目ごとの見積もりを確認し、定期的に金額や内容が妥当かを検討するようにしましょう。

余裕を持った予算を作成する

予算書を作成する際には、余裕を持った予算を組むことで、想定外の出費にも対応しやすくなります。

ただし、予算に余裕がありすぎると逆効果になるケースもあります。

不要な消耗品を購入したり、無駄な会議費用をかけたりして経費を浪費してしまい、財務状況が悪化するおそれもあるため、注意が必要です。

適切な範囲かつ余裕のある予算を決めるために、過去のプロジェクトから平均的なコストを算出したり、同じ業種・業界の一般的な予算をリサーチしたりするとよいでしょう。

過去のデータを参考にする

予算書を作成する際は、前年度の予算や市場調査の内容など、過去のデータを参照しましょう。

過去のデータをもとに見積もりをおこなえば、実現性の高い予算書を作成できます。

ただし、過去のデータを参照するときは、現状との差異に注意が必要です。

競合他社の参入や技術革新の影響、ターゲットとなる顧客層の変化などによって、前提条件そのものが変わっている場合があるためです。

過去のデータをそのまま使うのではなく、算出した際の根拠を確認し、現状でも使えるデータなのかどうかを検討するようにしましょう。

予算書の作り方を理解し企業の目標達成を目指そう

今回は、予算書の種類や作り方、作成時の注意点などを紹介しました。

予算書の金額は、具体的な数値目標として意識されるため、プロジェクトメンバーが自身の役割と責任を実感しやすくなります。

また、予算書の内容や根拠を明示することで、担当する業務への理解度が深まり、従業員のモチベーション向上につながることも大きなメリットです。

予算書についての質疑応答や、修正内容をプロジェクトメンバーと共有するために、「Chatwork」のようなビジネスチャットツールを導入する事例もあります。

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