部門間連携が進まないのはなぜ?主要な課題と原因、具体的な解決策を徹底解説!

目次
部門間連携の重要性を理解していても、実践がうまくいかないと悩んでいる担当者も多いでしょう。
社内に連携を妨げる仕組みや組織風土が根づいていると、円滑な協力は困難です。
しかし、連携が進まない状況を放置すれば、企業の競争力低下や職場の環境悪化といった事態を招きかねません。
本記事では、部門間連携を妨げる主な課題と、その具体的な解決策を解説します。
連携の重要性から具体的な解決策、便利なツールまで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
部門間連携とは?今求められる背景
部門間連携とは、複数の部署で構成される「部門」を横断した協力体制を指します。
顧客のニーズや市場が変化し、技術が急速に発展する現代において、部門間連携の重要性はますます高まっています。
本章では、部門間連携の定義、役割、目的を解説します。
部門間連携の定義と役割
部門間連携の定義は、「各部門が持つリソース、情報、技術などを円滑に共有すること」です。
単なるコミュニケーションの活性化にとどまらず、企業全体のパフォーマンスや顧客へ提供する価値を最大化するための、戦略的な取り組みといえます。
部門間連携の主な役割は「業務プロセスの効率化」と「顧客ニーズへの迅速な対応」の2つです。
前者は、情報共有の活発化と業務の透明化によって実現します。
後者の実現には、複数の部門で顧客情報を共有し、ニーズを多角的かつ迅速に分析することが不可欠です。
分析の精度と速度が向上するほど、市場や顧客ニーズの変化にも迅速かつ適切に対応できるようになります。
部門間連携は、企業と顧客の双方にメリットをもたらす施策といえるでしょう。
部門間連携の目的
部門間連携を強化する主な目的は、企業全体の生産性を向上させることです。
各部門が連携せず、それぞれ独立して業務をおこなう状態では業務の重複や無駄が生じやすく、高い生産性は期待できません。
部門間連携を適切に実施し、企業全体で業務プロセスを見直すことで、重複や無駄を削減しやすくなります。
各部署の専門知識や情報を組織全体で活用すれば、既存業務の生産性をより一層高めることも可能です。
部門間連携は、企業のパフォーマンスを高め、継続的な成長と競争力強化を可能にする重要な取り組みと位置付けられます。
部門間連携を強化することが重要な理由
現代のビジネスは、社会情勢の変化や技術革新によって状況が目まぐるしく変わり、予測が困難です。
変化の激しい時代において、一部門のみの判断で施策をおこなっていては、市場の変化に対応することは難しいでしょう。
部門間連携を実施することで、各部署がそれぞれの知見を生かして協力でき、状況の変化へ迅速に対応しやすくなります。
部署間の協力体制は、サービス・商品の品質向上や開発力の強化につながるため、適切に活用することでビジネスの成長に役立てるとよいでしょう。
部門間連携を強化することで得られるメリット
部門間連携を強化することで、企業はさまざまなメリットを得られます。
以下、代表的なメリットを紹介します。
業務効率化と生産性向上
部門間連携を強化すると、企業全体の業務効率化と生産性向上が期待できます。
各部門の情報が共有され、業務が可視化されるため、業務プロセスの改善に着手しやすくなります。
さらに、専門性の高いスキルや知識を全体で共有し、リソースを柔軟に配分できるため、企業のパフォーマンスを最大化できます。
自部署だけでは解決が難しい課題を専門部署に依頼し、迅速に解決するといったチームプレーも可能になります。
限られたリソースを有効活用し生産性を高めるために、部門間連携の強化は有効な手段です。
情報共有の活性化
情報共有が活性化することも、部門間連携を強化するメリットのひとつです。
ビジネスチャットなどのツールを導入すれば、特定の部門に偏在しがちな専門性の高いデータもスムーズに共有できます。
さらに、独自の研究結果や最新情報などを共有すれば、マーケティング活動や営業活動、商品開発などに良い影響をもたらすでしょう。
成功事例や失敗事例の共有は組織全体の知識レベルを底上げし、ナレッジ共有は業務の属人化を防ぎます。
組織のエンゲージメント向上
部門間連携は、組織全体のエンゲージメント向上にも貢献します。
連携を強化すれば、従業員同士がスムーズに協力し合える環境を構築できます。
部門を超えて協力し合える環境は、従業員の帰属意識や仲間意識を育み、結果としてエンゲージメント向上につながります。
組織としての一体感が高まることにより、従業員のモチベーション向上や離職率の低下にも効果的です。
イノベーションと顧客満足度向上
部門間連携を強化することは、イノベーションの創出にもつながります。
異なる専門分野や視点、経験を持つ人材同士が協力することで、新たなアイデアが生まれやすくなるからです。
単一部門からイノベーションが生まれることもありますが、多角的な視点と幅広い知識が組み合わさることで、いっそうイノベーション創出の可能性が高まるでしょう。
また、顧客に関する情報を組織全体で共有し、サービス改善や商品開発に生かせば、顧客満足度の向上にもつながります。
顧客へより良いサービスや体験を提供することは、企業のブランディングや信頼獲得の観点からも重要です。
部門間連携を阻む代表的な課題とは?
多くのメリットがある部門間連携ですが、実際には多くの企業が課題を抱えています。
適切に対処し、連携を強化するために、まずは代表的な課題を把握することが重要です。
組織が縦割り
各部門が独立している「縦割り組織」は、部門間連携を阻む大きな障壁です。
とくに、各部門が自部門の利益のみを優先し、他部門をライバル視するような状況では、従業員の意識改革がなければ部門間連携の実現は困難です。
縦割り組織の弊害が深刻化すると、セクショナリズムが蔓延し、組織全体の不利益につながる恐れもあります。
縦割り組織は部署内の結束を高める側面もありますが、部門間連携を進める際には解決すべき課題といえるでしょう。
目標の不一致や共有不足
部門間の目標の不一致や共有不足も、連携を阻む課題のひとつです。
各部門が自部門の利益のみを重視した目標を掲げ、それを他部門と共有しない状態では、円滑な連携や協力は望めません。
目標の不一致や共有不足は排他主義的な組織風土を生む原因にもなるため、早期の対策が必要です。
目標の不一致が起こる主な原因は、企業全体のビジョンや最終目標が、各部門にまで浸透していないことです。
全社的な目標を共有するためのシステムや仕組みが欠如していることも、一因として挙げられます。
コミュニケーション不足
従業員同士のコミュニケーション不足も、部門間連携の障壁となります。
同じ会社に所属していても、接点が少ない従業員同士では距離を感じてしまうものです。
とくに、打ち合わせの機会が少なかったり、部署間に物理的な隔たりがあったりすると、コミュニケーションは不足しがちです。
この状態では、お互いに「業務内容がわからず話題がない・話しかけにくい」と感じてしまい、スムーズな連携は難しくなります。
直接的な対立がなくとも部門間連携の妨げとなるため、ツールや施策を活用して対策を講じるとよいでしょう。
部門同士をまとめるリーダー不足
部門間連携を円滑に進めるには、率先してコミュニケーションをとり、連携を促すリーダーの存在が欠かせません。
しかし、連携を牽引する人物がいない場合、環境を整えても自発的な協力関係は生まれにくいでしょう。
仮に連携がまったく進まなければ、環境整備への投資が無駄になる可能性もあります。
そのため、部門間連携を強化するには、協力に積極的なリーダーの育成や、各リーダーが連携すべきと思える環境の構築が急務です。
システムやツールが整っていない
システムやツールが未整備な状況では、部門間連携に多くの手間や時間がかかります。
とくに、部門ごとに異なるツールを使用していたり、情報共有ツール自体を導入していなかったりする場合、コミュニケーションは非効率になりがちです。
このような状況では、会社が連携を推奨しても、従業員への浸透は難しいでしょう。
連携そのものがストレスになる可能性もあるため、円滑な部門間連携を目指すなら、システムやツールに関する課題は早期に解決することをおすすめします。
部門間連携の課題を解決するための6つの施策
部門間連携の課題は、その内容を把握するだけでは解決しません。
解決につながる適切な施策を選び、実践する必要があります。
以下では、部門間連携の課題解決に役立つ6つの施策を、それぞれが対応する課題とともに紹介します。
全社共通のビジョン・目標を設定し浸透させる
排他的な風潮や目標の不一致といった課題には、全社共通のビジョンと目標を設定し、組織全体に浸透させることが効果的です。
共通のビジョンを掲げることで、従業員全員が同じ方向を向いて業務にあたれるようになります。
また、各部門の目標もこの共通ビジョンに沿ったものになるため、部門を超えた協力が生まれやすくなります。
具体的な進め方として、すでにビジョンがある場合は浸透させる施策を、ない場合は速やかに設定し共有することをおすすめします。
設定したビジョンと目標は、定期的に発信しつづけることで、より浸透しやすくなるでしょう。
>ミッション・ビジョン・バリューを浸透させる方法に関する記事はこちら
社内イベントなどを通して相互理解を促進する
コミュニケーション不足の課題解決には、社内イベントなど、交流や学びを促す施策が有効です。
イベントを通して従業員同士がコミュニケーションをとることで、これまで接点が少なかった他部署の従業員とも相互理解を深められます。
理解が深まり、良好な人間関係が構築できれば、自然な形での部門間連携も生まれやすくなるでしょう。
施策の例としては、従業員同士の交流を目的としたレクリエーション、周年記念イベント、社内勉強会などが挙げられます。
部門間連携をサポートするデジタルツールを導入する
コミュニケーション不足の解消やツール環境の整備には、部門間連携を支援するデジタルツールの導入が効果的です。
自社に適したツールを選定し、全従業員が活用することで、円滑なコミュニケーションと情報共有が可能になります。
部門間連携に役立つ代表的なツールは以下のとおりです。
- ビジネスチャットツール:テキストやファイルをリアルタイムで送受信できるツール
- 社内SNS:部門を超えた気軽なコミュニケーションやナレッジ共有ができるツール
- Web会議ツール:映像と音声で遠隔地の相手とやりとりができるツール
- ERP:企業の持つさまざまな情報を一元管理するシステム
これらのツールは、コミュニケーション課題の解決だけでなく、業務そのものの効率化にも役立つため、自社に合ったものを選んで導入しましょう。
部門横断プロジェクトチームの発足と成功体験の共有
部門横断プロジェクトチームの発足と、そこから得られた成功体験の共有は、コミュニケーション不足や相互理解の欠如を解決する上で有効な施策です。
この施策では、異なる部署のメンバーを選抜してプロジェクトチームを組み、業務を通して相互理解と信頼関係の構築を促します。
即効性はありませんが、長期的な視点で実施することで、部門間連携が自然に生まれる組織風土を醸成できます。
また、リーダーシップを育む機会としても活用でき、協力に積極的なリーダーの育成にもつながります。
連携を評価する公正な人事評価制度への見直し
既存の人事評価制度を、連携への貢献度を公正に評価できる内容へ見直すことも有効な施策です。
部門間連携への貢献が適切に評価される環境を整えることで、従業員の積極的な情報共有や交流が生まれやすくなります。
連携に積極的な組織風土は、結果として部門間をまとめるリーダーの育成にもつながるでしょう。
ただし、評価制度は従業員のモチベーションや組織への信頼に大きく影響する要素です。
制度の見直しは慎重に進める必要があり、関係部署を交えて検討することをおすすめします。
心理的安全性を高め、協力しやすい組織文化を育む
心理的安全性とは、組織内の誰もが安心して自分らしく発言・行動できる状態のことです。
心理的安全性が高い組織ではコミュニケーションが活発になり、建設的な議論がおこなわれやすくなります。
心理的安全性を高めて協力しやすい組織文化を育むことは、コミュニケーション不足の解消に大きく貢献します。
排他的な風潮の緩和や離職率の低下にも役立つため、心理的安全性を高める施策はぜひ実施しましょう。
具体的な施策としては「積極的な発言や挑戦を奨励する雰囲気づくり」「多様な意見を尊重する価値観の共有」「相談しやすい環境の構築」などが挙げられます。
部門間連携の課題解決に役立つツール紹介
部門間連携の課題を解決する施策の中でも、手軽に実施でき即効性が期待できるのがデジタルツールの導入です。
しかし、デジタルツールは種類が多岐にわたるため、自社に最適なものを選ぶのは容易ではありません。
ここでは、部門間連携の課題解決を支援するツールの主な機能、特徴、解決できる課題を紹介します。
ビジネスチャット
ビジネスチャットは、部門間連携におけるコミュニケーション課題の解決に役立つツールです。
リアルタイムでテキストやファイルを送受信でき、メールよりも手軽かつ迅速にやりとりができます。
基本的に短文で会話が進み、形式的な挨拶も最小限で済むため、他部門の従業員とも気軽にコミュニケーションをとれます。
また、グループチャット機能を使えば、複数人での情報共有や議論も可能です。
多くのユーザーが参加できるため、部門横断プロジェクトの連絡手段や、全社連絡用のツールとしても活躍します。
代表的なツールとして、Chatwork、Slack、LINE WORKSなどが挙げられます。
社内SNS
社内SNSは、従業員同士のコミュニケーション活性化と相互理解の促進に役立つデジタルツールです。
比較的カジュアルなデザインのものが多く、面識の少ない相手ともかしこまらずにコミュニケーションをとれます。
仕様はツールにより異なりますが、一般的なSNSのようなタイムラインや掲示板を使って交流するものが主流です。
有名なツールにはTalknoteやYammerなどがあります。
リアルタイム性ではビジネスチャットに劣る部分もあるものの、コミュニケーション不足や排他的な雰囲気の解消には有効なツールです。
Web会議ツール
Web会議ツールとは、音声と映像を用いてオンラインでコミュニケーションできるデジタルツールです。
対面に近い形でやりとりができるため、在宅勤務の従業員や遠隔地の相手とも円滑なコミュニケーションを実現します。
録画機能を活用すれば、会議の内容を手軽に共有できる点もメリットです。
マイクやカメラを備えたPCなどが必要になりますが、コミュニケーション課題の解決を目指すなら導入を検討しましょう。
日本の企業では、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどが広く利用されています。
Web社内報
Web社内報は、部門間の目標のずれや、企業理念が浸透していないといった課題の解決に役立つツールです。
クラウドなどを活用してデジタル形式の社内報を共有するもので、企業理念や各部門の取り組みなどを手軽に全社へ発信できます。
印刷や配布のコスト、手間がかからないため、社内報に予算を割けない企業や、拠点数が多い企業でも導入しやすいでしょう。
代表的なツールには、ザ社内報やourlyなどがあります。
グループウェア
グループウェアとは、社内の情報共有や業務効率化に役立つ複数の機能をパッケージ化したソフトウェアです。
スケジュール管理やファイル共有といった業務効率化ツールに加え、社内ポータルや掲示板、メッセージ機能などを備えています。
導入によってコミュニケーションと情報共有が円滑になるため、部門間連携を阻むさまざまな課題の解決に貢献します。
Google WorkspaceやMicrosoft 365が世界的に有名ですが、サイボウズ OfficeやNI Collabo 360といった国産ツールも広く利用されています。
部門間連携の課題を克服し、変化に強く持続的な成長を実現する組織へ
部門間連携は、企業のパフォーマンスと創造性を最大化し、顧客体験を最適化するために不可欠な取り組みです。
自社の課題を正確に把握し、適切な施策で解決していくことで、変化に強く成長しつづける組織を築くことができるでしょう。
コミュニケーション不足や目標の不一致・共有不足といった課題の解消には、ビジネスチャットツール「Chatwork」がおすすめです。
Chatworkは、連絡事項や共有事項などを、相手にスピーディーに届けられます。
さらに、従業員全員が参加するグループチャットを作成すれば、会社全体への連絡や目標の共有もスムーズにおこなえます。
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