無料で使えるナレッジ共有ツールの特徴や注意点は?選び方のポイントも解説

目次
「会社にナレッジが蓄積されず、属人化が起こっている」「円滑に共有できないために、効率が上がらない」などの悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。
しかし、有料のナレッジ共有ツールは定期的な費用や高額な導入費用が発生するため、導入に踏み切れない企業も少なくありません。
このような業務・コストの悩みを解決する選択肢のひとつが、無料のナレッジ共有ツールです。
本記事では、無料で使えるナレッジ共有ツールの特徴から、ツール運用のコツや注意点、選び方までわかりやすく解説します。
ナレッジ共有ツールとは?
ナレッジ共有ツールとは、価値のあるノウハウや経験、知識を適切に管理する取り組み「ナレッジマネジメント」をサポートするツールです。
社内に点在するノウハウや知識を組織全体の資産として蓄積し、誰もが活用できる状態にすることが主な役割です。
時間や場所を選ばず使えるツールが多いため、働き方の多様化が進み、市場環境の変化が激化する昨今のビジネスシーンにも対応が可能です。
ここからは、今注目されているナレッジ共有ツールの詳細とナレッジの種類、共有するメリットを解説します。
ナレッジ共有ツールの概要
ナレッジ共有ツールは、ノウハウや経験、知識を閲覧しやすい状態に変換した上で、一元的に管理できるツールのことです。
既存のファイルをクラウドで一元管理するタイプやWikipediaに似たタイプ、FAQ形式のものなど、さまざまな種類が存在します。
主な機能は以下のとおりです。
・ナレッジコンテンツの作成:ナレッジをテキスト中心のコンテンツとして保存する
・情報の検索:全文検索(ファイル名、コンテンツ内の文字が対象)によるナレッジ検索が可能
・フォルダ・タグの設定:複数のファイルを格納できるフォルダ、分類に役立つタグを使いナレッジを整理する機能
・ファイル共有:任意のファイルをツール上で共有する機能
・権限管理:閲覧や編集に関する権限を管理する機能
また、近年では一部の作業をサポート、または代行してくれるAIを搭載した製品もあります。
スプレッドシートやExcelよりもスムーズにナレッジを管理できるものも多いため、効率を重視するなら活用を検討しましょう。
ナレッジ(知識)の種類
ナレッジには、大きく分けて「形式知」と「暗黙知」の2種類があります。
形式知は言語化や可視化された知識を指す言葉で、マニュアルやガイドライン、手順書などが該当します。
一方の暗黙知は、言語化がされておらず、属人化しやすい知識のことです。
たとえば「長年培った感覚的なノウハウ」「クリエイティブに関するセンス」「ベテランならではの勘」などが暗黙知に分類されます。
暗黙知は感覚的な要素が大半を占めるため、言語化するためには多くの時間と手間がかかります。
しかし、言語化した上で共有できれば、企業に大きなメリットをもたらすため、適切に取り組むことが望ましいでしょう。
ナレッジを共有するメリット
ナレッジを共有する主なメリットは以下の4つです。
・業務標準化を実現しやすくなる:ノウハウや知識の全体共有により、誰もが同じ成果を出せるようになる「業務標準化」が実現しやすくなる
・生産性が高まる:効率的な方法の共有による、業務スピード・質の向上が期待できる
・教育コストを削減できる:マニュアルやノウハウの共有により、スムーズに教育を進められる
・問い合わせに関する業務を削減できる:ツール上で多くの疑問を解決できるため、問い合わせ件数が減る
また、他部門のナレッジを閲覧できるようにすれば、イノベーションやアイデアの創出にも役立ちます。
現場の業務を快適化できることはもちろん、ビジネスの成長にも役立つため、積極的に実施しましょう。
無料で使えるナレッジ共有ツールの特徴
ナレッジ共有ツールには、期間の制限なく無料で利用できるものがあります。
データベース機能やドキュメント作成、ファイル共有といった便利機能を無料で利用できるため、予算が限られている状況でも導入のハードルが低いでしょう。
欧米発の製品だけでなく、国産ツールも複数存在します。
配布形態については、Google Workspace・Google Driveのようなフリーミアムと、オープンソースソフトウェアの2種類があります。
フリーミアムは有料プランのお試し版、または制限版という位置付けではありますが、高度な機能を求めなければ十分便利に使えます。
オープンソースソフトウェアは無償(または低価格)で配布される、改変・再配布が可能なタイプで、導入の手間は必要ですが、すべての機能を利用できます。
無料ナレッジ共有ツールの注意点と限界
無料のナレッジ共有ツールの利用にあたって、事前に把握しておきたいのが注意点と限界です。
これらを導入前に理解しておけば「予想以上にコストがかかった」「導入が無駄になった」といったトラブルの防止につながります。
以下では、無料のナレッジ共有ツールを利用する際の注意点と、限界を解説します。
機能に制限がある
多くの無料のナレッジ共有ツールは、機能に制限があります。
なぜなら、サービスのほとんどが集客のために、無料プランの提供をおこなっているからです。
無料での提供は有料プランの顧客を増やすための施策であるため、基本機能以外の機能が制限されているケースがあります。
使えない機能はツールによって異なりますが、高度なユーザー管理・セキュリティ機能や編集履歴の確認、スマホアプリ対応などは有料プラン限定であることが多いようです。
また、AI搭載ツールに関しても、使用回数が大きく制限されている場合が多いため、注意が必要です。
利用人数やデータ容量に制限がある
利用人数やデータ容量に制限があることも、無料ナレッジ共有ツールの注意点です。
無料ツールだと、利用人数は5人〜10人程度であるケースがほとんどです。
データ容量については1GB〜5GB程度が一般的であるほか、利用できるページ数が制限されているサービスもあります。
そのため、多くのナレッジを共有したい、社員全員で使いたいといったニーズへの対応は難しいでしょう。
人的コストが発生する
無料のナレッジ共有ツールには、人的コストが発生することが多々あります。
とくに、オープンソースソフトウェア型ツールは、導入にサーバー環境の用意やシステム構築などの開発関連の作業が必要なため、多くの人的コストが発生しがちです。
導入や運用のためにエンジニアを雇用したり、外部に依頼したりすると、さらにコストが発生するでしょう。
また、フリーミアム型のツールも有料版のような手厚いサポートが受けられないため、トラブルや不具合への対処に多くの人的コストが発生します。
ツール自体の利用は無料ですが、導入・運用に人的コストがかかる点には注意が必要です。
無料ナレッジ共有ツールの選び方
せっかくナレッジ共有ツールを導入しても、成果が出せなかったり、使われなかったりしては意味がありません。
ここでは、無料ツールの選び方を解説します。
使いやすさをチェックする
無料のナレッジ共有ツールは、使いやすさを重視して選定するのがポイントです。
業種や拠点によっては、ITに詳しくない従業員が過半数を占めるケースも少なくありません。
仮に、運用や保守に専門知識が必要な多機能ツールを導入すると、利用が定着せず効率も上がらないという事態になるでしょう。
導入の手間を無駄にしないためにも、ナレッジ共有ツールは、ITに不慣れな人でも容易に操作できるものがおすすめです。
あわせて、自社のニーズに合った機能を備えているか、ナレッジマネジメントの効率を高める機能かを確認すると、相性のよいツールを見つけられます。
検索性の高さをチェックする
無料のナレッジ共有ツールは、検索性が高いものを選びましょう。
検索性が高いツールなら、必要なナレッジに素早くアクセスできるため、業務効率や生産性の向上にも大いに役立ちます。
検索性については、テキスト検索に対応しているか、ファイル名とファイル内の文字を対象にした全文検索に対応しているかを確認すると判断が可能です。
とくに、全文検索はスムーズな検索に欠かせない機能なので、できる限り対応したツールを選ぶことをおすすめします。
また、より高い検索性を求めるならカテゴリや作成者、タグによる絞り込み、AIを使った情報出力などに対応しているかも確認するとよいでしょう。
セキュリティ対策をチェックする
企業の重要な情報を蓄積するナレッジ共有ツールは、セキュリティが万全なものを選ぶことが望ましいです。
基本的に無料版であっても、十分なセキュリティを備えていますが、より高度なセキュリティを求めるなら機能と一緒にチェックしましょう。
具体的に確認したいのは以下のようなポイントです。
・情報セキュリティの国際規格(ISO 27001など)の認証を取得しているか
・多要素認証(ID/パスワード+認証アプリ・SMSなど)に対応しているか
・データと通信の両方が暗号化されているか
また、AI搭載ツールについては意図しない情報流出を防ぐためにも、入力データをAIの学習に使用しないかどうかを確認することをおすすめします。
外部ツールとの統合性・連携性をチェックする
外部ツールとの統合性や連携性をチェックすることも、無料ナレッジ共有ツールを選定する際のポイントです。
たとえば、ビジネスチャットと連携できるナレッジ共有ツールなら、ナレッジマネジメントが快適になり、社内にも定着しやすくなります。
連携内容についてはツールによっても異なりますが、その多くがナレッジの新規追加や更新時の通知をビジネスチャットに送れるようになっています。
ツールの種類や連携方法によっては、チャット上でのナレッジ追加や検索も可能です。
なお、定番の国産ビジネスチャットのChatworkは、多くのナレッジ共有ツールとの連携に対応しています。
主要なツールとの連携にも対応しているので、ぜひ連携させて快適にナレッジマネジメントを進めましょう。
ビジネスチャットでナレッジ共有に成功した事例3選
ビジネスチャットはナレッジ共有ツールと連携できるだけでなく、単体でもナレッジの共有と管理が可能です。
実際に多くの企業がナレッジや情報の共有手段として活用し、成果を挙げています。
ここでは、ビジネスチャットChatworkを使って快適なナレッジ共有を実現した成功事例を紹介します。
SES事業でのナレッジ共有・情報共有にビジネスチャットを活用
エンジニアを顧客に派遣するSES事業を主力とする株式会社システム技研は、従業員同士のコミュニケーション、情報共有の少なさに課題を感じていました。
所属するエンジニアは顧客の会社に常駐しているため、社員同士のやり取りもほとんどなかったそうです。
そこで同社は、課題解決の手段としてChatworkを導入します。
コミュニケーションハブとして運用したところ、社員同士の情報共有が円滑になり、メンバー間の交流も盛んになりました。
また、オンライン研修プログラムや業務に役立つ情報、ニュースなどのナレッジを共有するツールとしても活躍しているとのことです。
当事例の詳細については、以下のページで詳しく紹介されているので、ぜひご覧ください。
ナレッジ共有でクリエイティブ思考と業務効率化が加速
次に紹介するのは、だし関連製品を展開するマエカワテイスト株式会社の事例です。
紙の資料やメール、電話を情報共有の手段として活用していた同社は、情報管理の効率化と進捗の可視化を実現するためChatworkを導入します。
丁寧な説明会とマニュアルを活用し、全社に浸透させた結果、電話の回数が減り業務のスピード感が向上しました。
さらに、アイデアの投稿やナレッジ共有の場として活用することで、商品開発や業務改善に関するアイデアの収集・整理も容易になったそうです。
また、クリエイティブ思考と業務効率化の加速を実現した本事例の詳細は、以下のページより確認できます。
ビジネスチャットで横の連携を強化
3例目はビジネスチャットを活用し、横の連携を強化した御殿場高原ビール株式会社の事例です。
レストランの経営と地ビールの販売を手掛ける同社は、安否確認システムとメールを使った情報共有では、双方向の情報共有ができないことに課題を感じていました。
課題解決の手段としてChatworkを導入したところ、会社全体での情報共有が円滑におこなえるようになりました。
また、従来は口頭でおこなわれていた料理長同士の有益な情報交換をチャットに移行したことで、業務効率化やコスト削減も実現できたそうです。
事例の詳細については、以下のページで詳しく紹介されているので、ぜひご覧ください。
無料でナレッジ共有を実現しよう
ナレッジ共有ツールは、生産性や競争力の向上に欠かせないナレッジを全体に共有してくれる便利なツールです。
導入目的を周知した上で、適切なツールを導入すれば期待する効果を得やすくなります。
まずは、無料版の利用からスタートして、ナレッジの共有文化の育成やノウハウ・知識の蓄積などを進めていきましょう。
また、ナレッジ共有を加速させるなら、ビジネスチャット「Chatwork」の利用がおすすめです。
Chatworkなら主要なナレッジ共有ツールと連携できるほか、導入前の目的周知や普段の情報共有もスムーズに実施できます。
コストを抑えつつ、快適なナレッジ・情報共有を実現したいなら、無料で使えるChatworkをぜひ活用してみてください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。