SDGsはなぜ必要?SDGsの必要性と企業にもたらすメリット
目次
多くの企業や自治体が取り組みを進めている「SDGs(エスディージーズ)」ですが、そもそもSDGsがなぜ必要とされているのでしょうか。
SDGsの必要性をしっかりと把握しておかなければ、適切な取り組みをおこなうことはできません。
SDGsの必要性を、企業がSDGsに取り組むメリットやSDGsが採択された経緯や掲げられている目標から考えていきましょう。
SDGsはなぜ必要?SDGsが採択された経緯
そもそもSDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
あらゆる業界で耳にするSDGsですが、採択された背景には何があるのでしょうか。
2015年の国連サミットで、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すための国際社会の目標としてSDGsは採択されました。
このような目標が採択されたのは初めてではなく、その前身として存在していたのが「MDGs(エムディージーズ)」です。
2000年の国連サミットで採択されたMDGsは「ミレニアム開発目標」とも呼ばれ、8つの目標が定められていました。
MDGsは、「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「初等教育の完全普及の達成」など、開発途上国を支援するための目標が中心であるのが特徴です。
しかし、MDGsは先進国がルールが決められていたことや地域の偏りもあり、満足な結果を達成できずに2015年を迎えました。
このMDGsが2015年に達成期限を迎えたため、MDGsに代わる新たな目標としてSDGsが採択されたのです。
SDGsは開発途上国のみならず、先進国自身も取り組むユニバーサル(普遍的)なものであるとされています。[※1]
SDGsで掲げられた17の目標
SDGsは、下記の17の目標と、具体的な169のターゲットで構成されており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
1 | 貧困をなくそう |
---|---|
2 | 飢餓をゼロに |
3 | すべての人に健康と福祉を |
4 | 質の高い教育をみんなに |
5 | ジェンダー平等を実現しよう |
6 | 安全な水をトイレを世界中に |
7 | エネルギーをみんなに。そしてクリーンに |
8 | 働きがいも経済成長も |
9 | 産業と技術革新の基盤をつくろう |
10 | 人や国の不平等をなくそう |
11 | 住み続けられるまちづくりを |
12 | つくる責任、つかう責任 |
13 | 気候変動に具体的な対策を |
14 | 海の豊かさを守ろう |
15 | 陸の豊かさも守ろう |
16 | 平和と公正をすべての人に |
17 | パートナーシップで目標を達成しよう |
SDGsの目標には、目標11「住み続けられるまちづくりを」や、目標13「気候変動に具体的な対策を」などからわかるように、開発途上国だけでなく、先進国も取り組むべき目標が盛り込まれています。[※2]
SDGsはなぜ必要?SDGsが注目される背景
世界共通の目標として採択されたSDGsですが、そもそもなぜ必要なのでしょうか。
SDGsの必要性が注目された背景となる理由を見ていきましょう。
国連によるESGに関する提言
まず、金融業界が企業に投資する際、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の略称である「ESG」を反映するよう国連が金融業界に提言したことが挙げられます。
つまり、企業の財務情報だけを見るのではなく、環境や社会への責任を果たしているかどうかを重視すべきだという提言がされたのです。
この提言をもとに日本でも、世界最大級の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRII(責任投資原則)に署名し、ESGに関する情報開示の重要性が徐々に認知されるようになりました。
そして、このESGを考えるうえでSDGsが重要な指標となっています。
社会課題に対する危機意識の高まり
次に、社会課題に対する危機意識が高まってきていることが挙げられます。
これまでにも地球温暖化や食糧不足などを解決するための目標は国内外で定められてきましたが、それでもなお経済成長を優先するという考えが根強く残っていました。
しかし、毎年のように水害の発生や、南極や北極の氷が減少など、地球温暖化の影響で食物が育たなくなるなど、気候変動や食糧不足に関する問題が明確化しています。
こうした社会課題への危機意識が高まることで、SDGsのような世界共通の目標の重要性が認識されるようになってきたのです。
ビジネスチャンスの認識
最後に、SDGsがビジネスチャンスになるという認識が広まってきていることが挙げられます。
SDGsで言及されている社会課題を地球規模の「需要」ととらえ、その需要を満たすサービスや製品を提供することがビジネスチャンスにつながるとされているのです。
たとえば、生産過程で生じる廃棄物が少なくなる商品開発に取り組んだり、開発途上国の人々の雇用を創出したりすることは、SDGs達成に貢献するだけでなく、自社の事業拡大にもつながるでしょう。
SDGsの必要性を企業へのメリットから考える
企業からの視点に絞って見たとき、SDGsはなぜ必要なのでしょうか。
企業がSDGsに取り組むメリットから、SDGsの必要性を見ていきましょう。
新規事業創出につながる
SDGsに取り組むことで、新規事業の創出につながります。
これまで重点的に取り組まれていなかったものの、早急な対応が求められる課題がSDGsには多く盛り込まれており、そうした課題を解決するためには、これまでにはなかったビジネスモデルを一から考える必要も出てくるからです。
もちろん、既存事業を拡大することで取り組めるSDGsの課題もあります。
しかし、現代では成熟した市場が多く存在するなかで、SDGsに関連する事業は開拓の余地があるといえるでしょう。
企業のイメージアップにつながる
SDGsは世界共通の目標であり、SDGsに取り組む企業は社会への責任を果たしている組織として認知され、イメージアップしやすい傾向にあります。
SDGs達成に向けた企業独自の目標を掲げても、活動が伴っていないとむしろ信頼を失うことになります。
しかし、目標を掲げたうえで実行し、その結果を社外に発表することで、イメージアップにつながるでしょう。
SDGsをとおして先進的な取り組みをおこなえば、それが企業が注目されるきっかけとなり、優秀な人材の確保も期待されます。
製品やサービスに付加価値が生まれる
製品やサービスに付加価値が生まれることも、SDGsに取り組むメリットです。
たとえば、環境に配慮した素材を製品に使ったり、二酸化炭素を出さない方法で生産したりすることで、最終製品の見た目や機能が同じであったとしても、付加価値が生まれるでしょう。
製品やサービスの付加価値は、消費者が購入を決める際の判断材料のひとつとなり、結果的に自社の売上向上にもつながります。
資金調達が有利になる
SDGsが注目された背景でご紹介したように、ESGを反映した投資が世界規模で推進されており、このESGを考えるうえでSDGsが重要な指標となっています。
そして、財務情報をもとにした企業の評価だけに頼らないESG投資の比重は、今後も高まっていくと考えられています。
そのため、SDGsに積極的に取り組むことでESG投資の対象として見なされ、資金調達が有利になるでしょう。
SDGsの必要性を理解しましょう!
SDGsが必要とされる背景には、ESG投資の推進や社会課題への認識の高まりがありました。
企業がSDGsに取り組むことは、SDGsの目標達成に貢献するだけでなく、企業価値を創造することにも繋がります。
たとえば、「書類を電子化する」「テレワークやリモートワークなどの多様な働き方を尊重する」などの取り組みは、ビジネスチャットの活用が取り組みの後押しとなります。
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[※1]出典:外務省「(ODA) ミレニアム開発目標(MDGs) 」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html
[※2]出典:United Nations Development Programme「持続可能な開発目標(SDGs) 」
https://www.undp.org/ja/japan/sustainable-development-goals
※本記事は、2021年8月時点の情報をもとに作成しています。