ムーンショット計画とは?内閣府がとりくむ9つの目標や意味、目的を解説

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働き方改革
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ムーンショット計画とは?内閣府がとりくむ9つの目標や意味、目的を解説

目次

ムーンショット計画とは、内閣府が立案した、人々の幸福の実現を目指した壮大な計画のことです。

ムーンショット計画には9つの目標があり、いずれも達成期限が決められています。

ムーンショット計画の実現がどのように人々の生活をよくするのか、9つの目標の内容や意味を解説します。

ムーンショット計画とは

ムーンショット計画とは、2020年1月に開催された「第48回総合科学技術・イノベーション会議」で議論され、内閣府が立案した計画で、人々の幸福の実現を目指しています。

ムーンショット計画の由来は、前代未聞の月面着陸を計画した「アポロ計画」を第35代アメリカ大統領のJ.F.ケネディが有言実行したことにあります。

J.F.ケネディが「ロケットを月に向かって打ち上げる」という壮大な計画を成功させ、人々に衝撃や感動を与えたことから、ムーンショット計画は、困難な目標を達成した場合に社会に多大な影響をもたらす計画のことを指すようになりました。

ムーンショット計画の目的

ムーンショット計画の目的は、人々の幸福を実現することです。

現在の少子高齢化社会を切りひらき、誰もが夢を追求できる社会や、高齢になっても健康の不安なく、人生を楽しめる社会の実現を目指しています。[※1]

ムーンショット計画が目指す社会

ムーンショット計画により、年齢や価値観に関係なく、多様なライフスタイルを追求できる社会や、サイバネティック・アバターの活用により、ネットワーク上で国際的なプラットフォームを開発し、さまざまな企業や個人が参加した新ビジネスの実現などを目指しています。

また、空間と時間の制約を超えた新しい産業や、人間の能力拡張技術とAI技術を活用したさまざまなサービスの創出も目標としています。

ムーンショット計画の背景

ムーンショット計画が立案された背景を解説します。

少子高齢化社会

日本は現在少子高齢化社会であり、働く世代の人口が減少した場合、労働力減少によって競争社会で優位に立てなくなる恐れがあります。

また、同様の人口問題を抱える諸国もあるため、日本は課題先進国として課題解決を目指すにあたり、ムーンショット計画を立案しました。

多様性の実現

人生100年時代といわれる現代において、若年層のみでなく高齢層も、さまざまな価値観や背景から自らのライフスタイルを追求したいと望んでいるでしょう。

そのため、年齢や価値観に関わらず、人々がさまざまなライフスタイルを追求し多様性を実現できる社会が求められています。

>ダイバーシティ推進のメリットに関する記事はこちら

技術革新

現代はIT技術が急速に発達していますが、人々がさらに暮らしやすい社会を実現するためには、技術革新が必要です。

身体能力、時間、距離の制約を技術革新によって解決することで、多様な人々のライフスタイルを実現できるでしょう。

内閣府がかかげる9つのムーンショット目標とは

内閣府は、ムーンショット目標として、以下の9つの目標を掲げています。[※1]

  1. 身体・脳・空間・時間の制約からの解放
  2. 疾患の超早期予測・予防
  3. 自ら学習・行動し、人と共生するAIロボット
  4. 地球環境の再生
  5. 2050年の食と農
  6. 誤り耐性型汎用量子コンピュータ
  7. 健康不安なく100歳まで
  8. 気象制御による極端風水害の軽減
  9. こころの安らぎや活力を増大

それぞれの目標について詳しく見ていきましょう。

目標(1):身体・脳・空間・時間の制約からの解放

身体・脳・空間・時間の制約からの解放は、2050年までに目指している目標で、人の能力を拡張し、年齢に関わらず多様なライフスタイルを実現できるようにします。

また、少子高齢化により働く世代の人口の減少が懸念されるため、サイバネティック・アバターを活用して新たなビジネスの実現や、AIロボットとの調和によりさまざまなサービスの創出が目指されています。

目標(2):疾患の超早期予測・予防

疾患の超早期予測・予防は2050年までの目標で、疾患の発症予防や抑制したり、未病の状態から健康状態に引き戻す方法を確立したりすることを目指しています。

また、疾患の発症メカニズムを解明することで、社会問題の解決や医療技術の発展も目標のひとつです。

目標(3):自ら学習・行動し、人と共生するAIロボット

自ら学習・行動し、人と共生するAIロボットは2050年までの目標で、人と同等以上の身体能力を持ち、人とともに成長する、違和感のないAIロボットや、問題解決の方法を自動的に発見するAIロボットの開発を目指しています。

AIロボットの開発により、完全無人化による産業革新や宇宙への進出をビジョンにかかげています。

目標(4):地球環境の再生

地球環境の再生は2050年までの目標で、資源循環技術を世界的に普及させ、温室効果ガスや環境汚染物質の削減を目指しています。

また、人間の生産力や消費活動を減退させることなく、地球温暖化問題などの現在抱える環境問題の解決を目指し、地球環境を再生させます。

目標(5):2050年の食と農

2050年の食と農は2050年までの目標で、地球規模での持続的な食料供給産業の創出を目指しており、微生物や昆虫の生物機能を活用したり、食料の無駄をなくす解決法を開発したりします。

また、食で健康になるために、化学肥料や農薬を活用しない生産も目指されています。

目標(6):誤り耐性型汎用量子コンピュータ

誤り耐性型汎用量子コンピュータとは、さまざまな用途に活用できるほどの精度をもつ量子コンピュータのことを指し、2050年までの実現を目指しています。

量子コンピュータなどの量子技術の発達により、社会システムが変革されたり、情報の安全性が高まったりします。

目標(7):健康不安なく100歳まで

健康不安なく100歳までという目標は、疾患の予防や克服により、健康の不安なく100歳まで人生を楽しむための医療や介護システムの実現を2040年までに目指しています。

目標とされているメディカルネットワークの構築により、家庭で簡単な検査ができたり、災害時にも十分な治療を受けられたりします。

目標(8):気象制御による極端風水害の軽減

気象制御による極端風水害の軽減は、台風などの風水害の強度やタイミング、発生範囲を制御することで、2050年までに風水害による被害の軽減を目指しています。

近年増加している風水害の発生により、経済や人命に大きな影響が及んでいることから、喫緊の課題としてとりあげられています。

目標(9):こころの安らぎや活力を増大

こころの安らぎや活力を増大させるという目標は、こころの安らぎを増大させ、精神的に豊かで躍動的な社会の実現を2050年を期限にして目指しています。

こころの安らぎを増大させる技術やサービスの開発によって、うつ病や格差、自殺などの社会問題を解決し、人々が多様性を受けいれたり、他者に寄り添えたりする平和な社会になります。

ムーンショット計画にとりくむ企業

ムーンショット計画にとりくんでいる企業があるため、事例を紹介します。

ロボットと共生する街をつくる企業

本来の利用を終えた土地を再活用するため、ロボットと共生する街づくりを目指す企業があります。

自動車の自動化や、住居にロボット技術をとりいれるなど、ロボットと人が共生する街を構築しています。

大規模量子コンピュータの実現を目指す企業

製造業の企業は、大規模量子コンピュータの開発にとりくんでおり、ムーンショット計画の目標6と同様、2050年を実現目標としています。

企業のムーンショット計画に求められること

企業がムーンショット計画にとりくむ際に求められることを解説します。

チームワーク

ムーンショット計画は、実現が困難な壮大な目標に向かってとりくむことのため、チームの方向性に違いがあったり、一人だけが注力したりする場合には、目標達成が難しいかもしれません。

それぞれの社員が目標達成のメリットを理解し、一致団結してとりくむことが、ムーンショット計画の実現につながるでしょう。

プロジェクトマネジメント

期限を決めたムーンショット計画を達成するためには、達成に向けたとりくみや期日を詳細に計画する必要があります。

漠然とした計画では、とりくみの進捗状況が把握しづらく、やることの漏れが生じるかもしれないため、詳細に立てた計画に沿って都度進捗状況を確認しながら進めていきましょう。

>プロジェクトマネジメントの代表的な手法に関する記事はこちら

優れたムーンショット計画にするポイント

ムーンショット計画を優れたものにするために、3つのポイントをおさえましょう。

Inspire

Inspireとは、英語で「鼓舞する」「発奮させる」などの意味があります。

ムーンショット計画の内容は、人々を鼓舞し、期待させるような魅力ある目標にすることが求められます。

消費者や社員が計画の実現に期待した場合、企業が消費者に対し購買意欲を高めさせたり、社員に対し働くモチベーションをあげさせたりしなくても、支持されるでしょう。

Credible

Credibleは、英語で「信頼できる」ことを意味します。

ムーンショット計画に根拠がなかったり実現可能性が皆無だったりした場合、人々からの信頼を得られず支持されない恐れがあります。

また、そもそも実現のイメージがつかめず、計画すら立てられないかもしれません。

そのため、ムーンショット計画は根拠や事実に基づいて計画しましょう。

Imaginative

Imaginativeは、英語で「想像力に富む」ことを意味します。

ムーンショット計画は壮大な計画なため、既存の商品やサービスを少し改良したり、誰もが思いつき実現できそうなことを考えたりしても、人々を魅了できないかもしれません。

ムーンショット計画で実現する目標は、斬新な発想力で導き出した、人々を期待させるものがいいでしょう。

ムーンショット計画実現に向けて「Chatwork」を活用しよう

ムーンショット計画とは、困難な目標を達成した場合に社会に多大な影響をもたらす計画を指します。

ムーンショット計画は壮大な内容であり、目標達成するためには本記事で紹介したように、チームワークやモチベーションの維持が重要です。

チームでコミュニケーションを密にとり、チームワークを高めるためにビジネスチャット「Chatwork」の活用をおすすめします。

ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式で気軽にコミュニケーションがとれるため、チーム内でムーンショット計画における悩みや相談がしやすいです。

タスク管理機能もあるため、ムーンショット計画の進捗どおりに業務を進められたり、チームのタスクが完了したかの確認もできたりします。

> Chatworkのタスク管理機能に関する記事はこちら

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[※1]ムーンショット目標
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/target.html

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

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