「事なかれ主義」とは?意味や陥りやすい人の特徴、防ぐ方法を解説

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働き方改革
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「事なかれ主義」とは?意味や陥りやすい人の特徴、防ぐ方法を解説

目次

「事なかれ主義」の従業員が多い企業は、生産性を高められずに企業の成長が鈍化したり、衰退したりするかもしれません。

従業員が意欲的に業務に取り組み、企業が成長していくためにも、事なかれ主義の従業員を減らしたり、発生を防いだりする対策が重要です。

「事なかれ主義」の意味や具体例、事なかれ主義を防ぐ職場環境の作り方を解説します。

「事なかれ主義」とは

「事なかれ主義」とは、波風が立つ状況を避け、物事を穏便に済ませようとする態度や考え方を意味する言葉です。

「事なかれ主義」という言葉は、「事なかれ」と「主義」から成り立ち、「なかれ」は「なし」の命令形「勿れ(なかれ)」で、「重大な事態を起こすことなかれ」という意味を表し、「思想」を意味する「主義」を添えて、「波風を立たせず、平和的に済ませようとする思想」を指してます。

職場の事なかれ主義による悪影響

職場に事なかれ主義がいると、周りの人や企業に悪影響をおよぼします。

職場に事なかれ主義がいる状況における悪影響を紹介します。

保守的になってしまう

事なかれ主義の人は何事も穏便に済ませたいと考えているため、新たな物事にチャレンジせず、保守的になってしまう傾向があります。

事なかれ主義の従業員が職場にいると、チームの行動が守りに徹してしまい、事業が時代の変化に追いつけず、企業の成長を妨げたり、衰退させたりするかもしれません。

指示待ちになってしまう

事なかれ主義の従業員は、問題を起こさないようにするために、積極的な行動を避けようとします。

指示待ち状態の事なかれ主義の従業員が職場にいると、チームにも受け身な姿勢が広がり、スピーディな業務遂行が難しくなるでしょう。

業務の進捗の遅れや停滞は、企業の生産性の低下につながります。

事なかれ主義に陥りやすい人の特徴

事なかれ主義に陥りやすい人には、以下のような特徴があります。

  • 自分に自信がない
  • 当事者意識がな
  • 責任感がない
  • 向上心がない
  • 自己保身に走る
  • 争いを避けたい

職場にいる事なかれ主義の人を減らしたいと考える場合は、まずは事なかれ主義になりやすい人の特徴を確認しておくと、対処しやすくなるでしょう。

自分に自信がない

事なかれ主義に陥りやすい人は、自分に自信がないという特徴があります。

自分に自信がなくて決断や判断ができないため、物事に関わろうと思わなかったり、他者に判断を任せたりします。

当事者意識がない

当事者意識がない人も、事なかれ主義に陥りやすいです。

業務を円滑に進めるには、当事者意識をもち積極的に行動する姿勢が求められます。

しかし、当事者意識がないと、自分で考えて必要な行動をとれなかったり、意見をもてなかったりします。

責任感がない

事なかれ主義に陥りやすい人は、責任感がない傾向があります。

自分の不手際でミスやトラブルが生じても、「指示が悪かった」「タイミングが悪かった」などと他者や環境のせいにして、自責の念を抱きません。

また、責任を負わないために、重要な仕事を避けたり、言われた仕事のみに従事したりします。

向上心がない

向上心がなく、変化を嫌う姿勢も、事なかれ主義に陥りやすい人の特徴といえます。

現状の安定した業務に慣れている人は、面倒ごとが増える状況を避けるために、さらなる成果を出したり、職場をよりよくしたりといったポジティブな行動に対する意欲がない傾向です。

自己保身に走る

他者からの評価が下がる状況や、自分のミスが原因で怒られる状況に対して恐れを抱く人も、事なかれ主義に陥りやすいでしょう。

たとえば、ミスをした際に隠してしまったり、失敗を恐れて新たな業務へのチャレンジを避けたりする傾向があります。

また、自分に責任が生じるのを恐れて、トラブルの種をわざと見過ごすケースもあるでしょう。

争いを避けたい

事なかれ主義に陥りやすい人の特徴として、他者との争いを避けるために、相手に合わせようとする姿勢も挙げられます。

他者との競争を面倒に感じたり、相手に嫌われることを恐れたりして、相手の意見に賛同するため、状況によって発言内容が異なるケースが多いです。

事なかれ主義が発生しやすい職場の特徴

事なかれ主義が発生しやすい職場には、特徴があります。

自社が、事なかれ主義が発生しやすい職場の特徴に当てはまっていないか、確認しましょう。

失敗やミスに厳しい環境

失敗やミスに厳しい職場は、事なかれ主義が発生しやすいです。

失敗やミスをした社員に対し、必要以上に叱責する、評価を大きく下げるというような厳しい環境では、失敗やミスを恐れる社員から挑戦意欲が消え、指示された内容にしか従事しないといった状態になる恐れがあります。

正当な評価がされない環境

正当な評価がされない職場環境は、従業員のモチベーションを低下させるため、必要最低限の業務しかしない事なかれ主義が発生しやすいでしょう。

たとえば、業績に貢献しているのに評価が低い、評価基準が曖昧で頑張っても頑張らなくても評価が変わらないなどの状態は、従業員の向上心を削ぐ可能性が高いです。

お互いに協力や感謝がされない環境

従業員がおこなう業務や作業を「やって当たり前」と考え、協力や感謝がない環境は、従業員の業務意欲を減退させ、事なかれ主義を生じさせます。

困っていても助けてもらえない、アイデアや意見を出して業務効率化をはかれても感謝されないような職場では、従業員はネガティブな感情を抱き、業務へ積極的に取り組まなくなるでしょう。

事なかれ主義の具体例

事なかれ主義の人が職場で起こしがちな行動の具体例を紹介します。

  • 見て見ぬ振りをしてしまう
  • 意見に一貫性がなくなってしまう
  • 問題を先送りにしてしまう

それぞれについて詳しく解説していきます。

見て見ぬ振りをしてしまう

事なかれ主義の人は、職場で発生しているトラブルを見て見ぬ振りをする傾向があります。

業務におけるクレームなどのトラブルや人間関係の不和、ミスなども見て見ぬ振りをして、自分にも責任が及ぶ可能性がある関わりを避けようとするでしょう。

また、トラブルを未然に防ぐために、マニュアルや既存のやり方にこだわり、従業員の前例にない考えなどを一蹴する振る舞いもみられます。

意見に一貫性がなくなってしまう

事なかれ主義の人は、相手によって自分の考えや意見を変えるため、一貫性のない発言をします。

他者に嫌われることや他者との競争を恐れる傾向がある事なかれ主義の人は、自分の意見をもっている場合でも、あえて隠して相手に賛同するでしょう。

問題を先送りにしてしまう

目の前にある問題の先送りは、事なかれ主義の人が起こしがちな行動です。

解決しなければならない問題があるにも関わらず、面倒だと感じたり争いや失敗を恐れたりして先送りにし、他者が解決してくれるのを待つ傾向があります。

事なかれ主義の従業員を減らす方法

事なかれ主義の従業員が社内に多いと、チームメンバーや企業によい影響を与えません。

自社の従業員の意欲的な活動や企業の成長のためにも、事なかれ主義の従業員を減らす取り組みが重要です。

事なかれ主義の従業員を減らす方法を解説します。

責任感をもたせる

事なかれ主義の従業員は、責任感がない傾向があるため、責任感を芽生えさせると効果がある可能性があります。

たとえば、日常業務や会議などで発言させる機会を設けると、他者に自分の意見やアイデアを聞かれる状況におかれるため、発言に対する責任感の芽生えにつながるでしょう。

また、従業員に対して期待役割を伝えると、業務意欲向上につながり、責任感をもって仕事に取り組んでもらえると考えられます。

>ビジネスシーンにおける責任感の必要性に関する記事はこちら

難易度が高い業務を割り振る

普段の業務よりも難易度が高い業務を割り振ると、向上心や責任感が芽生えるため、事なかれ主義の従業員を減らすことにつながるでしょう。

やり慣れている安定した業務ばかりをおこなっていると、従業員の変化に対する恐怖が強くなり、事なかれ主義が助長する恐れがあります。

難易度が高い業務を与えれば、従業員に責任感が生じるだけでなく、期待役割も伝えられるため、モチベーションも上げられます。

成功体験をさせる

事なかれ主義の人は、自分に自信がない傾向があるため、成功体験を積ませて自信をつけさせる取り組みも効果的です。

まずは、小さな目標を設定し事なかれ主義の従業員に達成させて、自信をつけさせたり、業務に対する意欲を向上させたりしましょう。

最初から大きな目標を設定すると、失敗のリスクが高くなり自信を大きく削ぐ状態になりかねないため、小さな目標から徐々に大きな目標を設定していく進め方がポイントです。

事なかれ主義を防ぐ職場環境とは

事なかれ主義の従業員を減らすだけでなく、そもそも事なかれ主義を発生させないことが大切です。

事なかれ主義の従業員を発生させない職場環境のポイントと作り方を解説します。

  • 安心して発言できる環境
  • 挑戦する姿勢を評価する環境
  • 正当な評価が受けられる環境
  • 多様性を認める環境
  • お互いに協力・感謝しあえる環境

ひとつずつ詳しくみていきましょう。

安心して発言できる環境

従業員が安心して発言できる環境は、事なかれ主義に陥りにくい意識の醸成につながります。

発言すると傾聴してもらえる、ひとつの意見としてうけいれてもらえるという職場環境は、発言に対する心理的ハードルを下げ、自分の意見を伝えやすくなるため、よりよいアイデアを積極的に出せるなど、能動的な業務を実現できるでしょう。

挑戦する姿勢を評価する環境

ミスや失敗に注目するのではなく、新たな物事や難しい業務に挑戦する姿勢を評価する職場環境は、挑戦的で向上心のある従業員を育むことにつながるため、事なかれ主義の従業員が発生しづらいです。

挑戦によってミスや失敗があったとしても、挑戦内容や結果までの過程を評価するようにすると、従業員に再度挑戦する意欲を高められます。

正当な評価が受けられる環境

従業員のやる気を削ぎ、事なかれ主義にさせないために、評価基準を明確にした正当な評価が大切です。

明確な評価基準を設けたり、評価の理由を従業員に伝えたりすると、従業員が自らの評価アップに必要な行動がわかるため、能動的な業務が期待できます。

多様性を認める環境

人によって考え方や価値観はさまざまであり、自社になかったような意見やアイデアの取り込みにより、企業が大きく成長するケースもあるでしょう。

そのため、前例にない、自社の慣習に合わないなどを理由にして従業員の意見を却下するのではなく、多様性を認め、ひとりひとりの意見に耳を傾ける環境が従業員の自主性を伸ばし、事なかれ主義の発生防止につながります。

>多様性とダイバーシティマネジメントに関する記事はこちら

お互いに協力・感謝しあえる環境

お互いに協力や感謝しあえる職場環境は、従業員の自己肯定感や働きやすさが向上するため、モチベーションアップが期待できます。

実際に業務を協力して遂行したり、感謝を言葉で伝えたりする取り組みも大切ですが、ピアボーナス制度の導入もおすすめです。

ピアボーナス制度とは、感謝の気持ちを報酬として従業員同士が送り合う制度をいい、感謝の思いが金銭となっているため、他者の役に立っていることや社員の一員として働けていることを実感できるメリットがあります。

ピアボーナス制度の導入によって社内にポジティブなコミュニケーションが増えると、事なかれ主義の従業員も居心地のよさを感じ、前向きに業務に取り組むかもしれません。

事なかれ主義を発生させないために「Chatwork」

「事なかれ主義」とは、波風が立つ状況を避け、物事を穏便に済ませようとする態度や考え方を指します。

事なかれ主義の従業員が組織にいると、周りの人や企業に悪影響を及ぼすため、事なかれ主義を発生させない取り組みが大切です。

事なかれ主義を発生させない職場環境作りに、ビジネスチャット「Chatwork」を活用できます。

ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式でメッセージが送れるため、気軽なコミュニケーションを実現でき、意見やアイデアも発言しやすいです。

また、チームのグループチャットを作成すれば、お互いの進捗確認が容易にでき、遅れているメンバーの早期フォローも可能です。

事なかれ主義の発生を防ぎ、従業員が意欲的に業務に取り組めるように、ビジネスチャット「Chatwork」の導入をぜひご検討ください。

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