ジョブホッパーとは?採用のメリット・デメリットや注意点を解説

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ジョブホッパーとは?採用のメリット・デメリットや注意点を解説

目次

「ジョブホッパー」とは、短い期間に何度も転職を繰り返す人を指す言葉です。

日本ではあまり聞き馴染みのない言葉ですが、海外では、好待遇やスキルアップを目指して転職を選択する人も多く、ネガティブなニュアンスをもつ言葉ではありません。

本記事では、ジョブホッパーを採用するメリット・デメリットや、採用する際の注意点、優秀なジョブホッパーを見極める方法を解説します。

「ジョブホッパー」とは

「ジョブホッパー」とは、短期間のうちに何度も転職を繰り返す人を指す言葉です。

ひとつの会社における在籍期間が3年以内の人を指す場合が多く、ひとつの会社に定着しない働き方をする特徴があります。

「ジョブホッパー」は、日本とは異なる雇用形態や評価制度、ライフスタイルをもつ海外から広まった言葉で、好待遇やスキルアップを目指して転職をする人を指す言葉のため、本来ネガティブなニュアンスをもつ言葉ではありません。

しかし、日本では、終身雇用制度などの考え方が根強く残る影響もあり、「転職を繰り返す」という行為事態にネガティブな印象をもたれるケースは少なくありません。

もちろん、ジョブホッパーの中には、目的や目標がなく、転職を繰り返している人もいるでしょう。

このようなジョブホッパーを採用してしまうと、企業側もマイナスな影響を受けてしまいかねないため、注意が必要です。

ジョブホッパーを正しく認識し、優秀なジョブホッパーを見極めるためにも、ジョブホッパーの特徴や採用するメリット・デメリットを詳しく確認していきましょう。

ジョブホッパーと見なされる目安

短い期間に転職を繰り返す人を「ジョブホッパー」と呼びますが、短い期間の目安としては、3年以内を指す場合が多いです。

たとえば、30代の転職回数が3~4回以上あり、どの会社でも1~3年以内に辞めているといったケースがあげられます。

ただしジョブホッパーに、「○年以内に○回以上」といった正確な定義や規定はないため、3年以内が4年以内になったり、5回以上が3回以上になったりというケースも考えられます。

一概に転職回数が多い人をジョブホッパーと呼ぶのではなく、年齢やスキル、社会人経験などに応じて、ジョブホッパーが否かを判断するようにしましょう。

ジョブホッパーとキャリアビルダーの違い

ジョブホッパーと似ている言葉に「キャリアビルダー」という言葉があげられます。

キャリアビルダーとは、短い期間で会社を辞めて転職を繰り返す人を指す言葉で、期間や回数においては、ジョブホッパーと重なる部分もあるといえます。

ただし、キャリアビルダーは、転職を繰り返したとしても、業種や職種が一貫性があり、計画的であるという点で、ジョブホッパーと異なります。

ジョブホッパーの場合は、好待遇やスキルアップを目指して、業種や職種が統一されていないというケースも少なくありません。

ジョブホッパーとキャリアビルダーは、転職を繰り返すという点では似ていますが、その目的や計画性が異なる点を覚えておきましょう。

たとえば、IT業界のエンジニアはキャリアビルダーが多いといわれています。

ジョブホッパーの特徴

ジョブホッパーと呼ばれる人には、いくつかの共通点があります。

本記事では、ジョブホッパーに共通する特徴の例を4つ紹介します。

  • 行動力がある
  • 自分の考えを大切にしている
  • 自分に自信がある
  • 飽きやすい

特徴や傾向は、ジョブホッパーを採用する際にも考慮しておきたいポイントのため、それぞれ詳しくみていきましょう。

行動力がある

ジョブホッパーは、「行動するほうが、結果がでるのが速い」という考えをもっている傾向があります。

たとえば、自分にあわない仕事をしている場合や、人間関係にストレスがある場合でも、転職を選択できない人は多くいるでしょう。

「次の仕事が見つからなかったらどうしよう」という不安や、「次の職場でもうまくいかないかもしれない」という不安があると、なかなか行動にうつすことはできません。

しかし、ジョブホッパーは、なにか別のことに挑戦したいと感じたら、速やかに行動できるため、転職をすぐに選択できます。

仕事においては、積極性があるため、改善点や意見を主張できるといった強みもあります。

自分の考え方を大切にする

ジョブホッパーは、自分の考えを大切にする特徴もあります。

自分の意見をしっかりともっていると、多数派の意見に流されてしまうこともなく、自分なりの信念に照らし合わせて行動できるでしょう。

ただし、こだわりが強い分、協調性が失われてしまう側面もあります。

自信がある

ジョブホッパーは、自分の能力や経歴に自信をもっている傾向があります。

複数回の転職を通じて、さまざまな経験をしているため、「成果を出せるだけの能力を備えている」と考えています。

>自信がある人・ない人の特徴とは?に関する記事はこちら

ジョブホッパーを採用するメリット

短い期間に転職を繰り返すジョブホッパーは、どのような採用するメリットがあるのでしょうか。

ジョブホッパーを採用するメリットを4つ解説します。

  • 経験が豊富
  • 成長意欲がある
  • 判断能力が高い
  • コミュニケーション能力がある

デメリットも後述するので、メリットと照らし合わせて、採用するかどうかを検討してみてください。

経験が豊富である

ジョブホッパーは、転職を繰り返している分、さまざまな業界や職種での経験があります。

そのため、長年同じ企業で働いている社員と比較すると、多角的に物事を捉えられるという側面があるでしょう。

多角的な視点で物事を捉えられると、いままでにはない新しいアイデアや、斬新な考えが生まれてくる可能性もあるため、事業アイデアを生み出すきっかけになるかもしれません。

また、ジョブホッパーがもっている知識やノウハウを社内に展開できれば、企業の財産にすることもできるでしょう。

成長する意欲がある

ジョブホッパーは、新しい物事に挑戦したり、高みを目指したりする取り組みを好むため、成長意欲が強い傾向があります。

このような従業員が職場にいると、周囲の従業員も影響され、おのおのが主体的に動ける組織へと成長できるでしょう。

判断能力が高い

ジョブホッパーは、見切りをつけるのが早い傾向にあります。

たとえば、社風や仕事内容、人間関係などがあわないと感じた場合、すぐに別の職場に転職するための活動を始められます。

職場に判断能力が高い人がいると、仕事の処理スピードが上がったり、物事を前に進めやすくなったりなどのメリットを期待できます。

コミュニケーション能力がある

ジョブホッパーは、さまざまな職種や業界を経験しているため、人脈が広く、相手の立場や年代に合わせたコミュニケーションをとることができます。

社会人経験も豊富なため、基本的なビジネスマナーを教える必要もないでしょう。

人脈や横のつながりが広いと、企業にとっても新たな取引先の開拓につながるメリットが期待できます。

ジョブホッパーを採用するデメリット・注意点

経験が豊富で、社内ノウハウの蓄積が期待できるなどのプラスの側面がある一方で、ジョブホッパーの採用には、マイナスの側面もあります。

採用を検討する場合は、ジョブホッパーを採用するデメリット・注意点についても、考慮するようにしましょう。

  • 忍耐力が足りないケースがある
  • 人間関係を深めづらい
  • 協調性が欠けているケースがある
  • スキル不足のケースもある

企業がジョブホッパーを採用するデメリットと注意点を見ていきましょう。

忍耐力が足りないケースがある

ジョブホッパーを採用する場合は、3年以内といわずに、すぐに別の企業に転職してしまう可能性を考慮しておく必要があります。

ジョブホッパーは、飽きやすく、判断スピードもはやいため、別の企業や職種、業界に魅力を感じると、すぐに転職してしまう可能性があります。

すぐに転職されてしまうと、採用活動にかかった時間や費用などのコストが無駄になってしまうでしょう。

また、再度採用活動をする場合、コストがかかることにくわえて、採用担当者や教育係の負担が大きくなる点も考慮しておくべきです。

人間関係を深めづらい

ジョブホッパーは、広く浅い関係性を築くのがうまい一方で、関係性を深める取り組みは苦手な傾向があります。

社内の人間関係を深めるには、ある程度の期間が必要になる場面も珍しくありません。

ジョブホッパーは、3年以内に辞めるケースが多いため、周囲に馴染み切れない場合があるでしょう。

また、短期間での転職を見据えているジョブホッパーの場合、自分から関係性を深めようとせず、社内コミュニケーションの活性化に悪影響を及ぼす可能性もあります。

従業員が、心理的安全性を保って、健康的に働くためにも、企業側はコミュニケーションの方法を工夫する必要があります。

協調性が足りないケースがある

ジョブホッパーは、自分の意見を強く持ち、主張できる一方で、周りの意見を聞かずに押し通してしまうケースもあります。

ビジネスシーンでは、仕事を円滑に進めるために、時には妥協点を探り合う姿勢が求められます。

妥協点を見つけようとせず、自分の意見ばかりを主張してしまうと、たとえそれが正しかったとしても、協調性に欠ける人だと認識され、孤立してしまう可能性があります。

風通しの良い職場をつくるためには、自分以外の意見にも耳を傾ける姿勢が必要です。

>一方的なコミュニケーションの弊害に関する記事はこちら

スキル不足の場合もある

ジョブホッパーのなかには、自分のスキルを過剰評価している人もいます。

たとえば、さまざまな職種や業界の経験だけが増えていき、スキルが身についていないケースもあるでしょう。

履歴書や面接でスキル不足を見抜けないと、企業が求めるスキルが備わっておらず、入社後にミスマッチが生じてしまう可能性があります。

自社が求めるスキルを保有しているか否かは、経験だけに気を取られずに、しっかりと見極める必要があります。

優秀なジョブホッパーを見極める4つの方法

ここまでジョブホッパーを採用するメリット・デメリットを確認してきました。

ジョブホッパーは、転職を繰り返す中で、経験やスキル・知見を深めているため、企業にとっては即戦力となることが期待できます。

ただし、ジョブホッパーのなかには、経験ばかりが増え、重要なスキルや知見が備わっていない人もいます。

では、企業が優秀なジョブホッパーを採用したい場合は、どのようなポイントを押さえておくとよいのでしょうか。

優秀なジョブホッパーを見極める4つの方法を解説します。

  • 方法(1):業界・職種に一貫性がある
  • 方法(2):転職の理由が前向きである
  • 方法(3):強みと弱みを把握している
  • 方法(4):専門性が高い職種である

ジョブホッパーの採用を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

方法(1):業界・職種に一貫性がある

優秀なジョブホッパーの場合、キャリアビルダーと同じく、転職先の業界や職種に一貫性がある傾向があります。

たとえば、ITやWeb業界に関わる企業を一貫して選択しているといった例や、業界は違うものの、事務職で統一されているといった例があげられます。

採用を検討する際は、志望理由などを聞き取りながら、転職の理由や目的に矛盾がないかも確認してみてください。

方法(2):転職の理由が前向きである

優秀なジョブホッパーの場合、転職の理由がポジティブです。

「別の企業で挑戦してみたいことがあった」「異なる業界で自分のスキルが通じるか試したかった」など、キャリアや収入を高めるための選択は、前向きな理由に当てはまります。

反対に、「仕事が自分にあっていなかった」「人間関係に問題があった」などの理由で、短期間の転職を繰り返している場合は、注意が必要です。

自社で活躍できる人材なのかどうかは、履歴書に書かれた情報だけでなく、面接時の会話を通じて、確かめながら判断しましょう。

方法(3):強みと弱みを把握している

優秀なジョブホッパーは、自分ができることとできないことを正しく把握しています。

客観的に自分の能力を見極められると、自信過剰に陥る懸念もありません。

そのため、ジョブホッパーが、自分自身を冷静に把握できているのかも、採用の判断基準のひとつとしてください。

備えているスキルや実際の経験以上に自分自身について語る場合は、スキルが追いついていない可能性があります。

専門的なスキルが求められる仕事の場合は、現場の従業員と実際に会話をさせるなどで、スキルを見極めるようにしましょう。

方法(4):専門性が高い職種である

優秀なジョブホッパーは、高いレベルのスキルや技術を保有しています。

キャリアを高めていく向上心や意欲が強いと、仕事を通じて、日々勉強を続けているケースが多いでしょう。

過去の経歴を聞きながら、どの程度の専門性があるのかも確認する対応が大切です。

ジョブホッパーを採用する際の注意点

ジョブホッパーは、ひとつの企業に定着せずに、再び転職してしまう可能性も高いため、長期的に成果を上げていく必要があるポジションを任せるには向かないといえるでしょう。

面接時や入社後に、どのようなキャリア形成を検討しているのかをヒアリングして
本人のビジョンを把握しておく取り組みも大切です。

企業とジョブホッパーの両方が、納得して働けるポイントを模索してみてください。

たとえば、即戦力として活躍できる配置を検討したり、ノウハウやナレッジの展開が求められる業務を任せたりなど、適材適所の配置をすることが、企業・従業員の双方にメリットをもたらす上で重要です。

企業側は、採用にかけた時間や費用が無駄にならないように、ジョブホッパーに任せる仕事や影響範囲を想定しておくようにしましょう。

ジョブホッパーは経験が豊富なことが多い

ジョブホッパーは、成長意欲が高く主体的に行動できる強みがあるため、採用により周囲の従業員に好影響を与えたり、生産性向上を期待できたりなどのメリットがあります。

しかし、慎重に採用を進めないと、忍耐力や協調性が足りなかったり、求めるスキルを身につけていなかったりなどのミスマッチが生じる危険性もあります。

ジョブホッパーの採用を検討する際は、メリット・デメリットを把握したうえで、自社にとってプラスとなる優秀なジョブホッパーを採用できるように、慎重に進めましょう。

「ジョブホッパー」は、海外を中心に広く知られている言葉ですが、近年の日本では、終身雇用制度は崩壊しつつあり、転職の考え方が一般的になっています。

そのため、企業が持続的な成長を目指すためには、人材流出のリスクを予防し、優秀な人材が長く働ける環境を整備する必要があります。

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